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THE WIND FROM TERRANORA
オーストラリアのTweed Coastからの便り

書庫ぶらり日本旅行 (2010)

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春の冷たい雨

日本旅行の最終日の夕方、成田空港近くの「ガスト」というファミリーレストランで軽食を摂った時のことです。夕方の晩御飯前の時間帯で、お客さんはほとんど入っておらず、禁煙席は5,6人の家族連れのグループ、そして二組の母子グループのみでした。家族連れグループはコーナーの席に、母子グループはついたての向こう側の席に陣取っていました。

私はこの母子グループを背にして座っていたので、詳しい状況は判らなかったのですが、子供が大騒ぎ、どうやら走り回っているようで、嬌声があちらこちらから聞こえてきます。かなり大きな声で騒ぎまわっているのですが、母親は「○○ちゃん、静かにしなさぁ〜い、怒るわよぉ〜」という程度ですので、子供達の嬌声は一向に止みません。

10分くらいそんな嬌声が店内に響き渡っていたでしょうか。嬌声が叫び声に変わった時、私は思わずという感じで振り返り、「すみません!......子供を静かにさせてください!」と言いました。振り返った先には、片方の母親がちょうどオーダーを取っているところで、私が「すみません!」ときつく言った時に、アルバイトの女の子が「ハイ...」と返事をしましたが、母親はぽか〜んと私を見ていたのです。しかし「子供を静かにさせてください!」の一声で、私が何を言いたかったのかが判ったようで、ぽか〜んとしたままの顔を崩さずに「すっ、すみません...」の一言。その後、私は後ろを振り返っていないので、どのようになっていたのかは判りません。

しかし、その後も子供達は一向に静かにならず、嬌声が聞こえてきたのですが、それはもう嬌声ではなく、ほとんど叫び声に等しく、仕舞いには泣き出す始末。これはもう手に負えないので、早々退散するしかないと思い始めていたのです。

しばらくすると、もうひとりの母親がついたてのこちら側に顔を出し、「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした、私達もう帰りますので...本当にすみませんでした」と言い残し、荷物をまとめてお店を出てしまいました。帰り際、お店の女の子と何か相談をしていたようですが、どうやらオーダーしたものをテイクアウェイにして持ち帰ったようです。

食事が終わり、レジで会計を済ませようとしていると、「すみません!」と言った時に「ハイ...」と返事をしたお店の女の子がレジの女の子のところにやってきて、何か耳打ちし、二人でくすくす笑い。私は、この若い女の子達に対して、寒々とした哀しい気持ちで一杯になり「ガスト」を後にしたのです。

外に出ると、私の気持ちを表すよな冷たい雨。この先、もう二度と「ガスト」へ行くことは無いと思いますが、日本という国はこれからどこへ行くのだろう...なんてことを思いながら日本を後にしたのでした。

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わさびキットカット

日本では様々な商品にご当地バージョンがあるということを今回の日本旅行で知りました。わさびキットカットも、そんなご当地バージョンのひとつで、静岡・関東の限定販売。
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キットカットのホームページを見てみたら、他にも東京限定でしょうゆ味、東海・北陸限定でみそ味のキットカットなんていうものもあることが判りました。

わさびキットカットは熱海へ行った時に、お昼ご飯を食べに入ったすし屋のカウンターで売られていたもので、思わずという感じでお土産として購入しました。
団扇や和紙などの日本的なお土産も良いのですが、このようなちょっと変わったお土産も大変喜ばれます。案の定、こちらでは大うけ、皆きゃっきゃ言いながら食べていました。

"Actually, not only Wasabi taste Kit Kat, but also Soy Sauce and Miso taste Kit Kats are sold over there"
(他にもしょうゆ味、みそ味のキットカットがあるらしいよ)

と言ったら

"Are you kidding! No way!"
(冗談だろ!)

