ミッドウェー海戦研究所

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日米安保破棄を真剣に検討し始めた米国
米軍の再編がもたらす日本の危機にどう立ち向かうか
 
1.はじめに―クリントン国務長官論文
ラリー・クリントン米国務長官が“Foreign Policy”誌(10月11日号)に「これからの世界政治はアジアで決まる。アフガニスタン、イラクでではない。米国はこれからもアクションの中心にい続けるだろう」と題する長大な論文を発表した。
香港で講演するヒラリー・クリントン米国務長官〔AFPBB News
 
 筆者の若干の私見を加えて要約すれば、その論旨は以下の通り。
 
(1)米軍は経済力減退に伴い引き続き「世界の警察官」を全うするに足る戦力を維持することができない。
 
 従って、今後は、重点戦域を定め、一部からは思い切って撤退し、特定戦域に戦力を集中して配備する必要がある。
 
(2)しからば、重点的に米軍を配備する正面はどこにするか。それは中国が台頭し、米国の経済的利益も大きいアジア太平洋にほかならない。
 
(3)アジアにおける冷戦後の重点配備は、日本と韓国であった(合計で5万人強の米軍を配備)が、これを見直す(日本に対する戦略的期待が低下したものと思われる)。
 
(4)新たな配備の方向性は次の通り。
 
●米軍配置を地理的にもっと広げ(distributed)、抗堪性があり、政治的にも問題性の少ない(sustainable)ものとする。
 
●特に南アジア、インド洋での米軍プレゼンスを強化する。豪州は南アジア、インド洋をコントロールするうえで、戦略的な重要国家。
 
●昨今は太平洋とインド洋が軍事的にも一つながりになってきた。シンガポールは、両洋を繋ぐチョークポイントで、戦略的に重要。同国には既に沿岸防衛用艦艇を配備したし、これからは共同作戦も検討する。
 
●このような戦略上のニーズに、米軍の配備・行動をどう合わせていくか。現状のトランスフォーメーションを見直す必要がある。いずれにしても米軍のプレゼンスをもっと広く分布させる必要があり、そのために同盟国、パートナー国を増やしていく。
 
沖縄の普天間飛行場から東日本大震災の救援のために飛び立つ米軍のヘリコプター
(3月12日)〔AFPBB News
 
2.従来のトランスフォーメーションの概要
 
 冷戦間、米軍は、ソ連を封じ込める体制――前方展開戦略――に基づいて配置されていた。1991年のソ連崩壊後、米国はその世界戦略の見直しを迫られた。
 
 米軍の展開態勢見直し(Global Posture Review, GPR)は、海外駐留米軍の体制を根本から見直すもので、QDR2001(2001年に公表された、4年毎の国防政策見直し)において宣言されたのち、2003年11月より正式に開始された。
 
 その基本構想は、次のようなものだ。
 
(1)共産圏諸国封じ込めのため、その周囲に配置した米軍兵力は時代遅れ

(2)師団(約2万人)ではなく旅団(約4000人)を戦闘単位とし、小型軽量の部隊を急速に展開できるようにする

(3)ITを全面的に活用し、情報収集と命中精度を飛躍的に向上させ、重い砲を減らす

(4)テロ活動と大量破壊兵器の拡散が米国への脅威で、それへの対応に力点を置く
 
 この基本構想は、ソ連崩壊後の米国は相対的に突出した軍事力を保持し、世界の警察官として、全世界に関与する――という前提になっていた。
 
 ちなみに、この一環として、日本でも、(1)沖縄の第3海兵遠征軍司令部、第3海兵師団など8000人をグアムに移転、(2)在韓国の第8軍司令部を廃止する代わりに、小型(約300人)の第1軍団司令部を米ワシントン州から神奈川県の座間に移転すること、が表明された。
 
東日本大震災による津波で、一面がれきの山と化した水田〔AFPBB News
 
3.米国・米軍にとっての新たな情勢の出現
 
 QDR2001が策定された頃に比べ、米国・米軍の戦略環境は以下のように大きな変化を見せ始めた。
 
(1)日本の没落
 
 日本が経済的に没落しつつある。今次、東日本大震災は日本の没落を加速する可能性がある。また、政治的には民主党政権が出現し、従来の自民党ほどには米国の意のままにならなくなった。
 
 米国は日本を、「太平洋の要石(Key Stone of the Pacific)」 と位置づけ重要視してきたが、今後、日本を米国戦略に活用する目算が立ちにくくなりつつある。
 
(2)中国の台頭と軍事的脅威の顕在化
 
 米国の当初の対中国政策は、「ヘッジ」と「エンゲージメント」政策の二股を掛けたものだった。
 
 「ヘッジ」とは、将来、中国が米国の覇権に挑戦する時には、いつでも中国を軍事力で制圧するか、封じ込め得る体制を作ることを指す。
 
 「エンゲージメント」政策とは共産党独裁国家の中国を米国と同じスタンダードに徐々に変えるために中国と関わることで、経済・社会・人権基準などを米国なみに整合させようと努力することだ。
 
 しかし、最近、米国は、中国が空母建造に踏み切り、米空母の投入を防ぐ対艦弾道ミサイルの開発を急ぐなど著しい軍拡に鑑み、「ヘッジ」政策に傾きつつある。
 
(3)米国の凋落
 
 原因はともかくも、米国の経済は、「世界の警察官」を担うだけの余力を失いつつある。今後10年間で国防予算を最大6000億ドル削減する予定で、陸軍・海兵隊最大約20万人、海軍艦艇最大60隻、空軍戦闘機最大468機を削減するとの報道がある。
 
