ミッドウェー海戦研究所

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日本海軍

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三浦虎次郎は最後に副長に言う、「定遠は、まだ沈みませんか」
 
 
「勇敢なる水兵」という唱歌は私の好きな唱歌のひとつです。
昔の唱歌というのはなぜか魂を揺さぶるものが多いものです。それは歴史の事実を歌にした先人たちの魂の叫びを聞くような気がするからです。・・・
 
明治812月、佐賀県にて三浦虎次郎は産まれました。虎次郎は生まれつき体が大きく、腕っぷしも強く、負けん気が人一倍強く、村では餓鬼大将として「鬼虎」の愛称で呼ばれていました。しかも友情に厚く同僚や部下を可愛がり、強い者には立向うが弱い者を助けるという義侠心にも富んでいました。
明治25年、虎次郎はわずか17歳で海軍に志願し、佐世保海兵団に入団したが、間もなく日清戦争が勃発し、彼は旗艦「松島」に乗り込んだが、・・・。
 
明治19年、長崎に清国の「定遠(ていえん)」「鎮遠(ちんえん)」などの北洋艦隊やって来て、いきなり上陸してきた500人の清国水兵たちが日本人に暴行するなど危害を加えました。世に言う長崎事件です。
その時、日本政府は満足な抗議もせず、何の手段も講じませんでした。これに日本国民の世論は憤りとなってくるのです。
しかし、日本の国民は清国の主力艦「定遠」「鎮遠」をやっつけるほどの戦闘艦を日本が持っていないことをよく知っていました。
その口惜しさを込めた当時の大流行した唄が「欣舞節」です。
この唄には「恨みかさなるチャンチャン坊主」という言葉が出てきます。また「ちゃんころ」という言い方もあります。これは支那をバカにする言葉として知られていますが、元々は支那への日本人の劣等感から出来た言葉です。大国清国に怯える当時の日本国民の姿が唄われています。
ちなみに朝鮮人は「チョン」と言っていました。
「バカでもチョンでもできる」という言い方をしますが、このチョンとは朝鮮人のことです。
 
朝鮮で東学党の乱が起こると、清国は「属邦である朝鮮を保護する」と言って、5000名の兵を朝鮮に送り込みました。
それを聞いた日本政府は「朝鮮を属邦とは許せない」と反論し、天津条約により兵を送り込みました。
日本は朝鮮に関して清国との間ではもはや軍事力によるしかないと、今までの経緯からそう考えていました。清国からすると日本など少し脅せばビビって撤退するだろう程度にしか考えていませんでした。また、当時の世界の目は清国が有利であるというのが常識でした。
ロシアやイギリスの公使たちからは日本政府に、清国ともう一度話し合いをしてみてはどうかと打診してきました。列強というのはこのように干渉して恩を売り恩恵に預かろうとしていました。
 
「清国と一戦も辞せず」
ついに日本政府は最後の決断を下しました。
 
この日清戦争で一大決戦と言えば陸の「平壌の戦い」と海の「黄海の海戦」ですが、三浦虎次郎の話は「黄海の海戦」という日・清の主力艦隊による海戦で起きたのです。
 
日・清の艦隊の隻数はほぼ同じです。
しかし清国の「定遠」「鎮遠」の30センチ主砲4門の威力と装甲の分厚さは、日本艦隊では全く及びません。日本の「松島」「橋立」「厳島」には32センチ口径砲1門が装備されていましたが、砲身が重すぎて旋回、照準が不安定で実戦では命中ゼロでした。
 
しかし、その不利を補ったのは「吉野」などの巡洋艦の高速と、15と12センチ速射砲の発射速度と精度が勝っていることでカバーしました。
「吉野」は最高24ノットであり当時としては世界一のスピードであると言われていました。
「定遠」「鎮遠」の撃沈は難しいが、日本はそのすばしこさと精度で戦うことになりました。
 
「日本艦隊が終始一貫、整然たる単縦陣を守り、快速力を利して自己の有利なる形において攻撃を反復したのは驚嘆に価する。清国艦隊はいきおい守勢に立ち、混乱した陣型のまま応戦するだけであった」
これはこの海戦を目の当たりにした米国海軍少佐が報告書に書いたものです。
 
