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緊張する米中関係:海洋摩擦
2010.08.03(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2010年7月31日号)
新たな「中国の湖」を作る動きを巡り、緊張が高まっている。
 
米韓合同軍事演習で、原子力空母「ジョージ・ワシントン」から飛び立つ戦闘機〔AFPBB News
イメージ 17月25日から28日にかけて朝鮮半島の南東岸沖合いで行われた米韓合同軍事演習で、米海軍の強大な空母「ジョージ・ワシントン」が米韓の艦隊を率いたのは、建前上、北朝鮮を震え上がらせることが目的だった。
 
 各艦は、艦砲を発射し、対潜爆雷を暗い海に向けて投下した。
 
 これは無意味な力の誇示ではなく、北朝鮮の抑止を狙った威嚇的な軍事行動だった。米韓両国は、今年3月に韓国の哨戒艦「天安(チョンアン)」を沈没させたのは北朝鮮だと考えている。
 
 しかし、明示こそされていないが、この演習は中国への警告でもあった。中国は天安沈没事件について北朝鮮を名指しで非難することを拒絶して、米国をはじめとする各国を苛立たせており、今回の合同軍事演習についても正当性を欠く挑発だとしている。
 
 米国と中国の間では今、貿易船が所狭しと行き交うアジア沿岸海域での安全保障上のプレゼンスを巡り、対立の気運が日に日に高まっている。
 

南シナ海を「中核的な利益」と呼び始めた中国

イメージ 2 中国には自国周辺の海域を自らの「湖」にしようとする意図があるように見える。
 
 天安沈没事件に対する同国の反応は、その1つの表れと言える。韓国は合同軍事演習を天安の沈没位置に近い黄海(地図参照)で実施したいと考えていた。
 
 しかし中国がこれに反対の意思を表明したため、実施海域は変更された。中国がこの海域での(完全に合法な)軍事行動に対して異議を唱えたのはこれが初めてである。
 
 中国のメディアが報じたところによると、中国陸軍も黄海「近く」で独自に軍事演習を実施した。
 
 緊張が高まっているのは北東アジアだけではない。7月23日には、ベトナム・ハノイで開かれたアジアの安全保障会議、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で、緊張が公然と噴出した。関連会議の席上でヒラリー・クリントン米国務長官が、国際法と既存のルールの尊重こそが、南シナ海におけるカギだと発言したのだ。
 
 ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、ブルネイ(すべて米国の友好国)は、中国と領海の境界線を巡って係争状態にある。この地域の平和維持に米国が役割を果たすことは、米国の「国益」にかなうと、クリントン長官は述べた。同長官によれば、南シナ海は「地域の安定に極めて重要」な存在なのである。
 
中国の楊外相は、クリントン長官の発言に対し、2国間問題を「国際問題化」して緊張を煽ってはならないと警告した〔AFPBB News
イメージ 3その2日後、中国の楊潔チ外相が反撃に出た。楊外相は米国に対し、中国が2国間問題と主張する問題を「国際問題化」することで緊張を煽ってはならないと警告を発した。
 
 中国メディアの論説記事には、東南アジアは帝国主義者にだまされるな、との主張が掲載された。
 
 2009年、米国は「戦略的保証」協定の締結を中国に提案した。この協定案は、中国が他国に対して脅威とならないという保証を条件に、中国が世界的な大国になるのを米国も歓迎するという内容だった。
 
 しかし、ハノイで繰り広げられた小競り合いを見る限り、この協定が実現するのはまだ先のことのようである。
 
 中国は、米国がいずれ今回のような発言をしてくると予想しておくべきだった。3月に、中国の高官は米国に対し、中国は南シナ海を台湾やチベットと同等の「中核的な利益」地域と見なしている、と述べた。
 

懸念を深める東南アジア諸国

 これを受け、中国が西側資本による海底油田の探査契約締結を妨害しているのに苛立っていたベトナムは、密かに米国に対して、東南アジア側に立ってもらうようロビー活動を行っていた。
 
 米国内ではさらに強硬な対応を求める声もあった。しかし、米国は多くの問題で中国との協力が必要で、そのためクリントン長官の発言も制約を受けていると、ピーターソン国際経済研究所のマーカス・ノーランド氏は解説する。
 
 協力が必要な問題は、為替レートからイランの核開発計画、さらには北朝鮮が崩壊した場合の協力体制にまで及ぶ。
 
 日本の自衛隊は、日本海で行われた今回の米韓軍事演習にオブザーバーとして参加した。新聞報道によれば、日本の防衛省が1976年以来初めて、潜水艦隊増強を検討しているという。北朝鮮と、日本近海で活発な動きが目立ってきた中国海軍に対抗するため、潜水艦を2隻増強するとのことだ。
 
 しかし韓国では、政権基盤の揺らぐ北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)体制に対する政策が強硬だとして、李明博(イ・ミョンバク)大統領に批判が集まっている。天安沈没事件の調査を巡っても、陰謀論が飛び交っている。
 