(4)イラク・アフガンからの撤退
 
 バラク・オバマ大統領は、10月21日、イラク駐留米軍部隊を年末までに全面撤収させると発表した。また、6月には、約10万人の規模となっているアフガニスタン駐留米軍を7月より部分撤退し、2012年の夏までに計3万3000人を撤収させる計画を発表した。
 
 アフガン駐留経費はこれまでに4400億ドル(約35兆円)に達し、米財政に重い負担になっており、残りの部隊も、早晩撤退を余儀なくされるものと思われる。
 

 イラク・アフガン部隊の撤退は、米国の次なる世界戦略策定を急がせるトリガーになることは間違いないことだろう。


(2)へ続く
 
JBpress.ismedia.jpより引用
 
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米国は見透かしている、
北朝鮮崩壊時の日本の中途半端な対応を
2011.10.20(木) 古森 義久
し北朝鮮の政権が崩壊した場合、日本はどんな対応をすることとなるのか――。
 
 日本としては当然、考えておかねばならない危機シナリオである。だが、現実に日本国内でその具体的なシミュレーション(模擬演習)を実行している向きはまずないだろう。
 
 ところが米国ではそんな想定が極めて細かく考えられ、論じられているのだ。
 
 北朝鮮の崩壊という事態はもうここ数十年、米国では具体的に語られてきた。だが金正日カルト政権は倒れそうで倒れず、今日までに至っている。それでもなお、封建時代の王朝にも例えられるこの現代の異質、異端の政権が倒れる可能性は、完全に否定することもできないままである。
 
 そんな事態がもし起きてしまったら、どうするのか。その予測をちょっとでも考えておく場合と、まったく考えない場合の相違は重大である。
 

北朝鮮の政権崩壊時の対応を現実的に考えている米国

 米国の国防長官のシンクタンクだとされる「国防大学国家戦略研究所(INSS)」はこのほど北朝鮮の金政権が崩壊した場合の、中国や米国、韓国、そして日本の反応を予測する調査報告を作成した。
 
 同報告は中国の軍事介入による米中全面対決の可能性を指摘しながらも、北朝鮮国民の動き次第では中国の支配を排する新生国家の誕生の展望もあるだろうと述べている点が面白い。そしてその多様なシナリオ展開の中で、日本の対応をも詳しく記述したのである。
 
 米国の国防総省や国防長官に直結する機関が「北朝鮮政権の崩壊」という具体的なシナリオを明確に設定し、その場合の他国や自国の反応を予測する、というのは、実に生々しい作業である。だが、政府や軍にも間接的につながる機関の専門家たちがそんな作業に取り組んでいること自体が注視されるべきだろう。米国は北朝鮮の政権崩壊の展望をすでに現実に起き得る事態として認識し、その対応策を考えていると言えるからだ。
 
 「朝鮮の将来=北朝鮮の政権崩壊の米国外交への挑戦」と題された同報告は、「北朝鮮の近未来の崩壊への実際の証拠を得たわけではないが、最も現実的なシナリオとしては政権の崩壊が考えられる」という診断を打ち出した。
 

中国が北朝鮮への軍事介入に踏み切る3つのケース

 ここでの重要なポイントは、その想定が国家の崩壊ではなく、政権だけの崩壊であることだ。金正日総書記の下での世襲独裁政権こそ崩れてしまうが、国家としての枠組みは残る、というのである。
 
 政権崩壊までのシナリオとして同報告は、「金正日王朝的政権を現支配層内からの勢力が倒し、新政権を作ることとなるが、その新政権は弱体であり、軍隊や核兵器、官営メディアなどの管理に努めるものの、食糧配給制度の破綻や、国民の国外大量脱出を起こす」とまとめていた。
 
 同報告によると、中国は北朝鮮の国家崩壊を最も恐れている。金政権だけの崩壊でも、韓国や米国の介入を嫌い、国連への提訴を遅延させるだろうという。
 
 米側のその場合の最大の関心事は、中国が武力で北朝鮮に介入するかどうかである。
 
 同報告は中国が米国と韓国の対応を気にかけて、強引かつ即座に軍隊を北朝鮮国内へと投入することはまずないだろうという。
 
 ただし、下記の状況では、中国はすぐに北朝鮮に人民解放軍を送りこむと見られる。
 
(1)北朝鮮の混乱の危機が国外へと広まる。
(2)北朝鮮の新政権が核兵器やミサイルの管理能力を失う。
(3)米国あるいは韓国が、国連審議などを経ずに北に軍事介入する。
 
 以上の3つの可能性のうち、どれが起きても、中国は北朝鮮に自国の軍隊を送り込んで軍事介入に踏み切ることが確実だと見るわけだ。
 
 だが、中国はその前段階として経済、政治、外交などの手段で北朝鮮新政権を支援し、北の核兵器保有をも許容しながら、自陣営への組み込みを強めるという。
 
 同報告は中国のもう1つの戦略として、北朝鮮の新政権の核兵器を、韓国や日本の駐留米軍の撤退と引き換えに放棄させるという可能性を挙げた。この可能性は日米同盟の骨抜きにもつながり得る。
 
 同報告は米国については、まず米国内の多数派が北朝鮮の政権崩壊を機に、年来の米側の基本目標である北朝鮮の「非核化」と「南北統一」を実現させようとするだろう、という予測を明らかにした。その際、米国は北朝鮮への軍事介入の危険を冒してでも、非核化や南北統一を実現させようとするだろうとも予測した。
 
 その一方、米国では軍事介入で中国との全面対決となる危険性への反対も強いだろうとして、「北朝鮮の国民の多くが中国の支配の強化を嫌い、米韓の介入を求めることが明白となれば、米国は軍事介入を含めて行動の余地が広がる」とも述べた。
 

