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ああ、いろんな日記が「続く」のままになっている・・。忙しくてすみません。
さて、一つ目のテーマを「医師患者関係の改善」としたところまでお話ししたのでした。
今回はとにかく若手産婦人科医が産婦人科を辞めずに続けるにはどうすればいいか?待遇や労働環境についてはすでに学会が動いているため、主にモチベーションを保つにはどうすればいいのか?という視点で議論しました。
今の若手医師は産婦人科医としてどんな最終目標をもっているのだろう?昔はみんなが医局に所属して、学位を取得し、教授の椅子を目指していたはずです。しかし、今の若手医師で医局での出世を目標としている者は決して多数派ではないと思います。
かと言って、周りの同世代の産婦人科医に将来の目標を聞いてみると、少なくともロングスパンでの明確な目標を持っている者は少なく、みんな今を生きるのに精一杯という感じでした。
理想の産婦人科医人生ってなんだろう?何を目標に努力すればいいだろう?答えは一人一人違うはずです。企画委員達で話し合っても答えはバラバラでした。
産婦人科では5年間の研修を終えると、専門医試験と言うのを受けます。これで研修医はおしまいというわけです。ところが実際は、専門医試験はぶっちゃけ簡単で誰でも合格出来るので、産婦人科同士では専門医を持っているから尊敬されるということはまずありません。
専門医を取得した後も臨床の腕を磨き続けたい、そしてその臨床能力を正しく評価して欲しい。
産婦人科だけではないかも知れませんが、常勤でどこかの病院に勤めるのではなく、外来や当直のバイトだけで生計を立てるフリーター医師というのが存在します。体裁は良くないかも知れませんが、フリーターの方が収入が多く、責任も軽いのでそういう医師がいるというのは当然と言えます。
でも、今後多数の医師がフリーター化するのは健全とは言えないのでフリーター医師でいるより常勤で働いた方が報われるようなシステムにしてほしい。
出産や子育てでブランクがある女性医師でも、自分の能力の証明となるような資格がちゃんとあれば、自信を持って働くことが出来るのではないか。
頑張っている人をちゃんと評価してほしい。
個人の臨床能力を正しく評価して欲しい。
そういう思いから私たち企画委員は、臨床能力を評価する新しいシステム、つまり新たなハードルを作るというのはどうか、と考えました。
パネリストのみなさんと一緒に、「正しい臨床能力の評価」について話し合おう!と二つ目のテーマが決定したのです。
そしてパネリストにはなるべくいろんな立場の産婦人科医を呼ぼうと、医学生、初期研修医、専門医取得前の産婦人科医、専門医取得後の若手産婦人科医(10年目まで)、子育て中の常勤医師、子育て中の非常勤医師。
そしてフリーター医師として超人気ブロガー産婦人科医師ばみゅーだ先生を迎えることにしました。
(ばみゅーだ先生にとっては多少居心地が悪いだろうと想像しましたが、以前お会いした時に私が性科学について熱く語ったことがブログで酷くネタにされたということがあり、若干仕返しも兼ね・・笑。非常に快く引き受けてくれました。)
ほんま、企画の段階でかなり多くの事について議論しました。シンポジウムの議題とならなかった待遇や労働環境、女性医師の働きやすい環境、集約化、などなど・・
違う考えの持ち主たちと時には傷つけあいながら議論し、自分の中で明らかに変わったものがありました。
それまで私は自分の置かれた労働環境が不満で、医師同士で集まれば文句ばかり言っていました。産婦人科医は酷い目に遭っている。このままでは崩壊してしまうだろうけど、いっそ崩壊してしまえばいいのに。困るのは自分たちではない。など・・
でも、議論を繰り返す中で、やはり医師患者関係を改善し、産婦人科医療の崩壊を防ぐには、自分たちの医療レベルを上げ続けるよう努力しなくてはいけない。産婦人科医の中での自浄作用も必要である、ということに気付くことが出来たのです。
もちろん酷い目に遭っている産婦人科医は大勢いるし、声高に労働環境の改善を訴えることは絶対に必要です。でも、それだけでは違う立場の人たちとの溝は無くならないと思うのです。このことはシンポジウム以外の自分の活動にも大きく影響しました。
自分にとって、始まる前にシンポジウムはもう煮詰まってしまった感がありましたが・・
めちゃめちゃ長く感じられたシンポジウムの2時間は甘いものではなかったのです。(続く)
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