しかし、「鎮遠」の巨弾が「松島」に命中すると、一気に96名の死傷者を出しました。
それでも日本艦隊は陣型を乱すことなく、清国艦隊に近づきながら集中火を浴びせ、そして離れ、
を繰り返しました。そして、清国艦隊は次々撃沈され、「定遠」に命中した砲弾は159発、「鎮遠」には220発も命中しました。
 
「清国に定遠と鎮遠のある限り日本は危ない」、これが当時の日本国民が持っていた共通の認識でした。もちろん日本軍の一兵卒までそのことはわかっています。
 
そして、日本の「松島」は敵弾が中甲板に当たり、積んであった弾丸などが爆破し、無数の破片が上甲板に飛んできました。
その破片に腹をえぐられて三浦虎次郎三等水兵はその場に倒れていました。
そこに向山慎吾副長が通りかかります。
目も鼻も腫れあがった顔をした三浦水兵は副長を見上げ、
「副長」、と苦しそうにと叫びました。
そしてこう言います。
「定遠は、まだ沈みませんか」
副長は大声で、
「大丈夫、大丈夫。定遠はもう撃てないほどやっつけた。これから鎮遠をやるのだ」と言いました。
三浦水兵は安心して微笑み、
「どうか、この仇(かたき)を討って下さい。天皇陛下万歳!」
と言って、そのまま息を引き取りました。
三浦虎次郎 19歳。
 
当時、清国兵は訓練もろくにされていない弱兵でした。
それに比べて日本軍は上から下までよく訓練されており、しかも士気が高く、日本の置かれている状況をきちんと理解していました。
この黄海の海戦で日本は完勝し、国じゅうが大勝利に湧きかえり、多くの軒々には日の丸がはためいていました。
 
その後、この三浦虎次郎を題材とした唱歌「勇敢なる水兵」は多くの子供達に歌われ、虎次郎の勇気に感動しました。また、多くの国民もこの勇気を長く胸にしるしてきました。
 
三浦水兵には次のような話が残っています。
佐世保から清国との海戦の出撃直前に慰問に来た三浦水兵の両親が郷土の人々から贈られた餞別を渡そうとすると、三浦水兵はその好意に感謝をしながらも父の手を制して、
「私は今日までご迷惑のかけ続けで、ただの一度も両親たちを喜ばせたことがありません。
この度、君国の大事にあたり、近い内に出征できることを無上の光栄と思っています」
と、懐から財布を取り出し、
「このお金は私が貯えたものです。が、戦地では必要ありません。ほんの僅かですがお父さんのタバコ代にでもして下さい。それから、私への餞別は出征できないで海兵団に残る同僚が沢山いますので、彼らにあげて下さい。私は一文もいりません」
 
 
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 昭和4年、三浦虎次郎の35回忌に顕彰碑が作られました。戦後、これをGHQによって壊すように強要されましたが、拒み続け、ついに碑文だけ削ることになりました。その後、佐賀県知事や地元有志が浄財を集めて記念碑が修復され、昭和36年に三浦虎次郎の慰霊祭が行われ、遺族が感謝し、感激にむせんだのです。
 
 
 
