|
↓記事を読む前にクリックでの応援をお願いします。m(_ _)m
金正日の死、大混乱必至の朝鮮半島情勢に備えよ
後継者問題は振り出しに、中国次第では第2次朝鮮戦争も
2011.12.20(火) 福山 隆:プロフィール (1)からの続き
金正日が死亡し、内部崩壊した場合の米・中・韓の対応(1)韓国
韓国の金大中大統領(当時、左)と南北首脳会談を行い、同大統領とつないだ手を掲げる金正日総書記〔AFPBB News〕
韓国にとっては、千載一遇の統一のチャンスではあるが、統一を実行する決意・力量があるのかどうか疑わしい。統一は「北と心中」しかねないほどの経済的負荷・リスク(数百兆円規模)を背負い込むことになる。
もし、韓国があえて、南北統一を決意した場合は、南北の「親分筋」に当る、米中ロの説得が不可欠だ。米国を説得するとともに、裏チャネルで中国・ロシアとも外交取引をせざるを得ない。
外交取引の焦点は、韓国主導で統一した場合に失われる中国・ロシアの権益をいかに保証するか、にかかっている。
韓国の譲歩策の一例としては、「統一朝鮮(仮称)」から米軍の駐留を排除することなどが考えられる。また、中ロを刺激しないためには、米国と一定の「間合」を保つことも重要だ。
米韓連合作戦計画(OPLAN:5028作戦計画(偶発自体計画)や5029計画(内部崩壊対応計画))を発動し「北進」することを、中国は決して容認しないだろう。
(2)米国
当面、イラク、イラン、アフガニスタンや対テロ戦争で手一杯で、朝鮮半島での動乱は極力回避し、受動的対応をするだろう。北が内部崩壊した場合、米国は「現状維持」「現在の権益確保」を目標とするはずだ。
この際、最も重視するのは、台頭する中国との間の北東アジアにおける戦略態勢である。日本、台湾も含み北東アジアにおける米中の戦略態勢を変えないこと――これが基本目標になるだろう。
従って、米国は非武装地帯(DMZ)以北に進出をしない代わりに、中国も中朝国境を越えないという合意を追求するものと思われる。
北が内部崩壊した場合は、以上のような立場で、直ちに北京とワシントン(G2)で韓国の頭越しに、事態収拾の枠組みの確立を急ぐだろう。
最悪のシナリオとして、中国の介入があれば米国もやむを得ず北進し、米中対決――第2次朝鮮戦争――に発展するリスクもゼロとは言えない。
動乱の中での「核拡散」防止(北の核が国際テロ組織のみならず韓国の手に渡ることも絶対阻止)の目的で、沖縄の海兵隊などを空中機動(ヘリ、落下傘)により、寧辺(ヨンビョン)などの核関連施設に投入し、所要の作戦を実施するだろう。
(3)中国
現下の経済発展を損なう朝鮮半島有事は絶対に許容できないというのが基本スタンスであろう。北が内部崩壊した場合、米国と同様中国も一応「現状維持」「現在の権益確保」を目標とするだろう。
ただ、冷戦時代と違い経済・軍事力の発展著しい中国は、米国よりも野心的で、「現状維持」「現在の権益確保」は最下限の目標であり、努めて有利な朝鮮半島支配体制構築を目論むものと思われる。
北が内部崩壊した場合、中国も、米国とは「あうんの呼吸」で直ちに、北京とワシントン(G2)間で韓国および内部崩壊した北の頭越しに、事態収拾の枠組みの確立を急ぐだろう。
中国はこれまでの経済発展・軍拡により、米国に比べ過去の朝鮮戦争当時よりは相対的にはるかに優位な立場にあり、事態収拾に当たっては、中国が主導権を握る可能性が大きいものと思われる。
中国は、韓国による吸収統一は許さず、中国が後ろ盾となる新たな北朝鮮政権の樹立を目指すだろう。その際の眼目は、中国と同様に改革開放路線を実行する政権・体制の樹立である。
改革開放政策を実行するための北の新政権は中国同様に集団指導体制が望ましいが、既に述べた理由で、中国が庇護してきた金正日の長男・正男が選択肢の1つになるはずだ。
