ミッドウェー海戦研究所

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中国人民解放軍海軍

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70年の悲願、ついに実現
建造中の新空母は2015年に実戦投入へ
 中国の空母保有が、間もなく現実のものになろうとしている。新華通信や環球時報など中国国営メディアの電子版は7日、中国がウクライナから購入し、2002年から大連の造船所で改造作業を行ってきた旧ソ連の空母「ワリヤーグ」が、完成段階に入り、仕上げの作業が進められていると報じた。

 空母ワリヤーグの中国名は「施琅(清の水軍の将軍で、台湾を奪還した人物)」。新華通信は「1940年代に国民党政府の海軍が空母建造計画を策定して以来、中国人が70年間待ち望んできた空母保有の夢が、ついに実現した」と報じた。中国では、海軍の創設日にあたる今月23日や、共産党創党90周年を迎える今年7月1日が、試験航海の日程に挙げられている。

■米国の制海権に対し「遠洋防御」戦略

 中国で空母の父と呼ばれる劉華清提督(1916−2011年)は1985年、中央政府に提出した「中国の海軍戦略」の提案書で「21世紀初めまでに、台湾や沖縄まで防衛ラインを拡大し、2020年までに北太平洋に進出、50年までには全世界に作戦範囲を拡大しなければならない」と主張した。

 中国は、09年に海軍の戦略概念を「近海防御」から「遠洋防御」に転換した後、太平洋やインド洋へ作戦範囲を拡大することに腐心している。08年からソマリア海域に3隻の軍艦を投入し、昨年4月には日本の南方海上を通って西太平洋に進出する大規模な海軍機動訓練を実施した。

 こうした遠洋進出戦略を実現するために、必要不可欠となるのが空母だ。北京大のある国際政治専門家は「中国の利害の範囲が全世界に拡大した今、中国海軍の防御概念が近海にとどまることは、中国の国益に合致しない。空母によって、海軍の作戦範囲を全世界に拡大しなければならない」と語った。

 中国が空母開発に積極的に乗り出した背景には、中東から輸入される原油の輸送ルートの安全確保と深い関係がある。原油の輸送ルートに当たるインド洋や南シナ海、東シナ海などは、ほとんどが米国の制海権下にあり、従来の近海防御の概念では、有事の際にエネルギーの安全保障を確保できないというわけだ。中国の原油輸入依存度は60%に達している。
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■韓国領空が空母の作戦半径内に

 「施琅」が実戦配備されれば、韓国はもちろん日本など北東アジアの軍事バランス、特に海軍力の勢力図が変化すると予想される。空母が実戦配備されるということは、中国版イージス艦、駆逐艦、攻撃型原子力潜水艦など5−8隻の艦艇からなる空母戦闘団が総合的に動くことを意味する。

 特に、中国の空母が西海(黄海)に配備された場合、韓国の領空のほとんどが空母艦載機の作戦半径に入ることになる。米国の空母の作戦半径は1000キロ以上だが、中国の空母は500−800キロの作戦半径にとどまると予想されている。主力艦載機になる可能性の高いスホーイ33戦闘機の戦闘行動半径が、最大800キロ程度だからだ。

 スホーイ33はスホーイ27の艦載用として作られたもので、全般的な性能はスホーイ27より劣る。そのため、韓国空軍の最新鋭戦闘機F15Kと比べると、劣勢だと評価されている。しかし有事の際、中国内陸の基地から戦闘機が出撃するよりも、空母から出撃する方が、攻撃範囲は広くなる。中国の空母には、米空母のE2C早期警戒機に比べはるかに探知距離は短いものの、早期警戒レーダーを積んだ特殊なヘリも搭載され、早期警戒能力も備えているという。

■中国、2020年には原子力空母を開発予定

 「施琅」は当分の間、空母戦闘団の戦略・戦術の習熟や、艦載機の離着艦技術の開発試験に用いられるものとみられる。外信が報じた内容によると、中国はこの空母の改造を通じて蓄積した技術を活用し、上海の長興島で中国独自の空母1隻を建造している。新空母は、2015年から16年ごろをめどに実戦投入される見込みだ。