 
煙も見えず雲も無く 風も起こらず波立たず 
鏡のごとき黄海は 曇り初めたり時の間に
 
空に知られぬ「いかずち」か 波にきらめく「いなづま」か 
煙は空を立ちこめて 天津(あまつ)日影も色くらし
 
戦い今やかたけなわに 務め尽せる丈夫の 
尊き血もて甲板は から紅に飾られつ
 
弾丸の砕片(くだけ)の飛び散りて 数多(あまた)の傷を身に負えど 
その玉の緒を勇気もて つなぎ止めたる水兵は
 
副艦長の過ぎゆくを 痛むまなこに見とめけむ 
苦しき声をはりあげて 彼は叫びぬ「副長よ」
 
呼び止められし副長は 彼のかたへにたたずめり 
声をしぼりて彼は問う 「まだ沈まずや定遠は」
 
副長の眼はうるおえり されども声は勇ましく 
「心やすかれ定遠は 戦い難くなしはてき」
 
聞きえし彼は嬉しげに 最後の微笑をもらしつつ 
「いかで仇を討ちてよ」と 言う程もなく息絶えぬ
 
皇国につくす皇軍の 向う所に敵もなく 
日の大御旗うらうらと 東の洋をてらすなり
 
「まだ沈まずや定遠は」 この言の葉は短きも 
皇国(みくに)を思う国民(くにたみ)の 胸にぞ長くしるされん
 
 
・・・・・・・
 
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転載元転載元: さくらの花びらの「日本人よ、誇りを持とう」

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 本日4月7日は、1945年坊ノ岬沖海戦で、アメリカ海軍の航空攻撃により戦艦大和が撃沈してから67周年にあたります。
 
 そこで、本日は戦艦大和撃沈67周年追悼特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 
 「戦艦大和」や「坊ノ岬沖海戦」の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目をご覧下さい。
 
下にアマゾンに公開したレビューを掲載します。
 
装甲の解説に難あり
評価 ★★★★
本書は、ミリタリークラシックスに以前、掲載された記事を一冊のムックに纏めた本です。

そのため、既にミリタリークラシックスを購入された読者の方は、内容紹介に記載された目次を見た上で、内容の重複の有無をよく確認してから、購入することをお勧めします。

内容は、概ね問題ないといえますが、幾つか言及しなければならない箇所が存在します。「●擬人化「大和」さん」の萌えイラストから解るように、初心者向けを念頭に置かれた書籍のためか、「● CG解説 大和型戦艦のメカニック」の解説文で、旧海軍用語を避けて使用しているので、正確な記述とは言い難いものが幾つかあります。

例えば、30Pに「艦橋」の解説がありますが、「前檣楼」が本来の呼称です。また、23Pに「浸炭鋼」と書かれていますが、旧海軍用語では「炭和鋼」で、初心者向けだからこそ、この様な点の解説を行うべきと思いますが、残念ながら行われていませんでした。

さらに「● CG解説 大和型戦艦のメカニック」の解説文では、明らかに間違った解説もあります。

23PにVH鋼の解説で「日本海軍最高の強度を持つ装甲板だが、戦後のアメリカ軍の調査によれば、米軍の同時期の装甲板に比較して、一割程度弱かったとされる」が、続・海軍製鋼所技術物語で、この説は否定されており明らかに問題のある記述と言えます。

それ以外にも「● CG解説 大和型戦艦のメカニック」には、装甲に関して首を捻りたくなる記述があるため、星4つとさせていただきます。
 うーん、明らかに内容が不足していますねので、近日中に加筆する予定です。(~_~;)
 
 上のアマゾンに公開したレビューにご賛同いただける方で、アマゾンの「このレビューは参考になりましたか?」の項目に「はい」にクリックをお願いします!
 
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 本日1月29日は、1943年 第二次世界大戦に於けるソロモン諸島の戦いで生起したレンネル島沖海戦で日本海軍航空隊が航空攻撃でアメリカ軍の重巡洋艦シカゴ(USS Chicago, CA-29)を撃沈してから69周年にあたります。
 
 そこで、本日はレンネル島沖海戦戦勝67周年特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 
 「レンネル島沖海戦」や「一式陸攻」をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目をご覧下さい。
 
下にアマゾンに公開したレビューを掲載します。
 
「なかなか良い本です」
評価 ★★★★★
本書の目次は、以下の通り。(数字はページ数)

カラー特集① 精密CG再現「一式陸攻の全貌」
出撃! 7/進撃高度を取れ! 8/機上での食事 10/厠を使う 12/ブリスターを外す 13/照準開始投弾! 14/敵機襲来!! 16/各機銃座応戦せよ! 18/消火装置作動! 20/接地 手空き搭乗員尾部へ走る! 22
G4M1仮称一三型解剖図 24/G4M1〜G4M2E各型の比較 26/G4M2「仮称一式陸攻一二型」 28/G4M2二二乙型 30/G4M2E二四丁型 31