6カ国協議を利用したソフトランディングの模索朝鮮労働党第6回党大会の開催を祝う祝賀会に出席する金日成国家主席(当時、中)と金正日(1980年10月撮影)〔AFPBB News〕
「ポスト金正日」への平和的・円滑な移行は米中ロや日韓はもとより、世界規模で見ても重要な課題である。
「ポスト金正日」への平和的・円滑な移行の実行に向けては、米中がその中心的役割を果たすだろうが、米中2カ国だけではバランス不足である。
そこで、北朝鮮の核開発問題解決のための協議機関である6カ国協議を国際的な「ポスト金正日」への平和的・円滑な移行に向けた調整の枠組みとして活用する方策が考えられる。
私は、昨年のJBbpressへの投稿記事で次のように書いた。
朝鮮半島で「今そこにある危機」は北朝鮮の核問題だけではない。それどころか、金正日の健康の急速な衰えを勘案すれば、核問題の解決よりも金正日の健康悪化に伴う混乱への対応こそが焦眉の急ではあるまいか。
金正日の天命は神のみぞ知るところだが、米国や韓国などの情報によれば余命はそれほど長くはないというのが一般的見方だ。
金正日のように唯一人の命が、北朝鮮のみならず米・中・ロ・韓・日を巻き込むカタストロフィの引き金になる例は希だ。だが「その時」は刻々と迫っている。
まさにその時が到来したのだ。
一衣帯水の朝鮮半島におけるカタストロフィは我が国にとって耐え難いインパクトをもたらす可能性がある。
政府は、あらゆる手段で情報を収集し、大胆に不測事態に備える準備が必要だ。そのうえで、日本のみでなしうる安全保障上の措置と日米、6カ国、国連などを通じた国際協力により朝鮮半島のカタストロフィを最小限に抑え込む努力が肝要である。
JBpress.ismedia.jpより引用 ↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
|
北朝鮮
[ リスト | 詳細 ]
|
↓記事を読む前にクリックでの応援をお願いします。m(_ _)m
北朝鮮で権力闘争が幕開け、
これがキーパーソンの顔ぶれだ! 2011.12.22(木) 黒井 文太郎:プロフィール 12月17日に金正日総書記が死去し、三男・正恩が後継者として、この世界で最も独裁色の強い国家を統治していくことになった。
三男への世襲は、故・金正日自身が決定した既定路線だが、年長者を敬う儒教思想の影響力が強いこの国で、現在28歳の正恩はあまりに若い。そのため、父・正日は特に2010年9月以降、病身にムチ打って後継者の基盤作りに全力を挙げてきた。当面、北朝鮮指導部は、金正日が遺した体制で運営されていくことになる。
その体制とは、基本的には金日成直系のロイヤルファミリー、すなわち金王朝のメンバーが中心となり、軍の最高幹部が支えていくという集団指導スタイルだ。
ロイヤルファミリーでは、金正日の実妹の金敬姫・党軽工業部長(党政治局員・大将)とその夫の張成沢・党行政部長(国防委員会副委員長・党中央軍事委員会委員・党政治局員候補)がそれに相当する。
軍では李英鎬・総参謀長(党中央軍事委員会副委員長・党政治局常務委員・次帥)を筆頭に、金正覚・軍総政治局第1副局長(党中央軍事委員会委員・国防委員会委員・党政治局員候補・大将)、金明国・総参謀部作戦局長(党中央軍事委員会委員・大将)などが相当する。
中でも金敬姫、張成沢、李英鎬の3名が、金正恩の後見人の“トップ3”と言っていいだろう。
軍を完全に掌握しているとは言えない総参謀長 ただし、金正日という突出した権力者が不在となった今、その権力基盤は必ずしも安泰ではない。
北朝鮮は構造的に国民経済が破綻しており、半ば慢性的な食糧危機状態にある。これまでは、そうした失政はすべて誰かのせいにされ、政権幹部が粛清されるなどして責任追及は終わっていた。もちろん金正日の過ちが糾弾されることなど、あり得なかった。
