シルクロードから嫁が来た!!

キルギス共和国出身のロシア人と結婚した男のムダ話。旧ソ連諸国のお話も

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【『S.T.A.L.K.E.R. SHADOW OF CHERNOBYL』のヒトコマ。どんよりとした空、吹き抜ける風の音、老朽化した町並み。。。ゲームそのものもスリリングですが、ロシア圏を知る人であれば旅の記憶とともに二重に楽しめるのではないでしょうか?】

2007年はゲーム業界において様々な名作が生まれた年だと言われています。
そんな豊作の年に極めて異彩を放つ怪作がリリースされ話題を呼びました。

『S.T.A.L.K.E.R. SHADOW OF CHERNOBYL』。

ウクライナのGSC Game Worldと言う会社が開発したゲームです。

僕も日本で発売された直後にこのゲームを購入した一人。
ロシア圏のゲームと言えばテトリスしか知らなかった僕は衝撃を受けました。

ゲームジャンルは、アクションロールプレイングとでも言えばいいのでしょうか?
最近のゲームでは、割にポピュラーなスタイルでさほど珍しくないものです。
しかし、いざゲームを始めると経験したことのない斬新な内容に興奮の連続でした。

ストーリーを簡単に要約すると、、、、、

主人公(プレーヤー)は事故に遭い、生き残ったものの、記憶を失った正体不明の人物。
気がつくとそこは、かつてのチェルノブイリ原子力発電所。

未曾有の大事故を起こしたこの施設は2006年に再度謎の大爆発を起こしていた。
この事故で発電所30キロ圏内は高濃度放射能汚染地域となり、モンスターが徘徊する地獄と化していた。

主人公はこの過酷な地でモンスター、さらにこの地に住む様々な人間と戦い、あるいは協力して
大爆発の原因、そして自分の正体を解き明かしていく。。。

と言うのがおおよそのあらまし。
字数の関係上、さらりとご説明しましたが、中身はこんな説明の何倍も濃いです。

何と言えばいいのか????
単なるゲームでなく、地獄と化したチェルノブイリでの人生を疑似体験する様なリアルさがあるんです。

練り込まれた無数の仕掛けと莫大な情報量。
止められない止まらない中毒性があります。

例えば主人公が旅をするチェルノブイリの風景。
忠実にCGで再現された街を移動しているうち本当に彼の地を旅する錯覚を起こしそうになります。

それもそのはずで開発者は気の遠くなるような長時間チェルノブイリの写真やビデオを見ただけでなく、当時の関係者や居住者にまでインタビューをしたそうです。

建築物に関しては、建物を構成する建材の材質まで調べ上げ、それに合わせてCGを作るこだわりぶりだったとのこと。

何から何まで僕が良く知るロシア圏的大雑把ぶりとは段違い。
緻密かつ膨大かつ地道な作業の積み重ねです。

“ホンマにコレはウクライナ人が作ったゲームなんかいな?”
これらのエピソードを聞いた時、そんな疑いのマナコをむけた程です。(ウクライナ人ゴメン!)

ゲーム全体に流れる雰囲気も独特です。
何かと派手な欧米系ゲームとは違うロシア圏独特の雰囲気を感じることができます。

この感覚を文字で説明するのは、ちょっと難しいです。
でも、ロシア圏を旅した人なら“ハハーン”と思う場面が絶対にあります。

寂れた団地の風景や荒野を吹きぬける風の音、年季の入った小物類やちょっとした会話の言葉遣いなど。。。
ゲームを進めるうちにロシア圏の旅の思い出を追体験できると思います。

また、いかにもウクライナのクリエイターらしい哲学的メッセージが根底に流れているのも魅力的。
チェルノブイリのお話ですからゲームの舞台は当然ウクライナですが、多数のロシア人も登場します。

全てにおいてではないですがウクライナとロシアは歴史背景の影響でひどく仲が悪い側面があります。
ゲームは、その部分も反映していて序盤に出てくるロシア人は敵としての登場が多いです。

これだけだと単なる“ロシア大嫌いのウクライナ人が作ったゲーム”ですよね。
ところが、そう単純でないのがS.T.A.L.K.E.R.のスゴイところ。

ゲーム中盤になるとロシア人と戦う一方、互いに協力せざるえない場面が出てきます。

そして、主人公は、彼らとの協力や対立を経てロシア人社会でも体制側の人間や祖国に牙を向いた反逆者等
様々な人間模様が交錯していることを知るのです。

大嫌いだけど同じ地獄に生きる人間。
強い憎しみをぶつける一方で助けあわないと生きていけない局面もある。
そこには、ウクライナとロシアに向けた開発者のメッセージが含まれていると僕は見ます。

この様なメッセージは、ウクライナと言う国に住む人だからこそできたものかもしれません。

ソビエト時代、親分ロシアに仕え、時に恩恵を受け、時に厳しい仕打ちを受けたウクライナ。
そんな歴史を経てきた国の人の視点だからこそ“憎しみと愛情の間で揺れる心理”を巧みに描けた。
そう感じるのは、僕だけでしょうか?

もちろんゲームに欠点がない訳ではありません。
全体的に難易度は高いですし、操作性も良好ではないです。

致命的なのは、プレイステーションやXBOX等では未発売であること。
『S.T.A.L.K.E.R. SHADOW OF CHERNOBYL』は、パソコン専用なのです。

ですから、どうしても購入ユーザーはコアなゲーマーなど対象が限定されます。
これはセールスにおいても知名度においても大きな失点でしょう。

それでもそんな短所を補って余りある魅力を持つ作品であることは間違いありません。

S.T.A.L.K.E.R.はシリーズ化され、全て日本でも発売されましたが、いずれも高い評価を受けました。
その後開発元のGSC Game World は解散し、ヴォストーク・ゲームと名前を変え、様々なプロジェクトを進めているようです。

また、GSC Game World解散以前に独立した多数のロシア圏クリエイターも様々な作品をリリースしています。

その中のひとつ核戦争後の荒廃した世界を描いた『Metro 2033』は日本でも発売され、スマッシュヒット。
続編『Metro last light』が発売間近でファンの期待を集めています。

技術の発達で経験を積めば誰でもそれなりのCGやアニメーションを作れる時代になった今、
ヒットするゲームを生み出す秘訣は、発想の大胆さやユニークさが決め手となりつつあります。

その意味では僕たちが慣れ親しんだ旧西側社会と異なる価値観や生活を送ってきたロシア圏の人々の発想は、斬新なゲーム作りに大いに貢献しているのでしょう。

従来名作ゲームはアメリカや日本発が主流でした。
しかし、近い将来ウクライナをはじめとするロシア圏発の作品が市場を席捲する日が来るのかもしれません。

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これって、ロシア語やウクライナ語がわからないと
プレイは難しいのでしょうか?かなり面白そうですね!!!

2013/2/2(土) 午後 6:53 [ - ] 返信する

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バナナさん 今回ご紹介した作品は日本語マニュアル付英語版なんで少しとっつきが悪いですが、続編は日本版ローカライズされてます。なかなかマニアがいるので値下がりはしにくいのですが、ぜひお試しになってみてくださいませ!

2013/2/5(火) 午後 7:58 mig21 返信する

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