 疑問の1つは、調査チームに加わっていたスウェーデンが、なぜ北朝鮮を犯人とする最終報告書に署名しなかったのか、という点だ。
 
 だが、スウェーデンのラーシュ・ヴァリエー駐韓大使は本誌(英エコノミスト)に対して、これは単に手続き上の問題であり、スウェーデンも犯人は北朝鮮だと考えていると述べた。
 
 中国国内では、米国の強い出方に反応する形で、中国は膨らんだ「中核的利益」のリストについて強硬に出過ぎたのではないか、という議論が巻き起こっている。
 

中国の強硬姿勢を巡っては国内でも議論噴出

 7月27日には、普段は米国の行動に常に批判的な論調の「環球時報」紙も、自国の中核的利益の定義を「恣意的に拡大」することは避けるべきであるとの主張を掲載した。たとえ大国であっても、領土問題においては、時に犠牲を出さずに譲歩することができるはずだと、同紙は述べている。
 
 国営新華社系の週刊誌「瞭望」も、「中核的利益」という言葉を乱用すると、抑止力としての価値が失われるばかりでなく、軍事紛争につながる可能性もあると警告する軍事学者の発言を掲載した。
 
 今のところ、中国は「平和的な勃興」を遂げると言いながらも、外交の場では要求をつり上げ、この主張と相反する動きを見せている。西側の外交筋によれば、中国は南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)、スプラトリー諸島(南沙諸島)とその周辺海域の領有を宣言しているだけでなく、東南アジアの奥にまで広がる広大な海域についても領有権を主張している。
 
 周辺諸国は、将来、こうした主張が武力によって裏づけられるのではないかと危惧している。中国の楊外相は、「正当な懸念の表明が、強権と見なされるのか」と問いかけたが、巨大な国の発言である以上、周辺国がそう考えても不思議ではないだろう。
© 2010 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事は
www.economist.comで読むことができます。


jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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上の写真は、日本周辺国の軍事兵器さんに掲載されているワリヤーグの準同型艦であるロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ。
 
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本日のjbpress.ismedia.jpさんの記事は、当初掲載予定していた記事の内容がイマイチのために、ちょっと古い記事を探して来ました。
 
中国の空母「施琅」
Chinese Aircraft Carrier, Shi Lang
2009.05.28(Thu) 谷口 智彦
 
本の首相にはそれを言うと必ず批判を浴びるという類のタブーがいくつかある。例えば中国軍事力の増強ならびに近代化を称して、日本にとっての「脅威」と呼んではいけない。
 
 麻生太郎という人は真実と知りつつ頬被りしていると体がムズムズしてくるタイプで、「あァ言っちゃった・・・」という失言の半ばはそうした性癖に由来する。外相時代を含め、麻生氏は過去何度か中国軍事力の進化を「脅威」であると評し、その都度内外の見出しを賑わせた。
 

中国軍軍事力白書を精読すると

 けれども言葉をたわめて穏便を図るのは日本に限った話でなく、米国防総省が3月25日刊行した中国軍軍事力白書(PDF)のどこを見ても、人民解放軍は米国やその同盟国にとって「脅威」であるとは書いていない。
 
 そのかわり、事実を淡々と記している。一つひとつを追っていくと、もはやこれを総称して脅威と呼ぶかどうかなど、どうでもよい気がしてくるように書いてある。事実をもって語らせようとした説得力は、レトリックの使用不使用を超越している。
 
 この度白書最新版を旧版と見比べ両者間の異同を詳しく追ってみて、その感を強くした。
 
 白書が関心を寄せる対象のひとつは、「残存性」の向上である。
 
 「残存性」とは、核の第一撃に耐え残存、反撃し得る力のことで、この場合は米本土を狙う中国核戦力について言う。固形燃料・可搬式の弾道ミサイルを増やせば増やすほどその居場所や発射タイミングを悟られにくくなり、中国は残存性を増す。白書はこれに警戒的だ。
 
 ミサイルについて白書は3つのことを記すか、示唆している。第1に、全米各都市に深刻な打撃を与えるだけの力を、中国の弾道ミサイルは持っていること。第2に、日本は列島全体がすっぽり中国ミサイルの射程内に入っていること。すなわち中国の対日“威力業務妨害能力”は、いや増すばかりであること(毎年100基ペースで増加中)。
 
 そして第3に、対艦弾道ミサイルが充実しつつあり、米国海軍空母はグアム島辺り、あるいは横須賀出港直後の辺りでその種ミサイルに狙われるかもしれず、狙われた日には、貫通力の高い補助弾に甲板や艦橋構造物を突破され、格納庫の航空機や指令系統を瞬時に破壊されかねないこと――だ。米軍は台湾有事の際何が起きると案じているか、十二分に示唆的である。
 

