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 本日3月11日は、2011年に発生した東日本大震災で、警察庁の発表によると、2012年3月8日現在、者は15,854人、行方不明者は3,203人の犠牲者が出てから1周年にあたります。
 
 また、2004年スペイン列車爆破事件が起きてから、8周年にあたります。
 
 そこで、本日は東日本大震災1周年追悼特集としてアマゾンの関連商品の評価を行います。
 
 東日本大震災」と「スペイン列車爆破事件」の詳細に関しては、リンク先の"Wikipedia"の東日本大震災」と「スペイン列車爆破事件の項目をご覧下さい。
 
 評価の対象は、「イスラエル式テロ対処マニュアルです。
 
 一見、東日本大震災」と無関係な書評に見えますが、非常に密接な関係があると考え、取り上げましたので、下にアマゾンに公開した「イスラエル式テロ対処マニュアル」のレビューを掲載しましたのでご覧下さい。
 
対テロ対策は、災害対策に応用できる
評価 ★★★★★
 東京都で行われた「ビッグレスキュー東京 2000」と「ビッグレスキュー東京 2001」であるが、ごく少数の人が激しい非難をこの防災演習に浴びせた。なぜ、防災演習に激しい生理的な嫌悪感を示すのか当時は理解できなかったが、本書を読むことで理解することができた。

 本書ではこう述べている。「災害対策は、対テロ対策に応用できる」と。

 これを踏まえると、多くの事柄が見えてくる。つまり、災害対策に否定的な人や組織は、自らが何らかの形で反社会的な行動を行う際に、テロ対策に繋がる防災対策は極めて不都合であり、反社会的な行動を推進するために、防災対策を阻害したい意図が背景に込められていると考えられる。

 日本は近年、阪神大震災と東日本大震災の二つの震災を経験したが、その際に国家レベルでの対応に多くの問題が生じた。基本的には、政府の人間の能力不足と片付けたい事象であるが、はたしてそうなのだろうか?責任のある立場の人物が、もし反社会的な思想にシンパシーを抱き、対テロ対策に繋がる災害対策を忌避したとしたら…。この可能性は裏付ける証拠がある2007年1月19日付けの読売新聞では以下のテロ情報を報じている。

政府関係者によると、阪神大震災の時、ある被災地の瓦礫(がれき)から、工作員のものと見られる迫撃砲などの武器が発見されたという。
「【核の脅威】[第1部] 20XX年北朝鮮が…(3)重要施設を警備せよ」より引用

 しかしこの重要な情報が、国民に知らされてなかった事実は、その可能性を裏付けている。これからも解るように日本国民にとって、テロは災害対策より軽視して良い対策ではなく、テロ対策と災害対策は車の両輪のように密接な関係を持つことは明らかである。

 もし仮に東京電力の社長が「いずれ我が社がテロリストに襲われるに違いない!」と対テロ対策に狂奔したら、東日本大震災時の福島第一原発の事故の様相は大きく異なったのは間違いない。つまり、平素からテロリストによる外部電源切断を想定した訓練を常時行っていたら、外部電源喪失時のメルトダウンを避けることは極めて容易だった。

 これからも解るように本書で述べられている「災害対策は、対テロ対策に応用できる」だけでなく、逆もまた真なりで「対テロ対策は、災害対策に応用できる」部分があると考えられる。そのため、単なるテロ対策本との位置づけだけでなく、災害対策にも応用できるかも知れない側面を持った優れた書籍であり、また本書を読めば、災害対策忌避する人々の裏面を知ることが出来る点が、本書の長所の一つである。その点からも本書を強くお勧めする理由である。
 
 以前、アマゾンに投稿した「【あさま山荘事件終結 40周年記念特集】『突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD] 』の評価」が削除されたので、問題点を明記しませんでしたが、わかりやすくレビューの「責任のある人物」を具体的に言うと旧社会党系の左翼テロ組織に関わる人物を指します。
 
 より具体的に言えば、革マル派やテロ国家の関連団体から献金を受けた。もしくは、行った人物です。あえて誰とは言いませんが!w
 
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米イスラエル首脳会談:日本メディアの“誤報”
議論は本当に平行線だったのか〜一神教世界の研究(その3)
 