軍事行動を回避したい日本の複雑な対応

 さて、日本はどう対応するのだろうか。同報告は予測される日本の反応について以下のように述べていた
 
・ 北朝鮮の危機が同国内だけに抑えられ、その危機が安定方向へ向かうことを望む。
 
・ 中国が北朝鮮に介入することを防ごうと意図する。
 
・ 北朝鮮の新政権確立以降の朝鮮半島情勢に対しても発言ができるように望む。
 
・ 日米同盟の堅持の継続を強く望む。
 
 このあたりまでの日本の反応はごく当然である。誰にでも容易に予測できる範囲だと言えよう。
 
 ところが同報告はさらに、日本にとっての北朝鮮政権崩壊は難しい課題をも生むことを指摘する。
 
・ 日本は当面は東日本大震災の被害の復旧に追われるから、今後数年間に朝鮮半島での異変が起きる場合、その事態への対応は財政的にも非常に難しくなる。
 
・ 北朝鮮の新政権誕生から南北統一への志向が起きる場合、在韓米軍が撤退へ向かう可能性が生まれる。すると、日本は東アジアで唯一の米軍駐留国にはなりたくないという意向から、米国に対する態度が複雑となる。
 
・ 朝鮮半島に弱体の統一政権ができると、中国に対抗し得る勢力としての日本の立場が鮮明になり、日本自身がその状況を嫌がる。
 
・ 米国が北朝鮮の政権崩壊に対して行動を取る際、同盟国としての日本にも共同行動を要請すると、日本側がそれを忌避し、日米間の同盟の歩調が乱れる公算が大きい。
 
 こうした予測も、日本が本来有する危機への複雑な体質を浮き彫りにしている。日本は「平和憲法」を掲げる結果、軍事動向を含む危機に対しての対応が極めて屈折しているのである。普通の国とは異なるのだ。その前提は、とにかく同盟国の米国に依存するという片務的な傾向だと言えよう。
 

日本国内は大混乱となり日米同盟にも大きな浸食が

 さて、この国家戦略研究所の研究報告は、日本の対応にさらに踏み込んで、より具体的な予測を進めていく。いずれも北朝鮮の政権が崩壊したという想定での日本の動きである。
 
・ 日本国内は、まず北朝鮮での政治的混乱に起因する日本に対するミサイル攻撃への恐怖、在韓日本人の安全への懸念、日本国内の朝鮮総連などの動き、北朝鮮から押し寄せかねないボート難民への対処などにより、大混乱となる。
 
・ 日本政府が、北朝鮮に拉致された日本国民の行方追及を米国政府に要求すると、米国はそれに応じられず、日米離反の原因を生む。
 
・ 日本が北朝鮮の核兵器除去を米国に望むことは間違いないが、米国がそのために北朝鮮へ軍事介入することについては、日本は中国への配慮などから明快な結論が出せず、反対までしかねず、日米の摩擦を生む。逆に米国が北の核兵器をまったく取り除けないとなると、日本側の米国への信頼が減る。
 
・ 米国が韓国と一体になって北への軍事介入をする場合に、日本が軍事関連分野での支援をまったくせず、米国の失望を買って、日米同盟への大きな侵食が起きる。
 
 要するに、日本の八方美人的な対外体質が、北朝鮮政権崩壊というような危機の際に表面にさらされる、ということだろう。
 
 そんな帰趨が日米同盟の将来をどう変えていくのか。北朝鮮の異変が日本にも重大な変容を迫ることは確実だ。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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死の商人=オバマ大統領とボーイングの蜜月
アジア・中東へなりふり構わぬ武器輸出で潤う米兵器産業
2011.09.14(水) 堀田 佳男
の商人。
 
 武器を売ることが結果的に殺人への加担になり、それをビジネスにする邪悪性がこの表現の真意である。
 

戦争回避のはずが実態は「死の商人」

戦争回避の政治姿勢はどこに。「死の商人」と化すバラク・オバマ米大統領〔AFPBB News
 
 米国のバラク・オバマ大統領はこの言葉とは対極に位置していると思われるが、その担ぎ役であったならばどうだろうか。
 
 市民活動からスタートした政治家が死の商人というレッテルを貼られること事態、ゆゆしきことである。戦争という現実を最大限の努力で回避することこそ、オバマ大統領の政治姿勢であったはずだ。
 
 今回、ここで陰謀論を弄するつもりはない。オバマ氏が極秘に国外へ武器を売却し、利益を個人口座に振り込ませていたわけではない。しかし、大々的に喧伝されていない分だけ、オバマ政権による他国への武器輸出増加の流れが強くなっているのは事実である。
 
 それは不況時に誰もが考えつくビジネスモデルの1つでもある。他国に武器を売り、低迷した米国経済を少しでも上向かせ、雇用を創出させる。
 
 それが武器ビジネスであっても、である。死の商人というレッテルが本当に相応しいのであれば、オバマ氏の倫理感が崩れたということだ。
 
 大統領は2010年7月、政権内に「輸出評議会」という諮問組織を作った。輸出を今後5年で2倍にし、米国経済を活性化させようという目的がある。輸出が増えれば国内の生産性が上がり、必然的に雇用も回復する。単純なマクロ経済の論理ではそうなる。
 

サウジアラビアに売った時代遅れの兵器、600億ドル分

 同評議会の議長にボーイングのCEOジム・マクナーニー氏を抜擢したところから話は怪しくなる。2カ月後の9月、ウォールストリート・ジャーナルがスクープ記事を掲載した。
 
 ホワイトハウスはサウジアラビアに600億ドル(約4兆6000億円)相当の武器売却を計画しているというものだった。大統領は連邦議会にこの売買の承認を訴えた。600億ドルという金額は10年間の契約額だが、1国に対する武器輸出としては最大級である。
 