台湾攻略の提督が名前の由来

 中国人民解放軍は横須賀配備米海軍空母に照準を合わせながら、自らの空母保有計画を進めることに余念がない。本年版白書は昨年に倍する字数を用い、「数隻の建造計画」があるなどと言われる現状をトレースした。
 
 最初の空母はウクライナから仕掛かり半製品状態で買い入れた「ワリヤーグ」の補修改良型となることが、4月末、いよいよはっきりしてきた。
 
 新しい艦名がちゃんとあり、「施琅(Shi Lang)」という。施琅とは17世紀に水軍を率いた男で、台湾攻略に功があったとか。エラい提督だったと中国では列伝中の人気者である。台湾との兼ね合いで、露骨な名のつけ方ではある。
 
 ゆえにもはやワリヤーグとは呼ばず施琅と呼ぶべきであるけれども、4月末、大連でドック入りしたことが多数の中国人によって確認されている(中国には鉄道マニアは滅多にいないようだが「ミリヲタ」は大勢いるらしく、ネットには施琅改修工事中の姿をとらえた映像がいくつも上がっている)。
 
 次なるプロセスはロシアから艦載機スホーイ33を買うことと、本欄でいつぞや伝えたとおり、ユリヤ・ティモシェンコ首相はいささか動転しつつ否定したものだったが、訓練の場所やノウハウを彼女の国、ウクライナに提供してもらうことであろう。
 
 それでも米海軍の運用能力並みに力をつけるには、10年単位で時間がかかると言われる。作戦海域にあるフネ、ドック入りしているフネ、その間の往路、または復路の途上にあるフネと、空母は都合最低3隻、脇を固める艦船や航空機を加えた打撃群で見てもせめて3群の編成がないと、力の投射に満足なことはできないとの正論もよく聞く。
 
 これらは米軍関係者がよく言う話であるけれども、日本から見たらたとえ1隻、1群でも「ウザい」ことこのうえない。空母とはしょせん政治的武器である、すなわち精神的ハラスメントの具であって、狙いは敵方の戦略空間を狭めていくことと規定するなら、施琅がたとえ訓練空母に過ぎずとも、全くの意義なしとはしないわけである。
 
 おまけにセオリー通り、数隻ないし数打撃群の空母を整えようというのであるから、中国軍の行き方は伊達や酔狂ではない。
 

まるで「サンダーバード」の基地?

 それからここ1年内外で判明し、我が国メディアにおいてこそさほどの反応がなかったがアジア各国や豪州では耳目を集めた話――海南島の海底潜水艦基地――に関わる記述も、本年版白書は逃していない。
 
 一般にはシニカルな実利主義と評したいところだろうが、中国人の感じ方や発想がよく分からない。海南島に、超高級リゾートホテルを何軒も招致しつつ、その地面の直下、海面下には秘密の水中基地をつくろうという、この取り合わせ。
 
 われわれ日本からシーレーンを眺めると、入り口とも、出口ともなるのが台湾である。だから台湾が持つ戦略的重要性をつい強調したくなるものだ。
 
 しかし海南島から南シナ海に制海権を及ぼせば、台湾、日本はロングテールのその先にある従属的存在ということになりかねない。それゆえにこそ進む海南島の要塞化であり、同島近辺でこのところ頻発する米海軍との衝突である。
 
 海南島にはスペースシャトル打ち上げに使うロケットより大型の「長征V型」発射基地も着々整備中という。軍事機密と観光資源の同居もここに極まれり。どこからが立ち入り禁止になるものか、一度確かめに行きたいものだ。
 

北朝鮮「構ってちゃん」よりも大事

 白書は中国軍に、1つの歴史的変化が見舞いつつあることを指摘している。
 
 中国というグローバルパワーの資源外交や、「レピュテーション(評判)」マネジメントといった多様な目的に奉仕すべく、グローバルな行動力をもった軍――。中国軍は急速に、そんな方向へ進化しつつある。白書はそう見立てる。
 
 北朝鮮が核実験をし短距離ミサイルを撃ちと、あいもかわらぬ「構ってちゃん(ワタシを見て見て、構ってよお、とやる子)」ぶりを発揮し世上アジアの脅威は北朝鮮にトドメを指す如くに言われるけれども、米国防総省は北朝鮮軍事力をまともに取り合い、白書にしたりしない。
 
 例年議会に提出し、公刊する白書の対象国は、かつてはソ連であった。今は中国だけである。


jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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中国の示威行為にしびれを切らす米軍
原潜には原潜を〜「中国株式会社」の研究〜その66
2010.07.09(Fri) 宮家 邦彦
 
般に平時の海軍には「見せるべき」部分と「見せてはいけない」部分がある。前者の典型はいわゆる「砲艦外交」であり、後者の代表例としては例えば原子力潜水艦の「隠密行動」などがある。
 
 人権や人民元などを巡る米中のせめぎ合いについては、これまで何度かご紹介してきたが、実は海軍の世界でも米中が日夜しのぎを削っていることはあまり知られていない。今回は、この見えそうで見えない海上・海中の米中関係について書いてみよう。