ホワイトハウスで会談するバラク・オバマ米大統領(右)とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相〔AFPBB News
週末から世界の中東専門家の耳目がワシントンに集まった。3月5日、米国のバラク・オバマ大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談を行ったからだ。
 
 もちろん最大の関心はイラン核開発問題。6日、英語で書かれた関連記事をグーグルで検索したら、何と4337件ものヒットがあった。
 
 ところが、同時に日本語で書かれた記事を検索したらわずか78件。悲しいかな、日本での関心の低さを象徴するような数字だ。
 
 しかも、内容を読んで思わず絶句した。失礼ながら、ワシントンの日本人特派員の中東理解とはしょせんこの程度なのだろうか。今回は米・イスラエル関係報道の読み方を考えたい。
 

相も変わらぬステレオタイプ報道

 まずは筆者が唖然とした見出しと報道内容の例をいくつか挙げてみよう。
 
●イスラエル、イラン攻撃否定せず 自制求める米大統領に
 
 イスラエルのネタニヤフ首相は、イラン攻撃に自制を求めたオバマ大統領に対し「イスラエルは自国の命運を自ら決める」と強硬姿勢を崩さず、攻撃の可能性を留保する構えを示した。CNNテレビによると、両首脳の議論は平行線をたどったとみられる。
 
●米とイスラエル、イラン対応にズレ 首脳会談
 
 オバマ米大統領はイラン核開発問題を外交的に解決したい意向を伝えたのに対し、ネタニヤフ氏はイスラエルの自衛権を認めたオバマ氏の発言を評価したものの、外交的解決の是非には言及せず、「安全保障に関しては自決権がある」と述べ、独自の判断で武力行使に踏み切る可能性を否定しなかった。
 
●イラン制裁強化か攻撃か・・・米・イスラエル平行線
 
 オバマ米大統領はイランの核問題で制裁強化による外交的解決を目指すべきだとの立場を改めて強調した。ネタニヤフ首相は、イランが核兵器製造能力を持つ前に先制攻撃すべきだとの立場を繰り返したとみられ、議論は平行線に終わった模様だ。
 
 要するに、「外交的解決を求める米国」が「対イラン先制攻撃を求めるイスラエル」に「自制」を求めたため、「話し合いは失敗」だったという見立てである。
 
 しかし、英語で書かれた主要紙の記事を丹念に読むと、「平行線」どころか、実際には両首脳間にかなり実質的な暗黙の了解があったように思える。
 
 以下その理由を詳しくご説明しよう。
 

米・イスラエル間の周到な準備

イランの核兵器開発疑惑の解明に向け出発する国際原子力機関(IAEA)のヘルマン・ナカーツ事務次長(2012年2月19日)〔AFPBB News
 
 首脳会談前日3月4日、オバマ大統領はAIPAC(アメリカ・イスラエル広報委員会)の年次総会で演説を行い、米国のユダヤ系コミュニティーとイスラエル側から高い評価を得ている。
 
 今回オバマ政権はあらかじめ周到な準備を行い、AIPAC年次総会に合わせて訪米するイスラエル首相との会談に臨んだと見るべきだ。
 
 そもそも今回「首脳会談が平行線」という報道は事実ではない。前回両首脳がホワイトハウスの大統領執務室で会談したのは10カ月前の昨年5月。
 
 当時はネタニヤフ首相がメディアの前でオバマ大統領にイスラエルの歴史について長々と「講義」を行うなど、首脳会談は何とも険悪な雰囲気だった。
 
 これに比べれば、今回は実にスムーズだ。イスラエルは米国から「対イラン武力行使の選択肢を排除しない」「ユダヤ国家イスラエルには自衛のための主権的権利がある」という発言を引き出した。
 
 これに対し、米国はイスラエルからの「感謝」と「外交的解決の可能性」に対する無言の了解を獲得した。
 
 現在は米国もイスラエルもイランとの戦争を望んでいない。イランの核兵器取得を断固阻止する点でも一貫して合意がある。
 
 さらに、イランがこのまま核開発を続け核兵器製造にまで進む場合、将来、武力攻撃を含む重大な選択があり得る点についても、米イスラエル間には共通の認識があると言えよう。
 
