シルクロードから嫁が来た!!

キルギス共和国出身のロシア人と結婚した男のムダ話。旧ソ連諸国のお話も

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【ロシア大統領選の得票率。プーチンさん、一見大勝利に見えますが、共産党のジュガノフさんやトンデモ発言しか話題にならない極右のジリノフスキーさんなどスレスレもしくはバッチリ泡沫候補ばかりの顔ぶれを見ると、60%ちょいの得票は相当厳しい結果。今回の戦いが苦しかったかを如実に示しています。(画像はパキスタンの“One Pakistan News”に掲載されたAFP通信画像より転載】

プーチン首相、次期大統領に返り咲き。
最短6年、最長12年の長期政権のスタートです。
(ロシア大統領の任期は2008年に従来の4年から6年に改定されました。最長2期連側まで就任は可能なのは従来どおりです。)

今回の選挙では激しい反プーチンデモが各地で行われました。
選挙結果決定後もデモは続き、モスクワでは2000人(警察発表は600人)が拘束されたと聞きます。

数字だけ見れば得票率こそ、63%と2位の共産党のジュガノフ候補の17%に大差をつけてはいました。
しかし、常時70%〜80%もあった絶頂期に比べ有力なライバル皆無でこの数字は、実に厳しい結果。
かつてのプーチン人気が失速したことは明らかです。

僕は本ブログでたびたびプーチンさんをロシア史に残る稀有なリーダーと書いてきました。
ソビエト崩壊の後遺症に苦しむ傷だらけの大国を復権させた手腕は見事です。

この評価は今も変わりません。
家内始め知人のロシア人もおおむねそんな印象を持っています。

一方で、以前の記事でも触れたとおり、プーチンさんの再登板はあまり歓迎しないとも書きました。

理由は簡単。
ロシアはプーチニズムから卒業する必要があるから。
変化する時代に応じて進化したネオ・プーチニズムに移行しなければならないと感じたのです。

プーチンさん最大の武器は強いリーダーシップ。
明確な国家の指針を決め、それに向け政策を着実に実行していくスタイルです。

確かに強いリーダーシップは当時のロシアには極めて有益でした。
疲弊し、破綻した国家には、強権によるスクラップ&ビルドが不可欠だったからです。

いい例がかつてのソビエト連邦です。
第二次世界大戦で未曾有の損害を受けたソビエトですが、復興は急速でした。

1945年〜1950年のGDPの伸び率は平均10%以上。
平均3%弱をウロウロするアメリカを完全に凌駕していました。

戦争など社会が混乱した後の復興期は強力な中央集権国家や独裁国家がベストと言う説があります。
強権を持つ人物や組織が異論をよせつけない強引さで物事を推し進める方が復興が早いと言う理論です。

確かにヒトラーは第一次世界大戦で疲弊したドイツを急速に復興させました。
金日成が率いた北朝鮮も1950年代は朝鮮戦争の傷が癒えない韓国より生活水準が上だったと聞きます。

ソビエトも同様の経過をたどっていたのです。

実際ロシア圏のお年寄りの中には戦後復興期のソビエトを評価する声は少なくありません。
『あの頃はアメリカに追いつき追い越せると本気で思っていた。』と語る人さえいるほどです。

しかし、その後の凋落は皆様ご存知の通り。
強いリーダーシップは、次第に硬直した融通の利かないシステムへと劣化していきます。
下手に成功体験があるだけに新しい手法への転換をするチャレンジすることもできませんでした。

結局戦後復興の立役者だったソビエト政府は、崩壊の元凶の汚名を背負い歴史の舞台から姿を消します。

プーチン政権もその危険性を色濃くはらんでいるのです。

これは、プーチンさんが日々唱えている政策論を聞けば容易に分かります。
対アメリカ、資源カード、強いロシアと言った外交発想は今も変わっていません。
また、前回の大統領時に克服できなかった汚職追放にも有効な打開策を打ち出せていません。

ロシア在住の家内の知人は折につけテレビでプーチンさんの選挙演説を見ていました。
その印象は、驚くほど新鮮味を感じなかったそうです。

『昔のビデオを見ているのかと思った』
そうこぼしていたのが印象的でした。

そこには稀代のリーダー プーチンさんですら過去の成功体験から抜け出せない姿が浮き彫りになっています。それだけにプーチニズムは日々変わる世界潮流の中ではひどく色あせたものに見えるのでしょう。

イギリス エコノミスト誌が『プーチンは時代遅れ』と酷評していました。
極めて残酷な評価ですが言いえて妙です。

ロシアにはプーチンさんの唱える“強いロシア”にもはや魅力を感じない人が相当数います。
特に反プーチン運動の急先鋒となった都市部の中間所得層は、その傾向が顕著です。

彼らにすればようやく安定してきたロシアには、さらなる発展のための仕組み作りが必要。
“強さ”でなく“成熟”こそが重要と考えているのです。

強いロシアをアピールするより、社会インフラや制度を整備し、外国資本や観光客の誘致ができる国。
そんな成熟したロシアを目指すことこそ進むべき未来の道と信じているのです。

これこそ以前僕が書いたネオプーチズムであり、ロシアの目指すべき姿と思えてなりません。

なるほどプーチンさんは、真剣にロシアの将来を考えていますし、職務熱心でもあります。
年齢も若く、強靭な肉体と頭脳を持っていてスタミナ的にも十分です。

一方で発想の転換が見られず、過去の政策の延長でしか物事を見られないのは致命的です。
硬直化した視点はやがてジワジワとロシアとプーチンさん自身を締め上げていくかもしれません。

様々な時代や政治体制に翻弄されてきたロシア庶民は指導者の資質を見抜くことに優れています。

反プーチン運動の広がり。
それはロシア庶民がかつての救世主がもはや通用しないことを本能的に見抜いた証左なのかもしれません。

閉じる コメント(4)

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よかった、無事だった。身柄を拘束されたかと思って心配してました。
更新いつも楽しみにしてます(ました)。 削除

2012/3/10(土) 午後 6:26 [ taichi ] 返信する

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どんなに優秀な人間でも1人で権力を振りかざし、長期政権を維持するために法を変えるという手段に出てしまうと「ただの独裁者」になってしまうということですね。プーチンさんの跡に続く強靭なリーダーシップを取れる人材が育ってない?(そんなわけはないでしょうが)もしくは人間不信にでも陥っているんでしょうか?凡人にはわかりませんが、力でロシアを盛り上げるというのは、今の中国の二番煎じのようでいただけませんね。 削除

2012/3/15(木) 午前 2:26 [ kana ] 返信する

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,元気そうで何よりです。愛国者プーチンが一番恐れているのが、ロシア経済開放となれば大挙進出する国際資本であるような気がします。ロシア革命の資金援助をし、同時にボルシェビキの主要部分を占拠していたのがユダヤ系人脈であり、ロシア人プーチンは、その悪夢を再び見たいとは考えないでしょう。★ロシア革命とユダヤ人http://hexagon.inri.client.jp/floorA4F_ha/a4fhb500.html

2012/3/21(水) 午前 5:22 [ doroboukamome ] 返信する

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◆国際資本戦略の尖兵「エコノミック・ヒットマン」http://video.google.co.jp/videoplay?docid=-6965766965810116122&ei=Q5kqSpmIAoe-wgPA8MnbDA&q=%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%80%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3#
その故、中国、日本などのロシアへの投資を国際資本への牽制策として利用しようとしています。
世界経済は多くの矛盾を内在し、市民を犠牲に向かわせる破綻への道を突き進んでいるように見えます。

2012/3/21(水) 午前 5:24 [ doroboukamome ] 返信する

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