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訪問予定の前日、ホテルからそう遠くはないはずなので、歩いて探してみたものの見つからなかったので、
当日の朝、先に場所確認をしておく。
「あれ〜?この辺だと思うのだけれど。ないね。」
HPにある略図をみながら、徐々にその輪を広げ3週目ぐらいしたときに、発見。
「あっ。あれだ!どおりで見つからないわけね。」
街中はあちこちと大島紬をかかげた小さなお店があるので、それらの店名を一つ一つ確認していたのだが・・・。
実は、有島絹織物さん、店舗はなかった。
その見た目は、まるで鉄工所のよう。
ここでいいよね?
建物に書いてあるものね。
午後になって、奄美太郎さんと連絡を取ってから、お邪魔させていただいた。
大きな建物の1階部分は駐車場だった。
車を停めていると、奄美太郎さんが出てきていた。
「ようこそ、いらっしゃいました。」
奄美太郎さんが、ちょっとはにかみながら、お辞儀をしていた。
工房は、階段を上がって2階。
出入り口で、奄美太郎さんのお母さんが出迎えてくれた。
まずはさっそく、ここの職人さんを紹介してくれ、工房見学。
ここではやっていない工程は、本などを参照しながら、今作業中の糸を例に染色までの工程を丁寧に
説明してくれる。
私にとっては、工程の説明が3回目。
今まで見てきたことで補いながら話を聞いていると、それぞれで説明してもらい、漠然としていたところが、
頭の中で整理され、すっきりとしてきた。
そっかそっか。そういうことだったのね。
次に、織りの作業見学。
織り子さん達もいろいろと話しをしてくれた。
「大変な仕事でも、なかなかこれだけでは生活していけないから、織り手になる人は少ないわね。
でも最近は、この仕事がやりたくて、東京や福島などから、わざわざここに移住して、島の学校に1年通い、
織り手になる若い子もいるのよ。・・・」
「今織っているこれはね。京都の図案屋さんのデザインなの。素敵でしょ。」
へぇ〜、京都から。
やっぱり着物は、京都とは、切っても切れない関係にあるのね。
「このままもいいけれど、下地、紫ではなくて、泥染めにしたらいいのに。」
隣で聞いていた母が口を出す。
こらこら、母、また余計なことを言わないように。
でも、私もそう思う。
「実は、私もそう思うんですよ。」
と織り子さん、にっこり。
そんな感じで楽しくおしゃべりをしていた。
すると、いつの間にかいなかいなくなっていた母が慌てて、やってきた。
「ちょっと、ちょっと。Miizunaちゃん!(織り子さんへ)お話中ごめんなさいね。こっちにきて。」
「なになに?どうしたの。」
つれていかれたのは、入ってすぐ左側にある、パーティションなどで区切られた畳敷きのコーナー。
どうやら、母、ここで先に奄美太郎さんとお母さま相手におしゃべりをして、反物を見せてもらっていたらしい。
「これでしょ。頼んでおいたの。これは、いいわ。これ、買いなさい。」
母、大興奮。
有島絹織物さんは、HPに扱っている反物を掲載し、問い合わせがあれば、客に送り出している。
したがって、いつも手元にあるとは限らないので、見てみたいものを先に伝えておいたのである。
「わぁ〜。素敵!」
もちろん、私も一目ぼれ。
もともと写真を見て、気に入っていたものだけれど、実物の素晴らしさは比べ物にならなかった。
「ここに来るまでいろいろ見てきて、やっぱり最近の化染(化学染料)で色をつけたものは、
まったくいいと思えなかったけど、これは素敵だわ。これ仕立て代込みで、いくらにしてくれるって。
miizunaちゃん、決めちゃいなさい。」
決めちゃいなさいって言われてもね。
もちろん、私も買うつもりではあるけれど。
ここで今、これくださいって、言えるだけのお金なんて持ってきてないって。
「うちでも自信作なんですよ。染料と言っても、この部分は、藍染めの藍を使っているんです。
でも、慌てなくても大丈夫です。ゆっくり考えてもらってからでいいですよ。
そんなにすぐなくなったりしませんから。」
あまりの母の勢いに、奄美太郎さんが救け舟を出してくれた。
「迷うことないじゃないの。これは、買わなきゃ、もったいないわよ。これに合う帯は買ってあげるから、
着物は自分で買いなさい。」
ははは。
一番手強いセールスマンは、母でした。
*** おまけ ***
・ 織りこさんとの話題の反物は、次のものです。
実物は、写真よりもっと鮮やかな紫の反物でした。
工房HPの「製品のご紹介」→「製品案内5」→「0041」
http://www.fenyworld.com/arishima/sakuhin_5.htm
奄美大島の紬日記 6/8 7/29
http://blogs.yahoo.co.jp/jyuzakenji/7338924.html
http://blogs.yahoo.co.jp/jyuzakenji/14429543.html
・ 私のお気に入りは、もちろん、帰ってきてから正式に注文しました。
あの母をあそこまで言わせたものですから、安心。
今、仕立ててもらっています。
さて、私が選んだのは、どれでしょう?