 要するに今回の首脳会談は米・イスラエル首脳一流のポーカーフェース、悪く言えば一種の出来レースなのだ。そもそもオバマ大統領とネタニヤフ首相の相性は決して良くなかった。
 
 以前にはネタニヤフ首相が共同記者会見をキャンセルしたこともあったという。米大統領選挙の年としてはかなり上出来である。
 
 もちろん、両者の違いは小さくない。最大の相違点は「レッドライン」、すなわち対イラン武力攻撃を行う条件についてだ。
 
 米国はイランによる「核兵器」の取得をレッドラインと考えているのに対し、イスラエルはイランが「核兵器製造技術」を取得する前に攻撃すべし、と考えているようだ。
 もう1つの意見の相違は対イラン交渉再開の条件だと言われる。
 
 イスラエルは7カ国協議(国連安保理常任理事国、ドイツとイラン)を再開する前にイランのウラン濃縮活動の完全停止を求めているようだが、米国は同意しないだろう。恐らく、その条件ではイランが交渉に乗ってこないからだ。
 

米イスラエル関係の神話

 ネタニヤフ首相は保守派「リクード」の党首であり、百戦錬磨の政治家であることはよく知られている。
 
 だからといって、ネタニヤフ氏がガチガチの対イラン攻撃強硬論者と考えるのは間違いだ。イスラエルは中東では数少ない民主主義の国であり、節目節目で民意に基づいた政権運営が必要だからである。
 
 本年2月に米国メリーランド大学などが行った世論調査によれば、「米国の支援なしでもイランを攻撃すべし」と考えるイスラエル人は19%しかおらず、「米国の支持があれば攻撃すべし」が42%、「攻撃すべきでない」が34%もいる。
 
 イスラエル国民は予想以上に状況を正確に理解し、適切な判断を下しているのだ。
 
 米・イスラエル関係にはほかにも多くの神話がある。例えば、日本の高名な中東専門家の中にも、今回のイラン原油禁輸を含む対イラン経済制裁の強化は米大統領選挙の年に特有な「ユダヤ・ロビー」からの圧力の結果だと主張する向きがある。これは明らかに間違いだ。
 
 昨年来欧米を中心に、イラン原油禁輸に向けたイラン中央銀行との取引禁止を含む経済制裁が検討されてきたことは事実である。しかし、原油禁輸の話は、過去20年近く、歴代の米国政府が常に考えてきたことであり、特に2012年に向けて突然出てきた話ではない。
 
 この米国政府の「長年の夢」が実現し始めたのは、2009年12月国際原子力機関(IAEA)の事務局長が交代し、イランに対しより厳しい態度が示されるようになってからだ。
 
 エルバラダイ事務局長時代は「疑わしきは問題視せず」だったが、現在は「疑わしきは調査する」という、より常識的な態度に変わったためであろう。
 
 以上のように、米・イスラエル関係は極めて複雑だが、決して理解不能ではない。
 

 実際に世界中の専門家、ジャーナリストが今回の米イスラエル首脳会談後の中東情勢を真剣に分析している。我々日本人も大手マスコミにすら時折見られる多くのステレオタイプの俗説を排し、正しい理解を深めたいものだ。


JBpress.ismedia.jpより引用

 
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広島原爆資料館を訪問したイスラエルのバラク副首相
中東の核兵器拡散〜一神教の研究(その2)
週2月14日から19日までイスラエルのエフード・バラク副首相兼国防相が訪日し、15日に野田佳彦首相と会談を行った。
 
http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20080126/2563059.jpgイスラエルのバラク副首相兼国防相〔AFPBB News
 
 「バラク副首相、イランへ武力攻撃示唆」といった悲観論から、「対イラン攻撃、結論はまだ」「手遅れになる前に経済制裁を」などの現実論まで、ニュースの見出しは大きく割れた。
 
 筆者は天の邪鬼だからこの種の報道にはあまり関心がない。むしろ今回注目したのは、日本・イスラエル外交関係樹立60周年で訪日したバラク副首相が広島原爆資料館を訪問したというニュースだった。今、なぜヒロシマなのか。
 
