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モロンダバの海沿いのホテルで朝を迎えた私達は、朝食前にビーチを散歩した。
モロンダバのビーチはそんなにきれいではないけれども、モザンビーク海峡を行き交う大型船が間近に見えて、「日本から、本当にはるばる遠くまで来たなあ。」としみじみ思った。
朝食後、モロンダバのちっちゃな空港に行き、次の目的地であるキツネザルの楽園、べレンティー保護区を目指した。
チュレアールを経由し、マダガスカル島の南の端にある、フォールドーファンまで飛行機で行った。
べレンティー保護区はフランス人が設立した私設保護区で、5種類のキツネザルが保護されている。私設なので、フォールドーファンからべレンティーまで行くのも、中にあるホテルに泊まるのも、一つのエージェントが独占状態だ。
私達はまず、系列であるホテル・ル・ドーファンで昼食を摂った。
前菜に出てきたのはなんと生ガキ。小ぶりでおいしかったが、何となく警戒して一人3個までにしておいた。(しかし、これが後に恐ろしいことになる。)
モロンダバに比べるとフォールドーファンは洗練された建物も多く大きな街だったので、今度は道路事情が良いといいなと思っていたが、モロンダバに勝るとも劣らないボコボコ道。9年前の大雨で道がボコボコになったまま、直していないそうだ。なんてのんびりした国だろう。
道々では珍しい植物をたくさん見ることができた。ウチワサボテンなど、サボテンの数々とその花々。三角ヤシという三方に枝が伸びた、ここにしか生えていないヤシ。金棒の木という、幹に直接トゲトゲと葉の生えた変わった木。そして、特産のザイザル麻が栽培されている。
フォールドーファンから車で2時間くらい奥に行くと、大きな川沿いに栄えた集落があった。ガイドのオリビエさんが平屋でプレハブ作りの建物を指差し、
「あれは産婦人科です。」
と言った。
へええ。こんなところに産婦人科が。聞けば手術もしているとのこと。マダガスカルの人も帝王切開で生まれたりしてるのかあ。医師は二人で切り盛りしているらしい。いざとなれば、ここでも雇ってもらえるかなあ。
日が傾きかけたころべレンティー保護区内のホテルに到着。とても広くて整備されており、一軒一軒がコテージになっている。洗濯したり、水シャワーを浴びたりしていると、外から「早く来て!」というずこちゃんの声が。
出てみると、尻尾が縞々のワオキツネザルがコテージの近くにいた。何匹もいて、人間を全く恐れない。こちらはキツネザルを見に来たのだが、どうもサルのほうも大勢でこちらを見物しているようであった。
日が沈んだころ、ナイトサファリに出発するためにオリビエさんと集まった。
オリビエさんに言われて、原っぱの向こうの地平線の方を見ると、低い位置に雲が重く広がっていて、時々閃光が見られた。はるか遠くの、稲妻だった。大地と空の間で起こる自然現象。大気という自然の存在を改めて感じた。
満月を過ぎているため、日の入り後しばらくは闇夜である。見上げると、満天の星空。天空の星の中に、移動する人工衛星も見えた。南半球といえば、南十字星座。これもかなり高い場所に見つけることが出来た。
しばらくすると月が昇ってきて、銀河や星々は薄くかすんでしまった。木々も道も、月に明るく照らされて、不自由無く歩き進むことが出来る。
「月夜ってこんなに明るいんだね。」
「都会では街の灯が明るすぎて、気付かなかったね。」
昼間は刺々しかった金棒の木が、月夜をバックにシルエットとなって、海底にゆれる水草のようなたたずまいだった。まるで海底を歩いているような、不思議な気分。満天の星空もいいけど、月夜も素敵。優しい光で、昼間とは違った森を演出してくれた。
こちらの森ではフクロウなどの鳥たちやカメレオン、あまりに高いところにいて写真に撮ることが出来なかったイタチキツネザルや、ネズミキツネザルを見ることが出来た。
サファリの後は、レストランで夕食。サラダや豚肉料理はととてもおいしかったが、マダガスカル産の白ワインは酸っぱくて味に深みが無かった。やっぱりビールが一番合う。
その晩は早々と就寝した。
明け方近くになると、コテージのトタン屋根の上をサルたちが荒々しく渡っていくので、かなり大きい音がして私たちは目が覚めた。
外へ出てみると、ブラウンジェントルキツネザルやワオキツネザルが、それぞれ家族連れで地面の上や木の上にいた。まさにここはキツネザルの楽園だなあ。
朝のサファリのためにレセプションコテージの方へ歩いていくと、道の向こうから大勢のワオキツネザルとブラウンジェントルキツネザルが群れをなしてこちらに向かってきた。その姿は、まるで北京の自転車通勤の光景にそっくりで、あまりのキツネザルの多さに笑ってしまった。
その後サルたちは木を登って、屋根をつたい、木の枝から枝へジャンプしながら森のほうへ消えていったが、驚くべきことにサルたちはみな全く同じ枝を全員が通って行ったのだ。
なにげなく見ているこの森も、サルたちにとっては整然とした立体的な道が何本も走っているのかもしれない。
朝のサファリはキリンディーでのハードなフォレストウォークとは異なり、ほとんど散歩のようなものだった。苦労して歩き回らなくてもキツネザルがあちこちに見られるからだ。ベレンティーのコテージの周りは道が広く、ベローシファカが横飛びジャンプをして道を横切るのが何度も見られた。
朝食のテラスにもキツネザルが次々にやってきて、あつかましい奴はオムレツを奪おうと机までやってきた。レストランはサルを追い払うためのスタッフがいた。
非常識にも、キツネザルに餌をやる旅行者がいるようで、餌をもらえると思っているんだろうな。でも、人間の食べ物を食べるのは、身のためにならないからやめときなよ・・。
日が高くならないうちに、ベレンティーを出発した私たちは、フォールドーファンで昼食を取り、飛行機で首都アンタナナリボへ向かった。連日の水シャワーと、蚊との格闘で、都会が恋しくなっていた。
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ワオキツネザル
ブラウンジエントルキツネザル
それぞれそれらしい名前がつけられて、、、すごい尾っぽですね
2008/10/10(金) 午前 7:46 [ ;; ]
でしょ!
綺麗なしっぽでかわいかったです。
2008/10/16(木) 午前 11:56