だが、これからはそうはいかない。新体制下で急に経済が安定するなどということは考えられず、食糧危機などの経済破綻状態は今後も続くことが確実だが、その場合に新指導部はじわじわと責任追及の圧力を受けることになるだろう。金正恩本人に批判の矛先が向かわなくとも、その取り巻きは苦しい立場に立たされるはずだ。
特に、新体制で最高位の責任者となった現在69歳の李英鎬・総参謀長は、70〜80代の長老がひしめく朝鮮人民軍上層部において、金正日の指名によって並み居る先達をゴボウ抜きしてトップに据えられた人物であり、軍全体を完全に掌握しているとは言えない。
なお、金正日は晩年に、いわば世襲シフトの一環として、実質的な権力の仕組みを非公式に組み替えていて、公式な最高指導機関である「国防委員会」よりも、党の「中央軍事委員会」を重視してきた。正恩はその副委員長という肩書きで、後継者として名乗りを上げたという経緯がある。
その党中央軍事委員会は、李英鎬・総参謀長が同じく副委員長に就任しているほか、委員には主に軍の実務責任者クラスが配置された。彼らは金正日によって“金正恩派”となることを命じられたようなものだ。
同委員となった主な人物を列記すると、以下のような面々である。
崔富日・軍副総参謀長(軍指揮系統の事実上のナンバー2、大将)
金元弘・軍保衛司令部司令官(憲兵部門トップ、大将) 金英哲・軍偵察総局長(特殊工作部門のトップ、上将、韓国哨戒艦撃沈事件の指揮官と見られる) 鄭明道・海軍司令官(大将) 李炳鉄・空軍司令官(大将) 尹正麟・護衛司令官(大将) チェ・ギョンソン 第11軍団長(特殊部隊指揮官、上将) 崔相旅・ミサイル指導局長(上将) また、党中枢からも金慶玉・組織指導部第1副部長や崔竜海・党書記が委員に任じられている。
批判勢力に転じるかもしれない前総参謀長 しかし、こうして晩年の金正日に取り立ててもらった幹部がいる一方で、冷や飯を食わされた者も多数存在する。彼らは新体制の政権運営がつまずいた場合、批判勢力に転じる可能性が高い。
中でもその動向が注目されるのは、金格植・前総参謀長だ。現在71歳の彼は、現場の軍団長を長く務めた対外強硬派として知られ、2007年に総参謀長に上り詰めたものの、2009年に西海方面を担当する第4軍団長に左遷された。
ただし、第4軍団長に就任した後、金格植は対南挑発作戦を立て続けに実行している。2009年の黄海での海戦(大青海戦)、昨年の韓国哨戒艦撃沈や延坪島砲撃などだ。
これらの作戦はもちろん金正日の承認の下で実行されていることは疑いない。つまり金格植は、金正日の歓心を買うべく軍事作戦を実行したわけだ。
ところが、この金格植が2011年11月に第4軍団長から退いた。軍中枢で副総参謀長か人民武力部副部長に転じたとの観測もあったが、今回の金正日の葬儀委員名簿からは漏れており、失脚したことも考えられる。
しかし、金格植が何らかの致命的失敗を犯したとの情報はない。健康を害しているということでなければ、総参謀長まで務めた重鎮だけに、まだまだ軍内に求心力もあろう。対外強硬派サイドからの指導部批判の中心人物になる可能性がある。
ロイヤルファミリーの威光は金正日あってのもの 北朝鮮軍内の反正恩派という話になると、しばしば長男・正男やその後ろ盾である中国と通じる改革開放派といったイメージで語られることが多い。
もちろんそうした勢力も無視できないが、現在の軍指導部がこの数年で一気に世代交代したことを勘案すると、新体制指導部への批判勢力は、むしろ対外強硬派側から出てくるのではないかと思える。
また、こうして軍部内に軋轢が生じた場合には、最近は発言の機会が減っているものの、軍の実力派長老と言える呉克烈・国防委員会副委員長(前党作戦部長・大将)や、金永春・人民武力部長(国防委員会副委員長・元総参謀長・次帥)の動向も要注目だ。