 しかもサウジに売る武器は、84機の「F15戦闘機」と「AH-64Dアパッチ・ロングボウ」と言われる攻撃型ヘリコプター175機で、両機ともボーイングが製造している。マクナーニー氏が輸出評議会の議長だからなのか、サウジ側が両機を求めてきたのか定かではない。
 
 なぜ今、F15を大量納入しようというのか。というのも、同機はすでに時代遅れの戦闘機としての印象が強い。ファイタージェット分野はすでにF35の時代に突入している。
 
 F15は1970年代に旧ソ連のミグ戦闘機に対抗するため、当時の米国航空技術を駆使して開発された戦闘機で、ペンタゴンはもう何年も購入していない。
 

F15の製造中止を決めていたボーイング

http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20101021/6352277.jpgサウジへの売却を決めたF-15戦闘機〔AFPBB News
 
 ボーイングは今回のサウジの購入が決まる前、F15の製造中止を予定していたほどだ。だが、買い手がつけばビジネスは継続される。ましてや単年度契約ではない。
 
 今後15年に渡って納入されるということであれば、オバマ政権はボーイングの下請け企業も含め、武器関連企業に7万5000人の雇用が生み出せると見込む。
 
 この件で議会は、ほとんど何事もなかったように武器売買を承認した。だが、これには少しばかりのトリックがある。と言うのも、ホワイトハウスは議会の休会直前に当件を持ち込み、ほとんどの議員が強い関心を示さない段取りを整えてから承認させたのだ。
 
 ニューヨーク州のアンソニー・ワイナー下院議員が反対の決議案を提出したが、多くの議員はサウジへの多額な武器売却には異を唱えなかった。
 
 ロバート・ゲイツ前国防長官は、次のように訴えた。
 

歴代民主党大統領の中で最も武器輸出に熱心

 「過去60年におよぶサウジアラビアと米国の安定した関係は、中東地域における安全保障の大黒柱になっている」
 
 さらにヒラリー・クリントン国務長官も、「今後、両国が伝統的な関係を維持する上でも、今回の武器売買は適切である」とあくまで前向きだ。
 
 ワシントンの専門家の中にはオバマ大統領は歴代の民主党大統領の中では「武器売買に最も積極的」と述べる者もいる。それほど武器を売ることに対するわだかまりがない。
 
 ドイツ銀行のアナリストによると、ペンタゴンによる昨年の国外への武器売却総額は1030億ドル(約8兆4500億円)という巨費になる。史上最高額で前年比で5割以上も増えている。ボーイングだけでなく、ロッキード・マーチンやレイセオンといった防衛産業を担う企業の受注が増えるということだ。
 
 例えばボーイングは全米20州に工場を置いている。下請け企業も含めると、さらに多くなり、他国への進出も増え続けている。同社武器部門の国外売り上げの占める割合も伸びている。
 

テロに備えるという大義名分

 こうした米国の「21世紀版、死の商人」としての役割は、大々的に喧伝されることなく静かに広がりを見せている。戦争やテロリズムに備えるという名目は、人類が文明を起こした時から途絶えることはなかった。
 
 旧ソ連が瓦解し、米国による一極支配が始まった時でさえ、武力のさらなる増強を止めようとはしなかった。米国の国力と国際的なリーダーシップが下降し始めている今、極東や中東地域で新たな火種が視界に入りつつある。
 
 その時に、武器ビジネスというものが経済活性への1つの手立てとして浮上することはある意味で当然の成り行きだ。サウジへの武器提供は国際テロリズムへの防衛とイランの軍事的挑発に備える意味もある。
 
 米国は昨年、インドとの間でも多額の武器ビジネスを成立させた。まるで新しいビジネスモデルを開拓したかのように。
 
 お忘れの方も多いかと思うが、オバマ大統領は昨年11月、インドに出向き、大型輸送機「C-17グローブマスター」を10機、売却する最終章に立ち会った。総額41億ドル(約3150億円)の取引である。
 

インドにも過去最高額の武器輸出

http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20080106/2502711.jpg大型輸送機C-17グローブマスター〔AFPBB News
 
 サウジとの600億ドルと比較すると桁が1つ違うが、インドへの武器売却としては過去最大である。サウジだけでなく、こちらでも確実に増額の流れが見られる。
 
 インドに売りつけたC-17という輸送機は全長53メートルで、オバマ氏のインド訪問時、大統領専用リムジンなどを搬送した機体だ。それくらいの車体は問題なく格納できる。
 
 近年ではイラクやアフガニスタンに配備され、大型輸送機として活躍している。インド空軍のこれまでの輸送機はロシア製の「イリューシン76」だったが、買い換えにあたり、米国製へ鞍替えしたわけだ。
 
 実はボーイングはそんなC-17も製造中止を予定していた。カリフォルニア州ロングビーチにある工場は来年末に幕を下ろす予定だったが、インドだけでなく新たにアラブ首長国連邦もバイヤーの仲間入りをしたことで、2014年まで稼働させる。
 
 米国製の性能がロシアに勝るという理由もあろう。だがサウジに売ったF15戦闘機と攻撃型ヘリコプターAH64D、さらにインドに売却したC-17、どれもがボーイング社製である点に注目したい。
 

米輸出評議会の議長はボーイングのCEO

 前出したように、同社マクナーニーCEOはホワイトハウスの「輸出評議会」の議長職にある。オバマ氏が米国の貿易総量を伸ばすにあたり、武器を念頭に置いていることは間違いないだろう。
 
 これまでインドは主にロシア製の武器を使ってきた。長年、印露関係の方が印米関係よりもはるかに密接だったせいだ。
 
 「密接だった」と過去形を使ったが、実は今でもロシアとの関係は良好だ。昨年末、ボーイングからの輸送機購入を決めたが、同時にインドはロシアと次世代戦闘機の共同開発で合意してさえいる。ロシアだけでなく、米国とも友好関係を維持しているのだ。
 