と誰も信じてくれませんでした。
チリ(唐辛子)・チョコレートは食べられても、醤油やみそ味のチョコレートは想像を絶するらしいのです。

これは私の友人の話なのですが、その昔、とあるパーティに参加したところ、多くの食べ物と一緒にお寿司が並べられていたそうです。そのお寿司の片隅にアボガドのディップがあって、それをお皿いっぱいにすくいとってきて、野菜スティックにたっぷりと載せて口に入れたそうです。その瞬間、彼女は失神してしまい、後のことは覚えていないらしいのです。アボガド・ディップだと思ったのはわさびであったというのは言うまでもありません。

似たような話で、これは私自身のことなのですが、庭で育てたチリを試しにかじったら、目玉から火が出るほど辛く、失神寸前までいったことがあります。失神こそしなかったけれど、その場で仰向けになってしまいました。なぜにチリをかじったのか、今でも不思議に思うのですが、本当に間抜けです。

今回、わさびキットカットを購入した熱海、一昔前は社員旅行のメッカであったようですが、バブル景気が崩壊してからというものの、随分寂れてしまったようです。しかし、この寂れがこの街には丁度良い具合に機能しているようで、便利なのに人があまりおらず、平日ということもあって、とってものんびりした雰囲気。ホテルにチェックインした後は、温泉に入りゆっくりし、どこへ行くわけでも、何をするわけでもなく、のんびりすごすことができました。

史跡を巡ったり、名所と言われるところを訪れたりするのもそれはそれで良いのですが、静かな所で、何も予定を入れず、ゆっくりと過ごす時間が、私にとっての至福の時間です。私はそれを現実逃避とも呼びます。現実逃避は現実があるから成り立つわけで、いつも逃避ばかりしていたら、現実逃避は至福の時間でなく、単なる逃避の時間になってしまいます。

次回の現実逃避は7月頃を目指しています。その時に至福の時間が送れるよう、今という現実をしっかりと過ごしたいものです。

日本からのお土産

海外で暮らしている者にとって、日本旅行(帰省)は普段入手できないものを持ち帰る良い機会だ。
ブログ友のプチポアさんはなんと、小町麩やチーズ鱈を持ち帰ったという。
たくさんあるおつまみの中でもチーズ鱈というのがなんとも渋いではないか。

私もその昔は、ぎっしりと食べ物を詰め込んでいたのだが、
最近では海苔とお茶以外の食品は持ち帰らない。
少々高くつくが、エイジアングローサリーショップで入手が可能ということもあるのだが、
基本的な素材(醤油、味噌)さえあれば、あとは何でも自分で作ることが出来るので、
その分の重量を、他の物にあてるようになったためだ。
もっとも、流石にチーズ鱈は自分で作ることが出来ないが。

わたしにとって、旅行は古着を捨てる良いチャンスだ。
宿泊日数x2枚分のTシャツ、宿泊日数分のパンツ、宿泊日数分の靴下を持って行き、
毎日着捨て履き捨て、最後に身軽になって帰宅する。
もちろん、捨てるシャツやパンツは穴あきのよれよれのものばかりで、
一年以上前に捨てても良かったものばかりだ。
こういう機会でないないと、古着を捨てることが出来ないので、
丁度良いチャンスなのだ。

さて、日本旅行から必ず持ち帰るのが、日本の食器類。
今回は実家にあらかじめ棚の奥に眠っている食器が無いかを聞いておいたので、
半分は実家から。そして半分はさいか屋さんの閉店セールで購入した。
さいか屋さんは地元の老舗のデパートメントストアーで、
5月11日をもって、半分以上の売り場を閉めてしまうらしい。
たくさんの食器が半額、あるいはそれ以下で売られていた。
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一番の見っけ物は萩焼のコーヒーカップ。
時価の半値で売られていたので、思わず購入してしまった。
うちのエスプレッソーメーカーには高さ9cmまでのコーヒーカップしか入らないのだが、
この萩焼のコーヒーカップは7cm。丁度良い高さなのだ。
私は萩焼の色合いと素材の美しさが大好きなのだ。
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これらの食器類の重量が10kgくらい。一部は手荷物として機内に持ち込んだ。
次に重かったのが日本酒、7.4リットル。
重量を制限するためにミルク・カートンに入っている日本酒を購入した。
ちなみに、これらの日本酒はもうすでに全て飲んでしまって、もう無い。

