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民主党批判で逮捕。言論思想弾圧ここに極まれり
対日戦略が虚構の上でエスカレートさせる反日ムーブメント〜西村幸祐氏
2012.01.20(金) JBpress:プロフィール マット安川 今回のゲストは評論家・西村幸祐さん。くすぶり続ける日韓・日中間の外交問題をはじめ、民主党が掲げる各政策の課題などについてうかがいました。
反日ムーブメントの背後にうごめく中国共産党の対日戦略ジャーナリスト、作家。音楽雑誌編集などを経て、主にスポーツをテーマに作家、ジャーナリストとしての活動を開始。2002年の日韓ワールドカップ取材以降は拉致問題や歴史問題などにも分野を広げ、執筆活動を行っている。2011年4月『JAPANISM』を創刊、編集長を務める。(撮影:前田せいめい、以下同 西村 現在の東アジア情勢を考える上で、まず思い出してもらいたいのが2004年に北京で行われたサッカー・アジアカップの決勝戦です。日本が優勝した時の反日のムーブメントはすごいものでした。
あの後、反日の動きは収まっていたように見えます。実際、数年間は収まっていたんですけれども、去年からは違います。つまり本質的な問題は何一つ変わっていないということです。
今、中国では、チャン・イーモウ(張芸謀)監督の南京大虐殺を扱った映画(『ザ・フラワーズ・オブ・ウォー(金陵十三釵)』)が興行成績ナンバーワンです。去年の暮れからですが、その映画が流行りだしてから、ネット上では「小日本人なんかみんな殺せ」といった声が飛び交っています。
最近の反日ムーブメントの特長は、官制ではないものがネットなどでどんどん出てきていることですが、ただチャン・イーモウにそういう映画を作らせたというのは、中国共産党の戦略があります。
アジアカップの頃も、実はそういう背後の戦略がありました。あの時は国連の常任理事国に日本が立候補するという問題がクローズアップされていた。その時にアメリカにある中国の反日組織、世界抗日戦争史実維護連合会という団体が裏でバックアップし、世界的に署名を集めて日本の常任理事国入りに反対した。
去年の暮れからの動きを見ていると、チャン・イーモウの映画や、一昨年の尖閣衝突事件、台湾の総統選挙なども含めて、そういった共産党の戦略という裏も見えてきます。
マトリックス(仮想現実空間)上に築かれた中韓の反日感情 もう1つ加えると、2007年にアメリカの下院で、日本に対しての非難決議案が上程され決議されました。121号決議と言いますが、日本の従軍慰安婦はけしからん、世界史的に例を見ないような犯罪を日本は行ったということが書かれています。
しかし、今日本を取り巻いている反日というのは、実は「マトリックス」であることに日本人は気がつかなければいけません。日本大使館前の慰安婦の像はまさにバーチャル。仮想現実、虚構です。
先日の靖国神社に火をつけたという男の事件も、「マトリックス」としての反日が一番極端に出た例です。虚構、バーチャルな仮想現実から日本が憎くなってとんでもない野蛮なことを行った。
ちなみにKBS(韓国放送公社)が、この男が日本大使館に火炎瓶を投げるところを撮っている。おそらくKBSは日本大使館に火炎瓶を投げることを知っていて取材したのでしょうが、大事な点は、この男が靖国神社に火をつけたことをKBSに言っているということです。
そうするとKBSは取材行為として犯罪者を泳がせていたことになる。韓国の公営放送がですよ。これに対して日本政府はどういう対応を取るのかというと、何一つ取っていない。
進行する文化的虐殺。深刻さを増すチベット弾圧 今日どうしても言いたいのは、今チベットがひどい状況になっているということです。本当にひどい状況です。去年1年間で、十数人のチベット僧が焼身自殺しました。その中には尼さんもいます。今年になってからもありました。かなり高僧な方です。
結局、それが何を意味しているのか。80年代末期の銃や武力による弾圧ではなく、そういったものが終わった上で、ダライ・ラマ法王がいつも言っている文化的虐殺というものが進行しているということです。
チベット語は教えない、ダライ・ラマの写真を見ることもできない。領土の侵略だけではなく、言葉や文化の抹殺が進行している中で、それだけ追い詰められているからこそ、仏教では禁じられている自殺を僧侶がしているわけです。
そういった文化的虐殺はチベット自治区だけではなく、もともとチベットだった青海省などでも行われています。四川省も半分はチベットです。だからパンダは中国のものじゃない、チベットの動物です。このチベットの問題は非常に大きいです。
民主党批判は逮捕。言論・思想の弾圧と沈黙するマスメディア 実際に捕まった人が動画を撮っていて、警官とのやり取りなどが全部保存されています。その人は普通の人です。民主党に抗議をするために国旗を持っていたというだけで捕まったんです。
それから昨年12月に新橋で民主党の立会演説会があったんですが、駅前に集まった人の中で「民主党が地上から無くなりますように」というプラカードを掲げて持って歩いていただけの人が逮捕されました。