 さらに調べてみたら、2年前の2010年2月にパレスチナとイランの指導者も広島、長崎を訪問していたことが分かった。彼らの一連のヒロシマ、ナガサキ訪問は単なる偶然か、その目的はいったい何だったのか。これが今回のテーマである。
 

三者の三様の発言

 まずは事実関係を整理しておこう。
 
 パレスチナ自治政府のアッバス議長が広島市を訪れたのは2010年2月7日、原爆慰霊碑に花を手向け、原爆資料館を見学した。同議長は、「我々が訴えるのは世界が平和であるべき、安定であること。核兵器、大量破壊兵器がないことが重要」などとアラビア語で記帳したという。
 
 さらに、同議長は「パレスチナ国民も戦争に苦しめられてきた。戦争がもたらすものは人類と文明の破壊である。世界各国は大量破壊兵器の核兵器を廃絶すべきだ」と述べた。筆者の知る限り、パレスチナの現役閣僚級以上の広島訪問は初めてだ。
 
http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20080528/2974335.jpgイランのアリ・ラリジャニ国会議長〔AFPBB News
 
 イランのラリジャニ国会議長が長崎市を訪れたのは20日後の2010年2月27日、原爆中心碑に献花し原爆資料館を見学した。同議長は「原爆資料館はアメリカの非人道的な犯罪を永遠に伝えるものだ」として米国の原爆投下を厳しく批判する一方、「イランは核を保有しない」とも語ったという。
 
 報道によれば、その後帰国した同議長は2月28日にイラン国会で演説し、第2次大戦中のナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)になぞらえ「原爆投下こそが米国が引き起こした真のホロコーストだ」と述べたそうだ。
 
 さらにラリジャニ議長は、「(米国は)広島に原爆を投下して核兵器の影響の大きさを知りながら、長崎にも落とした」などと米国を批判し、「ホロコーストよりも、米国の核兵器使用を問題にすべきだ」と指摘したという。
 
 一方、イスラエルのバラク副首相の広島原爆資料館訪問は2012年2月17日だった。同副首相は原爆慰霊碑に花を手向け、原爆ドームも視察した後、「避けることのできなかった多くの悲劇の1つだ。しかし一人ひとりが人間として様々なことを学び、悲劇が再び起きないよう努力すべきだ」と述べた。
 
 さらに同副首相は、「広島は過去の悲劇を追悼する場所であるとともに、最も困難な状況の下でも立ち上がる能力のある人間の生命力、精神力を示している。現代の美しい広島は、人類に最も悲惨な惨事にも打ち勝つ力があることを証明する希望のメッセージを全世界に発信している」と述べている。
 
 一部報道によれば、同資料館にはイスラエルが保有する核弾頭数を80と表示する展示があるが、バラク副首相は、自国の核の表示には立ち止まらず、そのまま通り過ぎたという。また、同副首相はこの間、同行した報道陣からの質問には応じなかったそうだ。
 

被爆地訪問の政治化

 筆者は核兵器廃絶論者ではない。原爆は「非人道的」兵器だというが、それではこの世の中に「人道的」兵器などあるのか。世の中に核兵器がある以上、それを前提とした安全保障政策が必要だ。
 
 かく言う筆者でさえ、初めて広島と長崎の爆心地に立った時に覚えた戦慄を忘れることはできない。
 
 あの感覚は言葉では形容不能だ。そこで一瞬にして万単位の人間の命が失われたことを思うと、国家、人種、宗教、政治信条を超え、人間の愚かさに対する痛恨と人類の強靭さに対する畏敬の念が沸き上がってくる。これがヒロシマとナガサキの本質である。
 
 こうした観点から広島、長崎を訪問した3人の中東の政治家の言動を改めて振り返ってみよう。
 
 興味深いことに今回バラク副首相に政治的発言は一切なかった。同副首相は、原爆投下をホロコーストになぞらえ日・イスラエル友好を語ることも、核兵器の悲惨さを訴えつつイランの核兵器開発を非難することも、全く行わなかった。
 
 これと正反対だったのがイランのラリジャニ国会議長だ。彼の発言は徹頭徹尾、対米、対イスラエル批判だったが、広島と長崎で犠牲になった人々に対する気持は伝わってこない。
 
