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ロシアの対日恫喝を取り上げた中国の意図
日中の「空の摩擦」に向けて日本を牽制か
2012.02.29(水) 阿部 純一:プロフィール 「ロシア空軍がその気になれば、20分以内に日本を地球から消滅させることもできる」
これは、中国の『環球時報』が2月15日付で報じたロシアの軍事専門家の発言として、ネットのニュースで流されたものだ。
この発言の伏線とも言えるロシアの行動として思いつくのは、2月8日、ロシア空軍の戦闘機や爆撃機、空中給油機、さらに早期警戒管制機(AWACS)など少なくとも5機が日本の領空に接近し、航空自衛隊の戦闘機がスクランブルをかけ、追尾した事実である。
しかし、近年では最大規模とも言えるロシアのこの「挑発飛行」に対し、まともに記事で取り上げたのは、筆者が見たかぎり産経新聞だけであった。
まさか日本のマスコミにまともに取り上げられなかったことにロシアが腹を立てたとも思えないが、引っかかるのはこの日本を恫喝する発言が、中国共産党機関紙『人民日報』系列の大衆紙である『環球時報』の記事として出てきたことである。
一応原文に当たってみると、ロシアの報道を引用する形で仕立てられた記事のようだ。ロシアの軍事専門家とは退役少将であり、ロシア軍部の対日観の一端がうかがえ、興味深い。
だが、中国はこの日露間の出来事になぜ関心を持ち、記事にしたのか。
ロシアの経済発展に日本の協力は欠かせない 米ソ冷戦時代、ソ連空軍機による日本領空への接近は日常茶飯事だった。時には領空侵犯事件さえ起きた。しかし、米ソ冷戦が終わり、ソ連が崩壊しロシアとなり、ソ連の軍事的脅威は過去のものとして日本人の意識から遠ざかっていたことは否定できない。
では、このロシアからの恫喝的発言を受けて、わが国はあらためてロシアの軍事的脅威を認識すべきなのだろうか。
もし「イエス」と答えれば、ロシアは喜ぶだろう。日本による北方領土返還要求に、軍事力で凄みを利かせるしかないロシアにとって、日本がロシアを「怖い存在」として意識してくれればロシアの立場は強化される。
しかし、客観条件を冷静に分析すれば、ロシアの行動は必ずしもロシア自身の国益に沿うものではないことが分かる。「イエス」と答える必要はなく、ロシアに自覚を促す方が日本にとっては得策なのだ。
なぜなら、米国と同盟関係にある日本がロシアの軍事的恫喝に簡単に屈する可能性はない上に、極東ロシアの経済発展に日本の協力が不可欠であるにもかかわらず、その機会をみすみす壊してしまうことになるからだ。
恫喝的発言が得策ではないのは分かっているはず ロシアは言うまでもなく広大な国家であり、中国と米国を合わせたくらいの領土を持つユーラシア国家である。しかし、人口は1億4000万と、日本をわずかに上回る程度で、極東ロシアに至っては、人口わずか700万と、埼玉県や千葉県の人口よりも少ない。同様に、ロシア全体のGDPに占める極東ロシアの割合も、人口同様に5%程度にすぎない。
そのロシアが、2012年9月にウラジオストクでAPEC総会を主催する。東アジアの経済発展になんとか加わりたい意欲がそこに見て取れる。だが、少ない人口では内需に期待できず、極東ロシアの石油天然ガス資源を中国や日本、韓国など東アジア諸国に買ってもらうことでしか経済発展の道はない。
そうだとすれば、軍事力で周辺諸国を威嚇することがロシアにとって得策になり得ないことが分かる。
冒頭の恫喝的発言は、ロシアの政治指導者が本当に極東ロシアの経済発展を望むのなら、決して容認できるものではなかったはずだ。こうした発言は、ロシアがいまだに大国意識が抜けず、軍事力を振りかざすことで周辺国を抑え込もうという野蛮な外交センスしか持ち合わせていないことを露呈したに過ぎない。
米国を責める中国は、なぜロシアを責めないのか そこで本題である中国の報道の意図が問われることになる。『環球時報』が大衆紙だから一般受けを狙い「面白半分」で報道した可能性もないわけではない。「軍事大国」のロシアが日本を恫喝する構図は、「反日」基調の中国の大衆心理に好感される計算も立つからだ。
しかし、その可能性を勘案しても、割り切れない部分が残る。それは、中国自身が米国の執拗な偵察活動に手を焼いているという事実があるからだ。
2001年4月の米電子偵察機「EP-3」の海南島付近での中国海軍戦闘機との接触事件や、2009年3月の米海軍音響測定艦「インペッカブル」の南シナ海での中国海軍監視船による進路妨害事件は、米中関係を緊張させる事件でもあった。2011年5月に陳炳徳・中国人民解放軍総参謀長が訪米した時にも、中国に対する米国の偵察活動への不満が表明されていた。