活発化・大型化する中国海軍の動き

http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20100608/5854581.jpg日本で中国海軍への懸念の声が上がっていることを伝えた仙谷由人・官房長官〔AFPBB News
 
 最近、内外のマスコミでは中国海軍の動きに関する報道が目立つ。当然ながら米海軍や海上自衛隊関係者は懸念を隠さない。5月1日に訪中した仙谷由人・国家戦略担当相(現官房長官)も中国側要人に「日本で懸念の声が上がっている」と伝えている。
 
 本(2010)年4月8日、東シナ海で中国艦隊を監視中の海上自衛隊護衛艦に中国海軍の艦載ヘリコプターが異常接近を試みた。日本政府は外交ルートを通じ中国側に申し入れを行ったが、同様の事件は同月21日にも沖縄本島沖で発生している。
 
 仙谷大臣の発言はかかる事実を踏まえたものだ。しかも、これだけではない。最近中国海軍(人民解放軍海軍)は日本近海で示威活動を活発化させている。
 
 防衛白書などによれば、21世紀に入ってから次のような動きがあったようだ。
 
●2003年11月 中国海軍ミン級潜水艦が大隈海峡を浮上航行
●2004年11月 中国原子力潜水艦が沖縄近海の日本領海内を潜没航行
●2006年10月 中国ソン級潜水艦が沖縄近海で米空母の近傍に浮上
●2008年10月 中国ミサイル駆逐艦など計4隻の艦隊が津軽海峡を通過して太平洋に抜け、その後太平洋を南下して沖縄本島と宮古島の間を通過
●2008年11月 別の中国駆逐艦等4隻が沖縄本島と宮古島の間を抜け太平洋に進出
●2010年4月  中国ミサイル駆逐艦2隻、フリゲート艦3隻、潜水艦2隻、補給艦1隻など計10隻の艦隊が東シナ海から太平洋に抜ける海域で大規模な訓練を長期間実施
 

中国側の言い分

 日米が懸念を深める理由は説明するまでもなかろう。ここでは、本コラムにしては珍しく中国側の弁護を試みることにより、これら活動の妥当性を可能な限り客観的に検証してみたい。
 
 まず、大隈海峡と津軽海峡の通過だが、両海峡は特定海峡(国連海洋法条約に定める国際海峡)であり、軍用艦船を含む外国船舶の自由通航は認められる。沖縄本島と宮古島間の通過も、公海上である限り、中国側に国際法上の非はない。
 
 一方、認められないのは中国原潜の日本領海内での潜没航行だ。国際法上、外国領海内で軍用艦船を含む船舶は無害通航権(武力行使・挑発行為をせず通過する権利)しか認められていない。
 
 特に、潜水艦の場合は浮上して国旗を掲げる義務があり、潜没航行は明らかに国際法違反だ。
 
 また、日本は中国側艦載ヘリ異常接近について抗議したが、中国側は「海上自衛隊の艦船が中国船を尾行、撮影し、正常な航行を妨害した」と譲らない。
 
 そう言われてしまえば、さらなる追及は難しい。また、米空母の近傍で潜水艦が浮上した事件は、浮上する直前まで米海軍が中国潜水艦の存在を十分捕捉できなかった点が大問題になったと記憶する。
 
 こう見てくると、中国海軍の活動をすべて国際法違反と決めつけるのは無理のようだ。重要なことは、過去数年間だけ見ても、中国海軍が急速、確実、かつ質・量ともに作戦能力を高めているという不都合な現実である。
 

米大型原潜が3隻同時に浮上

韓国の釜山(プサン)に寄港した米国の原潜「オハイオ」(写真は2008年のもの)〔AFPBB News
 
 米海軍第7艦隊が前方展開する日本の近海ですらこうした状況だから、南シナ海では中国海軍がより大胆な行動を取っている可能性がある。
 
 実際に、東南アジア諸国では拡大する中国海軍の活動を懸念する声が高まっていると聞く。
 
 そうした現実を象徴するような記事が7月4日の香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストに掲載された。残念ながら、ネットで見る限り、日本の大手マスコミはこれをほとんど報じていない。
 
 米国の中国ウォッチャーたちの間では大いに注目された同記事は、去る6月28日に米海軍のオハイオ級原潜3隻がプサン(韓国)、スービック(フィリピン)、ディエゴガルシア(インド洋)に同時に寄港したと報じている。
 
 さらに同記事は、このような出来事は冷戦終了後初めてであり、最近影響力を強めつつある中国海軍に対する東アジア諸国の懸念を踏まえ、米国が中国に発したメッセージではないかと分析している。
 

「隠密行動」をあえて「見せた」米海軍

 これだけでピンとくるのは相当の軍事マニアだろう。この記事の重要性については若干注釈が必要である。最も興味深いのは、本来「見せない」はずの米原子力潜水艦の位置が、何と3隻も同時に、明らかになったことではなかろうか。
 