 長崎にまで来て政治問題を一方的に持ち出すことがどれほど奇異か、ラリジャニ議長はなぜ理解できないのだろう。
 
http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20110521/7244590.jpgパレスチナ自治政府のアッバス議長〔AFPBB News
 
 パレスチナのアッバス議長もこれに近い。特定の国家に対する非難こそ行わなかったが、なぜ唐突に核兵器と関係ないパレスチナ人の苦しみに言及するのか。
 
 ヒロシマとナガサキを政治化する点では、ラリジャニ議長もアッバス議長もあまり変わりないような気がする。
 
 宮家は甘い、核保有国であるイスラエルは余計なことを言わず、不愉快な質問を受けることを拒んだだけだ、との批判もあろう。しかし、ヒロシマ、ナガサキは特別だ。
 
 日本人であれ、外国人であれ、原爆投下の地を特定の政治目的のために利用することは筆者にはどうしても理解できない。
 

中東での核兵器拡散

 核兵器についてアラブ人はこう考える。「日本が過去に被った惨禍を我々は避けなければならない。ヒロシマとナガサキで起こったことは、日本が核兵器を保有していれば起こらなかったはずだ」と。確か中東・イスラムが専門の池内恵・東大准教授の著書にあった一節だと思う。
 
 至言である。しかし、アラブだけではない、「核兵器があればヒロシマとナガサキはなかった」と考えるのはペルシャ人もユダヤ人も同じだろう。だからこそ、イスラエルは限りなく核保有国に近く、イランも核兵器開発を急ぐのである。
 
 イランが核拡散防止条約(NPT)加盟国である限り核兵器開発は正当化されないが、残念ながら、イランの核兵器保有は時間の問題だろう。1940年代の核技術を現在のイランが習得できないはずがないからだ。イランが核兵器を保有すれば、NPT体制は風前の灯となる。
 

 中東湾岸地域、特にスンニー・アラブ諸国で核兵器獲得競争が始まることは必至だからだ。その直前には中東最大の政治的軍事的危機が発生する可能性が高いだろう。中東の政治指導者がヒロシマとナガサキの真の教訓を学ぶことは容易ではなさそうだ。


JBpress.ismedia.jpより引用

 
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中東における戦争に国連安保理決議は必要か
対イラン核施設攻撃〜一神教世界の研究(その1)
回から中東情勢についてもコラムを書かせて頂くことになった。書くことは山ほどあるのだが、肝心の題名が決まらない。中東といっても言語、文化、宗教など千差万別だからだ。
 
2月6日、イランは国産の観測衛星「ナヴィード」の打ち上げに成功したと報じた〔AFPBB News
 
 すったもんだの末「一神教世界の研究」という題名に辿り着いた。「中国株式会社の研究」同様、末永くご愛読願いたい。
 
 さて記念すべき初回は現代中東における戦争の戦い方を考える。
 
 過去六十余年中東で行われた武力行使を、武力行使容認決議がある場合、自衛のための武力行使の場合、それ以外のカテゴリーの3つに大別した上で、噂される対イラン核関連施設攻撃の可能性について分析したい。
 

国連憲章の規定

 ちょっと難しい言葉が並ぶが、戦争に関する国際法にしばしお付き合い願いたい。まずはあまり馴染みのない国連憲章の関連条文から始めよう。
 
●すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。(国連憲章第二条4項)
 
 伝統国際法の世界で「戦争」は国家の権利だった。権利であるからこそ日本国憲法はこれを「放棄」できた。ところが1928年のパリ不戦条約と1945年の国連憲章により、国家による武力行使は原則として違法となった。簡単に言えば、今や戦争行為は国際法違反なのである。
 
 それではなぜ国家は今も軍隊を持つのかと問われそうだ。実はこの武力行使、原則は違法なのだが、それには例外がある。その例外を定めたのが次の規定だ。
 
●この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。(国連憲章第五十一条)
 