 さらに20年には、原子力空母の開発も予定されている。北京のある軍事消息筋は「中国は、空母『施琅』を開発した技術を基に、2−3隻の通常型空母を建造した後、原子力空母を開発する計画も進めている」と語った。 2011/04/08 16:14:18
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1992年に建造中断、その後競売に
カジノに改造するため香港の旅行会社が購入し、えい航
 中国初の空母「施琅」(旧「ワリヤーグ」)は、建造の過程でかなりの紆余曲折を経験した。1985年に旧ソ連で建造が始まり、完全な空母として生まれ変わるまでに26年かかった。その間、三つの国を渡り歩き、数万キロを移動、名前も3度変わった。

 1985年、旧ソ連の黒海造船所で建造が始まった当時の名前は「リガ」だった。しかし90年には、帝政ロシア時代の巡洋艦の名前を引き継いで「ワリヤーグ」と改名された。92年に新型ワリヤーグは、外形はほぼ完成したものの内装工事があまり進んでおらず建造が中断された。旧ソ連から所有権を受け継いだウクライナは98年、外側だけも同然の船を競売にかけた。

 ワリヤーグは、2000万ドル(現在のレートで約17億円、以下同じ)で香港の旅行会社の手に渡った。旅行会社側は、ワリヤーグをマカオまでえい航し、海上カジノ兼特級ホテルに改造すると発表した。2000年、えい航作業に着手し黒海から中国に向かう途中、トルコが「待った」をかけた。トルコの領海に当たるボスポラス海峡を通過する際、イスタンブールの橋を破壊しかねないというのが理由だった。

 中国政府が1年4カ月にわたりトルコと交渉を重ねた末、ワリヤーグは01年11月、ようやくボスポラス海峡を抜け出すことができた。しかし今度は、スエズ運河で問題が生じた。スエズ運河は、自力で航行できない船の通過を禁止しているからだ。船団はやむを得ず、アフリカ大陸を大きく迂回した。3カ月かけて喜望峰、マラッカ海峡を通過し、1万5000カイリ(約2万8200キロ)を航海した末、02年3月に中国・大連港に到着した。えい航作業にかかった費用は500万ドル(約42億円)、通関料も50万ドル(約4億円)に達した。2011/04/08 16:16:32
 
日本は大型潜水艦を拡充、米国は第7艦隊の空母を追加配備
 中国初の空母の進水が目前に迫り、中国の周辺諸国が緊張している。

 中国の空母が最初に実戦配備される可能性が高い場所として、南シナ海と東シナ海が挙げられる。この海域で中国との間に領土問題を抱えている日本やベトナムなどは、対応策の整備に奔走している状況だ。
 日本は昨年、中国の空母開発に備え、大型潜水艦の保有隻数を大幅に増やすことを骨子とする新しい防衛大綱を策定した。

 ベトナムも昨年、ロシアから潜水艦6隻を購入した。

 中国の空母に関して、米国の具体的な動きはまだない。しかし、中国の空母に最も神経をとがらせている国は、中国周辺海域の制海権を握る米国だというのが、北京の外交関係者の観測だ。米国は昨年末、第7艦隊が管轄する西太平洋海域の空母の数を、通常の1隻から3隻に増やした。北朝鮮の挑発に対応するのが主な目的という観測が多かったが、中国内部では、中国海軍の遠洋進出をけん制するのが目的という分析も出た。

 石油の輸送ルート確保を目指す中国のインド洋進出に、インドも鋭く反応している。既に3隻の空母を保有しているインドは、12億ドル(約1019億円)を投じてロシアの空母「アドミラル・ゴルシコフ」(排水量4万4000トン級)を導入、改装する計画を進めている。2011/04/08 16:17:15
朝○日報より引用
 