ロシアの偵察活動に対する日本の抗議と、米国のそれへの中国の不満は共通する。『環球時報』の記事が、「ロシアはけしからん」というまとめ方をしていたなら辻褄は合うのだが、記事はそうなっていない。
相手が違えば立場も変わる、というダブルスタンダードは外交のみならずよくある話ではあるが、今回の『環球時報』のケースはそうではない気がする。
日本周辺空域で活発化しているロシア、中国の偵察活動 日本周辺空域における航空自衛隊のスクランブル回数は、米ソ冷戦の終結後、確実に回数を減らしてきた。航空自衛隊が公表しているデータによれば、回数のピークは1984年度の944回で、その後1989年の冷戦終結まで年間800回を超えていた。以後、急速に回数が減り、1999年度から2004年度までは年間200回に届かなかった。
しかし、2005年度以降、その回数は増加に転じ、2010年度には386回を数え、2011年度においての通年回数はまだ出ないが上半期だけで203回に達した。
スクランブルの対象は、これまでロシアが大部分を占めてきたが、近年における増加の一因に中国軍機に対するスクランブルの増加があり、例えば2011年度上半期の203回のうち、中国を対象としたものは83回あった。
2010年度が年間で96回であることを考えれば、これは「急増」と言える。ロシア軍機の接近回数も増加傾向にあり、日本周辺空域におけるロシア、中国の偵察活動が活発化していることが分かる。
ロシア空軍機の偵察行動が、日本列島を取り囲むように広範囲に渡っていることに比べ、これまでのところ中国の行動はそれほど大胆ではない。東シナ海を中心に日本の領空に接近する程度である。
しかし、今後もおとなしい中国であるはずがない。何よりも、中国人民解放軍が現在、最も重視しているのが「情報化」であり、人民解放軍の戦略は、陸海空は言うに及ばず、宇宙空間、サイバースペースにまで「情報化」のスコープを広げ、「情報化条件下の局部戦争を戦い勝利する」ことを目標としている。
避けられない日中の「空の摩擦」 2011年12月、人民解放軍は北京郊外の通州に大規模な無人偵察機の基地を建設、その無人偵察機による東シナ海での巡航飛行を成功させている。
2009年10月の建国60周年軍事パレードに無人偵察機が初登場し、それがすでに偵察任務に就こうとしている。今後、東シナ海空域で日中間の摩擦が激化することを予感させる。
その一方で、わが航空自衛隊の「P-3C」対潜哨戒機が毎日のように東シナ海で中国が開発を進めている海底ガス田に接近し偵察活動を行っていることに、中国側も苛立っている現実もある。
『環球時報』は、ロシアが日本を恫喝する記事をなぜ載せたのか。
それは、来る日中の「空の摩擦」を念頭に、いざとなれば中国もロシアと同じ態度で日本に対応する意思を示したかったのではないか。当たらずといえども遠からずのような気がする。 ↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
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中国人民解放軍空軍
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我々は人民解放軍を過大評価していないか
殲20戦闘機の神話〜中国株式会社の研究(97)
2011.02.11(Fri)
今回は中国の「殲20」戦闘機の話をしよう。「殲20」とは現在試作中の第5世代ステルス型戦闘機。1月11日の胡錦濤総書記とロバート・ゲーツ米国防長官との会談直前に試作機の初飛行が「公開」され、俄然注目を集めた例の「殲20」である。
ゲーツ訪中の政治的背景については既に書かせてもらったので、ここでは繰り返さない。今筆者が最も関心を持っているのは、兵器としての「殲20」の性能に関する中国メディアのちょっと奇妙な報道ぶりである。典型例を幾つかご紹介しよう。
殲20を誇示する中国●殲20が米国のF22に対抗でき、攻撃力がより高く、中国周辺の米空母や在日・在韓米軍基地を重大な脅威に晒すといった憶測は冷戦時代の思考に過ぎない。
●他方、殲20は単なる技術実証機に過ぎず、ステルス性、新型エンジンなどない「ステルス戦闘機の外観を持つ殻だけ」といった批判は殲20を恐れる証拠である。
●殲20は2015〜18年までに、基本的に中国空軍に加わることになる。中国が重大な軍事的脅威に直面する場合などには、(時期が)やや早まるかもしれない。
