シルクロードから嫁が来た!!

キルギス共和国出身のロシア人と結婚した男のムダ話。旧ソ連諸国のお話も

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http://www.youtube.com/v/JIdPdBF85DU


【名曲『Рождённый в CCCP(ソビエト連邦に生まれて)』のDVDライブ版ジャケット。ロシアとソビエトの国旗を組み合わせたデザインがSO COOL!です。そして、この曲のミュージッククリップ。ソビエト時代の映像を織り交ぜた映像がロシアンロックの独自性を際立たせています。そして、無骨だけどカッコいいメロディ!最高です。(画像は動画サイトYOUTUBEなどより転載)】


僕が高校生になりたての頃、アメリカのミュージシャン ブルース・スプリングスティーンさんの『Born in the USA(アメリカに生まれて)』が大ヒットしていました。

ベトナム戦争からの帰還兵の苦悩を扱った硬派な歌詞の意味は、英語がてんでダメだった僕にはほとんど分かりませんでした。

それでも、いかにもロックなメロディーが好きで、通学時によくウォークマンで聞いたものです。

さて、アメリカが『Born in the USA』なら、我らがロシアにも『Born in the USSR』があります。
そこで登場するのが、今回の主役、ロシアのロックバンド『DDT(ДДТ デーデーテー)』です。

ロシアの新聞プラウダによると、DDTは、ソビエト時代の1980年に結成されています。
これは、ロシアンロックバンドの中でも最古参に属します。

初コンサートは、リーダーのユーリー・シェフチュクさんの地元ソビエト中央のウファと言う街でした。

彼らが世に知られだしたきっかけは、『黄金のチューニングフォーク』と言うコンテストです。
このコンテストにDDTは、3曲を出品し、決勝戦まで進出しました。

当初DDTののレパートリーは、ロック、ブルース、カントリーミュージックなど様々でした。
中でもメッセージ性が強く、独自の色が出せるロックに次第に傾倒していきます。

残念なことに、この時期、DDTを取り巻く環境は必ずしも恵まれたものではありませんでした。
“西側文化の堕落の象徴”として、ロックはソビエト政府の監視下に置かれ、冷遇されていたからです。

そのため、政府支援の下、様々な恩恵が受けられる音楽家組合にも加入できませんでした。
加えて、作品も地下出版の様な形で発表せざるを得ませんでした。

当然、ミュージシャン専業で食えるはずもなく、メンバーは様々な副業をしながら、活動を続けました。

1983年にモスクワで行われたコンサートは、DDTの置かれた当時の状況を端的に表しています。

このコンサートでDDTは、メイン出演し、大変な声援を受けました。
にも関わらず、テレビ放送では、出演シーンを全てカットされてしまう有様でした。

それでも、DDTは、活動を止めず、地道に音楽活動を行います。
絶えず秘密警察KGBによる監視や妨害を受けながらも実績を積み上げていきました。

そして、開放政策を採るゴルバチョフ政権誕生と言う追い風も受け、徐々に名前は浸透。
ソビエトの最古参のロックバンドと言うユニークさもあり、海外でも名が知られます。

1990年には、アメリカや日本にも来日し、コンサートを行ったと聞きます。

そして、1991年。ソビエト崩壊。
もはやロシアでも大手を振ってロックを演奏したり、聴くことができる時代になりました。

雨後のタケノコの様に現れたロシアンロックバンドに加え、欧米のロックも流入。
激しい過当競争時代が到来します。

それでも、DDTは、埋もれることなくロシアンロックの先駆者として不動の地位を維持。

1993年サンクト・ペテルブルグで行われたイベントでは、1万2000人の聴衆を熱狂させるなど、精力的に活動します。

そして、1997年。DDTは、名曲『Рождённый в CCCP』を世に出します。
英訳すると『Born in the USSR(ソビエト連邦に生まれて)』の誕生でした。

粗削りなメロディや美声とは言えないガラガラ声のユーリー・シェフチュクさんのボーカルは、お世辞にも欧米のロックの様に洗練されていないけど、その分、ロック本来の骨太さを感じることができる名曲として知られています。

一方で歌詞には、かつての祖国ソビエトへの複雑な気持ちが隠されていると言われます。
しかし、そのメッセージは、ロシア圏でない外国人には分かり辛いとも言われています。

家内によると、これはロシア語独特の隠喩が多用されているためだそうです。

ロシア語には、様々な言い回しやスラングが多く、この曲にもそんな言葉がここかしこにあるとのこと。
そのため、単純に歌詞を訳しても、曲の奥底にある真のメッセージを把握するのは難しいのだそうです。

また、仮に正確に歌詞の内容を理解しても、あくまで上っ面。
家内は、恐らく日本人には深く理解できないだろうとも付け加えました。

恐らく曲の奥底には、今も昔も自由にロックを楽しめる日本人には分からない“何か”があるでしょう。

ロックを嫌悪し、散々DDTを冷遇したのはソビエト。
しかし、ひどい仕打ちでDDTを骨太な本格派ロックバンドに育てたのもソビエト。

ロシア版『Born in the USA』の奥底には、DDTのメンバー含めたかつてのソビエト社会を生きた人にしか分からない共産主義への怒り、そして感謝と言う愛憎半ばする想いが流れているのかもしれません。