 米国は1998年、インドが核実験を行ったことでインドへの武器売却を一時的に中止した。それがジョージ・ブッシュ政権になって再開され、オバマ政権で加速されている。
 
 オバマ政権が誕生した2009年、8機の「P-81」という多用途海上哨戒機を売っている。こちらもボーイング製である。
 

次々と商談が決まり笑いの止まらないボーイング

 それだけではない。昨年、大型輸送機のインドへの売却を決めた直後、今度はサウジに売ったのと同じ攻撃型ヘリコプターAH64Dを22機、インドにも売ることにした。ボーイングとしては笑いが止まらない。
 
 メーカーとしては商品に買い手がつく以上、倫理観や国際情勢がどうであれ売却を進めてくるはずだ。
 
 世界情勢の理想型というのは、国家間の戦争や紛争がなくなる状態である。国際関係論という学問が誕生した理由の1つが、争い事を学究的に分析し、今後に生かすことだった。
 
 ところが、死の商人の本質は、武器輸出によるカネ儲けである。それがオバマ大統領によって増大している事実は見逃せない。
 
 武器輸出に対して声を大にして反対する議員が少ないのは、ボーイングをはじめとする武器メーカーが連邦議会でのロビー活動を活発化させていることが一因だ。
 

大統領の首席補佐官もボーイング出身者

 今年1月からオバマ大統領の主席補佐官になったビル・デイリー氏は2006年からボーイングの取締役を務めていた男である。
 
 さらに武器が売れる条件として、イランや北朝鮮の例でも分かるように、隣国が「危険国」であるという事実がある。陰謀論的な表現をつかうと「危険国を作っておく」ということが売り上げを伸ばす条件でもある。
 
 米国は地理的に敵国が周囲にいないし、攻め込まれる危険性も少ない。だが、東アジアや南アジア、中東には国境を挟んで敵対国家が多く、米国の武器メーカーの格好の消費者になっている。
 
 オバマ大統領は今月8日、約35兆円規模の景気対策を発表した。その中に死の商人という言葉はもちろん含まれない。だが、軍事産業を柱にして貿易量を増やし、雇用を増大させたいとの思いはあるだろう。
 
 ボーイングだけでなく、ロッキード・マーチンをはじめとする他の武器メーカーの受注も含めると、軍事産業だけで20万以上の雇用が見込める。オバマ政権は「現実の世界に冷静に対応するため」と述べるが、その背景にはなりふり構わずの姿勢が垣間見える。
 
 武器売却の関係者が恩恵を受ける取引であれば否定されることはない。武器売買の増長が無辜の民を死傷させる結果を生み、最終的には自国に負のベクトルが帰着しても、である。
 

 オバマ大統領がまず知らなくてはいけないのは、死の商人は邪悪であるという現実である。


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近年の核兵器をめぐる世界各国の動向
第1回:これまでの歴史と米国
2011.07.06(Wed)  矢野 義昭
 
(1)からの続き

ウ 重点的に進められている無人機開発

 米軍は有人ステルス爆撃機F-22や、空母とそれを掩護する新型駆逐艦などの戦力を削減する一方で、その機能を代替するため、特に海空軍を主体に、無人機の開発に力を入れている。
 
 米空軍は、2011年3月、地球を超えていかなる地点にも短時間で通常弾頭を投射できる、国家としての能力を得るため、超音速無人機の試験飛行を行った。
 
 X-51と呼ばれる無人機は、大重量の爆弾による精密爆撃が可能で、最大時速4000マイルの速度で、高度7万フィートを飛行する能力を目指している。契約価格は2億5000万ドルだが、空軍は音速の5倍で飛行する能力を与えるため、さらに数百万ドルを投じた。
 
 国防総省は、「迅速全地球打撃」能力を追求しており、備蓄化学兵器、発射準備を完了した弾道ミサイル、移動中のテロリストなどの脅威を、非核兵器により迅速に除去することができるとしている。
 
 ただし、正々堂々の戦いを避けるという倫理上の問題と、核攻撃との誤認を招き、敵から核反撃を受ける恐れがあるとの問題が、指摘されている。
 
 また米海軍は、空母から発進する無人機の試験飛行に成功した。X-47Bと呼ばれる無人機は、尾翼のない戦闘機並みの大きさで、空母の甲板上から離陸し高度5千フィートに達し、29分間飛行したのちに安全に着艦し、初飛行に成功した。2013年には空母の実環境下での試験が予定されている。
 
 地上部隊でも同様に、戦闘用無人ロボットが開発され、アフガンなどの戦場で実戦に使用されている。しかしこれらの兵器は、長期にわたり兵員が直接展開し、地域や住民を占領支配することの代替手段にはなり得ず、米軍の海外での展開能力の低下は否めない。
 

エ 困難が予想される戦術核弾頭の削減交渉

 国内の財政事情による戦力整備の制約を外交的に補完する手段として、軍備管理・軍縮交渉がある。特に、世界の核戦力の9割をともに分有するロシアとの核戦力削減交渉の進展を、オバマ政権は重視している。
 
 2011年2月5日、米露間の新たな戦略核戦力削減条約が発効した。同条約は発効後、10年間有効である。戦略核弾頭は現行上限の2200発から1550発へ、爆撃機や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は同1600基・機から800基・機へ発効から7年以内に減らすことになる。
 
 またデータ交換や現地査察など互いの核戦力の状況を検証する措置も盛り込まれている。このように戦略核兵器の削減については、一応の合意が達成された。
 
 しかし戦術核兵器の削減交渉については、進展していない。ロシア側では、米国が欧州に配備している短距離戦術核兵器を撤退させない限り、米国との戦術核兵器削減交渉を開始しないとの主張がなされている。
 