●米国は殲20のテスト飛行後、様々な国際世論を誘導して、「中国のハイテク軍事技術はみなスパイ活動によるもの」というイメージを作り上げようとしている。
いずれも、殲20の高性能ぶりを誇示しつつ、同機が中国独自の技術であると強調している。単なるプロパガンダに過ぎないのか、それとも、本当にF22に匹敵する第5世代(中国では第4世代と呼ぶ)の戦闘能力があるのだろうか。
中国空母のビデオも流出 中国側による最新兵器情報のリークはこれだけではない。1月31日付ウォールストリート・ジャーナルによれば、殲20初飛行の「リーク」から2週間後の1月28日、中国海軍初の空母「施琅Shi Lang」を映したビデオがネット上に流出したらしい。
初の空母といっても、実態は1998年に中国がウクライナから購入した空母「バリヤーグ」に様々な艤装工事を施した「再生品」だ。米国防総省筋によれば、今年か来年にも就役すると見られていたようである。
それにしても、「殲20」戦闘機といい、空母「施琅」といい、本来なら高度の機密映像のはずだ。これらが最近相次いで中国のネット上に「流出」したことは決して偶然ではないだろう。問題はその真の意図がどこにあるかである。
殲20の実態中国が技術を盗んだのではとされる米国のステルス戦闘機「F-117」AFPBB News〕
殲20(殲撃20型、欧米メディアではJ-20)戦闘機は中国人民解放軍空軍のための第5世代ステルス型戦闘機であり、開発・製造はAVIC(中国航空工業集団公司)が担当していると言われる。
もちろん性能の詳細は非公表だが、欧米メディア報道を総合すると、(1)双発ジェットエンジンの大型戦闘機で航続距離と積載重量に優れる、(2)機首と胴体前部の形状、エッジアラインメントなどから見て一定のステルス性を有する。
他方、(3)そのデルタ翼とカナードはステルス機として必ずしも理想的ではなく、(4)1990年代中葉に開発が中止された旧ソ連MIG 1.42計画が土台となった可能性があり、(5)2000年頃までにAVIC開発者による基本設計が完了したらしい。
これが事実であれば、殲20が1999年3月27日にコソボで撃墜された「F-117」の技術を盗用して開発されたとの西側メディアの一部報道も、中国側の主張通り、誤報である可能性が高いのかもしれない。
これまで米国は、殲20の実戦配備を2019〜21年頃だと予測していた。それが中国の主張する通り2015〜18年以前となれば、米国の太平洋空軍配備や日本のF-X(F-4後継機)の検討にも少なからぬ影響を与えるだろう。
いずれにせよ、筆者はいわゆる「兵器オタク」ではないので、技術的な優劣はこれ以上分からない。
しかし、ロシア空軍が断念したMIG 1.42のデザインが土台となったのであれば、それほど大騒ぎする話ではないのかもしれない(ちなみに、ロシアはMIG 1.42ではなくSukhoi T-50を正式採用している)。
さらに、筆者のFSX(航空自衛隊次期支援戦闘機)担当官としての経験から申し上げれば、戦闘機の真の能力は、その形状やステルス性だけでなく、アビオニクス、レーダー、搭載武器、エンジンなどの完璧な組み合わせによって初めて生まれるはずである。
ボマーギャップとミサイルギャップソ連の爆撃機「M-4バイソン」(ウィキペディア)
欧米の専門家の中にもこの点を指摘する声は多いが、筆者は次の理由からも、この種の軍事技術プロパガンダには大いに懐疑的である。
1954年2月、米国の航空専門誌「Aviation Week」は、ソ連の新型爆撃機「M-4バイソン」が米国に対する核攻撃能力を有すると報じた。さらに、翌1955年7月、ソ連で開催された航空ショーにそのバイソンが60機も「登場」したため大騒ぎとなる。
ワシントンでは爆撃機分野での「ソ連の優位」を懸念する声が急速に高まり、米国防総省は米核戦略の見直しを迫られたという。これが、いわゆる「ボマーギャップ」だ。
また、1957年にはソ連が人類初の人工衛星打ち上げに成功し、米国は再び騒然となった。当時のフルシチョフ・ソ連首相はミサイル戦略におけるソ連の対米優位を事あるごとに強調し、執拗に米国に揺さぶりをかけた。これが「ミサイルギャップ」である。
ステルスショック? ソ連のプロパガンダはまんまと成功した。1955年の航空ショーに参加したバイソンはわずか10機に過ぎず、何とその10機の編隊が飛行場上空を6回も周回することにより、あたかもバイソンが60機もあるように「見せかけていた」のだ。