重量はそれほどではないけれど、がさばる物としてプラモデル、ミニへのお土産だ。
高校生時代に収集していたプラモデルがまだ実家に残っていたので、その一部と、
田宮のユーロファイターのプラモデルと、ファインモールドの「紅の豚」のカーティスの水上飛行機。
これらは実家の近所のプラモデル屋で購入した。
こちらでも日本のプラモデルは購入できるのだが、専門店がブリスベンにしかなく、
しかも2倍近い値段が付いている。
しかし、今回妹が言っていたが、最近の日本の子供はプラモデルを作ることにめっきり興味を失い、
そのため、プラモデルを売る売り場が極端に少なくなっているという。
物作りは日本のテクノロジーの基本ではないかと、おじさんは心配してしまうのだ。
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あとは20枚入りの海苔6パックと伊勢のお茶。お茶はもらい物、大切な方から頂いた。
それからユニクロで購入したTシャツ6枚。
日本製のTシャツは、どうも私の体型には合わず、
このユニクロのTシャツもXLであったが、肩がきつきつで、
このTシャツだけを着ると、ぴちぴちでとてもセクシーだ。
下着として着用することになるであろう。

預ける荷物はこれだけで20kgを超えてしまった。
妹から宮部みゆき氏の本を数冊貰ったが、残念ながら今回はパス。

あとはがまかつの釣り針。
左がこちらで売られているもの、右ががまかつの釣り針。
がまかつは日本の誇る釣具メーカーで、こちらでも伝説的に語られている。
シロギス用の針は、3cmのクサフグから30cm以上のシロギスまで釣ることが出来た恐ろしき釣り針。
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下は左が私の愛用していたSuicide Hookで、右ががまかつのクロダイ用の釣り針。
ほぼ同じ形なのだが、がまかつ針に切り替えてから、ほぼ百発百中、
大きなコチやクロダイが面白いように釣れる。
何がどう違うのか私にはわからないのだが、とにかく良く釣れる。
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食器、日本酒、プラモデル、そして釣り針。
これらが日本から持ち帰った私の鞄の内容であった。

追伸、もう一つ、頂き物の食べるラー油。
いろいろな物が日本では流行っているようだ。
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国際空港において、海外からの飛行機が到着すると、
まずパスポートコントロールのブースを通過する際に、
帰国、あるいは入国手続きをしなければなりません。

成田空港では、開いているブースの割合は日本国民用:外国人用=3:1くらいでしょうか。
日本国のパスポートを持っていればバンバンと入国の判子を押されてそれでおしまいですので、
特に長い列に並ぶということも無いと思うのですが、
日本国以外のパスポート所有者はその手続きの煩雑さも加わり、
ブースの前にはいつも長蛇の列です。
以前はAlians(エイリアン)と記載されていたこの外国人用のパスポートコントロール、
一体、どのような手続きが行われているのでしょうか。

これは2007年より導入されたシステムですが、まず最初に指紋をスキャンされます。
機械に両手の人差し指を押し付け、じっとしていると、ブー、というブザーが鳴り、
機械のモニターの絵が緑色ならスキャン完了、赤色ならもう一度やり直しです。
指の脂を良くふき取り、ぎゅうっと押し付け、動かないことが肝心なようです。
私は2度やり直しました。

次に顔写真を撮影されます。
モニターには自分の顔が映っていますが、
目の前のピンポイントカメラに向けて笑わずに数秒静止しなければなりません。
モニターに映る疲れ切った自分の顔が間抜けです。

この間、カウンター越しの係員は私のパスポートから様々な情報を引き出し、
ビザの発行の準備を行っているようです。
今回は単なる観光ですので、
ビザは短期滞在用の「上陸許可証」90日間有効です。
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このビザをパスポートに貼って、入国手続き完了、
今回は特別な質問などはありませんでした。
あとは他の日本国パスポート所有者同様、手荷物を受け取って、
税関を抜けて、晴れて日本国に上陸です。