プラカードを掲げて民主党の議員が演説している街宣車の方に近づいていったら、民主党の職員らに取り囲まれて、警官のいるところに連れていかれた。そんなことをされたら、警官とのやり取りでちょっとイザコザになるじゃないですか。その時のささいな言動で逮捕されてしまった。(YouTube)
それで2泊3日拘留された。しかも国選弁護士もつけられなかったんです。実刑にはならなかったですが、それでも2泊3日なんて考えられないことです。これはたいへんな弾圧であって、北朝鮮のことを笑えません。
それなのに、マスコミは報道しない。こうした出来事のような言語道断な、とても言論の自由、思想の自由があるとは思えないような危険な状況をマスコミが報道しないというのは、本当に深刻です。
「マット安川のずばり勝負」1月13日放送
JBpress.ismedia.jpより引用 ↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
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中国外交
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安全保障を中心に中国の外交問題の記事を掲載します。
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中華民族琉球特別自治区委員会 2011年9月15日成立
【参考資料1】
「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会設立公告」
2011年1月17日付 中国の新聞記事より転載
【参考資料2】
【中華人民共和国琉球自治区の設立】
琉球群島千年の国家戦略の開始 国連は先日、ミレニアム総会を再び開催た。 我々中国も、千年の発展を考慮した問題に取り組まなければならない。 これは千年持続する経済発展の基礎である。 また安全保障は、中国が考えなくてはならない重大な問題である。 中国は琉球群島を回復しなければならない。 中華人民共和国琉球自治区を成立させなければならない。 @@@
我々は、琉球自治区を建設し、中国東方の宝石とし、これを国防のための巨大な鋼鉄の長城となし、中国が太平洋に向かう前進基地としなくてはならない。 琉球自治区、それは中国の経済発展を促進し、国家の長期安定維持のための一つの大きな鍵となる要素である。 この千年計画を、中国は真面目に取り組み研究しなければならない @@@
一 我々は、琉球を回復し、中国千年の繁栄と安定した安 全な発展の準備を十分にすることを決意する(1)中国は琉球の統治権を回復するにあたり、歴史と法律をもって争うことの出来ない正当性を備えている
現在「琉球統治権の回復は、東海問題と釣魚台問題を解決する鍵となる」という文言に、琉球群島の属性を探ってみれば、第一に中国歴代王朝の指導者には中国が琉球群島の主権を日本に渡した事実はまったくない 第二に、日本が現在法によらず中国に代わって琉球二統治権を行使している。この統治権は直ちに回復してよいものである。 それゆえ琉球群島の主権は依然として中国にある。 歴史は充分に琉球群島の主権は中国にあることを証明している。 「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」は法律上中国が琉球の主権を具備していることを保障しており、中国は琉球に対して争う点のない主権の法的効力がある。 琉球群島の統治権は、我々は忘れることは出来ない。 (2)中国の琉球群島は戦略的地位として変えがたい重要性を持つ
琉球群島の地理一は中国において相当の重要性がある。 琉球は東海の東にあり、中国の東大門ともいえるものである。 太平洋への出口でもある。 琉球は、中国が千年の経済発展と社会安定、国家安全の鍵となるところに存在する。 日本とアメリカの両国は琉球群島を利用して、中国を封鎖し中国を防ぐ第一の列島としている。中国がいったん琉球群島を回復すれば、琉球群島は中国の千年発展の中で国家主権の安全の防波堤となる。 われわれは琉球を捨てることが出来ない。 事の発端は日本が作り出し、侵略がその本質にある。 日本は、国は小さいながら野心は大きい。 日本はアジア人民に対し、積み重なる血の負債を負っている。 そして今に至っても謝罪を拒否している。 第二次世界大戦では日本は口先ではカイロ宣言とポツダム宣言の条件を飲んで投降したが、戦争犯罪問題はいまだに終わっていない。 日本は侵略国家としての戦争遂行賠償を行っておらず、いまだに関係条約を履行していない。「山河は変わっても人の本性は変わらない」のだ。 日本は不法にアメリカ軍から中国に属する琉球群島の統治権を手にし、これほどの長きに渡って、琉球を中国に返そうともしない。 