 要するに、相手側が違法な武力攻撃を行ってきた場合、自衛権を発動すればこちらの武力行使は合法化されるという仕組みだ。
 
 なお、自衛権の行使は直ちに国連安保理に報告するのだが、その後どうなるかについて詳しい規定は存在しない。理事国が何も言わなければ了承されたということなのだろうか。
 

武力行使容認決議

1991年の湾岸戦争でバクダッドを空爆したF117ステルス戦闘機〔AFPBB News
 
 1991年の湾岸戦争をご存知の方は、1990年11月29日に採択された国連安保理決議を覚えておられるだろう。
 
 米軍を中心とする多国籍軍は同決議を根拠に翌年1月17日イラク空爆を開始した。当時この決議を巡っては侃々諤々の議論の末に次の文言が確定している。
 
●イラク政府が1991年1月15日までに・・・上述の全ての決議を履行しない限り、クウェートと協力するすべての加盟国に対し、・・・すべての関連決議を執行し、かつ地域内の国際平和と安定を回復するため、必要とされるあらゆる措置をとることを認める。(国連安保理決議678)
 
 「必要とされるあらゆる措置」の中には「武力行使」も含まれる、というのが大方の解釈だ。この1行で多国籍軍は数十万人の戦闘部隊を動かしクウェートを解放した。
 
 12年後のイラク戦争の場合も基本的には同様で、決議678を含む一連の安保理決議違反により武力行使が容認されている。
 
 直近では2011年3月17日の安保理決議1973で対リビア武力行使が認められた例がある。これが第1のカテゴリーだ。なるほど、それでは中東における戦争には常に「武力行使容認決議」が必要なのかというと、とんでもない。武力行使容認決議は実に稀なケースなのである。
 

自衛のための戦争

 参考までに過去六十余年間の中東における武力行使のうち主要なものを思いつくまま挙げてみた。
 
1949年 イスラエル独立戦争(第1次中東紛争)
1956年 スエズ動乱(第2次中東紛争)
1967年 6日戦争(第3次中東紛争)
1973年 10月戦争(ヨム・キプール戦争、第4次中東紛争)
1980年 イラン・イラク紛争
1982年 イスラエルのレバノン侵攻(ガラリアの平和作戦)
1991年 湾岸戦争(武力行使容認決議あり)
2001年 アフガン戦争
2003年 イラク戦争(武力行使容認決議あり)
2006年 イスラエルのレバノン侵攻
2011年 リビア戦争(武力行使容認決議あり)
 
 以上のうち、既にご紹介した湾岸戦争、イラク戦争、リビア戦争以外で、事前に武力行使容認安保理決議を採択した戦争はなかったと記憶する。
 
 だとすれば、これらはすべて国連憲章第51条の自衛権を根拠に合法化されているはずだ。これが第2のカテゴリーである。
 
 もちろん、すべての戦争には仕掛ける側と仕掛けられる側がある。厳密にはどちらか一方が国際法上違法な武力行使を行い、もう一方が自衛権を発動したはずなのだが・・・。
 
 結局ある国の自衛権行使が安保理に報告され、うやむやのうちに議論が終わるのではなかろうか。
 

特殊戦という第3のカテゴリー

 いずれにせよ、21世紀に入ると、誰が自衛権を発動したかの議論はあまり重要ではなくなってきたように思える。最大の理由は、最近の中東における本当に重要な「戦争」は、黙って唐突かつ短時間で終了する特殊部隊などの特殊作戦が主流になってきているらしいからだ。
 
http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20080425/2864437.jpg北朝鮮の協力で建設された核施設とされるシリアの建物の写真(2008年4月24日米政府提供)〔AFPBB News
 
 その典型例が2007年9月6日のイスラエルによるシリアの秘密原子炉爆撃事件だ。
 
 イスラエルは周到な準備の後、シリア領内奥深くの北朝鮮の支援で造られた原子炉を、静かに、しかし突然、かつ完璧に破壊し、その後も一切沈黙を守った。正当化もへったくれもない。実行して沈黙するのが特殊戦である。
 
 米国も事実関係は承知していたようだが、公式にはほとんど論評しなかった。驚くべきことに原子炉を破壊されたシリア自身も、対イスラエル非難どころか、攻撃自体を認めず完全に沈黙を守った。
 