COLOR COLUMN「一式陸攻」の標準的な機体塗装について 32

PHOTO DOCUMENT「一式陸上攻撃機」の変遷
G6M1改造の「一式陸上攻撃機一一型(G6M1-L)」40
(中略)
「一式陸攻」の主脚とタイヤ 70

特集 「一式陸上攻撃機」開発ドキュメント
第1章:陸攻発達概略史 陸上攻撃機とは何だったのか? 72
第2章:「一式陸攻一一型」 航空撃滅戦を戦った栄光の翼 76
第3章:二二型、二四型〜二七型 新型「一式陸攻」決戦に間に合わず! 84
第4章:大規模な改設計 三四型とさらなる後継機 90

DATA COLUMN 陸攻・陸爆の生産数と戦闘・自然消耗数比較 95

TECHNICAL FILE 海軍航空本部技術資料「十二試陸攻計画要求に関する件」議事摘録 96

カラー特集② 「一式陸攻」大図解 生産2446機の全バリエーション 111

特別企画
[第1部]「一式陸攻」搭載の機銃と機銃座 152
[第2部]インテグラルタンクを防弾せよ! 158
[第3部]「一式陸攻」は決して脆い機体ではない! 165

DATA FILE 一式陸上攻撃機 製造番号リスト 173

ワイド折込み
〔1〕帝国海軍 陸上攻撃機発達チャート 103
〔2〕一式陸上攻撃機 各型発達チャート 107

 以上の目次を見て解るように、本書では歴史群像シリーズの艦艇での特徴であるモデラー向けの模型特集が一切無い。イラストとCGで、モデラーのみならず航空機ファンも満足させる構成となっており、評者としては、この構成を高く評価したい。

 また、内容も充実しており、多くの読者を満足させる内容になっていると評者は考える。しかし、全く疑問や不満が無いわけではない。

 大塚好古氏が解説する「特別企画「一式陸攻」は決して脆い機体ではない!」では、首を捻りたくなる部分がある。

 「一式陸攻」が特別に脆弱で無いことを証明するために、バトル・オブ・ブリテン時のドイツ空軍の爆撃機の損害とガダルカナル作戦時の高空爆撃での「一式陸攻」の損害率を比較し、共に損害率が10%である数値を示して、「一式陸攻」が落とされ易い機体で無いことを論証している。

 しかし、この10%という数値を連合軍の損害と比較すると必ずしも低いとは言えない。英空軍の大規模爆撃での最大の損害率が1944年3月30日に行われたニュルンベルグ爆撃で、英爆撃機の損害率が11.9%に及んだ。作戦規模と機体の差異があるので、一概に同レベルと断言出来ないものの、10%の損害率が決して低くない査証にはなると思われる。また、米陸軍航空軍の第8航空軍による1943年の高空爆撃もシュバインフルト爆撃での大損害を蒙るまでは、損害率が数%で推移しており、やはり10%の数値は絶対数で、高い印象を受ける。

 また、オーストラリア、ダーウィン上空でスピットファイヤから迎撃を受けた時の「一式陸攻」の損害率が、バトル・オブ・ブリテン時のドイツ空軍の爆撃機より低かった点も「一式陸攻」の堅牢さを物語る数値として上げているが、スピットファイヤの部品が不足し、性能を完全に発揮しなかった証言もあるので、この点に関しては、議論の余地があるのではないだろうか?

 このように主観的な判断によって、左右される数値の論証による一式陸攻の擁護より、むしろ一式陸攻の足を引っ張った要因に言及すべきだったと考える。

 即ち、魚雷の信管と爆薬の性能である。(旧日本海軍では信管を「爆発尖」と呼称しましたが、便宜上「信管」を使います)

 もし、仮に火薬製造能力で劣後した日本海軍(一式陸攻が使用した九一式魚雷に充填された九七式爆薬は、第一次世界大戦時のドイツ海軍の魚雷とほぼ同一、威力はTNT換算で約7%増し程度)が、連合軍並みの炸薬、つまりのTNT換算で1.5の数値を誇るTorpexの製造に成功し、また、信管も確実に作動する磁気信管を実用していれば、今日、我々の知る一式陸攻と全く異なる評価でしょう。