日本は琉球群島をジャンプ台として中国の釣魚台及びその海域を侵略占領し、琉球を基地に狂った妄言で東海中間線を引き、日本は一々中国に東海問題に口出しし、いちいち中国との東海共同開発を要求し、いちいち中国との春暁油田の開発を要求し、これによって中国への侵犯を企てている。 不法占領が釣魚島とこれを含む海域の中国東海の主権に及び、日本はあらゆる極端な手段をとっている。 政治上は積極的にわが国との抗日戦線盟約国であったアメリカに身を預け、日本の戦車にアメリカをくくりつけるようなたくらみで、軍事上は積極的に動いて、武威を振るい、非法な行いを実行している。 日本は、戦略としては侵攻が主であり、あらゆる方向に出撃している。 日本は釣魚島とその海域において、やりたい放題に縦横無尽に突き進み、中国の機器を刻々と作り出している。 これらの言動は、日本がまったくカイロ宣言やポツダム宣言を履行せず、法に沿った道の上を歩まず、自らが敗戦国であることを忘れていていることを示している。 日本に再び軍事大国への道を走る権利はない。 現在日本では、自衛隊はすでに標準の軍事組織の範囲を超えており、世界的にも正常な国家の軍事力に勝っている。 日本は、世界第三の軍事強国である。 日本の軍国主義は復活の勢いで、釣魚島にまた行こうと呼びかけ、与那国島、那覇に派兵増員し、兵力を増強している。 日本はアメリカと韓国、東南アジアの一部の国家、インドを支持し、中国包囲網戦略を実施して、一時の間波風を立て、中国に不動の圧力をかけている。 中国は悪寒と圧迫を感じずにおれようか。 中国はさらに日本外相前原誠司と東海問題回復のための折衝要求にどうして答えられるのか。 形勢は人を圧している。 琉球群島統治権回復を、我らはこれ以上先延ばしにすることは出来ない。 (4)中国は琉球統治権を回復し、時勢に乗って戦術を仕掛ける必要性がある 日本は事の発端となりながら、不法に釣魚台で法を執行し、中国漁船に衝突して、不法に中国公民を拘束し、中国の権利を今に至るまで侵害し賠償と謝罪を拒否している。 中国には何の非もなく、中国の主権と尊厳を損害したことに、中国はこれに耐え忍んでいけるのか。中国は強力に対応しなければ後顧の憂いが耐えない。 最近中国とロシアは両国における第二次世界大戦の関係声明を発表した。 まさにこの時わが国は時勢に乗って好機を得、主権回復すべきまさにその時なのである。 チャンスを逃してはいけない、失えばもうチャンスはない。 琉球群島を回復するため、我らはもう座して待ってはいられない。 (5)中国は琉球統治権を回復し、国家戦略の主導性を増強することが出来る 中国政府はただ琉球群島統治権回復の宣言と、日本に百万の兵士を送り込むのを待つばかりである。 日本はたくさんの問題に関してすばやく口をつぐみ、あのように猛威を振るうことはないはずだ。 中国政府はただ日本に対し明確に琉球群島の統治権回復を明確にしさえすれば、日本を主導から動かされる側に移して、中国を動かされる立場から動かす立場に帰ることが出来る。 琉球の主権と統治権はみな中国のものである以上、日本には中国と釣魚島問題について語るどんな資格があるというのか。 中国と東海中間線問題を語る資格があるというのか? 東海共同開発を語る資格があるというのか? 中国はただ日本に琉球群島の統治権を中国に返還するよう要求すれば、日本は中国と中間線や、釣魚台、春暁油田の問題を語る基礎を失うのだ。 全ての釣魚島東海のいわゆる中間線、東海開発、春暁油田の全てに関して、国家主権の権利協議は自動的に成立しなくなり、自動的に廃止されるのだ。 ましてや、いまだ全国の人々の許可を得ていないものなどできるはずがないではないか。 中国に琉球統治権を回復したそのとき、中国が主導して日本に「日中の琉球群島返還問題に関する協定」の折衝を要求し、これによって、迅速に琉球群島を中国がとりかこんで回復する道をたどるのだ。 琉球群島統治権回復の声を、われわれは叫ばずにはいられない。 (6)中国政府が琉球群島統治権を回復すべき歴史的責任 琉球は中国の領土であり、中国には争うことのない主権がある。 日本は違法に琉球の統治権を振るい、中国は日本が統治権を中国に返還する意思を少しも見ることができない。どうして我々は日本に無期限にこれを使用させ続けなければいけないことがあろうか。 当初の蒋委員長は十分に琉球統治権に手を付けられなかったことを後悔しているのだ。 彼のことは過去のことであるが、我々はこの後悔をさらに引きずっていけようか。 中国人民共和国はすでに中国唯一の合法政府であるから、私たちは過去の蒋委員長の後悔を遠くに投げ捨てなければならない。 琉球統治権はすでに日本によって数十年行使されており、わが国は道理に基いて堂々とこれを回復しなければならず、子孫や後の代にこれを引き継いで、歴史を交代し、歴史的責任を果たさなければならない。 琉球統治権回復の責任は、果たさずにはいられないのだ。 (7)中国の千年経済発展と安定安全は、琉球群島の天然の防御性抜きにはありえない 沸き返るような韓国・アメリカの黄海海軍合同演習は、国民の神経を逆なでした。 