※注意 韓国の報道は、多数の副作用が認められますので、十分に注意の上、お使い下さい。
 
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中国が軍事力で米国を圧倒する日
正面装備だけに目を向けると見誤る〜「中国株式会社」の研究〜その28
2009.10.09(Fri) 宮家 邦彦
10月1日の建国60周年記念式典で10年ぶりの軍事パレードが行われた。52種類もの新型国産主要装備を見せつけられ、内外メディアは人民解放軍の近代化に大いに注目した。だが、我々が真に懸念すべきは新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)でも、巡航ミサイルでもない。
 
 軍事に詳しくない中国専門の記者はミサイルの射程など攻撃能力の向上ばかり書いている。しかし、日米の軍事専門家は正面装備よりも、中国軍の戦略の変化、戦術の高度化、統合運用、訓練、通信など解放軍部隊の実際の作戦能力に関心があるはずだ。
 

進化する中国の軍事戦略

 今から5年前、スイスのジュネーブで面白い元米国防総省関係者に出会った。中国語を流暢に操り、中国古代史に精通し、孫子の兵法を英語で語れる男だった。対中強硬派として一部では有名なこの米国人、歴史を語りつつ人民解放軍批判を国際会議で繰り返していた。
 
 彼だけではない。まだ少数派ではあるが、ワシントンには中国人民解放軍の戦術能力の急速な向上に強い懸念を抱く人々がいる。もちろん、人によって重点は若干異なるが、論点は概ね同じだ。ここで、彼らの主張をまとめてみよう。
 
1.防衛戦略目標の拡大
 
 従来から中国は台湾の「武力解放」を放棄していないが、現在の人民解放軍の軍事戦略は台湾防衛にとどまらない。最近では日本の伊豆諸島から、小笠原諸島、グアム、サイパン、パプアニューギニアまでの海域を防衛ラインと定めているようだ。
 
 これは一般に「第2列島線」と呼ばれている。1982年に人民解放軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の幹部が打ち出したものらしい。2020〜2040年までに、米海軍による太平洋、インド洋の独占的支配を阻止するという壮大な海軍増強計画だ。
 
 実際に、最近中国海軍は沖縄から台湾、フィリピン、ボルネオに至る「第1列島線」を越えた海域での海洋(軍事)調査を頻繁に行っており、多弾頭核ミサイルを搭載する新型原子力潜水艦の拡充や空母戦闘部隊の導入を着々と進めている。
 
2.非対称型戦闘能力の追求
米国が真に恐れているのは中国のサイバー軍事力(写真はコンピューター展示会でパソコンに興じる中国の警官〔AFPBB News
 
 今回の軍事パレードで公開された最新型正面装備を見て、そうか、中国は米国に追いつこうとしているのかぁ、などと考えるのは大きな間違いだ。そもそも中国は米国と軍事的に真正面から対峙する気など毛頭ないからである。
 
 いかに兵器の近代化を進めようとも、人民解放軍がまともに戦えば、地球規模の衛星通信システムと最新のハイテク兵器を駆使する米軍には勝てない。このことは、解放軍幹部自身が最もよく理解しているはずだ。
 
 中国が現在進めている人民解放軍の近代化は軍事パレードでは決して見えてこない。今の中国の真の関心事は、米軍の精密誘導兵器、衛星通信システム、空母機動部隊と「いかに戦わずして勝つか」という孫子の兵法に似た発想である。
 
3.米軍戦力投射能力の否定
台湾で行われた軍事演習でノックス級駆逐艦から発射される防空ミサイル〔AFPBB News
 
 中国が東アジア地域で万一軍事行動を決意する時、最大の関門は日本、韓国などに前方展開する太平洋軍部隊、特に空軍、原子力潜水艦と空母機動部隊などによる米国の軍事介入であろう。これを食い止めない限り、中国の戦争目的は達成されない。
 
 1996年の台湾総統選挙の際、中国はこれを牽制すべくミサイル演習を行い、米国は急遽空母機動部隊を派遣した。台湾では中国の武力威嚇を巡って反中感情が高まり、結果的には中国にとって逆効果となった。中国はこの屈辱を決して忘れてはいまい。
 