 例えば、レンネル島沖海戦で撃沈した重巡洋艦シカゴ以外に、魚雷の不発で取り逃がしたルイビル、ウイチタや大破した駆逐艦ラ・ヴァレットの撃沈も夢では無いでしょう。そうなれば、第一次ソロモン海戦に匹敵する戦果を挙げた一式陸攻の後世での評価が激変は確実です。

 一式陸攻が偉大な名機として、記憶に残るためには知られざる側面の能力強化が必須であることを巷間に問えなかった点が、本書での評者の唯一の不満材料となりましたが、その他の点では、非常に優れた書籍と思われるので、星5つです。
 
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重巡洋艦利根型『利根』(昭和17年5月27日 柱島)
May.27,1942:Heavy-cruiser "Tone" at Hashirajima
 
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 ブログ「サラリーマン分のオタク野郎」さんの記事「『MC☆あくしず』 Vol.23」のコメント欄で、日本帝国海軍重巡洋艦利根型」の3、4番砲塔の主砲配置(ブログ「旧日本海軍・艦艇写真のデジタル着彩」さんより引用した「重巡洋艦『利根型』 Tone-class Heavy cruiser.」上の写真を参照)に対して、管理人のHAYASEさんがこんな疑問点言及されていました。
 
では利根型の第3・第4砲塔はさらに謎の配置ですね、完全に横向きですw
 
 この疑問にお答えすべく、前回の【日本海軍】重巡洋艦「妙高型」「高雄型」主砲配置の解説に引き続き日本帝国海軍重巡洋艦利根型」の3、4番砲塔の配置の謎解きに挑戦したいと思います。
 
五十口径三年式二号二十糎砲九一式徹甲弾
イメージ 4 まず、この記事を読み始める前に「【日本海軍】重巡洋艦「妙高型」「高雄型」主砲配置の解説」を読まれていることを前提に話を進めますので、ご覧になれていない方は、必ず「【日本海軍】重巡洋艦「妙高型」「高雄型」主砲配置の解説」に目を通されてから、以下の記事をご覧下さい。
 
 前回の記事のデメリット②で、重巡洋艦妙高型」及び「高雄型」の斉射時に発生した不規則弾について述べました。不規則弾とは、斉射時に目標から大きく外れて弾着した砲弾を不規則弾と呼び、「妙高型」が五十口径三年式二〇糎砲を正味20cmから2号20cm砲でロンドン海軍軍縮条約で定められた最大口径である8インチ=20.3cmに変更し、八八式徹甲弾を使用するようになってから、生ずるようになりました。(左のイラストは、九一式徹甲弾ですが、砲弾の尾部がボートテールである以外は、同一の構造のため掲載しました)
 
 「古鷹型」「青葉型」の命中率が16%であるのに対し、「妙高型」「高雄型の命中率が5%(射撃距離不明)と僅か三分の一で、「古鷹型」「青葉型」より新型重巡洋艦である「妙高型」「高雄型」の存在に疑問符が付けられました。
 
 その原因を当時の日本帝国海軍は、細長い船体のために前後の砲塔間の船体強度不足で生じた船体ねじれ現象、つまり船体の縦強度に何らかの悪影響が有ったのではないかと推測しました。
 
 下の図は、船の縦強度で問題となる剪断力(せんだんりょく)を示した図です。
 
イメージ 2
 
 上の踏まえて、下の図をご覧下さい。
 
イメージ 3
 
  砲塔の上の矢印は、管理人が砲塔の重量が船体に掛かっていることを強調するために画像を加工したものです。一概に商船の剪断力と同一視することは出来ませんが、砲塔が前後にあるために船体が「へ」の字型に曲がるような圧力が掛かっている事が解るかと思います。
 