韓国とアメリカの黄海海軍演習は、中国の国家安全構成に脅威を与え、アメリカの空母をグアム、那覇が航路を黄海に開いたが、これは北京天津地区に迫り、中国の心臓部を脅かし、我が軍の軍事機密を窺った。 もし中国が今後も千年の歴史の長い河の中にあり、東海、黄海に武器を携えたものどもがきて、又は空を飛び回り、波風を立て、砲火が連日聞こえる脅威の状態下にあるなら、中国はどうしてすばらしき国家を建設し、一意専心に発展していけようか。 中国は経済的に十分発展したのか。 経済は経済成果を十分に保ち続けるほど繁栄しているか。 それとも屠殺されるのを待つ超えた羊のようになってはいないだろうか。 もし琉球統治権を回復すれば、中国は琉球を建設し、経営は力を得、日本軍とアメリカ軍を東海から遠ざけ、琉球は中国の安全のための防波堤となるのだ。 もし国家が東海方面で潜在的な脅威に晒されても、中国は短時間で琉球を持って東に敵を葬り、或いは敵を攻撃することが可能である。 中国は決心する時期に来た。 琉球群島は天然の防波堤であり、私たちはこれを無視することは出来ない。 (8)琉球群島統治権を回復することは、国家の完全統一を加速し、中国の専念にわたる安全な発展を確保し、歴史の進歩において必然性を有するものである
中国の歴史は、離合集散を繰り返してきたが、分かれてはまた合流するのは歴史の必然であり、これは人の心によってそうなるものである。 台湾と琉球と、祖国である大陸の主権はすべて中国と不可分の領土にあり、台湾の国民党と大陸の共産党は過去に激烈な内戦を経てきたが、実質的には意識形態統一のための戦争であり、国民党・共産党の両党が国土分裂の意図を持って戦ったことはまったくない。 体に傷を負ったとはいえ、筋肉や骨を分断されたわけではなく、大陸と台湾の両方の国土部分は分かたれたことは無く、今に至るまでひとつの国家主権を実質的に分裂させたこともなく、これはただの歴史の冗談のようなものであったがゆえに、中国の両岸はひとつの国家の意識が当初は対立していた形になって現在に至っている。 現在意識形態は基本的に冷淡ながらお互いを兄弟と呼び合うような経済が日ごとに受け入れられるようになり、人民は分けられて管理されている。 これは両岸の属性である。 「ひとつの中国」「92年合意」はその最もよい証明である。 最近の両岸の関係は平和的で、欧州大西洋パートナーシップを実施し、経済発展と両岸人材交流をし、両岸の意識形態方面における分裂は大幅に縮小され、急速に一致に向かっているといえる。 両岸統一への歩みを加速させたことを表明したのだ。 香港とマカオは前後続いて祖国に復帰し、琉球群島の統治権の中国返還は必然的で間近であり、全国人民はまさに首を長くして待っている。 中国の完全統一はすでに遠い話ではない。 歴史はすでに証明している。 国家の統一は歴史的潮流であり、国家の統一は何者の力もこれを阻むことができない世界の趨勢である。 台湾は一万年かけても統一せねばならず、琉球は一万年かけても回復しなければならない。 中国統一は大事業であり、台湾はこれを避けることはできない。 国家の安全発展のため、琉球が欠けることがあってはならない。 上記、一の部分の訳のみ掲載
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中国にとり金正日の死は千載一遇のチャンスか
韓国との関係強化こそ必要?〜中国株式会社の研究(142)
2011.12.23(金) 宮家 邦彦:プロフィール 12月19日正午、朝鮮中央放送が金正日総書記の死を報じた。その2時間前には北朝鮮で「特別放送」があるとの情報が既に流れていた。しかも、「特別放送」とは「重大放送」よりも重大であり、これまでは金日成死去の際しか使われなかったことまで分かっていた。
平壌市内で金総書記に哀悼の意を表する市民(2011年12月21日、朝鮮中央テレビの映像より)〔AFPBB News〕
それでも日本のマスコミは虚を衝かれたようだ。筆者のような門外漢にまで電話がかかってきたぐらいだから、朝鮮半島専門家たちはさぞ忙しかったに違いない。
一方、これまでの報道内容は北朝鮮側発表の真偽や権力闘争勃発の可能性などが中心で、中国の思惑に関する分析は必ずしも十分ではない。
そこで今回は予定を変更し、「中国の視点で見た金正日死去」についてとりあえずの考えを纏めてみることにした。これに伴い、前回お約束した「ミャンマーの国民党残党」の話は次回書くということで何卒ご了承賜りたい。(文中敬称略)
千載一遇の機会 中国政府にとっては願ってもないチャンスが訪れた。
亡くなった金正日は扱いの難しい「古狸」だったが、若い金正恩なら何とか言うことを聞くかもしれない。親子3代の権力世襲などおよそ社会主義的ではないが、金正恩とその取り巻きが中国式の「経済改革」に踏み切るなら、そこは黙って目を瞑ろう。
とにかく、このまま北朝鮮が「暴発」すれば戦争となり、「崩壊」すれば韓国主導の半島統一ともなりかねない。米軍が駐留し、潜在的に反中で、核兵器製造能力まである自由民主主義の統一朝鮮国家と国境を接することだけは何としても避けたい。
恐らく中国指導部はこう考えたに違いない。
