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先日京都で行われた日本産科婦人科学会総会で、第一回若手医師シンポジウムというのが行われました。
私を含む10人の若手産婦人科医が企画と準備に1年以上を費やしたシンポジウムです。忙しい中真剣に議論し、時には傷つけあいながら作ったシンポジウム。
メンバーはまだ大反省会中ですが、日が経たないうちにレポートしたいと思います。
事の発端は2007年5月にサンディエゴで開かれたアメリカ産婦人科学会(ACOG)に、日本産婦人科学会から全国から集められた10人の若手産婦人科医が派遣されたことでした。
ACOGに参加したことは刺激となり、一週間ほどの旅で10人はすっかり仲良しに。
でも、タダより怖いものは無かったのです。
2009年の日本産科婦人科学会総会で、初の試みとして若手医師の企画によるシンポジウムを行うので君たち10人で頑張ってね、と言われたのは1年半ほど前だったでしょうか。
テーマは漠然と「どうすれば産婦人科医が増えるか」というもの。
若手の視点で、今の産婦人科医療崩壊の危機を乗り切るために、何か提言をして欲しいというものでした。
産婦人科医を増やすには・・。
すでに産婦人科医不足は社会問題となっており、色んな人が色んな視点で議論をしています。
私たち10人もそれぞれが普段思っていることを話し合いました。産婦人科医の充足度やその待遇には大きな地域格差があることが分かりました。
首都圏のメンバーは「産婦人科医って本当に不足してるの?」と、私から見れば衝撃の発言。でも、東北のメンバーは少人数で産科医療体制を維持しているため拘束時間が長く、しかも手当てが少ないと言う悲惨とも言える実情を訴えます。
労働環境は一口では言い表せないほど地域や医局によって違うことが分かりました。(産婦人科医師の人数、分娩数、手術数、給与について各地方でアンケートを取りました)
女性医師が多いのも産婦人科の特徴で、結婚や子育てなどが仕事の障害となって辞める人がいるのも事実です。
女性医師問題を取り上げようかとも思ったのですが、それについてはすでに語りつくされている感があります。フレックス通勤、ワークシェアリング、院内保育所などなど・・
「産婦人科医全体が充足しなければ、女性医師問題は解決し得ない。そこだけにスポットを当てるのはナンセンスだ」という結論になりました。
私はその頃、あり得ない人事で縁もゆかりもない土地に行かされ(いいこともありましたが)、大学病院なのでひどい待遇がまかり通っていると言う状態に怒り狂っていたため、「待遇改善しない限り産婦人科医師不足は解決し得ない!」と息巻いていました。
で、他のメンバーで「若手が集まって金をくれというようなブサイクな会にはしたくない」と言う子とバトルを繰り広げ・・
結局すでに日産婦は待遇改善を盛り込んだアクションプランを掲げて行政に働きかけているので、同じ事を言っても意味がないと言う結論に。
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/actionplan5_H20.pdf
全国の若手医師を無作為に抽出してアンケートを取ったところ、若手医師のモチベーションにあまり待遇は関係していないことが分かりちょっと驚きました。
まあでも、自分たちも研修医の頃は症例数の多い病院とか専門性がある病院とかが人気で、誰も収入や休みなんて気にして無かったよな・・と。
北海道の先生たちともいろいろお話したのですが、田舎は患者さんが「お医者さまありがとう」と接してくれるので、多少仕事がキツくてもやりがいを持って働けることが分かりました。
そうだよなあ。やっぱり「ありがとう」って言ってもらえたらやる気は出るよなあ。
安全で当たり前、何かあったらミスちゃうか、ではやる気も出しようがないよ・・
そして一つ目のテーマとして「医師患者関係の改善」が上がったのです。
(続く)
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