他方、ロイヤルファミリーの金敬姫と張成沢は、当然ながら北朝鮮指導部では別格の地位にある。張成沢は長年にわたって実務トップの党行政部長を務め、党の実権の多くを握っている。今回の葬儀委員会の上位に名を連ねた党長老たちよりも、実際には張成沢の方が発言力はある。
だが、その威光も、もとはと言えば金正日あってのものだ。“婿”にすぎない張成沢には軍や党の内部に反対勢力もあり、失政があれば批判の対象になり得る。
金敬姫も兄によって強引に高い地位を得たが、実績は何もないただの女性にすぎない。本格的な権力闘争が平壌で始まれば、幹部たちの支持を集め続けられるかどうかは未知数だ。
権力闘争の行方を左右しそうな“影の機関” おそらく金正日自身、自身の死後の世襲政権が安泰だとは信じていなかったはずだ。そこで彼が重視したのが、いわば“影の機関”の役割だった。
例えば、今年に入ってから、特殊部隊の精鋭から成る「暴風軍団」を金正恩の指揮下に置き、中朝国境地帯などで秘密警察的な監視業務にあたらせてきた。暴風軍団は金正恩の親衛隊的な存在でもあり、軍や治安機関よりも上位の権限を与えられていると見られる。
また、金正日は秘密警察「国家安全保衛部」の権限を強化し、正恩の後ろ盾としてきた。今年春までに、正恩を同部の事実上の指導者とする措置も済ませている。今後しばらくは、国家安全保衛部が軍や党の幹部、および国民への監視を強化することになるだろう。
|
|
↓記事を読む前にクリックでの応援をお願いします。m(_ _)m
金正日の死、大混乱必至の朝鮮半島情勢に備えよ
後継者問題は振り出しに、中国次第では第2次朝鮮戦争も
2011.12.20(火) 福山 隆:プロフィール
心筋梗塞で亡くなったと報じられた北朝鮮の金正日総書記〔AFPBB News〕 北京発の共同通信記事によれば、朝鮮中央通信は19日、北朝鮮の最高指導者で国防委員会委員長の金正日総書記=朝鮮人民軍最高司令官=が17日、現地指導に向かう列車の中で死去したと報じた、とのこと。急性心筋梗塞を起こしたとしている。(敬称略)
北朝鮮は独自の社会主義体制の支柱を失い、準備期間が不十分な中、後継者の三男、金正恩を中心とした統治体制確立の帰趨や核・ミサイル問題の行方が焦点となろう。
金正日の死去を受け、外国為替市場で韓国の通貨ウォンが急落したほか、韓国は直ちに緊急警戒態勢を宣言した。
事態のインパクトの大きさを物語るものだ。日本など周辺国を含めた東アジア情勢が重大な岐路に立たされるのは必至だろう。
朝鮮半島の地政学 朝鮮半島の歴史においては、このように、強大な大陸国家と海洋国家が半島内の相対立する2つの勢力と結びついて、「角逐」する現象が見られた。朝鮮半島において、このように2つの勢力が角逐を繰り返す淵源はなんだろうか。それは地政学のなさしめるものだと思う。
地政学とは、分かりやすく言えば地球上で占める国家の位置がその運命を左右するという考え方である。家の建つ位置が、その家の吉凶を左右するという考え方を「風水」と言うが、地政学は「国家の立地を地球規模で見る風水学」とでも言う方が分かりやすいだろう。
地政学的に見れば、朝鮮半島は、ユーラシア大陸に出現する大陸国家と太平洋に出現する海洋国家のせめぎ合いの場である。
現在、朝鮮半島は大陸国家の両雄である中国・ロシアと海洋国家の米国・日本の挟間に位置している。ロシアと中国にとって朝鮮半島は、日本を経て太平洋に進出する足がかりになる。
一方、米国にとっては東アジアに進出する足がかりの1つ。従って、朝鮮半島は、日本、米国、中国、ロシアのいずれにとっても、国益や安全保障戦略上極めて重要な価値がある。それゆえ朝鮮半島は、大陸国家と海洋国家の「角逐の地」になるわけだ。
韓国・北朝鮮の立場から見れば、世界最強の大陸国家と海洋国家の狭間にあることで、遺憾なことに、常にこれら大国の覇権争いに巻き込まれ、国の運命を翻弄されるという宿命を背負うことになる。カントリーリスクと言われるゆえんだ。