「ミサイルギャップ」も同様である。1960年代になって米国が「U-2」高高度偵察機を投入した結果、ソ連のミサイル配備は米国の予想をはるかに下回る貧弱なものであることが分かったからだ。
今日でも国際安全保障専攻の学生にとって、「ボマーギャップ」「ミサイルギャップ」は古典中の古典だ。その教訓は、ソ連のプロパガンダが一時的に成功しても、それは逆に米国の軍拡を促進させ、結果的にソ連の衰退を招いたということである。
果たして今回の「ステルスショック」「空母ショック」は本物なのだろうか。どうもこの種のプロパガンダは信用できない。いつの時代にも、軍事力の優劣については慎重な事実関係の検証が必要である。 JBpress.ismedia.jpより引用 |
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2011.1.24 18:37
産経ニュースより引用
作戦半径はF35に匹敵する1500キロ、西太平洋の制空権争いでも優位に
エンジンなどの第2次テストに突入、中国社会科学院秘書長が言及
今月11日に初のテスト飛行に成功した中国の次世代ステルス戦闘機「殲20」の作戦半径は1500キロに達するという。中国、ステルス高速艇を東シナ海に実戦配備 中国が今年に入り、ステルス戦闘機「殲20」の試験飛行の事実を認めたのに続き、今度はステルス機能を備えたミサイル高速艇を開発し、東シナ海に実践配備したことが分かった。中国共産党の機関紙・人民日報は19日、新型ステルスミサイル高速艇が東シナ海に実戦配備された事実を報じ、電子版に写真も掲載した。 ↓取り合えず掲載した韓国の穴埋め記事w
「相手に知られないように動けば効果あり」…政治・マーケティングに活用
企業情報を伏せる「ステルスカンパニー」が急増
事務的な会合を装う「ステルスデート」も登場
「戦争の手法がはびこる」という懸念の声も
米国スタンフォード大の研究チームは最近、米国の予防医学雑誌『AJPM』に、「学生らの肥満を退治する方法として、“ステルス戦略”が効果的だ」という内容の報告書を発表した。研究チームは、「大学生らに、“地球環境を守るには、食習慣を変えなければならない”と環境保護運動を装ったキャンペーンを行ったところ、直接的な肥満対策教育に比べ、肥満を改善する効果が大きかった」と報告した。朝○日報より引用 |
中国が初めて開発したステルス戦闘機「殲20」が11日、15分間のテスト飛行を無事に終えたという。これで中国は米国に続き、敵のレーダーを避けて敵陣に侵攻できるステルス戦闘機の保有国家となった。「殲20」は、およそ5年後に実戦配備されるとみられる。中国製のステルス戦闘機が初めて空を飛んだこの日、中国の胡錦濤国家主席はゲーツ米国防長官と北京で会談した。米国の国防長官の前で「中国の力」を誇示した格好だ。 米国メディア「殲20のテスト飛行は中国軍部の反発の現れ」
中国系メディア「胡主席が知らなかったはずがない」
今月11日に中国軍がステルス機「殲20」の初のテスト飛行を実施した事実を、胡錦濤国家主席が事前に知らされていたかどうかをめぐる議論は、なかなか収まる気配がない。 朝○日報より引用
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中国によるステルス機開発に、世界中の軍事専門家の注目が集まっている。ステルス機の開発が専門家らの予想より早まれば、北東アジアでの米中両国の軍事バランスに重大な変化が起こることが避けられないからだ。 中国が、同国初となるステルス戦闘機「殲20」の試験飛行を行ったとの事実を認めた。中国を訪れている米国のロバート・ゲーツ国防長官は11日、「胡錦濤国家主席は、“殲20戦闘機が11日に中国西部で初飛行を行った”と語った」と伝えた。ゲーツ長官は胡主席との会談後、「胡主席にその問題について質問したが、胡主席は今回の試験飛行はわたしの訪中とは全く関係なく、事前に準備されたものだと述べた」と話した。 ▲中国が開発を進める宇宙戦闘機(写真上)と、米国の軍用無人宇宙往還機X37B(写真下)
今回の試験飛行に関連する写真が、「中国は2020年にステルス戦闘機を開発する」と予測するゲーツ長官の訪中期間に公開されたことで、さらに注目を集めている。 「中国の軍事技術は『世界で最も発展した軍隊』よりも数十年遅れているから安心してよい」 中国はロシアから購入した空母「バリャーク」を今年7月にも進水させるほか、上海近郊で独自に建造している空母を来年にも投入する計画だ。 朝○日報より引用
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