超音速時代になぜ「人力飛行機」?韓国初の「ペダルをこいで飛ぶ飛行機」、飛行実験に成功 超軽量素材と設計技術の結晶 無人飛行機など、応用分野は無限 人の力だけを利用して空を飛ぶ、いわゆる「人力飛行機」が、韓国で初めて試験飛行に成功したことが分かった。 韓国空軍は先月17日、パイロット1人を乗せた人力飛行機が、150メートルを飛んだと発表した。この飛行機は、パイロットがペダルを踏んで動かすもので、製作費だけで3億ウォン(約2329万円)が投じられた。だが超音速時代に、これは何ともおかしなことではないか。 人の力で空を飛ぶことは、長きにわたり人類の夢だった。レオナルド・ダ・ビンチが、翼を羽ばたかせる人力飛行機を研究した、という記録が残っている。人力飛行機が本格的に研究されたのは、1933年のことだ。 開発の主体となった空軍士官学校のチェ・ソンオク中領(中佐に相当)は、「2007年に戦闘機の墜落事故が相次いだ空軍に、チャレンジ精神を吹き込むため、作業を始めた」と語った。この研究開発に際し、全経連や大韓航空、韓国航空宇宙産業など7つの企業・機関から3億ウォンの支援を受けた。 飛行機の部品は、100%手作りだった。空気抵抗を減らすため、しわが寄った強化ビニールにアイロンをかけて伸ばしたこともあった。3カ月にわたる研究の末、重さ55キロの試作機が完成した。昨年2月に行われた最初の実験は、見事に失敗したが、その時から現在まで、人力飛行機は進化し続けた。 滑走路に出ること30回、離陸を試みること107回。1セット1000万ウォン(約77万円)もかかる翼を9回も折った末、全長9メートル、全幅30メートル、重さ39.8キロという現在の格好になった。 韓国初の人力飛行機「スカイランナー」の最長飛行距離は150メートルだ。体重53キロのインラインスケーターがパイロットを務め、昨年9月11日に飛行に成功した。500万ウォンするマウンテンバイクから取り外したペダルを踏み、地上2メートルの高さを時速20キロで飛んだという。これにより韓国は、米国・イギリス・日本・ドイツに続き、世界で5番目に人力飛行に成功した国となった。しかし、韓国の成果は、お粗末なものだ。既に1974年の段階で、米国の「イカルス」は143メートルを飛んでおり、韓国の記録はこれとほぼ同じ水準だ。 人力飛行機のペダルは、一般の自転車のペダルとは異なり、空回りするような感じがあっても足を止めてはならない。空軍士官学校のイ・ドンヒョク中尉は、「距離は短いが、飛行機が飛んだということに大きな意味がある。短期間で成功を収めたと評価している」と語った。 単に空を飛びたいがために、3億ウォンを使ったのか。結論から言うと、答えは「ノー」。人力飛行機の技術は、高々度・長時間滞空無人機の開発に応用される。1977年に「ゴッサマー・コンドル」、1979年に「ゴッサマー・アルバトロス」で人力飛行に成功した米国のエアロバイロメント社は、その技術を用いて「ヘリオス」という無人機を開発した。 イ・ヒウ博士は、「人力飛行機を作る際、超軽量素材技術や高い水準の設計技術が応用される。この技術を利用すれば、少ない太陽エネルギーで長時間の運用が可能な無人太陽熱発電飛行機を開発することができる」と語った。 現在、「韓国版イカルスの夢」は資金も底をつき、悪天候が続く冬を避けるため、中断している。韓国の人力飛行機1号機は、空軍士官学校の格納庫に保管されている。 朝鮮日報 |
韓国空軍
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