 人民解放軍は過去20年間、湾岸戦争からイラク戦争に至るまで米国が戦った戦争を徹底的に分析したに違いない。その結果、米軍の戦闘能力、特に、その迅速な戦力投射能力(power projection capability)の弱点を突こうと考えているものと思われる。
 

暗殺者の鎚矛(つちほこ)

 筆者が北京に駐在していた2001年、米国防総省関係者が人民解放軍関連の様々な中国語文献を読み漁っていると聞いたことがある。
 
 調べてみると、確かに軍事学術雑誌から解放軍の教本や内部資料まで、おびただしい量の論文、文書がすべて英訳されていた。
 
 これら文献の中で、中国は米軍との戦いで切り札となるような「サプライズ攻撃」を「杀手锏(暗殺者の鎚矛assassin's mace)」と呼んでいるそうだ。
 
 これら膨大な資料を分析した米軍関係者が危惧するのは、次のような中国の「非対称型」戦術能力だと思われる。
 
1.前方展開基地や空母機動部隊に対する同時多発的ミサイル攻撃
 
 在沖縄米軍基地、特に空軍関係者の悪夢は中国による何十発もの通常弾頭中距離ミサイルによる同時多発型攻撃だ。最近中国製ミサイルの命中精度は飛躍的に向上しており、一発でも滑走路に命中すれば、空軍基地としての機能は一瞬にして麻痺する。
 
 この点は中国沿岸に近づく空母機動部隊についても同様だ。一度に数十発ものミサイルを発射されたら、今のミサイル防衛システムではとても対応できない。弾道ミサイルであろうと、巡航ミサイルであろうと、完全な防御が不可能な点に変わりはないのだ。
 
2.米軍の指揮・統制・通信システムに対する攻撃
http://img2.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20080215/2644336.jpg米駆逐艦から発射される衛星攻撃用ミサイル〔AFPBB News
 
 最近報じられている一連の中国によるハッキング行為は決して個人の仕業だけではないだろう。現代米国社会の諸活動がネットに深く依存している以上、中国は国家戦略の一部として組織的、継続的にサイバー攻撃の演習を常に行っていると考えるべきだ。
 
 そもそも、今の商業用インターネットは米国防総省のネットワークだった。軍事用情報ネットはさらに進化しているだろうが、こうした情報網がハッキングなど外部からの攻撃に脆弱であることに変わりはなかろう。
 
 また、精密誘導兵器の運用に不可欠であるGPS(グローバル・ポジショニング・システム)も衛星システムなしには機能しないが、2006年以降、中国は着々と対衛星攻撃能力を向上させている。さらに気になるのは、中国が「複雑な電磁波環境の下での演習」も行っていると報じられていることだ。
 
 核爆発で発生する電磁波は米軍の通信システムを無力化する。人民解放軍が核使用を排除すると信じる根拠など全くない。むしろ、考え得るあらゆる手段を駆使して米軍お得意のハイテク軍事作戦を初動の段階で封じ込めようとしていると考えるべきだろう。
 

 これが現在の米中間の軍事バランスの真の実態である。それに引き換え、わが国には日本が自国防衛のため何をすべきかを真剣に考えている政治家が一体何人いるだろうか。こうした問題こそ、「政治主導」で考えてもらいたいものである。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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フィジーで軍港建設か?
PNGの事業は難航
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中国原潜、第1列島線突破 日米警戒網の穴を突く 宮古−与那国間を通過か
2010.12.31
イメージ 1 中国海軍の原子力潜水艦が昨年2月ごろ、九州−台湾−フィリピンを結ぶ第1列島線を突破していたことが分かった。複数の政府筋が30日までに明らかにした。沖縄県の宮古島、与那国島間を通過したとみられる。警戒網の穴を突かれたことに日米両政府は強い衝撃を受け、中国潜水艦の監視網を強化。「防衛計画の大綱」で潜水艦増隻や島嶼(とうしょ)防衛強化に踏み切る転機にもなった。