 米海軍のオハイオ級原潜といえば、冷戦時代はすべて潜水艦発射弾道核ミサイルを装備した戦略原潜(SSBN)であったが、その後多くは弾道核ミサイルの代わりにトマホーク巡航ミサイルを装備した戦略原潜(SSGN)に転換されている。
 
 記事によれば今回浮上した原潜は、いずれもこのトマホーク搭載型だそうだ。
 
 ということは、これらの原潜が、ロシアに対する大陸間弾道ミサイル攻撃ではなく、アジア大陸各地、特に中国の重要目標に対する精密誘導攻撃を想定していると考えるべきだろう(少なくとも中国は正確にそのように理解しているはずだ)。
 

米海軍の人民解放軍に対するメッセージ

米国の原子力潜水艦から発射された巡航ミサイル「トマホーク」〔AFPBB News
 
 そもそも、この記事を書いた記者はどうやって3隻の米原潜が同時に浮上したことを知ったのだろう。香港に寄港したのならともかく、プサン、スービック、ディエゴガルシアなどという「知る人ぞ知る場所」がどうして分かったのか。
 
 こんな記事、米軍関係者の情報リークがなければ容易には書けない。そう考えてくれば、同記事の結論部分は限りなく米国の本音に近いはずである。
 
 米国、特に米海軍は、最近の中国海軍による一連の高圧的「示威活動」に懸念を深める東アジア諸国の声に応えようとしたに違いない。
 
 同時に米海軍は、あえて原潜の「隠密行動」を「示威」することにより、特に東南アジア諸国に対して、米国が彼らの懸念を共有し、今後も中国海軍を抑止するに十分な能力を持ち続ける強い意志を伝えようとしたのだろう。
 
 さすが米中海軍間の「狐と狸の化かし合い」は実に見事である。香港の英字紙であるサウス・チャイナ・モーニング・ポストの花形記者はこのメッセージを伝えるために米海軍に体よく「利用」されたのかもしれない。いずれにせよ、よくある話である。
 
 ネットで検索した限りでは、英字紙以外でこの記事をいち早く伝えたのは韓国の中央日報だけである。先程述べたとおり、日本語の大手メディアはほとんど取り上げておらず、一部の個人ブログで中央日報の記事が紹介されていたぐらいだった。
 
 日本国内は今や消費税議論で侃侃諤々、米国の原潜がどこに寄港しようが大したニュースではないのだろう。やはり我々日本人の安全保障「感度」は、いつの間にかさらに鈍ってしまったのかもしれない。


 jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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中国海軍、第一列島線を超える
PLAN Sails Beyond the First Island Chain
2010.05.20(Thu) 谷口 智彦
 
主党国会議員団の相原久美子、網屋信介、川内博史、近藤昭一、瑞慶覧長敏、皆吉稲生の6氏は、去る5月7〜9日、サイパン、テニアンを訪れ、在沖縄海兵隊をもっと受け入れてくれないか地元の代表者たちに打診した。
 
 その際グアムの知事フェリックス・カマチョ、米国保護領北マリアナ諸島連邦(CNMI)の知事ベニグノ・フィティアルの両氏に、東京へ来てくれれば鳩山由紀夫総理とじかに会えるよう計らうと、強い心証を与えたことが地元紙に出ている('NMI, Guam govs may meet with Japanese PM', Saipan Tribune, May 10, 2010)。
 

サイパン、テニアンにだって事情はある

 2人の知事は、一部に報じられたように、沖縄の海兵隊をいくらでも受け入れるなどと無条件かつ手放しの話をしていたのではない。
 
 自民党政権下の2006年、日米両政府は約束を交わし、司令部機能を含む8000人の海兵隊とその家族を沖縄からグアムへ移すことにした。所要のコストは日本政府も負担することになっている。
 
 けれども当然必要になる病院や、下水道といった生活関連インフラの整備コストを誰がみるのか、詳細は詰まっていない。
 
 そのことを両知事は民主党議員団に会った際、あえて明確にするとともに、いかなる決断も地元ではできずワシントンの判断になると強調したらしい*1
 要するに民主党や社民党が皮算用をしたようには、2人の知事が来日して鳩山総理と会談したとしても、それが、どうぞサイパンへ、あるいはテニアンへ、グアムへももっとどうですかと、無条件の招請となる見込みはなかった。
 
 そうなるのだと言わぬばかりの観測に基づく論評が一部で見られたけれども、先方にしたところで、受け入れが招くいろんな激変への抵抗は当然ある。
 

結局流れた鳩山会談

 こんなことだと「絵にならない」というわけだったからか、それとも米国から当然にもあり得る(外交はワシントンの専管事項ゆえ)警告でも、やんわりあったか、5月13日辺りに総理との面会が実現しそうなはずだったのが、確たる話は何も東京から伝わらず、2人の知事は2階に上げられ梯子を外された格好になった。
 