だからこそ中国は、北朝鮮が簡単に自壊することのないよう、北朝鮮に対し改革開放政策への転換を長年働きかけ、経済的自立を促してきた。北朝鮮が国内経済システム改革に成功すれば、結果的に朝鮮半島の分断が続き、当分は韓国との間に「緩衝国」を維持できるという算段なのだろう。
確かに過去2年間、金正日は4回も訪中し各地の経済特区や工業地帯などを視察している。直近の数カ月間だけでも、中朝首相級要人、軍高級幹部などの相互訪問が続いていた。
やはり、中朝間ではポスト金正日の権力移譲と北朝鮮経済立て直しに関する協議が相当進んでいたと見るべきなのだろうか。
実際に金正日が亡くなった当日、北朝鮮はその事実を中国側に内々知らせていた。翌日には政府レベルで公式に金正日死去の事実を通報している。中国側も最終的には北朝鮮側からの強い要請に応じ、金正恩が後継者であることを事実上認める弔意メッセージまで発出している。
こうした事実を見る限り、ポスト金正日・金正恩後継に向けた中朝間の共同シナリオは順調な滑り出しを見せているようだ。中国としては、この調子で金正恩が権力基盤を固め、北朝鮮が安定していくことを強く望んでいるはずである。
問題は事態が中国の思惑通り進むとは限らないことだろう。
中国の思い通りにならない北朝鮮 筆者が北京経由で初めて平壌を訪れたのは今年5月下旬だった。その模様については既に詳しく書いた(「平壌のカジノに見た中朝経済の蜜月」〜中国株式会社の研究・112)のでここでは繰り返さない。今回ご紹介するのは、筆者の訪朝の印象につき先月東京で中国の友人と交わした以下の会話である。
http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20111220/8219296.jpg http://img3.afpbb.com/jpegdata/thumb200/20111220/8219290.jpg
北朝鮮のテレビで放映された、ガラスの柩に安置された金正日〔AFPBB News〕
(友人)平壌はどうだった?
(筆者)状況は予想以上に悪かったが、DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)における中国のプレゼンスの大きさが印象深かった。以前なら朝鮮半島の将来は「戦争か、統一か」の二者選択だと思っていたが、今は違う。
朝鮮半島ではもはや戦争は起きないだろう。中国が戦争でも統一でもない「第三の道」を追求していると思うからだ。
(友人)それはどういう意味だい?
(筆者)中国の対北朝鮮投資は着実に伸びていると聞いた。いずれ中国はDPRKに中国式の「改革開放」を迫り、DPRKには現在のベトナムのようになってほしいのではないか。
そうすればDPRKは自立と再生産が可能となる一方、事実上中国経済圏に飲み込まれていく。これなら中国の望む朝鮮半島の「現状維持」も不可能ではなくなるだろう。違うかい?
(友人)・・・。中国は朝鮮半島の分断を望んではいない。中国は朝鮮半島の統一を恐れるべきではなく、韓国との関係をより緊密化すべきだと思うよ。
(筆者)おいおい、それは僕が10年前に君に話した議論じゃないか。あの時、中韓関係の緊密化に反対したのは君の方だったはずだ。この10年間で我々の立場が逆転したとでも言うのかい? 一体どうしちゃったんだ。
(友人)・・・・・・。
この旧友はその後一切この話題に触れようとしなかった。あの時彼が何を懸念したのかは今もってよく分からない。
中国の思う通りにはならない北朝鮮 あれから1カ月経った。この友人とは10年の付き合いがある。彼は無意味な発言・沈黙などしない男だ。金正日から金正恩への権力世襲が現実となった今、改めてこの友人の沈黙の意味を考えてみたら、何となく彼の本音の一部がおぼろげながら見えてきたような気がする。
北朝鮮の建国63周年の軍事パレードに出席する金正日総書記と金正恩氏〔AFPBB News〕
最後に、この男の本音をもう少し詳しく推測してみよう。恐らく彼は「北朝鮮の改革開放が成功する保証などない」と考えているのではなかろうか。彼の悲観論の根拠は恐らくこんなところだろう。
●仮に北朝鮮が中国式「改革開放政策」を採用しても、北朝鮮が国内で韓国や日本の企業の自由な経済活動を認める可能性は低い。
●そうなれば、北朝鮮の貿易パートナーは基本的に中国一国となり、成果は限定される。更に、中国の対北朝鮮コミットメントも異常なほど高まるだろう。
●北朝鮮の改革開放が進まなければ、北朝鮮の危機は早晩再び訪れる。そうなれば、北朝鮮経済にコミットした中国のリスクも今以上に高まるだろう。
●そもそも、北朝鮮指導者たちの対中不信は極めて深刻であり、土壇場に追い込まれれば、彼らは中国の言うことを聞かない。
●そうなれば、結局中国は北朝鮮を失うことになり、韓国主導の半島統一後に極めて不利な立場に陥る可能性が高い。
●されば、今から韓国との関係を重視して将来に備える方が、中国の国益にとっては長期的に有利となる可能性が高い。