 第1列島線を突破した原潜は、平成16年にグアム島からの帰路に日本領海を侵犯した際と同型の「漢(ハン)級」だった可能性が高い。16年は出港時から米国衛星などが探知し、米原潜や海上自衛隊のP3Cが継続して監視しており、ノーマークで突破されたのは初めて。

 東シナ海での中国の潜水艦探知・追尾のオペレーションで、海自は複数の艦艇を配置。加えてP3C哨戒機を飛行させ、周辺海域を隙間なく監視できる態勢をとる。ところが、昨年2月ごろは原油高騰の影響もあり、海自はP3Cの飛行回数を抑え、監視ポイントも減らしていた。

 中国側は偵察活動により艦艇とP3Cの監視位置を把握した上で監視網の穴を見つけ、原潜に第1列島線を突破させたとみられる。

 原潜は中国・青島(チンタオ)から出港したとみられるが、グアム島近傍に進出するまで探知されなかった。宮古−与那国島間の海域は遠浅で大型原潜の潜航には適さないことから、今回の突破により、中国海軍が海洋調査により海底地形を熟知していることが裏付けられた。静粛性を高めるなど能力を向上させた可能性も大きい。

 第1列島線の突破を知り、海自は即座にP3Cの監視を増強。米側も原潜のスクリュー音などを収集するため音響測定艦「インペッカブル」を投入した。

 ところが、昨年3月にはインペッカブルが海南島沖で中国船舶に包囲される事件が起きた。海南島沖では中国海軍が潜水艦の地下格納施設建設を進めており、インペッカブルのソナーを外そうとするなど激しく妨害、米中間の緊張が一気に高まった。

 第1列島線は中国海軍が有事の対米防衛ラインとして設定した。2010年までに第1列島線内の制海権を確保し、2020年までに伊豆諸島−グアム、サイパンを結ぶ第2列島線までの防衛ライン拡大を狙う。中国は沖縄本島〜宮古島間の海域を押さえ、宮古島以西の日本領土分断を狙うとの指摘もある。
産経ニュースより引用
 
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中国海軍恐るるに足らず、太平洋進出を阻止せよ
宮古、台湾海峡の防御は万全、バシー海峡の守りを固めよ
2010.12.06(Mon) 保井 信治
閣諸島海域における我が国巡視船と中国漁船の衝突事件に、我が国政府は場当たり的な対応に終始して国民の顰蹙を買ったが、唯一、米国国務長官から尖閣は日米安保の対象であるとの明確なメッセージを引き出したことは大きな成果であった。
 

中国のやり方は中東のテロリスト並み

 しかも、国際社会は今回の中国の行為に眉をひそめた。中国の採った態度はまさに人のもの欲しさに何でもありの強談判であり、最後は人質を取るなど中東のテロリスト並みの手も打った。
 
 これが国連常任理事国とは聞いて呆れる悪行三昧である。さらに、中国国内では反体制に発展しかねない反日デモが頻発するなど、中国にとってはまさに様々な意味で「藪蛇」となった格好である。
 
 ところで、中国をそこまで強気にさせている要因は何か。
 
 巷間、様々な分析がなされ、マスコミをにぎわしているが、いまや我が国を抜いて世界第2位の国内総生産(GDP)を誇ろうかという経済力、および過去20年間その経済力を注ぎ込んで急速な近代化を達成した軍事力が背景にあることは万人の認めるところであろう。
 
 特に軍事力に関しては、海・空軍の近代化およびその増勢には確かに目を見張るものがある。
 
 そして、最近、中国軍関係者およびマスコミには、中国海軍は海上自衛隊を凌駕する戦力を築き上げたという発言が随所に見られるのも事実である。もう海上自衛隊を恐れる必要はない、と。
 