*1=グアムやテニアンへ在沖縄海兵隊を喜んで受け入れましょうと言った後、2人の知事は「但し」として、「provided both territories are consulted and given financial assistance to pay for the relocation costs and to pay for the impacts on infrastructure such as power, water, roads, hospitals, schools, public safety impacts, as well as impacts on the environment」と言った。つまり地元としっかり話をした後、基地以外のインフラ整備が十二分になされるのなら、その限りにおいて歓迎しよう、というわけである
 
 CNMIの知事でテニアンの話をするつもりだったフィティアル氏に至っては、別の所用があったからとはいえ既に日本入りし、アポのためずっと待機していた。またカマチョ・グアム知事は知事公室からあえてステートメントを出し、今に至るも東京から何ら知らせてこないので、日本に行くのはとりやめにしたと文書で発表した。両氏とも内心、バカにするのもいい加減にしろよと憤懣を抱いたかもしれない。
 
 ところでこんなヒト迷惑(内外ともに)な泥縄策動を、よりにもよってこの時期やってのけたというところに強い驚きを禁じ得ない。

「ヘリ近接事案」につき対中抗議したが・・・

(写真は昨年4月、中国海軍創設60周年を
記念して行われた国際観艦式の様子)
 
 今春、中国海軍史上前例のない規模の艦隊行動が相次いだというのもこれから見るとおり、3月、4月と連続して中国海軍史上前例のない規模に達した艦隊行動があり、遂に彼らが言う第一列島線を超える動きが本格化したと思われるからである。
 
 そんな折も折、海兵隊にとことん沖縄から出て行かせ、テニアン辺りにひっこませようとは、安全保障に対する感受性それ自体の持ち合わせがそもそもないのではと疑いたくなる。
 
 岡田克也外務大臣は楊潔篪(ようけっち)・中国外交部長と5月15日に韓国・慶州で会談した際、「我が方艦艇へのヘリ近接事案・・・について抗議し、再発防止及び中国側の抑制的な対応」を求めたところ、「中国側海軍は正常な訓練を行っており、日本側の監視活動が妨害となった」と逆に切り返された。
 
 つまりこっちが一言「抑制的」に言ったら、向こうにぴしゃりと跳ね返されて終わった様子を、外務省が発表した「日中外相会談(概要)」の行間から窺うことができる。
 これだけでは後世の人々はおろか、今日ただ今の日本国民にも、何のことだったのやらわからない。事実関係を補っておく必要がある。
 

10隻の艦隊で宮古海峡を抜けた中国海軍

 中国は3月と4月、立て続けに最新鋭艦を含む艦隊をそれぞれ青島と寧波の海軍基地から押し出し、宮古島と沖縄本島が挟む海峡(宮古海峡)を通過させ、西太平洋へと送り出した。
 
 3月は、6隻を2隻ずつ3グループに分け、4月は10隻をひとかたまりの艦隊編成にし、かつ潜水艦2隻の護衛つきで派出したものだ。ちなみに10隻とは、中国海軍の遠洋行動として未曾有の規模という。
 
 現場へ出た海自の護衛艦「すずなみ」に、中国の対潜戦闘用ヘリコプターKa-28が90メートルの至近距離まで接近したのは、この、10隻がフォーメーションを組んで出て行った4月8日のことである(4月21日にも同種の事態発生)。
 
 岡田外相は、これが、物騒だった、危ないじゃないかと抗議した形。どことなく、歩いていたらアンタが自転車で脇を走り抜けたから恐かった、気をつけるか、ゆっくり行ってくれなきゃ困りますよといったふうな抗議だ。
 

第一列島線突破を既成事実化か

 その実は、このたびの艦隊行動とは、中国海軍がいよいよ本格的に、彼らの言う「第一列島線」を超えて力を投射する能力を具備した事実を天下に示威するものだった。
 
 中国の言う第一列島線とは、九州を起点に沖縄、台湾、フィリピンをつなぐ線のことで、この内側(西側)に閉じ込められている限り、中国海軍は台湾を取りに行けない。だからどうしても出る必要がある。一度や二度でなく、常々出ておくことが望ましい。それをいよいよ実地に移し始めたのが、2カ月連続の艦隊行動だったのである。
 中国海軍研究で長らく孤塁を守ってきた平松茂雄氏(前杏林大学教授)はつとに、山東半島の青島軍港と沖ノ鳥島近辺、それに潜水艦基地などがある海南島の各頂点を結ぶ三角形の海域において、中国海軍は制海権を握りたいのだと指摘している。
 

台湾を包囲へ・沖縄の高まる戦略性

 すると台湾がその中にすっぽり入るからで、これを固めた暁、中国の米海軍に対する接近阻止・領域拒否(anti-access, area-denial)能力は、飛躍的に強化されるためである。
 