 ご丁寧にも、シリアは攻撃後短時間で原子炉の残骸をすべて地中に埋め、その上に新しい建物を建設したという。
 
 シリア原子炉爆撃は隠密の特殊作戦としては派手な方だ。そもそも大半の特殊作戦はその存在すら秘匿される。
 
 報道されたイランにおける核関連研究者の暗殺やコンピューターウイルスを使った核施設破壊工作など氷山の一角だ。今や中東ではこの種の戦争が主流と考えていいだろう。
 

イラン核施設に対する攻撃

イランの首都テヘランでコーランとイスラエル・米国の国旗を打ち破る絵を掲げたデモ(2010年)〔AFPBB News
 
 以上を前提に対イラン核施設攻撃の可能性について考えよう。
 
 仮にある国が現時点でイランの核関連施設を攻撃すると決めても、イラクの場合のように「武力行使容認決議」を採択することは事実上不可能だろう。
 
 また、イランからあからさまな挑発でもない限り、自衛権を行使して核施設を攻撃することも非常に難しい。リスクがあまりに大きいからである。
 
 従って、現時点で最も考えられるのはやはり特殊作戦ではないか。そうだとすれば、「数カ月中にもイスラエルの対イラン攻撃がある」とか、「攻撃準備は完了した」などといった報道が真実である可能性は極めて低い。
 
 本当にやる気なら静かに黙って、かつ突然実行する。騒いだら特殊作戦の妙味がないからだ。
 
 やはり、この種の報道はスピン(情報操作)であり、対イラン制裁強化のための外交謀略戦の一環と考えた方がいいだろう。この種の情報戦に一喜一憂するのは精神衛生上あまりお勧めしない。
 
 ただし、万一イランのウラン濃縮度が90%に近づいたなどという報道が出始めたら、これは話が別である。
 
 その時イスラエルは躊躇なく「自衛のための武力行使」を実行するに違いない。そうなれば安保理決議も、自衛権も、特殊作戦もない。必ずイスラエルは「民族の生存」のために何らかの行動を起こすだろう。
 

 恐らくこの場合の戦争はこれまでに例のない「第4カテゴリー」の戦争形態となるかもしれない。


JBpress.ismedia.jpより引用

 
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再び注目集めるイスラエルの核保有疑惑
エジプトが提案する大量破壊兵器なき中東
2011.10.11(火) 矢野 義昭
 
(1)からの続き
 

4. イスラエルの密かな核開発と米国の対応

 米国はU-2の偵察飛行により、1958年にはディモナの施設の存在に気づいていた。しかし2年間、それがどのような施設かは判明しなかった。イスラエル側はいろいろと言い逃れをしたが、ついに1960年には、核研究センターであることを認めた。
 
 その後20年間、米国は、無視、誤った分析、イスラエル側の欺騙などにより、詳細なイスラエルの核計画を把握するのに失敗した。
 
 1960年12月に、米中央情報局(CIA)はディモナが核拡散を意味するとの文書を出し、60年代中頃までには、核兵器計画が確立され、後戻りできない事実となっていると決定した。
 
 米国は1960年代にも査察を試みたが、イスラエル側は強力な統制を行い、査察官をいつわりの制御室に案内し、一区画に至るエレベーターや通路を煉瓦で覆った。
 
 査察官は、いかなる科学的研究施設もそのような大規模な原子炉を正当化する計画もないが、「核兵器に関連した活動」のいかなる証拠も得られなかったと報告せざるを得なかった。
 
 米国はイスラエルの核開発を認めたわけではないが、止めるために何もしなかった。
 
 ウォルワース・バーバー(Walworth Barbour)は最も重要な1961年から73年の間、米国のイスラエル大使であったが、彼の最大の仕事は、彼に核問題で動くことを余儀なくさせるような事実から、米国大統領をいかにして遠ざけるかということであった。
 
 1967年の中東戦争以降は、駐在武官のディモナに対する情報収集活動すら中止させた。1966年には、イスラエルが核弾頭をミサイルに装填し始めたとの情報を大使館員が得たが、その報告は官僚機構の中で消滅し、対応策はとられなかった。
 
 1967年以降は米国の駐在武官による情報収集も停止された 。
 

5. 核兵器の生産開始

 1968年初めにCIAは、イスラエルの核兵器生産が開始されたと報告している。水爆の生みの親であるエドワード・テラー(Edward Teller)はCIAに、イスラエル人の友人から得たその科学技術の達成度から見て、核実験なしに核爆弾を製造する能力があり、最終的な核能力の評価のためにイスラエルの核実験を待つべきではないと警告している。
 