正解は、出来上がってきたときに、書庫「さんぽ」でお披露目しますね。
というと先が長くなりそうなので、次回の記事UPのときに、答えを発表しますね。
早く答えが知りたい人は、奄美太郎さんのブログへ。
*** 総評 ***
奄美太郎さんは、がっちりとした大きな身体にサッカーのユニフォームのようなシャツを着て、一見、
体育会系でした。
呉服屋の若旦那的なきゃしゃな感じをイメージしていた私には、ちょっとびっくり。
でも、島出身の男性全般に感じた、素朴で生真面目、ちょっと口下手な恥ずかしがり屋さんの印象は、
やっぱり奄美太郎さんにも当てはまりました。
工房だから、若旦那というよりは、職人さんなんですね。
お母さまは、小柄で、やさしい、まさに田舎のおばあちゃんと言うイメージ。
なんだか初めて会ったのに、なつかしく、とても甘えたくなる気がしました。
母も同じだったようです。
誉めてくださった、伯母手作りの着物地パッチワークの小物入れをお母さまにプレゼントしていました。
お客を連れて見学にくる業者の中には、とんでもない値段を提示していることもあるそうです。
それについて口をはさむことはできないし、もちろん、工房にその分余計に入るわけでもありません。
「あんなことをしていては、着物を着る人がいなくなってしまう。私達は、もっと気軽に楽しんでほしいのに。」
心をわずらわせておいででした。
*** ブログ ***
奄美大島の紬日記 奄美太郎(jyuzakenji)さん
http://blogs.yahoo.co.jp/jyuzakenji
私が訪問したことを記事にしてくださいました。
http://blogs.yahoo.co.jp/jyuzakenji/8532597.html
http://blogs.yahoo.co.jp/jyuzakenji/14897648.html
*** HP ***
有島絹織物 http://www.fenyworld.com/arishima/index.htm
HPの写真は、全体的に、実物より、色が浅く、少しぼやけた感じで写っています。
もったいないのですけれど、残念ながら、奄美太郎さんは、写真をとるのが苦手だそうです。
行ってみてわかったことですが、工房内に明るく、撮影場所に適したところがないのですね。
実物は、とっても素敵ですので、おすすめですよ。
値段も良心的だと思います。
HP上に掲載すると、それを不満に思う人たちもいて、残念ながら、嫌がらせを受けることがあるそうです。
そこで、しかたなく、会員制と言う形をとっているそうです。
購入前に、送ってもらって確認することができるそうなので、気になるものがあったら、ぜひ、HPに
問い合わせを入れてみてくださいね。
上に書いたとおり、店舗はないし、見たい反物が手元に置いてあるとは限らないので、直接、訪問したいときは、
早めに連絡を入れて、見たいものをとって置いてもらったほうがいいです。
はぎれなどが残っているものもありますけれど。
「きものさんぽ」を読んで来ましたと言ってもらえれば、思わぬ特典が・・・
あるかどうかは不明です(笑)。
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ご丁寧に紹介していただいて有り難う御座います。 実はグレーができあがりましたが、負号品になってしまいかなりショックうけました。けど、泥にしたのがかなりよくあがりました。近く写真のせます。
2006/9/7(木) 午後 3:22
念願の大島、出来上がりが楽しみですね〜!着物を仕立に出している時のうきうき感は表しようがない感じです。
2006/9/8(金) 午後 1:27
奄美太郎さん、グレーもいいですが、やっぱり黒が好きです。いいないいな。次回候補が増えちゃいました。はたなかさん、そうなんです。もう、待ち遠しくて。
2006/9/9(土) 午後 4:23
***さん、コメントわざわざありがとうございます。とても嬉しかったです。
2006/9/9(土) 午後 4:30
いいですね〜大島!素敵です♪仕立て上がりが私も楽しみです(^−^)
2006/9/10(日) 午前 5:08
着物の仕立て上がりが楽しみだね!どういうのをお求めになったんだろう〜♪これで一気に大島が増えたね!!楽しみ〜〜〜!
2006/9/11(月) 午前 8:26 [ Miho ]
midomidoさん、仕立てあがったら、お披露目しますね。Mihoさんなら、どの柄がお好みかな?どっちが先に届くかどきどきです。
2006/9/11(月) 午後 5:43