もしこの友人が以上のようなことを考えて筆者の質問に沈黙したのだとしたら、もう脱帽である。金正恩の北朝鮮と習近平の中国の虚々実々の駆け引きは既に始まっているのかもしれない。中朝関係については、いま一度初心に帰って分析をやり直す必要があるだろう。 ↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
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お粗末な戦略で、欧州でも嫌われる中国
アイスランドの買収騒動〜中国株式会社の研究(139)
2011.12.02(金) 宮家 邦彦:プロフィール またまた欧州でいかにも「中国らしい」事件が起きた。場所は極寒の島国アイスランド。中国の投資企業が300平方キロもの広大な土地を買収しようとしたが、アイスランド政府は安全保障上の理由で申請を却下した。中国側は「西側の中国に対する不当な差別」だと反発している。真相は一体どちらなのだろう。(文中敬称略)
地球温暖化と北極海航路 ことの発端は本年9月に遡る。中国の大富豪で大手投資企業「中坤集団」の総帥・黄怒波(Huang Nubo)がアイスランド東北部の土地300平方キロの所有権購入を同国政府に申請した。同国内や欧米メディアの一部には「中坤集団の裏に中国政府がいる」として買収自体を疑問視する声もあったらしい。
反対論はこうだ。地球温暖化が進み、近い将来北極の氷が融ける。いずれ北極海航路が開け、同地域の資源をめぐって争奪戦が始まる。
中国政府に近い黄怒波が北極海の要衝アイスランドに広大な土地を確保するのは、北極海の将来を見据えた中国軍事戦略の拠点作りの始まりに過ぎない、云々。
黄怒波が880万ドルで買収しようとしたのはアイスランド島北東部の Grimsstadir a Fjollum と呼ばれる僻地だ。この不毛の荒野に1億7500万ドルでゴルフ場とエコ観光リゾートを建て年間1万人の観光客を呼び込むというが、そんなビジネスは成り立たない。やはり黒幕は人民解放軍、という理屈である。
いかにももっともらしい話ではないか。昔ならコロッと信じたかもしれない。しかし、今はグーグル・アースという便利なソフトがある。
早速この Grimsstadir a Fjollum なる場所を調べてみて驚いた。300平方キロとはいえ、直近の海岸までどう見ても50キロはある。こんな土地を確保しても軍事的にはあまり意味がないと専門家は言う。
中堅クラスの政商 この中坤集団の総帥、調べれば調べるほど興味深い人物だ。黄怒波は1956年甘粛省蘭州生まれ、寧夏回族自治区銀川で育ったらしい。
1981年に北京大学文学部を卒業し、中国共産党中央宣伝部や国務院建設部に勤務したと報じられている。
その後、1995年に不動産開発の投資企業「中坤集団」を設立して巨万の富を手にし、中国市長協会会長補佐、中国テニス協会副主席などを歴任している。
フォーブスの中国富豪ランキングで2010年に161位、2011年には総資産10億ドルで129位にランクされているそうだ。
黄怒波は詩人でもある。駱英(Luo Ying)のペンネームで1992年に処女詩集『もう私を愛さないでくれ』を、2007年にも『都市流浪集』を出版している。
彼の詩集は日本を含む主要国でも翻訳・出版されているそうだ。さらに、エベレストに3回登頂するなど登山家・冒険家としても知られているという。
中国・北京でアイスランドの地図を前に記者会見する黄怒波氏〔AFPBB News〕
報道を読む限り、黄怒波は党とのコネを活用し財を成す典型的「政商」タイプにも思えるが、富豪ランキングは129位だから、それほど大物でもなさそうだ。
しかも、今回の土地買収では必要以上に騒ぎを大きくして、結果的に中国全体の評価を下げてしまった。中国政府の代理人だとしたら、実にお粗末である。
こんな人物を中国共産党は本当にエージェントとして使ったのか。もちろん黄怒波との間に一定の関係はあっただろうが、中国の長期的国家軍事戦略の一環としてアイスランドに将来の軍事的拠点を確立するという重要なミッションをこの人物に託したのだろうか。
考えてみれば、ちょっと信じ難い話である。
実は国家戦略のない中国 念のため専門家にも聞いてみたが、人民解放軍が「北極海」に強い関心を有しているという話は聞いたことがないという。また、仮に数十年後に北極海の氷が融けたとしても、北極海航路なるものは1年のうち半年ぐらいしか使えず、商業的にはペイしそうもないと聞いた。
そもそも、地の果てで2億ドル以上の大規模リゾート開発をやって元が取れるのだろうか。アイスランドの荒野から石油や天然ガスが出るという話は全く聞かない。
今後海岸までの回廊をさらに買収して、将来軍港でも建設しようというのか。そんなことをアイスランド政府が認めるはずはない。
それでも報道によれば、アイスランドの首相も一時はこの土地買収に賛成していたという。リーマン・ショックによる巨額の外国資金引き揚げで大打撃を受けた国であり、外国からの投資は歓迎されるはずなのだが・・・。
今回申請を却下した内務大臣は左派の環境活動家で、首相とは意見が異なっていたらしい。