 この様な推論を踏まえて、日本海軍は「利根型」の建造で何らかの対応を進めたのではないか?と後世の艦船研究家は推測しています。(この重心説は、遠藤昭氏が唱えた説)実を言うと、「利根型」の建造経緯は今でも謎の部分が多く、何時の時点であのような砲塔の配置になったのか謎のままになっています。一説に拠ると、もともと「最上型」の5,6番艦だったものが、建造途中で設計変更された説と当初からあの形態だった説の二つが有ります。
 
 次に「利根型」重心は、以下のようになっています。
イメージ 5
 
 これで解るように重心が掛かる砲塔を一箇所に纏めて、船体の強度不足に対応していることがわかります。
 
 そして、その結果は…、「利根」完成時の散布界は四〇〇メートル!w (一般的な散布界は古鷹型を例にとると、射距離一五、〇〇〇メートルで遠近二〇〇メートル、左右四〇メートルほど)全く無駄に終わりました…。orz
 
 結局、海軍は委員会までつくって調査したものの、原因不明で終わりました。
 
 昭和十二年の九八式発砲遅延装置(電気的にミリ・セコンドの単位で、左右両砲の発射タイミングをずらす装置)の採用により、この問題は解決されたように思われましたが、九八式発砲遅延装置で完全に解決されていなかったことは、小説「暁の珊瑚海」で珊瑚海海戦を前にしたトラック島での演習をした第5戦隊(妙高羽黒)と第6戦隊(青葉衣笠加古古鷹)の命中率を比較した証言によって確認できます。
 
 その証言に拠ると、相変わらず「妙高型」の命中率は悪く、この時点で兵員の錬度の不足や九八式発砲遅延装置の採用で砲弾の干渉は除去されている筈であり、命中率低下の原因は砲と砲弾と船体の相乗現象である可能性が高いでしょう。
イメージ 6
 因みにこの現象は、米海軍の重巡洋艦でも発生しており、日本海軍だけが性能面で劣後していたわけではありません。
 
 前回の記事のデメリット②で矛盾が有る事に気付かれた方も多いでしょうが、答えはこれになります。つまり、当時の命中率で成功した巡洋艦は、60口径三年式15.5cm3連装砲を搭載した「最上型」かドイツ海軍重巡洋艦アドミラル・ヒッパー」型ぐらいしかなく、8インチ砲を10門や9門を搭載した重巡洋艦をキッパリ諦めるしかない。そのため、三連装砲塔の採用は必ずしも解決にならないが、その答えです。
 
 最後に悲しむべき結論を慰めるべく、新たな癒しの画像を左に用意しましたので、ご覧下さい!w
 
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 ブログ「サラリーマン分のオタク野郎」さんの記事「『MC☆あくしず』 Vol.23」のコメント欄で、日本帝国海軍重巡洋艦妙高型」や「高雄型」の3番砲塔の主砲配置(下の写真参照)に対して、こんな疑問点が言及されていました。

・・・前々から思っていたのだが、前面の主砲3門の配置おかしいだろぅ?
なんで2番目が高くなっているんだ?
大和とかのように山なりな配置にしなかったのには何の理由があるんだろう?

 そこで、この疑問は拙ブログの趣旨に沿うものでしたので、読者からの受けが悪いですが、本日は珍しく管理人による解説記事をお送りします。(ググってのですが、この疑問に対する回答がありませんでした。)
 
イメージ 3
 
 恐らく質問の趣旨は、上の写真のノーザンプトン級重巡洋艦のように3連装砲塔を背負式配置にしないのはおかしいという、疑問だと思われます。
 
 確かにもっともな議論なのですが、3連装砲塔を背負式に採用した場合は、幾つかのデメリットが生じます。下に問題点と解決策、更にその問題点を括弧内に列挙します。
 
デメリット①
連装砲塔に比べて3連装砲塔の場合は艦体の縦横比が低くなる。即ち、艦体が太くなって抵抗が増し速力が低下する。
 
解決案→バルバス・バウの採用で、造波抵抗を打ち消す。
(適切な球状艦首を製作しないと、逆に抵抗が増す。しかも、手作りで量産性が悪い)
 
