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THE WIND FROM TERRANORA
オーストラリアのTweed Coastからの便り

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久里浜には、妹と私が通った中学校がある。その昔、ハイランドの丘を抜けて片道45分ほどかけて歩いて通っていた。ハイランドの丘から久里浜中学校へ降りる坂道は通称じごく坂、雪が降った夜、そりで滑ったっけ...久里浜駅前の黒船仲通りには、由貴の両親が営んでいた盛家(もりや)という和菓子屋があったが、今でもあるのかな...久里浜のイオンは夫婦橋から尻擦り坂へと続く道路の向こう側(海側)にあるけれども、ここ、昔何だったけなぁ...裏は空き地だったような気がするんだけれどもな...記憶が定かでない。フォト・グラフィックメモリーも随分衰えたものだ。

イオンの地下駐車場で車から降りて改めて気が付いたのだが、日本には四角い車が多いようだ。それから、攻撃的な顔つきをした車が多い。なかにはスズメバチみたいな顔した車まである。まぁ、確かにオーストラリアでも最近はつり目の車も多いのだが。

一階の食料品売り場で、晩御飯のための食材の買い出しを始めたが、ケンタロウと私は、その種類の多さとそして価格の安さに素直に驚いてしまった。おそらく、オーストラリアの3分の1以下の値段であろう。さらに驚いたのは、ケンタロウが魚売り場へ行き、売られていてる刺身や寿司などを写真に撮っているのだ。5年前の日本旅行の時は、ケンタロウは魚売り場には近寄りもしなかった。臭いもそうなのだが、彼は魚自体があまり好きではなかったのだ。それが今回、魚売り場にも平気で歩き回り、写真を撮っているのだ。しかも、これらは皆うまそうだ、なんて言っているではないか。

妹夫妻と相談して、晩御飯は手巻き寿司にすることにし、その旨をケンタロウに伝えたら、とても喜んでいた。手巻き寿司といっても沢山の刺身を使っての手巻き寿司なんだよ、うちのげてもの手巻き寿司と違うんだよ、と言って、刺身セットを見せたらこれまた大喜び。どうやら、駒ケ根で頂いた鯉の刺身がとても美味しく、あれ以来、様々な魚種の刺身にトライしたくなったらしい。ちなみにうちの手巻き寿司は、シーフード・スティック、照り焼きチキン、チュナマヨ、スモークサーモン、それからアボガドだけの、げてもの手巻き寿司である。海苔は一応、日本産の海苔を使ってはいるのだが、げてものには変わりが無い。

久里浜イオンから帰宅した後、子供たちはしばらくゲームなどして遊んでいたが、やがて晩御飯の時間になった。メインは手巻き寿司だが、唐揚げやとんかつ、キッシュなど、本当に豪華な晩御飯で、我が家のパーティー・ディナーとは大違いである。ちなみに、我が家のパーティー・ディナーはOne Plate、一皿料理である。

さて、ケンタロウだが、私の隣で黙々と手巻き寿司を頬張っている。しかも、刺身をネタにしての手巻き寿司を食べているのだ。「げてもの手巻き寿司」では、照り焼きチキンしか食べなかったあのケンタロウが刺身をネタにして手巻き寿司を食べているではないか。


味覚の超変革…オーストラリアを発つまで、ケンタロウが刺身を好んで食べるなんて夢にも思わなかった。
私もケンタロウに負けずに刺身を頬張り、ビールをぐびぐび飲み、楽しい夜は更けてゆくのであった。

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