中国の砕氷船。北極航路はビジネスになるのか疑問〔AFPBB News〕
どうやら今回のアイスランド土地買収騒動は、アイスランド内務省(もしくは一部欧米メディア)の過剰反応だったような気がする。
黄怒波は西側の「ダブルスタンダード」とアイスランド政府内の「権力闘争」に激怒し、その「人種的偏見」を強く非難したようだが、今回ばかりは彼に同情したくなるほどだ。
一方、中国人、中国企業の外国での買収工作も決して褒められたものではない。
例えば、米国では石油会社買収に失敗し、新潟や名古屋でも総領事館用地買収がうまくいっていない。このほかにもカナダ、英国など世界中で似たような事件が多発している。
これら多くに共通することは、中国側関係者に慎重な戦略や連携がないことだ。
中国は広いからスケールも大きいのかもしれないが、中国側の買収工作は非常に大規模かつ無神経なほど派手なケースが多い。あまりに派手なため、逆に目立って地元の反発を招き、結局失敗するというパターンだ。
冒頭いかにも「中国らしい」事件と書いたが、それは中国人ビジネスマンと中国政府・軍が密かに連携するから恐ろしいという意味ではない。今回はむしろ逆である。
中国のやることは、しっかりしているように見えて、実は各人が「戦略なしに勝手に突っ走る」という点で、極めて「中国らしい」と言いたかったのだ。
アイスランドに関する限り、黄怒波は「シロ」らしい。そう考えたら、何となく安心した。それにしても彼の最後のコメントが面白い。
「これからは投資先の政治環境も考える必要がある」のだそうだ。語るに落ちたとはこのことだろう。これこそ中国で巨万の富を得た黄怒波が最も得意とする手法ではなかったのか。 |
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モンゴルでますます高まる嫌中ムード
「やりたい放題」に資源を獲得し、土地の不法占拠も
2011.11.29(火) 姫田 小夏:プロフィール 上海であるパーティに参加したら、化粧室で小柄な女性に声をかけられた。
「あなた、日本人ね、すぐに分かったわ」
マギーと称する女性はモンゴル出身。今は大連で貿易をしているとかで、上海には出張で訪れたのだと言う。
「こんなところで日本人と知り合えるなんて!」と妙に喜ばれた。外務省の調査によればモンゴル人の7割が親日感情を抱いているというが、本当にその通りだと思った。
強い訛りがあるものの、中国語を話せる彼女は「最近は中国がすごいのよ」と切り出してきた。「大きい声じゃ言えないけれど、どんどん資源を持ち去っていくし、国境を乗り越えてどんどん中国人が入ってくる。しかも国境付近では土地まで不法に占拠されているようなの。はっきり言って、いい気分じゃないわ」と眉をひそめた。
鉱物資源を武器に拡大するモンゴル経済 1990年に社会主義国から脱却、複数政党制を導入して民主化したモンゴルの経済は、2000年代に入ると大幅に拡大した。1人当たりGDPは2004年からの3年間で約2倍に急増した。
しかし、2008年の金融危機と、それに伴う輸出主要産品である銅の価格暴落のため、モンゴルの2009年の実質成長率は前年比1.3%減まで下落した(2008年は前年比8.9%増だった)。
マギーは「それでも最近はだいぶ経済も良くなった」と語る。
その支えとなっているのがモンゴルの鉱物資源である。特に「タバントルゴイ炭田」「オヨートルゴイ鉱区」では、外資の本格的な参入が始まっている。
良質な石炭鉱区として知られる「タバントルゴイ炭田」は、埋蔵量64億トン(コークス炭は18億トン、外務省調べ)という世界最大の鉱区だ。東西に2分割された西鉱区について、2011年初めに国際入札が実施された。
その結果、中国神華能源 (チャイナ・シェンファ・エナジー)が40%、ロシア鉄道をトップとするコンソーシアムが36%、ピーボディー・エナジーが24%の出資割合で仮決定がなされていた。2010年にモンゴルと中国の首脳が互いの国を訪問したのも、タバントルゴイ鉱区の権益争いが背景にある。
だが、9月に入り、モンゴル政府はこれを不承認とした。合法性を再度確かめるというのがその理由だ。ちなみに、この第1次選考には日本の4商社(伊藤忠商事、双日、丸紅、住友商事)が残っていた。
銅・金鉱山の「オヨートルゴイ鉱区」も世界最大規模と言われ、 銅が約3600万トン、金が約1200〜1300トンという埋蔵量が見込まれている。
2009年、カナダのアイヴァンホー・マインズ社が、将来の利益の「前払い金」として2億5000万米ドルをモンゴル政府に納付することなどを含め、開発の合意に至っている。当時、中国のチャイナルコなども強い関心を示していたようだが、「モンゴル政府は根気強く中国を締め出した」とも伝えられている。
モンゴルの鉱業には、元横綱・朝青龍と彼を含む格闘家3兄弟も乗り出している。兄のドルゴルスレン・スミヤバザルはモンゴル国家投資銀行(the National Investment Bank of Mongolia:NIBM)の会長職にあり、また市議会議員も務める。また、オヨートルゴイ鉱区のビジネスにも絡んでいるようだ。
