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一晩ぐっすり眠った私たちは、日の出と共に鳴き始めるけたたましい鳥たちの声で目を覚ました。
昨晩は暗くてよくわからなかった、ロッジのレストランへ出向くと、朝の光が優しく差し込むテラスのようなレストランだった。
朝食が出来上がるのを待ちながら、隣接するだだっ広い広場を眺めていると、遠くから3匹のスマートな動物が歩いてきた。
イヌ?キツネ?
見たことのない動物だが、手塚治虫の漫画に出てくる若いライオンたちに似ていて、こちらに気付いても恐れることなく、3匹が思い思いに徘徊していた。しぐさが可愛らしく、まだ子供かもしれない。
ガイドのマリオさんが来て、「あれはイヌでもキツネでもなくて、ネコの仲間。これを見るために何日もここへ滞在して、それでも見られないこともあるような動物なんだ。とっても運がいいね。」と教えてくれた。
フォッサというジャコウネコ科の動物で、肉食らしい。良かった、正面から出くわさなくて・・。
朝ごはんはフランスパンとオムレツとサラダ。マダガスカルはフランス領だったためか、どんな小さい市場にもフランスパン屋がある。コーヒーはマダガスカルの特産。土っぽいワイルドな味がして、自然の中で飲むととてもおいしい。パンには蜂蜜とミルクジャムをつけるのだが、ついつい何個も食べてしまう。こんな森の中で、どうしてこんなにおいしいご飯が作れるのだろう。
昨晩と違って充分にチャージした私たちは、張り切って朝のサファリに出かけた。昨日歩き回った道だが、明るくなって改めて見てみると、木の根っこがたくさん出ているし、濡れ落ち葉が敷き詰められていて滑りやすい。暗い中よく歩いたよなと思いながらマリオさんの後をついていく。明るくても、動物を見つけてくれるのはやっぱりマリオさん。昼間と夜では活動する動物が全然違う。カメレオン(種類が多い!)やイグアナたち、ブラウンジェントルキツネザル、そして横っ飛びで有名なベローシファカ。
今回はサファリのために300mmズームの手振れ防止つきレンズを新調したのだが、高かっただけでなく、重い!高い木の上にいるキツネザルが、すぐそこにいるかのように撮れるのだが、カメラを覗いたまま上を向いていると、首が痛くなってきた。写真撮影に満足し、
首の痛みと午前の日差しによる猛烈な暑さが限界に達する少し前に、マリオさんはロッジにもどってくれた。
昼食を摂った後は少しお昼寝。一番暑い時間に動いても消耗するだけだし、モロンダバの街に帰る途中にバオバブの並木道で夕焼けの時刻を迎えるべく、時間を調整するためでもあった。
午後3時すぎ、まだまだじりじりと太陽が照りつける中、キリンディーロッジを出発した。(ちなみに乾季のピーク時にはかなり予約が難しいそうだが、雨季の終わりだったためその日の宿泊客は私たちだけだった。)
行きに来た道と少し違う道を通りながら、いろんなバオバブの木を見ながら帰っていった。
住民たちの御神木である太いバオバブ。屋根のように広がる枝には、分かれ目のところにコブがいっぱいあり、木の古さを物語っていた。
恋人のバオバブ。2本のバオバブが偶然絡みあっている有名なバオバブの木だが、幹に無数の名前が刻まれていて、とても痛々しかった。中でも、ひときわ大きく彫られていたのは日本人の名前・・。秘境で日本人に出会うより、何倍もげんなりしてしまった。
他にも、黄色いお花畑の中のバオバブや池にきれいに姿を映したバオバブなどを、草むらやぬかるみの中に果敢に足を踏み入れて思う存分撮影していると、だいぶ地平線のほうに太陽が近づいていた。
バオバブの並木道の周辺で夕焼けを見るため、車で移動。
太陽が落ちていくスピードは速く、刻一刻と空の色を赤く変えていった。
見渡す限り360度の地平線、どこまでも澄み切った空気、晴れ渡った空。はるか遠くの空の雲まで小さく見えて、その一つ一つが夕日に照らされていた。
沈みゆく夕日と、バオバブの木のシルエット。まさに私が夢見ていた景色だった。
太陽が地平線の下に隠れきって、私が呆けていると、マリオさんが「ここからすぐのところにもっといい場所があります」といって、ほんの少しはなれたところに車で連れて行ってくれた。
そこは、沼地と水草のお花畑で、近くにはさえぎるものが何もなかった。
太陽が沈んでいったあたりの場所が濃いオレンジ色になっていて、そこから地平線沿いにだんだん色が薄くなっている。遠くにはバオバブの木が散在し、鳥の群れが木から木へと移動している。
日が落ちて、空が暗くなり始めると、地平線のオレンジはますます赤く見えた。
「見て!マウナケアと同じ、地球の影の色!」
東を振り返ると、空の低いところに濃い青から紫色のグラデーションが現れていた。去年の8月、ハワイ島のマウナケア山でガイドのマックスさんが教えてくれた、夕日による地球自身の影。
3人ともマウナケアの夕日を一緒に見たので話が早い。地球は丸いんだ。そして、一つの星。
ぐるっと360度見渡すと西から東まで地平線がつながって、オレンジから紫まで少しずつ色が変わっていた。少し涼しくて、澄んだ空気。聞こえるのは鳥と虫のささやくような声。
言葉では、伝えきれない。まさに絶景だった。
でも、ここにはだだっ広い地面があるだけで、美しい湖も、形の良い山々も何もない。ただ、きれいな空気と地平線があるだけ。
きっと昔は世界中でこんな夕日が見られたのだろう。私たちは都会で、あんな美しい色を見ることなく生活して、そして何でも持っていると思っている。それは地球に住んでいながらもったいないことだなと思いながら、このロストワールド・マダガスカルと、地球の自然がどうか失われませんようにと、3人で願った。
空がだいぶ暗くなったころ、東の空に昇った満月が見え、薄明かりに照らされたバオバブの木々の影が地面に描かれた。それは月並みな言葉で言うととても幻想的な光景で、ワイルドな土地なのに、なぜかとてもメルヘンチックだった。
私たちは名残惜しくそれを眺めながら、ガタガタゆれる4WDに乗ってモロンダバの街まで戻った。
西洋人経営の小ぎれいでおしゃれなホテルが今日の宿。ディナーにマダガスカルのスープ・ロマザヴァ、またまたバナナフランべをデザートにいただいて、水シャワーを浴び、興奮のうちに就寝した。
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へえ、、バオバブの木は日暮れがいいの??
何でも有る先進国で文化を重んじる人々も呱々では
そんな所で生きている事があほらしく
成ったでしようか、、、、ぽち
2008/10/4(土) 午後 1:14 [ ;; ]
はい!
夕日と残照が忘れられません・・
都会にいるとそれが当たり前なんですが、マダガスカルみたいな所に行くと都会での生活は無駄なものばかりだと感じます。
2008/10/5(日) 午後 4:48