 しかし、本当にそうであろうか、果たして中国海軍はそこまでの実力を手にしたのであろうか。
 
 今回のリポートは、最近新聞紙上に度々登場する、「第1列島線」なるものを少し詳しく見ることを通じて、台湾の重要性および中国海軍が当面する根本的な制約を指摘してみたいと思う。
 

第1列島線とは何か

中国海軍の近海防衛戦略(左が第1列島線、
右が第2列島線)(ウィキペディア
イメージ 1 いわゆる「第1列島線」とは、中国が海軍建設の道程を示す規準として使用した概念である。
 
 図に示すように、我が国の南西諸島、台湾およびフィリピン、ボルネオなどの国々をつなぎ、台湾島を挿んで東シナ海および南シナ海をすっぽりと囲んでいる。
 
 中国は2010年までに、まず、この線で囲まれる海域の支配権を確立することを目的に海軍を整備していると言われる。
 
 ちなみに、その先には、小笠原列島、グアム、サイパンをつなぐ第2列島線があり、2040年までには第2列島線で囲まれる海域の支配権を確立する計画である。さらに2040年以降は米国海軍と同等の海軍を目指しているとも言われる。
 
 その目的は海洋資源の独占および台湾解放と米国の軍事的影響力の排除である。しかし、ここに揚げられた国名、地名はすべて中華人民共和国の領土ではない。
 
1 台湾海峡(と中華民国軍)
 
金門県。九龍江口や廈門湾口を望む大金門島、
小金門島および大胆島や二胆島など12個の島
から構成される。(ウィキペディア
イメージ 2 台湾海峡を台湾北部の都市・台北および同南部の都市・台南と大陸の距離で測れば、最狭部は約130キロ、広いところでも約210キロである。
 
 また、台湾海峡の水深は驚くほど浅く、海峡全域の水深はほぼ100%近くで水深50メートルより浅い。
 
 特に台南と大陸福建省詔安間の水深は、台湾島と台湾島の西約50キロ沖にある澎湖島間の澎湖港道を除くと30メートルより浅く、そのうえ、水深10メートルを切る海域も相当に広い。
 
 海図を見ると触雷したのか、それとも座礁したのであろうか点々と沈没船の印が目につく。
 
 また、台湾海峡には、大陸側の福建省沿岸に10キロ内外の距離を隔ててへばりつくように中華民国が実効支配する金門県金門諸島および馬祖群島(閩江河口外を囲むように広く点在)があり、金門諸島も馬祖群島も堅固に要塞化され中華民国軍が護りを固めている。
 

大日本帝国海軍の潜水艦も避けた台湾海峡

馬祖島(まそとう、マツ)は中国大陸沿岸(金門島の北)
にあり、南竿島・北竿島を中心とした島嶼群である。
金門島と同じく中華民国福建省に属する(福建省連江県)。
イメージ 3 さらに、前述の澎湖群島は、大小合わせて90の島々からなるが、人が住んでいる島はそのうちの19島であり、中華民国軍が同様に護りを固めている。
 
 さて、この海峡を大型の艦船が行動するには単純に水深から見ても、行動の自由を大きく制約されることがお分かりになると思う。
 
 加えて、台湾島沿岸および前述の島々には中華民国国産の地対艦ミサイル雄風II(射程80キロ)、雄風III(ラムジェット推進超音速、射程300キロ)が配備されている。
 
 
 さらに、機雷敷設の危険性を考えると、中華人民共和国は空母どころか普通の軍艦でさえ通峡させようとはしないだろう。
 
 まして、澎湖港道以外浮上しないと航行できない潜水艦も台湾海峡を通過させることはあるまい。ちなみに、大日本帝国海軍も潜水艦は台湾海峡を使用していない。
 
 併せて、中華民国空軍についても触れてみたい。同空軍には現在、「F16A/B」戦闘機150機、「ミラージュ2000−5」戦闘機60機、国産の「経国(F-CK-1)」戦闘機130機が第一線で運用中である。
 