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migさん独特のロックですね!!しかり根をおろした雑草のような逞しい声、素朴だけど力強さを感じます。外国語に うとい私には歌詞はまったく検討もつきませんが.....このバンドの背景にはいろんな歴史があったようですね人生いろいろなんですね!!! 削除

2007/11/8(木) 午後 4:08 [ joka ] 返信する

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はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
昨年暮れに購入したDVDの中にジャンナ・フリスケやリフレックスなどの派手なお姉さんたちに混じって気になるバンドがありました。
行きつけの焼き鳥屋のオヤジに似ている眼鏡をかけたヴォーカルの歌に観客が酔いしれているライブで、タイトルを読むとДДТ「ПРОПАВШИЙ БЕЗ ВЕСТИ」歌詞の内容は分かりませんが、心地よく懐かしさを感じさせる不思議な曲で、きっとすごいバンドなんだろうなと思っていました。
今日ようやく謎が解けてすっきりしました。migさん、ありがとうございました。

2007/11/8(木) 午後 7:20 [ tan*3* ] 返信する

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JOKAさん ロシアのバンド、特にソビエト時代から活躍している人はいろいろ苦労が絶えなかったみたいです。まあ、その分、反体制と言うロック本来の姿を多分に残しているため、本格派が多いような気がします。

2007/11/8(木) 午後 10:48 mig21 返信する

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tane3o さん こちらこそはじめまして!! ハハハ。確かにユーリャの顔はそこいらの焼き鳥のオヤジの顔ですよね。はっきり言ってルックスは全然ダメなんですが、個人的には、あの顔がいかにも年季の入ったロッカーのようにも見えます。

DDTは割りに日本でもファンがいるそうで、 tane3o さんがお感じになったように意外に日本人ウケするバンドなのかもしれませんね。

ともあれ、謎が解けたこと、僕も嬉しいです。これからもどうぞ夜露死苦!←とロックっぽく締めてみました。違うか(笑)

2007/11/8(木) 午後 10:55 mig21 返信する

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最近Сектор газаというロシアのロックバンドを知りました。これがなかなかイケるんです。ロシアの音楽はポップスばかり聴いていましたが、ロックも探求していけば面白そうですね。

2007/11/10(土) 午前 1:27 エルネスティコ 返信する

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エルネスティコさん Сектор газаは初耳です。一度聞いてみますわ。ロシアのロックはあまり知られていないので、とっかかりが難しいですよね。僕の場合は、DDTとはNHKで放映されたロシア映画『ぼくたちでなければ』でした。(挿入歌に使われていた。)

ロシア文化はこれからもいろいろ日本に来るでしょうが、ロックの場合、直接でなく、映画や本などの情報や口コミを通して人気が出るような気がします。根拠なき意見ですが。

2007/11/10(土) 午前 8:50 mig21 返信する

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デビューしたての頃のU2を思い出させる野太さですなぁ。V・ヴィソツキーしかり、露のポピュラー歌手って男臭さを全面に出すのが好きなのかしら。でも、下品にはなってないから良いですよね。「モスクワは涙を信じない」も、最後は妙に男臭くて野武士みたいな雰囲気なんだけど繊細な男の人とハッピーエンドでしょう?露女性の理想なのかしら???奥しゃまに聞いてみてくだしゃれ。

2007/11/10(土) 午前 11:40 おまつ 返信する

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http://jp.youtube.com/watch?v=R3brfrtWXkk
Сектор газаです。9ротаの映像にピッタリ!

口コミでの人気、それはまさにmigさんのブログにかかっています!

2007/11/10(土) 午後 11:51 エルネスティコ 返信する

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おまつ姐さん おおっ、姐さん『モスクワは涙を信じない』をご存知なんですね。嬉しいなあ。確かにあの映画のラストはそうでしたね。

ロシア圏人女性は、男性のタイプに『強さ』を求める人が多いです。これはフィジカルな強さよりもメンタルな強さですね。容姿よりも性格。筋肉よりも頭脳って感じです。これは、恐らく男性の暴力や飲酒癖が多いロシア圏ならではの傾向なのかもしれません。

えっ!?では、お前はどうなんですかって?ウハハ。フィジカルもメンタルも最低です。まあ、世の中例外も多々ありますから。。。。僕の場合は、まさにその例外です(恥)

2007/11/11(日) 午前 8:07 mig21 返信する

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エルネスティコさん YOUTUBE拝見しました。めちゃくちゃ洗練されてカッコですね。ちょっと想像以上でした。(と言うか、映像もスゴイ。これ、日本で公開してもそこそこうけるんちゃうかなあ。)ロシアのロック事情もホップ→ステップときてジャンプの時期になってるんでしょうか。国に勢いがあると、違いますねえ。ともあれ、情報ありがとうございました。

2007/11/11(日) 午前 8:31 mig21 返信する

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