朝鮮半島の地政学はこれだけではない。もう1つの地政学。それは、半島がユーラシア大陸の両雄であるロシアと中国両国に陸接していることに由来する。
ロシアと中国は現在仲良くしているが、実は戦略的には永遠のライバルである。ロシアか中国の一方が、朝鮮半島を自国の影響下に置けば、北東アジア正面で圧倒的に有利な戦略態勢を確立することになる。
従って、中国とロシアはともに、古来、朝鮮半島における互いの動向には極めて敏感である。朝鮮半島は、ユーラシア大陸の2大大陸国家の「角逐の地」でもあるわけだ。
嵐の予兆 朝鮮半島における大変動の引き金は、金正日の健康問題である。「現人神(あらひとがみ)」のごとき存在で、2000万余の人民をロボットのごとく意のままにコントロールしてきた金正日がいなくなることは北朝鮮のみならず、日本、韓国、中国そして米国などを巻き込んだ大きな動乱の引き金になる可能性がある。
米国のキャンベル国務次官補が昨年2月初めに訪韓した際、非公開の席で、「金正日の余命は3年程度」と述べたと言われるが、その死は予想よりも早かった。
また、韓国の情報機関筋からは「金正日は糖尿病と高血圧から、2週間に1回づつ腎臓透析をしている」とも伝えられていた。
残された時間に反比例し内政・外交上の問題が増加する北の独裁者は日々、凄まじいストレスに晒されていたに違いない。
「嵐」はどのようにやってくるのだろうか、私は昨年、JBpressでいろいろと予想記事を書いた。
金日成の場合は全く予期しない時期に、激しい心臓発作で突然死亡した。死去するまでは比較的健康だった父に比べ、息子は既に脳卒中で倒れ(2008年)、今も四肢に障害が残っている。
さらに、脳卒中の後遺症で記憶力が低下し痴呆症状が出ているとの情報もある(2010年6月26日付朝鮮日報)。
父の末期とは異なり、息子の場合は一定期間に心身が徐々に衰え、ある段階から統治能力はなくなるが生命は長らえているという状態――いわゆる植物状態――が暫時続くかもしれない。
後継者〜三男の正雲(正恩)と言われるが〜にとっては、「死せる孔明生ける仲達を走らす」と似たような作用で、仮に父が植物人間と化しても、その威光を後継確立・強化に活用できるかもしれない。父の金正日が政権継承時に金日成の偶像を活用したのと同じように・・・。
しかし現実には父同様、心筋梗塞による突然死だった。
今後の展開予測(1)地政学
金正日死亡を受け、朝鮮半島の地政学の通り、その解決の主役は米中である。米中は、朝鮮半島のステイタス・クオ(現状維持)本事案の沈静・安定化を基本に動くものと見られる。
(2)中国の影響力の拡大
急速な経済成長を背景に中国の軍事力の台頭は著しい。一方、米国はイラクからは撤兵したものの、依然アフガニスタンにおける戦いで手一杯の状態だ。このような背景から、朝鮮半島問題のイニシアチブは中国が握るかの印象が強い。
平壌の木蘭ビデオ社を視察する金正恩(2011年9月11日)〔AFPBB News〕
金正日後継問題の行方――正男か正恩か。
メディアなどは、三男の正恩が後継者に決定したかのように報じている。一方、長男の金正男は、既に後継レースからはずれていると言われ、金正日の異母弟・平一同様“国際的放浪者”になるとの見方もある。
果たしてそうだろうか。
私は、金正男の後継の可能性に注目している。正男を担ぐのは中国だ。中国は、金正日には手を焼いた。金正日は改革開放路線の受け入れを拒み、核ミサイル開発を促進し、瀬戸際外交に走った。
中国は許しがたく、我慢の限界ではなかろうか。中国の経済発展をぶち壊しかねない金正日には懲りたはずだ。
このような理由で、中国は、北の政権の「端境期」を絶好のチャンスととらえ、改革開放路線受け入れに誘導することを最大の目標にするものと思われる。