デメリット②
「デメリット①」の条件を満たすために、砲身の間隔を短くすると、発射された砲弾に干渉を起こして着弾散布界が悪くなり(目標から大きく外れた不規則弾と呼ばれる砲弾が続出すること)、砲弾の命中率が悪くなる。
 
解決案→発砲遅延装置で対応する。(アメリカでは、開発が失敗!開き直って、砲身の間隔を開ける事に…。orz)
 
デメリット③
「デメリット①」の条件を満たすために、砲身の間隔が狭い三連装砲塔を開発する際に、尾栓の処理をどうするのか?という問題をクリアーしなければならない。
 
解決案→垂直鎖栓式閉鎖機を採用するか隔螺式閉鎖機の隔螺のスイングをスペースに配慮させた形にする。(解決策のデメリットは、下記参照)
 
デメリット④
砲塔に被弾した際に三連装砲塔では、失われる火力が連装より大きくなる。
 
解決案→装甲を施す。(砲塔に施した装甲の重量によって艦の重心点が上になり、艦のローリング(横揺れ)が大きくなって、砲弾の命中率が悪くなる。船の揺れ方は、下のイラストを参照して下さい)
 
イメージ 6
 
餓鬼の性癖27」より引用した韓国陸軍のK-1戦車の末路…。
イメージ 7デメリット⑤
 砲弾が砲身内で爆発する膅発(もしくは腔発)と呼ばれる現象(左の写真の砲身ような現象です)が、発生した場合の火力の減少が、三連装砲塔では、失われる火力が連装より大きくなる。
 
解決案→対処方法、炸薬を入れた砲弾を諦める。(無理!w)
  
ブログ「Ryofuのゲーム日記」さんの記事
9月18日海外紀行ウラジオストック その5」より引用
イメージ 5 大体これらが、問題及び解決策、そして解決策の問題点として浮び上がります。
 
 垂直鎖栓式閉鎖機や隔螺式閉鎖機と言われてもピンと来ない人も居るでしょうから、写真で説明するとこんな感じです。
 
 ←左の写真が、隔螺式閉鎖機。
 
 閉鎖機をスイングさせて、砲弾を装填することがわかります。でも、この方式だと三連装砲塔の真ん中の砲身の尾栓をどのように旋回させるか問題になるのが、一目瞭然です。
 
 諸外国の例を挙げるとアメリカは下に閉鎖機をスイングさせますが、動力が故障した際に人力で閉鎖機を閉鎖するのに、問題でしょう。フランスは、上に…、危なくて論外なので次!日本海軍の最上型重巡洋艦60口径三年式15.5cm3連装砲で採用された方法、それは斜め上!orz (恐ろしい事に、これは実話です…。)
 
イメージ 4 次に、垂直鎖栓式閉鎖機。(左の写真が、それです。)
 
 写真を見ても解るように何とかなりそうです。垂直鎖栓式閉鎖機の長所を挙げると、まず製造が容易。
 
 また、発射速度が隔螺式閉鎖機より向上するために、発射速度が重視される巡洋艦での採用例が多く、全ての軍艦が垂直鎖栓式閉鎖機を採用したドイツ海軍やロンドン海軍軍縮条約明けの米英海軍でも採用されました。
 
 しかし、これにも欠陥が有ります…。
 
 ロンドン海軍軍縮条約明けと書いた時点で気付かれた方も多いでしょうが、重量が嵩む。さらに構造上、発射時の燃焼ガスを閉鎖機で完全に止めることが出来ないため、金属薬莢の使用が必須で、省資源の観点から不利。しかも、廃莢した薬莢が砲塔に溢れるため、その分の労力が不利。薬莢を捨てるための廃棄口がBC兵器対策の観点から問題になると言った具合です。
 
 これらの欠点はロンドン海軍軍縮条約で重量軽減に血道をあげている日本海軍で採用される可能性が皆無でしょう。
 
 それ故に、の妙高型」や「高雄型」の三番砲塔は、ピラミッド配置を採らざるを得なかったのです。(はぁ〜、疲れた…。)
 
 最後まで読まれた奇特な方のために、管理人より癒しの映像を用意させていただきました。ご堪能下さい!w
 
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