 グアムに加えサイパン、テニアンを含む北マリアナ諸島は、くだんの三角形に対しその外側に位置する。沖縄の海兵隊をごっそりそちらへ移そうとする企図は、問題海域の制海権を中国に無償譲渡する意思表示となるに等しく、間違って実現でもしたときには多大の禍根を残すだろう。
 
 中国が沖ノ鳥島に狙いを定め、ただの岩礁に過ぎないなどとしてその国際法的地位に何かといちゃもんをつける背景もこれで諒解できるところだが、同島の命運もまた風前の灯ということになりかねない。
 
 ともあれ今度のこの一件くらい、中国海軍が急速に実力を蓄えつつあることと、その実力を日本列島・琉球弧を超え太平洋に向け投射するのを一切ためらわなくなった事実を印象づけるものはなかった。沖縄の戦略的重要性は高まるばかりだということを、中国が直接教えにきてくれたようなものだ。
 
 そんな時、民主党の沖縄等米軍基地問題議員懇談会の面々は海兵隊追い出しの方途を探るべく、テニアンまで出かけて行ったわけである。
 

東京でなくジャカルタが憂慮する

 このたび中国海軍が見せた行動について、最も詳報を伝えたのが我が国メディアではなく、「ミリタリー・バランス」の発刊で有名なロンドンのシンクタンク(IISS)が出すニューズレターだったというのも、つくづく考えさせる話だ。
 
 それによると南シナ海では最近ベトナムと中国がとみに緊張を激化、漁業権を争点として中国側が大型パトロール船を南シナ海に繰り出す一幕があった。これにはなんと202隻(!)もの警備艇が随伴したらしい。
 
 宮古海峡を抜け太平洋に出た中国艦隊は、実弾発射訓練やら対潜戦闘演習やらを随所で繰り返した後、バシー海峡を通って南シナ海へ入り、実効支配下に置く環礁に寄港した後、マラッカ海峡近辺まで足を伸ばす露骨な示威行為をしたという。
 これを知り憂慮するのも、東京の言論空間でなく、インドネシアのメディアである。インドネシアのジャカルタ・グローブ紙は5月2日、「竜が、南シナ海パワープレイで頭をもたげる」と題した論評を次のように結んだ。
 
 「南シナ海はこのままいくと『中国の池』になってしまう可能性がある。これを防ごうと、アジアの国々には米国との関係改善に乗り出すところが現れた。それはなにもインドネシアやインドばかりではない。まさにそんな時、日本はというと沖縄から基地を取り除きたいあまり、米国との絆を掘り崩しつつある。皮肉と言うほかない」


 
jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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中国の空母が日本の海を自由に行き来する日
圧倒的な米海軍と、そこに果敢に挑む中国海軍
2010.05.06(Thu) 保井 信治
 

ロシアから次々とソ連時代の最新兵器を購入した中国

 さて、今日新たに台頭してきた中国海軍は、このような米海軍空母部隊にいかに対応しようとするのであろうか。ロシアになって、ロシアはソ連時代の最新鋭兵器を次々と中国に売却した。
 
 一説によれば中国は、ロシアがあきらめた対艦弾道弾を改めて開発しているとの報道が見られる。ソ連の技術を転用し、台湾攻撃用(もちろん日本も射程内)の准中距離弾道弾東風21(射程1500〜2500キロメートル)を改修するという。
 
 ソ連があきらめた理由は明らかではないが、中国がそれを知ったうえで開発する理由も明らかではない。連続して米空母を追尾できるシステムと、発射後のミサイルを的確に修正できるシステムを可能とする技術的ブレークスルーがあれば将来的には可能であろうが、近い将来、米国の反撃に耐え得る同システムの完成はあり得ないだろう。
 
 30ノット(時速約56キロメートル)の高速で移動する航空母艦は、弾道ミサイルが飛翔する10分程度でも、約5海里(9キロメートル)は移動している。的確に追跡できなければ、核弾頭でも5マイルも離れると空母にダメージを与えることはできない。
 
 まして、日米のイージス艦には既に弾道ミサイル防御システムが組み込まれている。そして、さらなる改良に日米は共同して取り組んでいるところである。恐らく根も葉もない噂か、試みはしても対艦弾道弾は中国も断念せざるを得ないだろう。
 

中国は早くも航空母艦の艦長養成に走る

 次は、いよいよ中国の航空母艦である。中国高官には2005年頃から空母に関する発言が見られるが、2009年には相次いで「遠くない将来、中国人は国産空母を見ることができる」「中国は既に空母建造技術を持っている」(いずれも中国海軍航空兵部・馬国超少将)、「空母の導入については、現在検討中である」(中国軍・梁光烈国防部長)と空母保有の現実的かつ、控えめにとらえても検討段階にあることを明言した。
 
 繰り返しになるが、中国の商社がテーマパークとして購入したソ連の未完成空母ヴァリヤーグは、大連の造船所で今まさに中国初の空母として堂々と甦りつつある。ジェーン海軍年鑑は「施琅」という艦名を紹介して、予断はできないが恐らく練習用空母であろうと記している。早手回しに艦長要員の教育を開始していると推測できるのである。
 