ブルー・ウルフの名前で知られる元プロレスラー、弟のドルゴルスレン・セレジブデも、朝青龍の出場停止とともに帰国し、今やモンゴルで複数のプロジェクトに携わり、飛ぶ鳥を落とす勢いの実業家として活躍している。
「この3兄弟は、父親とともにモンゴルで銀行・鉱業・建設業と、手広くビジネスを動かしているのよ」とマギーは話す。
貿易でも中国が圧倒的プレゼンス 中国は99年以降、モンゴルにとっての最大の貿易相手国だ。2010年のモンゴルの主な輸出相手国は、第1位が中国(17億ドル)、第2位がカナダ(2億5970万ドル)、第3位がロシア(2億4000万ドル)、第4位がイギリス。日本は第11位である。
2010年、モンゴルの輸出額は29億ドルに達し、モンゴルの輸出の8割以上を中国が占めるようになった(同年の中国からの輸入額は32億ドル)。2009年の銅と石炭の輸出は100%が中国に振り向けられた、とも言われている。
また、2010年末時点での主要国の対モンゴル投資累計額は、中国が24.7億ドルで断トツであり、カナダの4億、オランダの2億9000万ドル、韓国の2億6000万ドルを大きく引き離している。
モンゴルにおける主要国資本の企業数を見ても、2010年はなんと中国が5303社、それに韓国の1973社、ロシアの769社、日本の451社が続いているという現状である(モンゴル大使館資料より)。
しかし、こうした状況をモンゴル国民は決して歓迎していない。「中国のブラックゴールドラッシュ」と呼ばれる急激な進出に、モンゴルでは空前の反中ムードが高まっている。
産業法規を無視するような「やりたい放題」の中国資本、後を絶たない不法入国、衛生観念の欠落、地元女性をほしいままにする素行の悪さ・・・。「それは日々の新聞の見出しになるほどよ」とマギーは言う。
南北を中国とロシアという2大国にサンドイッチされた、モンゴルの地政学的な恐怖に加え、「清朝までは中国の領土だった」という歴史的な反感、さらに、ぞくぞくとなだれ込んでくる中国人に職を奪われるのではないかという不安――。こうした脅威にさらされ、最近のモンゴル人の感情は決して穏やかではない。
中国との国境沿いで高まる危機感 中国との国境沿いの街にも変化が見られる。中国との交易・物流拠点が多数でき、急速な都市化が進んでいる。しかしマギーは「国境沿い」の変化に大きな不安を感じるのだという。
「国境付近では、土地まで不法に占拠されていると言われているの」
「中国国内に住む場所がなくなった中国人が国境を越えてどんどんモンゴルに侵入」・・・、そんなことがあり得るのかとも思うが、中国では確かに「土地資源の不足」が顕在化している。
中国の資料によれば、中国の1人当たりの土地面積は0.74ヘクタール。ロシアの11.4ヘクタールやカナダの30.5ヘクタール、アメリカの3.3ヘクタールに比べても、かなり低い数字であることが分かる。
他方、中国語のサイトをクリックすれば、「忘れられない中国の国土、それはモンゴル」「モンゴルはなぜ中国から分裂したのか」などと、“愛国の士”たちが清朝に歴史をさかのぼり、気炎を上げる様子が伝わってくる。
同時に、中国国内では不動産が高騰して一般市民が住宅を買えなくなったことを背景に、「モンゴルのパオにでも住むしかない」などのブラックジョークも飛び出すようになった。
打つ手はないのかとマギーに尋ねると、「モンゴルの人口は300万人にも満たない。この広い土地で、とても国境沿いなどを管理する余裕なんてないわよ」とのこと。もはや人間の数からしても、対抗する手立てはないようだ。
別れ際、マギーは自分のお腹を指さしてこう言った。「私たちの中国に対する感情は、母親のお腹にいる頃から言い含められているのよ」。中国への恨みや嫌悪感は骨の髄までしみ込んでいるようだ。
モンゴルは「脱亜入欧」を目指す? さて、2011年10月、モンゴルのエルベクドルジ大統領はBBCのインタビューを受け、資源の輸出先を「中国1国だけに依存する状態は望んでいない」と回答した。国境を接する国ではあるが、中国への依存度を高めることに大きな警戒を抱いていることが分かる。
中国による「ブラックゴールドラッシュ」を避けんがために、モンゴルは外交戦略を大きく転換させた。
軸となるのが「第3の隣国政策」。中国やロシアに傾斜せず、米日韓、そして欧州との積極外交に乗り出そうというものだ。実際に10月28日、モンゴルは欧州安全保障協力機構(OSCE)への加盟申請を正式に提出している。中国紙は「モンゴルの脱亜入欧」と書いた。
中国に近接するアジアの国々は、一様に中国問題に頭を痛めている。特に国境を接する各国はこれまでの歴史の中で育まれた「近親憎悪」の感情を抱えつつ、難題を克服するための必死の舵取りを迫られている。 ↓記事を読み終わりましたら、こちらにもクリックをお願いします。m(_ _)m
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