北朝鮮に路線変更を迫るためには、金正日の後継問題に関与(内政干渉)し、改革開放を実行できる人物・体制に替える必要がある。
世襲にこだわる金正日に対して、中国は、長男の金正男の後継を強く主張するものと見ている。正男は、中国の庇護の下、長期間滞在し改革開放の現場で学び、中国要路との太いパイプを構築した。
正男こそが、北朝鮮に路線変更させ得る唯一の後継者に違いない。金正男を後継者に据えることができれば、中国は金日成・正日父子時代に比べ、はるかに北朝鮮をコントロールできる立場に立つことができる。
昨年の天安撃沈事件で、国際世論に逆らってまで北朝鮮を庇護したのは、あとで後継人事に介入するために“貸しをつくった”可能性がある。
中国はさらに、正恩の世襲についても、北朝鮮に貸しをつくった格好だ。中国は、これらの「貸し」をテコとして、正恩の下で、改革開放路線の実行を迫るものと思う。
北朝鮮は金正日時代同様、体制維持のために、改革開放路線の採用を否定する可能性がある。しかし、キャリアの浅い正恩は父ほどの対中外交力量はない。
北朝鮮は「逃げ道」として、ロシアの援助や米国との国交樹立を模索する可能性がある。中国は北朝鮮の「退路を断つ」ために、米国やロシアはもとより、韓国、日本にも北朝鮮の逃げ道を塞ぐための外交工作を行うはずである。
いずれにせよ、中国は今度の北朝鮮の世代交代・後継の機会を利用して何が何でも「北朝鮮を改革開放路線に追い込む」という強い決意をしているに違いない。
(3)摂政政治
金正日が後継者の後見を託すうえで一番頼りになる人物は、血を分けた妹の金敬姫(キム・キョンヒ)とその夫の張成沢(チャン・ソンテク)=国防委員会副委員長である。
金正日は“内妻”の成恵琳(ソン・ヘリム)亡き後、その遺児の正男を金敬姫(子供がいない)に預けたことがある。張夫妻は正男に今も我が子のような情を持っているに違いない。そこに中国がつけ入る隙があるのではないかと思う。
東洋の諺に「雌鳥(めんどり)が鳴けば家が滅ぶ」という諺がある。今権勢を誇る金敬姫(雌鳥)も、兄の金正日亡き後は、後ろ盾がなくなる。
しかし、“雌鳥”はその事に気付かず、「兄」が生きていた時と同じように虚勢を張って自己主張する。それが北朝鮮動乱の大きな「変数」になる可能性がある。
後継問題をトリガーとして北朝鮮の内乱に発展するシナリオとしては以下のようなものがあろう。
シナリオ1:金敬姫・張成沢と軍部の対立 (2)へ続く
JBpress.ismedia.jpより引用
↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
|
|
↓記事を読む前にクリックでの応援をお願いします。m(_ _)m
飢える国民を尻目に核兵器を開発した独裁者
2011.12.21(水) Financial Times:プロフィール (2011年12月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
欧米メディアではよく、狂気の独裁者のカリカチュアとして描かれた〔AFPBB News〕
12月17日に死去した北朝鮮の指導者、金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記は、恐怖政治を敷き、同胞が飢えているのを尻目に核兵器を開発していた世界で最も無慈悲な専制君主の1人として歴史書にその名を残すことになるだろう。
表舞台に出ることがなく、69歳か70歳に達していた金総書記は、欧米のメディアでは狂気の独裁者のカリカチュアとして描かれることが多かった。
ふわふわした髪型と上げ底シューズで低い身長を補った大食漢のプレーボーイだとか、DVDのコレクションが2万枚を超えるインターネット中毒だと言われていた。ヘネシーのコニャックの最大のお得意様だった時期もあった。