 また、ロシア側は、米国が精密誘導兵器など通常戦力で優位にある点も、交渉の対象にされなければならないとしている。
 
 ロシア側の論拠は、欧州通常戦力(CFE)条約により、米国の通常兵器の優位性は最小限に止められており、CFE条約が効力を発したのちに初めて具体的な戦術核兵器の交渉を始めるべきであり、戦術核兵器の削減が、国際的な戦略的状況を悪化させてはならないという点にある。
 
 しかし米国は、北大西洋条約機構(NATO)諸国に配備している戦術核兵器をピーク時の7300発から200発にまですでに大幅に削減しているが、それに対しモスクワは、自国国境内に約2000発の戦場用核兵器を保有しているとみられることから、今後の米露戦力削減交渉では、戦場用核兵器と展開されていない核兵器が重視されねばならないと主張している。
 
 米国は、2010年5月には5113発の戦略核と戦術核の弾頭を保有していたが、新STARTに基づき、米国は戦略核弾頭の数を1550発に削減することが求められている。そのような中、オバマ大統領は、戦術核弾頭についても、2012年2月からロシアと交渉を開始すると表明している。
 
 しかしそのような行き過ぎた核兵器削減の影響について、憂慮する声がすでに上がっている。
 
 米国では、米国の核戦力が最悪のシナリオにおいて目標とする地域の範囲と、抑止のために米国が攻撃すべき場所について、見直しが進められている。
 
 その作業が、完了するのは2011年の後半と予想されているが、すでに議会の共和党議員は、オバマ大統領が議会との協議もせずに、これ以上核抑止力に大幅な変更を加えることに反対している。
 
 その1人は、核兵器庫(arsenal)の重大な削減は、「核の安定性に対し、重大かつ予見できない結果を招く恐れがある」と述べている。
 
 米国の拡大核抑止力に守られている、同盟国の中の大半の国の代表者は、米上院戦略態勢委員会に対し、「米国がさらに戦力を削減し、同盟国の目から見て、米国の核の傘が十分信頼できないと感じられるほどになれば、米国の核の傘に対する信頼性に懸念を感じ始めるであろう」と語ったと報じられている。
 
 同委員会に対し日本のある「長老」は、米国の核弾頭数が1000発を切れば、米国の拡大抑止の信頼性に懸念を持つようになるだろうと述べた。
 
 また米国内でも、共和党のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)議員は、あまり核戦力削減が行き過ぎると、非核保有国の間にも核拡散を招くことになりかねず、すでに核を保有している国は、米露に対する戦略パリティを達成する好機とみることを憂慮している。他方ロシアは、中国が対米均衡を目指そうとすることを心配するとみられている。
 
 従って、核戦力のこれ以上の削減交渉は、容易に進展するとはみられず、またバランス・オブ・パワーへの影響は削減が進むにつれてより重大になるため、より慎重に進めねばならないことは明らかである。
 

オ 容易にロシアの不信感を拭えない欧州へのミサイル防衛システム配備

 2010年9月の米露国防相合意に基づき、防衛関係の作業部会設立が合意された。そのサブ部会の1つとして防衛技術協力部会が設立され、2011年4月には、米露防衛技術協定が発効した。
 
 しかし、その後具体的な進展はみられない。ロシア側が、欧州に配備されるミサイル防衛システムがロシアの核抑止力を損なうことを憂慮しているためである。それに対し米欧は、ミサイル防衛にロシアを加わらせようと何カ月も外交的努力を尽くした。
 
 その一環としてゲーツ長官は、2011年3月にモスクワを訪問し、冷戦期の相手方のミサイル発射データの交換と、双方のレーダーからの早期ミサイル警戒情報に、NATOとロシア両軍が同時にアクセスできるような、「融合」のための合同の施設を設立することを提案した。
 
 これに対し、ロシア宇宙軍司令官の Oleg Ostapenko 中将は、欧州ミサイル防衛網に関するロシア側の提案をまとめて提示した。
 
 その案によれば、ミサイル防衛網をNATOが共同で開発して、要撃に最適な地点にレーダーや迎撃ミサイルを配備、データ処理や指揮のための施設についても合同化し、そのうえで参加各国が各々の「セクター」を分担する。
 
 また、ロシアは、東欧、黒海、バレンツ海にミサイル防衛システムを展開する用意がある。ただし、ロシアは自身のテリトリー外に迎撃ミサイルを配備するつもりはないとしている。
 
 このロシアの提案は、欧州をミサイル防衛についての責任区分に関して、NATOとロシアという2つのセクターに分割するものであり、NATO同盟国にとり利益のあるものではなかった。米国も、NATOのいかなる国のミサイル防衛もモスクワの手に握らせるつもりは全くないと表明し、ロシア案に反対した。
 
 これに対しドミトリー・メドベージェフ大統領は「ミサイル対処についての協力のモデルを作れる」ものと思うが、もしそれができなければ、「好まないが、それと逆の方向に進み、我々の核打撃能力の開発を強化することになるであろう」「これはたいへん良くないシナリオであり、我々を冷戦時代に戻すものである」と表明している。
 
 これは、冷戦時代への逆行の可能性を表明した、恫喝に等しい発言である。それだけロシアにとり、欧州へのミサイル防衛システム配備は重大な問題であることを、米側に明確に意思表示する狙いでなされたものであろう。
 
 米露首脳会談でも、ミサイル防衛をめぐる対立点は消えなかった。オバマ大統領は、分離しているが調整された対ミサイル作戦を可能にすることを求めたが、メドベージェフ大統領は、欧州を2つのミサイル防衛責任区域に分割することを要求した。
 