F-CK-1(航空機)(ウィキペディア
イメージ 4 これらはいずれも中国空軍が有する「スホイ27」戦闘機76機(ロシアから輸入)、「J11」戦闘機(同ライセンス国産)96機、国産「J10」戦闘機100機と性能的にほぼ互角もしくは凌駕していると言われている。
 
 さらにパイロットの技量および管制システムを含めた総合力は中国はまだまだ台湾の比ではない(中華民国空軍に詳しい空自OB)。
 
 また、前記のほか中国はロシアから戦闘攻撃機「スホイ30」を90機購入しているが、台湾海峡の制空権は中華民国が今も譲らない実力を有していると言えるだろう。
 
 加えて、ロシアが中国に売却する戦闘機は自国より性能の落ちる輸出バージョンであり、しかも、中国向けバージョンはインド向けよりも性能が劣る。
 
 一方、米国の台湾向けF16A/B戦闘機はA/B型としてはブロック20という高性能型であり、今は許可していない「F16C/D」型の売却も中国の戦闘機能力の進化を勘案しながら、いずれ認めることになろう。
 
 これが、米国、ロシアのバランス感覚であり知恵である。それならばと、中国は2020年頃の配備を目標に、第5世代戦闘機「J-XX」を開発中であると伝えられている。
 

中国に米国を凌駕する戦闘機の開発は不可能

 果たして、中国は米国の戦闘機を凌駕する戦闘機を国産できるのであろうか。筆者には、不可能と思えるのであるが、ゼロ戦の例もあるぞと航空機の専門家に笑われるであろうか。
 
 次に陸軍を見てみたい。中華民国は陸軍約20万人、加えて165万人の予備役を有している。
 
 ちなみに、中国は海兵隊1万人、陸軍140万人であるが、以上述べてきたところからも中国陸軍が台湾を武力制圧することは極めて困難であると言えよう。
 
 また、大陸には合計250基の発射台と1000発を超える「東風11」「東風15」弾道弾が台湾を照準していると言われるが、台湾にも、上海や三峡ダムを射程内とする射程1000キロメートルを超える「雄風2E巡航ミサイル」500発以上が反撃に備えているのである。
 
三峡ダム(ウィキペディア
イメージ 5 ダグラス・マッカーサーは朝鮮戦争当時、台湾は空母20隻に相当すると述べた。また、1996年に李登輝は総統直接選挙中演説で「中共には台湾攻撃の能力はない」と繰り返し発言した。
 
 確かに現在の中国軍の実力は当時とは歴然とした違いがあるが、上記の通り中華民国も相当の近代化戦力を保有している。
 
 てこずる間に、チベット族ウイグル族、国内民主派勢力、農工と呼ばれる人々、あふれる失業者が各地に蜂起して国内が騒乱状態に陥り、台湾解放どころではなくなる可能性は極めて高い。
 
 ちなみに、貧富の格差を示す「ジニ係数」は、中国では2007年に0.47であったが、2010年には社会の安定が危ぶまれるとされる0.5をついに超えたのではないかと言われている。
 
 話が飛躍したが、つまり、中国海軍は中華民国軍が健在である限り、台湾海峡を通過することはできない。
 
 従って、中国海軍艦艇が、太平洋に交通し、あるいは東シナ海南シナ海を交通するためには沖縄本島と宮古島間の宮古海峡および台湾島とルソン島(フィリピン)間のバシー海峡を常用することになる。
 
2 宮古海峡
 
 奄美群島、沖縄群島および先島群島の中で島と島との距離が最も離れているのが沖縄本島と宮古島の間であり、宮古海峡と呼ばれるその距離は約270キロ。
 
イメージ 6
               南西諸島と宮古海峡
 

 なお、同海峡以外にも与那国島と西表島間および与那国島と台湾島間は他国の領海を通過することなく通狭できる海峡であるが、その領海部分を除くと、幅は前者がわずか約26キロ、後者は約70キロであり、常識的には、自由度が制約される狭い海峡を通過することは避けるであろう。


(2)へ続く
 
jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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