「こんにちは〜、オーストラリアからで〜す」

と日本語で税関のカウンターを通り抜けました。
こちらのほうがよっぽど怪しいアジア人だったかもしれません。

さて、逆にオーストラリアの空港では、
オーストラリアのパスポートを持っている人はオーストラリア人及びその家族の、
日本のパスポートを持っている人はそれ以外のブースに並びます。
今回利用したゴールドコーストの空港では、
ICチップの入っているパスポートを持つオーストラリア人は、
機械が入国審査の全てをしてくれました。

まず、パスポートの顔写真のついている部分を機械のスロットに入れると、
機械がパスポートの情報を読み取り、チケット(紙切れ)が出てきます。
そのチケット受け取り、次の機械にチケット入れ、写真撮影をして、入国審査完了。
本当にあっという間でした。

オーストラリアの税関は日本のそれより厳しいのですが、
それは嘘の記入をした人達に対してです。
きちんと記入すれば、とてもフレンドリーで優しく対応してくれます。
今回、7.4リットルの日本酒を持ち込みましたが、
関税の17ドル65セントを支払って、問題なく通してくれました。

酒税はアルコールの度数と量で決まり、
日本酒やワインなどの低度のアルコール飲料には割と安い関税が課されますが、
逆にジンやウイスキーなどの高度のアルコール飲料には割高な関税が課されます。
ちなみにオーストラリアでは2.25リットルまでのアルコールが免税されますが、
それを超えると免税は消失し、持ち込む全てのアルコールに課税されます。
従って、17ドル65セントは13%のアルコール7.4リットルに対する税金ですので、
一升瓶一本の日本酒あたり4ドル40セント(400円程度)でしょうか。

今、この時持ち込んだ日本酒をちびりちびりと飲みながら、この記事を書いています。
ちなみに今飲んでいるのは白鶴淡麗純米酒です。あ〜美味しい。
あと必要なのは....

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豊後水道からの贈り物

日本滞在期間中、多くの人々のお世話になり、いたるところでタダメシを食させさて頂いた。
その中でも特に印象深かったのが、
山梨のUさん宅で食べた、豊後水道から取り寄せたという巨大な牡蠣。

Uさんと私は大学のラグビー部でスクラム・ハーフ、No8のコンビを組んでいた仲で、
日本へ行くときは必ずお世話になる大事な知り合いである。
Uさんも仰っていたが、私とUさんの共通項は、型にはまりたくないということ。
人と違うことがしたい、自分自身の考えをしっかりと通したい、
というところで共感が持ててしまうのだ。

長野の駒ヶ根から山梨の都留へ移動した後、
夕方、Uさん宅で頂いた焼き牡蠣は、この世のものとは思えないほどのうまさで、
到底文章では表現することができない。
ただ焼いただけで、あつあつのところをむしゃむしゃ、はふはふ言わせながらかぶりつくのだ。
薬味も醤油もポン酢も何も要らず、牡蠣そのもののうまさだけで食する。
これを贅沢と言わずに何と言う。
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この牡蠣はUさんと私の共通の知り合いで(学生時代はフランカーをプレーしていた)、
大分の試験場にお勤めのTさんからわざわざ取り寄せていただいたものだ。
今回のこの牡蠣、キロ当たり380円という信じられないような値段が付いていた。

Uさん、Tさんご夫妻は、それぞれ新婚旅行でゴールド・コースト及びブリスベンを訪れ、
わざわざ私の元へも足を運んでくださったお方たちだ。
大分にお住まいのTさんの元へは距離の関係で今だ足を運ぶことが出来ず、
この晩も電話で、

「おめぇなぁ、いつになったらおれんところへ来るんやぁ〜(笑)」

と嬉しく絡まれた。

今回の日本旅行は、気持ち的に過去の日本旅行と異なるものがあったのだが、
昔からの友人達はそのままであったことが何よりも嬉しく、
そして、この先もずうっと、同じ付き合いが出来るであろうということを、
身をもって感じることができた。
月並みな言い方しかできないが「持つべきものは友」とつくづく感じた旅行であった。

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