狂気のイメージとは裏腹の切れ者、恐怖政治で国民を支配 しかし、2000年に平壌(ピョンヤン)で会談したマデレーン・オルブライト元米国務長官によれば、総書記は頭がおかしいという世間一般の印象とは違い、「理性を欠いた人物ではなかった」。オルブライト氏は回顧録『マダム・セクレタリー』の中で、「彼が自分の考えをとてもしっかり把握していることが分かった」と述懐している。
金総書記は自国に世界を寄せ付けないために、計算された瀬戸際政策を用いたが、一方でその自国をめちゃくちゃにしてしまった。自分と自分の父親(北朝鮮を建国した金日成=キム・イルソン=氏)を神とあがめる個人崇拝を至る所に行き渡らせ、民衆を支配下に置き続けるために想像を絶するレベルの恐怖政治を進めた。
韓国の映画を見るといった過ちであっても、その罰は重く、本人のみならずその家族全員が政治犯収容所に送られることもあった。
1990年代に韓国に逃れた姜哲煥(カン・チョルファン)氏は、9歳の時から10年間、最も悪名高い収容所の1つに数えられる耀徳(ヨドク)の施設に入れられたと話している。彼の祖父が資本主義者の理想を支持したというのがその理由だった。
飢饉をよそに贅沢三昧 この収容所では15人の処刑を目撃したという。また、あまりに空腹だったため、ヘビやネズミをワナで捕らえて食べたそうだ。
金総書記は1990年代半ば、間違った経済運営や農業政策が何十年も続いたために飢饉が発生した時に、300万人もの国民を餓死させた。20世紀における最大級の人道的災害だった。
総書記自身は、その間もずっと贅沢な暮らしを送っていた。鉄道によるモスクワ訪問の旅(総書記は飛行機に乗るのを怖がった)に付き添ったロシア高官、コンスタンティン・プリコフスキー氏によれば、この列車には生のロブスターやローストされたロバの肉が毎日空輸されていた。
また総書記はこの時、次のように語ったそうだ。「私は世界中で批判の的になっている。しかし、私が話題になっているということなのだから、これでいいのだと思う」
北朝鮮のプロパガンダによれば、金総書記は、朝鮮半島の人々の心の故郷である白頭山(ペクトゥサン)という山で、明るい星の下に生まれたという。だが実際は、父親が亡命していたロシア極東の都市ハバロフスク近郊のソ連軍キャンプで、1941年に生まれたと考えられている。
金総書記の家族は、第2次世界大戦の終結に伴って日本が朝鮮半島の支配権を失った時に平壌に戻った。スターリンが金日成氏を、朝鮮半島の北半分を占める共産国家、朝鮮民主主義人民共和国の指導者に据えたのだ。
父親から権力を継承1992年、平壌のサッカースタジアムを視察する金日成(キム・イルソン)主席と、金正日(キム・ジョンイル)総書記〔AFPBB News〕
金日成氏が1950年、米国の支援を受けていた韓国に侵攻し、その後3年間に及ぶ朝鮮戦争を引き起こすと、息子の金総書記は中国に移って少年時代の数年間をそこで過ごしたが、後に帰国して金日成総合大学に入学し、政治学を専攻した。
そして朝鮮労働党で急速に地位を高め、1980年に父親から正式な後継者に指名された。
1991年には、軍隊の経験がないにもかかわらず朝鮮人民軍の最高司令官に選ばれ、父親が死去する1994年まで務めた。そして3年間の公式的な服喪期間を経て、朝鮮労働党総書記に就任した。
旧ソ連とのバーター貿易制度が崩壊すると、北朝鮮の経済も崩壊した。そして、思想的に最も近い同盟国となった中国からの経済的・政治的支援に依存するようになった。
金総書記は2002年、物価と賃金の一部自由化に踏み切った。だが中途半端な改革だったため、さらに大きな経済問題を招くことになった。