 1974年には10〜20発の核を保有していたと評価されている。
 
 イスラエルの核保有の上限と下限は明確ではない。1967年には2発を保有し、レビ・エシュコル(Levi Eshcol)首相は6日間戦争の時に、イスラエルにとり初の、核兵器による警戒即応態勢を取らせるよう命じたと報じられている。
 
 当時イスラエルは13発の20キロトンの核爆弾を組み立てたと報じられている。
 
 イスラエルは1970年から80年の間に、数十発の核弾頭を生産し、90年代中頃までには100〜200発分の核弾頭を生産するに十分な核分裂物質を生産したと考えられている。
 
 1990年代末までには米国の情報コミュニティは、イスラエルがその生産基盤からみて75〜130発の間の核兵器を保有していると見積もっていた。
 
 また備蓄核兵器用として、移動式のジェリコ(Jerico)ミサイル1とジェリコ・ミサイル2、核爆弾を搭載したイスラエル製航空機とその他のさまざまの型の戦術核兵器を保有しているのは確かだと見られていた。
 
 1990年代末には400発程度の核兵器を保有していたとする出版物もある。ただしこれらの数は誇張されており、100発以下と見られ、備蓄されたプルトニウムは、決定が下されれば追加的な核兵器に使用できたであろう。
 
 ディモナの原子炉が兵器用プルトニウムを生産し、この炉の生産能力と核兵器投射用兵器の数から、イスラエルの核兵器数が見積もられた。
 
 イスラエルの元核兵器技術者モルデハイ・ヴァヌヌ(Mordechai Vanunu)の情報によれば、1986年当時の兵器級プルトニウムの生産能力は年間40キログラムと見積もられた。これが恒常的な生産能力とすれば、最低150メガワットの出力が出たと専門家はみている。
 
 さらに1970年頃にはこの能力は倍増したと見られており、イスラエルはこれを冷却するためのシステムを建設した。別の解釈として、当初生成された物質がそのまま残り、80年代初期まで75メガワット程度のままだったとする見方もある。
 
 イスラエルの備蓄量についてはいくつもの変数がある。ディモナの原子炉は年間200日から300日稼働し、1日1熱メガワット当たり0.9〜1.0グラムのプルトニウムを生産していたかもしれない。またイスラエルは、兵器当たり4〜5キログラムのプルトニウムを使用しているかもしれない。
 
 一番問題となるのは炉の出力だが、最小で75メガワット、最大で200メガワットと見られている。民間のICONOSや軍用のCORONAなどの衛星画像の分析から、1971年から2000年の間に新しい冷却システムを建設されていないことが明らかになっている。
 
 このことから原子炉の出力レベルは余り上がっておらず、年間のプルトニウム生産量は20キログラム程度であることが示唆される。
 
 これらから、イスラエルが生産したプルトニウムの量は、核兵器数にして最低で100発程度、最大でも200発をそう多くは超えないであろう。
 
 多くの観察者は1979年に南アフリカと共同でイスラエルが、インド洋南部で核爆発を行ったと疑っているが、1966年11月2日に出力ゼロのある種の非核実験がネゲブ砂漠で恐らく行われたと見られる 。
 

6.おわりに

 イスラエルの核能力はかなりの水準にあり、そのことは公然の秘密になっている。
 これまで中東の穏健派諸国はイスラエルの核保有について、半ば黙認の姿勢をとってきたが、イランの核保有が問題視されていながら、イスラエルの核保有を黙認しておくわけにはいかないとの見方が強まっている。
 
 その結果エジプトに見られるように、イスラエルに対してもNPTへの加盟を強く求める動きが他方で強まっている。「核なき世界」を目指す米国のバラク・オバマ政権としても、イスラエルの核問題をいつまでも放任しておくことは困難になるであろう。
 
 またイランの核保有が連鎖的にエジプトやサウジアラビア、シリアなどの核保有を引き起こすのではないかとの懸念も欧米の一部では高まっている。中東での独裁者追放の流れの中、イスラエルとイランの核問題がどのような進展を見せるのかが注目される。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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