 また陜西省西安の陸上に航空母艦のスキージャンプを模した施設が建設され、Su−27(Su−33ではないことに注意)の離着陸実験を行っている。つまり、当面は就役する「施琅」で実績を積み重ね、ウリヤノフスク級空母の建造に移行するのであろう。
 
 先の高官が言及した航空母艦とは、このウリヤノフスク級空母のことと思われる。複数の報道によれば、中国人民解放軍空軍・載旭大佐は今年1月、「2つの空母艦隊で約200億ドル(約1兆8400億円)が必要」と語っている。
 
 中国は外貨準備高2兆4470億ドル(2010年3月末)を誇る。過去22年間連続して2ケタの軍事予算の伸びを記録する人民解放軍に、予算上の制約は問題などないだろう。つまり我々は、中国が正規大型航空母艦を建造できるか否かではなく、同空母がいつ洋上に姿を現すかを前提に対応を進める段階に来ている。
 

兵器を提供してきたロシアも中国に対する警戒を始めた

 
 ロシアは既に、中国に対する軍事技術の流失を警戒し始めている。
 
 対艦ミサイルの技術は提供しても、超音速大型爆撃機バックファイアーは売却していない。同様にSu−27は売却したが、艦載型Su−33の中国への売却交渉も進んでいないようだ。
 
 中国は合法非合法、あらゆる手段を駆使して必要な技術を入手しようとするだろう。国産技術力も急速に進化している。これらの努力を通じて、中国空母艦隊は果たしてどこまで米国海軍の有する海上航空優勢に迫ることができるのだろうか。
 
 航空母艦の弱点を最も知悉しているのは、言うまでもなく米海軍である。そして、一例として、米軍の有する対艦巡航ミサイルの技術は、対艦弾道弾より現実的かつはるかに実用的である。予断は禁物であるが、筆者の見聞、体験を通じて言えば、中国が空母を建造して本格的に運用できるまでには、気が遠くなるほどの国力の投入と長い期間が必要となろう。
 
 それでも、米国が経済的に破綻でもしない限り、米空母戦力を凌駕することは不可能である。かつてのミッドウェー海戦のような一瞬の幸運に賭けて、膨大な国力をつぎ込むほど中国も愚かではあるまい。
 
 しかし、周辺諸国が誤ったシグナルを送れば、つまり、例えば我が国が日米同盟の信頼性を損ないかねない言動をするならば、中国初の空母完成を前に勢いを増す巨大なうねりは完成後さらにその勢いを増すに違いない。
 
おわりに
 
 航空母艦について分かりやすい紹介を、と筆を執ったが、後半は気づかないうちに専門用語が増えてきたように思う。また過去の事実はともかく、将来については軍事関係の報道は得てして根拠が不明確であるため、現実を目にするまではあくまでも想像の域を出ないのが普通である。
 

中国の大型航空母艦が日本の港に入港する日

 それにしても拙稿は独断と偏見の観を呈して、航空母艦を紹介すると言いつつもやや横道に入りすぎたのではないかと心配もしている。
 
 さて、この記事を書いている、まさにその時(2010年4月14日)の新聞に、中国の艦隊、潜水艦を含む戦闘艦10隻が、4月10日沖縄本島と宮古島の公海上を通過して太平洋に進出したと大きく報道されていた。
 
 中国は、過去22年間連続して軍事費を2ケタ増加して中国海空軍を急速に近代化、増勢している。また、中国は1992年に尖閣諸島をも中国領土と定めた「領海法」を制定した。
 
 従って、このことは当然予測された行動であり、いまさら驚いても遅い。今後も同海峡を通り中国艦隊が太平洋に頻繁に出入りするだろう。そして、我々は近い将来、その艦隊の中に威風堂々と疾駆する中国の正規大型空母が含まれているのを目にするに違いない。
 
 冷戦時代、筆者が初めて艦長を拝命した頃は、対馬海峡、津軽海峡をソ連太平洋艦隊の大型艦が艨艟を連ねて通峡していた。当時、海上自衛隊には約60隻の護衛艦があったが、それでも追跡、監視に駒が不足して苦労した記憶がある。
 
 現在は47隻。我が国は、いつまで防衛費を削減し続けるのであろうか。
 
 中国(当時清国)は1886年、日清戦争をさかのぼること8年前に、当時東洋一と謳われた最新鋭の戦艦「定遠」「鎮遠」など4隻を、修理のため長崎に回航した。事実上の砲艦外交である。
 
 奢る清国海軍北洋艦隊の水兵は、長崎で暴虐の限りを尽くした長崎事件を起こしている。中国の空母が我が国に寄港して、第2の長崎事件が再現しないとも限らない。そんなことまで頭に浮かぶ今日この頃である。


 jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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