核開発と瀬戸際外交 総書記が世界の注目を集めたのは、ウラン濃縮計画を秘密裏に進めているとの疑惑が持ち上がったことを受け、北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)から脱退した時のことだった。この問題は核の危機に発展し、2006年10月には核実験が実行された。
技術的な意味では失敗だったものの、この実験によってこのぼろぼろの国は核保有国の仲間入りを果たした。また、米国との外交交渉も促進された。約束をしてはこれを破り、より大きな譲歩を引き出し、最後にやっと当初合意にあった自分の約束を果たすというのが金総書記のやり方だった。
2010年11月、北朝鮮から砲撃を受け大きな煙を上げる韓国の延坪島〔AFPBB News〕
昨年には、韓国の哨戒艦を潜水艦で攻撃して50人の韓国軍兵士を死亡させたり、韓国の島を砲撃したりして、朝鮮半島を戦争の一歩手前にまで追い込んだ。
金総書記は生涯に4度結婚した。かつては、2番目の妻との間に生まれた息子の金正男(キム・ジョンナム、現在40歳前後)氏が後継者と見られていたが、偽造されたドミニカのパスポートで日本に入国しようとして捕らえられ、その芽がなくなった。
金総書記は正男氏のほかに、金正哲(キム・ジョンチョル)、金正恩(キム・ジョンウン)という2人の息子を高英姫(コ・ヨンヒ)氏との間にもうけている。高氏は舞踏家で、最も寵愛されている妻と呼ばれていたが、2006年にガンで死亡したと見られている。
総書記自身も2008年に脳卒中の発作に見舞われたと考えられており、近年は正恩氏の出世を加速せざるを得なくなっていた。正恩氏は現在、「偉大な継承者」と称されている。
By Anna Fifield and Christian Oliver
© The Financial Times Limited 2011. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.
JBpress.ismedia.jpより引用
↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
|
|
You Tube の動画を見つけました。本日も必見映像です! 動画UP主に感謝! 番組サイトより 「スーパーニュースアンカー」 (KTV) http://www.ktv.co.jp/anchor/ 12/21のアンカーは… 金正恩氏後継体制で拉致問題はどうなるのか?北朝鮮の真相を青山ズバリ! ズバリ!キーワードは、「甘い!」「甦る日本外交」。 ・ ヤマヒロ氏の Podcast 「ヤマヒロのアナ Pod cafe」 http://ktv.jp/podcast/ 関テレ・アナ 村西利恵さんのブログ http://www.ktv.co.jp/ktv/ann/cafe/muranishi/index.html 「アンカー」放送翌日の木曜日に、「文字起こし」を公開されている方がいますので、お知らせしておきます。 ↓ 「ぼやきくっくり」さんのブログ http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/ 「アンカー」文字起こし http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid336.html ・ 転載は以上です。 「淡交 You Tube」 の「再生リスト」にも入れておきました。 http://www.youtube.com/user/tankou2008 青山氏の情報は「淡交」 非公開サイトをご覧下さい。 http://www.geocities.jp/tankou_2008/ 青山氏の「命がけの発言」がより多くの人たちに伝わりますように・・・ワンクリック お願い致します。 にほんブログ村 政治ブログへ(文字をクリック) ![]()
|