 特にモスクワは、欧州への米ミサイル防衛配備により、西側諸国に対して、欧州全土に届く核攻撃を実施できなくなることを憂慮していたとみられている。
 
 ロシアの国防次官は、どの国が発射したものであれ、対ミサイル作戦を開始できる「赤いボタン」を要求した。しかし、そのような要求に応ずるには、ミサイル防衛システムに2種類の統制権を必要とする。
 
 しかし現実には、敵のミサイルが空中にいる間に、会議を招集する暇はなく、在欧州の米軍司令官が、統制権を持つことにならざるを得ない。そのためNATOとしては、「赤いボタン」を認めることはできなかった。
 
 ロシアへの譲歩案としてNATO側は、ミサイル防衛システムがロシアの核抑止力を損なわないことを優先的に保証するとしたが、ロシア側は無意味として受け付けなかった。逆に、ミサイル防衛システムを配備するなら、カリーニングラードにイスカンデル弾道ミサイルを配備することで応じると回答した。
 
 このように前述した戦術核兵器の削減問題と、欧州へのミサイル防衛システムの配備をめぐる対立により、米露間の核兵器削減交渉のさらなる進展は困難な状況に至っている。

(つづく、次回はロシア編)


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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近年の核兵器をめぐる世界各国の動向
第1回:これまでの歴史と米国
2011.07.06(Wed)  矢野 義昭
イメージ 1
資料源:Hans M. Kristensen and Alicia Godsberg, “Status of Nuclear Weapons States and Their Nuclear Capabilities, “Foundation of American Scientists,
http://www.fas.org/nuke/guide/summary.htm
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2 2009年3月までの各国の核兵器の備蓄状況
 
(1) 米国
 
 2200発の戦略核弾頭と500発の非戦略核弾頭を含む、2700発の核弾頭を、作戦状態の備蓄として保有している。さらに、2500発の核弾頭が予備として保管され、別に4200発の核弾頭が核弾頭からの取り外し(dismantlement)のため待機中と見積もられ、米国は合計で、9400発の核弾頭を保有しているとみられる。
 
(2) ロシア
 
 2790発の戦略核弾頭と2050発の非戦略核弾頭を含む、4840発の作戦状態の備蓄核弾頭を保有している。さらに、8150発の核弾頭を、予備または取り外し待機中の状態で保管していると見積もられ、ロシアは約13000発を保有しているとみられる。
 
(3) 英国
 
 48発の哨戒中でいかなる指定時刻にでも使用可能な弾頭を含む、180〜200発の弾頭を保有しているとみられる。
 
(4) フランス
 
 約300発の弾頭を保有しているとみられる。
 
(5) 中国
 
 176発を展開配備しており、そのほかに数不明の弾頭を保管しており、全備蓄数は約240発とみられる。
 
(6) イスラエル
 
 75〜200発の核弾頭を保有しているものとみられる。
 
(7) インド
 
 70発の核弾頭が組み立てられ、そのうち約50発が完全に作戦可能な状態にあるとみられる。
 
(8) パキスタン
 
 2008年時点では約60発の核弾頭を保有しているとみられていた(2011年時点では、110発を保有していると評価されている)。
 
(9) 北朝鮮

5〜15発の核兵器を保有しているとみられる。
 
3 近年の各国の核兵器をめぐる動向
 
(1) 米国

ア 進む予算削減と米軍の「前方展開戦力」の低下

 米国の財政事情から、いま米国内では国防費大幅削減と、それに伴う戦略態勢の見直しが進行しており、戦略を支える国防態勢の維持が困難になりつつある。
 
 米国の連邦予算の累積赤字額は、2008年の金融破綻以降GDPを上回り、2011年度では15兆476億ドルに上り、第2次大戦以来の高水準に達している。このままでは、2035年頃には負債額が国内総生産(GDP)の180%と倍近くになるのではないかとの懸念も表明されている。
 
 そのため、連邦予算は大幅な削減が呈されているが、国防費も例外ではない。
 
 国防予算についても、2010年5月に出されたバラク・オバマ(Barack Hussein Obama Jr.)政権の「国家安全保障戦略」において、「連邦政府の調達支出の約70%を占める国防総省にとり、費用対効果の大きい効率的な手続きが特に重要であり、時代遅れ、重複、非効率、あるいは無駄な計画を調査し、それらを打ち切るかまたは見直す 」とされ、大幅な効率化要求が突きつけられている。
 
 しかし国防総省関連予算総額は、米国の「2011会計年度政府予算白書」によれば、2009年度6365億ドル、2010年度6880億ドル(見込み)、2011年度7188億ドル(見込み)となっており 、依然として年々増加傾向にある。
 
 しかし、そのうち2011年度海外での作戦に要する戦費として、政府が1593億ドルを要求していることからも明らかなように、戦費の増加が大きな増加要因になっている。戦費以外の実質予算額はすでに、大幅な削減、効率化がなされてきた。
 
 ロバート・ゲーツ(Robert Michel Gates)国防長官は2011年1月6日、「枢要なものに投資を集中しつつ、徹底的にコストを削減し、能力を高め節約につながる投資を重視して戦力を維持しながら、国防総省の改革を断行する」との方針を言明している。
 
 その中でゲーツ長官は、過去2年間ですでに3000億ドルが削減されており、2011年度は1000億ドルの削減を各軍に要求したと、これまでの実績について言及している。
 
 今後の国防予算額について、2012年度は5530億ドルだが、2013年度と2014年度は実質的な伸び率を引き続き下げ、2015年度と2016年度では実質伸び率をゼロにすることが予定されている。
 
 その結果、2016年度にはアフガニスタンからの撤退が完了することを前提に、国防予算総額は4000億ドル台に大幅削減されるものと見込まれている。
 
 しかし米軍は、すでに2008年の頃から、コリン・パウエル(Colin Powell)元参謀本部議長が「今や崩壊の危機に瀕している」と慨嘆するほどの窮状にある。
 
 特に問題となっているのは募集難であり、兵員と将校の質の低下が憂慮されている。最低ランクの徴募兵の比率が1990年代の2%から倍増し、軍内での犯罪、麻薬、精神障害などによる不適格者も急増している。
 
 軍の不人気の大きな背景要因として、長期化する軍務に対する忌避感情がある。戦地に派遣された州兵が1年以上も本国に帰還できず、そのために自殺者が倍増し離婚が増加している。
 
 海軍でも、充足率は86%であり、わずかの休みしか取れないため、優秀な兵員の中から早期除隊者が相次いでいる。
 
 またアフガンやイラクに新鋭装備を集中しているため、その他の一般部隊の装備更新は遅れ老朽化している。
 
 例えば、米軍の中型車両や戦車は平均約20年、F-15戦闘機は平均17年間使用している。整備維持経費も削減され、一般部隊の稼働率が低下している。装備品の充足率も、展開されていない州兵は34%、陸軍予備は76%に低下している。
 
 即応性の低下、低充足という状況は、仮にイラク戦争が終結したとしても、老朽装備品の更新などに長期の日時が必要なため、当分続くと見られ、これでは、別のもう1つの紛争があっても、装備品の不足から対処はできないだろうと憂慮されている。
 
 米軍はいま、米本土防衛、核不拡散、テロとの戦いという、差し迫った「今日の戦い」に勝利することを国家安全保障上の最優先事項としている。
 
 このことは、ロシアや中国を封じ込めるための「前方展開戦略」からの転換を意味しており、2010年の「4年ごとの国防勢見直し報告(QDR)」でも、「『主要な地域的紛争』を、米軍の規模、あり方、評価に際して、唯一のあるいは優先すべき定型(template)として語ることは、もはや適切ではない」と明言している。
 
 その結果、前方展開戦力を支え、ロシアや中国の周辺地域への戦力投射に対応するための戦略戦力関連装備が、今後大幅に削減されることになった。
 
 将来の装備体系についても、F-22ステルス爆撃機の生産打ち切り、DDG−100クラスの新型駆逐艦の調達と将来戦闘システムの計画見直し、海兵隊の新たな事前備蓄艦の建造延期、新しいクラスの空母の調達期間の延長などが決定された。
 
 さらに、国防総省は2011年度予算提出にあたり、C−17輸送機の生産打ち切りとこれらの航空機の計画されていた調達の終了を提案している。
 
 また国防総省は、代替指揮艦艇計画の遅延と現在の指揮艦艇の寿命延長、ならびにCG(X)巡洋艦の契約破棄、ネット能力向上指揮統制計画の終了を決定した。
 
 半面、「今日の戦い」に勝利するための対テロ作戦用の各種装備、すなわち各種ヘリ、無人飛行機、情報関連装備、改良型仕掛け爆弾対処用電子戦兵器、AC−130ガンシップ、特殊部隊、民政部門の増強、及びアフガン、パキスタンなどの現地の軍、警察の訓練支援能力、意思疎通能力の強化などの対策が重視されている。
 
 このように、「前方展開」を支える、通常戦力や各種の戦略輸送能力が、削減、生産打ち切りとなることが予定されている。その結果、米軍の日本有事の来援戦力を支える、米軍の太平洋を越えた戦力投射能力は、今後低下していくことになろう。
 

イ 核関連予算削減の影響

 2012年の米国の連邦予算案では、国防費以外の予算も大幅に削減されているが、その影響は、エネルギー省が担当している核兵器関連予算にも及んでいる。
 
 核兵器近代化のための予算は今後10年間で850億ドルに上ると予想されているが、備蓄核弾頭の整備や核関連施設改善予算は大幅に減額された。特に、現在のミニットマンIIIに代わる移動式新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の分析評価のための2600万ドルの予算増額が認められず、将来の核戦力近代化が徐々に後れを取ることが懸念されている。
 
 中でも新型ICBMは公式の開発計画に着手する時期に来ており、米空軍は焦慮を深めている。
 
 オバマ政権は、新たなロシアとのSTART(戦略核兵器削減交渉)への共和党の支持を得るため、昨年の秋、核弾頭の改良と核関連施設の近代化に、次の10年間で850億ドル、また潜水艦、ICBM、爆撃機などの核兵器の投射プラットフォームについても、数百億ドルを支出することを約束した。
 
 しかし、予算の決定権を持つ議会では、連邦赤字削減のため、さらに厳しい予算削減要求が突きつけられている。
 
 核兵器関連予算についても議員たちは、核兵器の開発、維持整備を担当するエネルギー省のNNSA(National Nuclear Security Administration: 国家核安全保障局)の予算を、核兵器計画から3.12億ドル、核不拡散関連経費から6億ドル削減し、2010年度並みに抑制することを要求している。
 
 それに対し空軍は、新型ICBMの分析のために、向こう3年間で2600万ドルを支出することを計画している。その手始めとして2012年度予算では、兵器システムの開発配備のための基礎的分析作業の予算、260万ドルを確保する予定である。
 
 しかし、議会は予算が将来膨らむことを警戒している。
 
 特に新STARTでは、現在のミニットマンIII・ICBMは、配備数が450基から最大420基に削減され、かつ単弾頭となる。そのため、空軍予算担当次官は依然として、2012年度予算には、新型ICBMの技術的選択肢に関する予算は含まれていないと主張している。
 
 このような国防費削減の影響は、通常戦力にも核戦力にもすでに表れており、今後ますます厳しさを加えるものと予想される。米軍は、軍事費の急増と新鋭戦力の導入が進む中国軍とは、対照的な窮状にあると言わざるを得ない。
(2)へ続く
 
JBpress.ismedia.jpより引用
 
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