蓂莢亭の物書きペンギン

泣いても一生、笑っても一生、ならば今生泣くまいぞ。

たのしい一日

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たのしい一日 17

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 あの子に笑いかける。

 それから、手を取り、夜空が一番綺麗に見られる小さな丘に二人で座ったんだ。


 ただ嬉しいそうにしているあの子に、僕はそっと囁いた。







 

 ケーキも

 ツリーも

 プレゼントも

 なんにもないけど

 メリークリスマス

 屍姫




 そんな僕の声に、あまり表情を変えない屍姫がニコリと微笑んでくれた。

 僕は屍姫に笑い返した。

 
                                       終

 

たのしい一日 16

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 白ヘビのやったことは気に入らないし、

 白ヘビは大嫌いだけど……


 あの子は、僕がトナカイになるのをわくわくしながら待っている。

 一言もそんなことは言わないけど、目が言っている。

 だから、僕はあの子が持っている袋の中からトナカイの衣装を出した。






 トナカイの衣装は、まるであつらえたみたいにぴったりだった。

 もう、なにも言いたくないし、

 反論もしたくない。

 全ての計画がおじゃんになった今、出るのはため息ばかりだよ。

 あの子は、そんな僕をフシギそうな顔で見上げている。



 僕は長い長いため息をついてから、あの子に笑いかけた。

 そして……。

たのしい一日 15

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 約束の時間の三分前。

 僕はあの子が待っている公園に到着したんだ。

 思い切り走ってきたから、息が苦しい。

 公園の入口で、僕は呼吸を整える。

 だって、悔しいじゃないか。

 慌ててたなんて思われたら。

 余裕なくギリギリだなんて思われたら。

 僕は余裕があって、あの子をちゃんとえすこーとできるんだってとこ、ちゃんと見せたいんだ。

 気持ちも呼吸も落ち着くと、僕はあの子のいる場所へと向かった。


 あの子は公園の中にある小さな丘の上にいた。

 僕より小柄な子。

 おとなしくて、物静かで、いつもぽやややっとしている。

 とても可愛い子。

 今までは、僕と同じ月の裏に閉じ込められていた。

 僕と別々に地球へやってきたあの子。

 僕はあの子が大好きで、あの子が喜ぶことをたくさんしてあげたいと思っている。

 だから、ぱーてぃーをするんだ。

 その気持ちを繰り返しながら、あの子に近付いた。

 近付いて、僕は首を傾げた。

「?」

 あの子はいつも、桜色の着物を着ているだ。

 なのに、今日は……

「さんたくろーす? しかも大きな袋付き?」

 僕の疑問符に、あの子は表情を変えずにこくりと頷いた。

 それから、手に持っていた封筒を僕に差し出してきたのだ。

「僕に?」

 あの子はコクンと頷いた。

「屍姫から?」

 あの子は首を横に振った。

「じゃあ誰?」

 あの子は二度頷いた。

「……」

 話が繋がらない……orz。

 しょうがないから、僕は封筒を受け取り中身を読むことにした。


 差出人は白ヘビだった。

 『しろうさぎへ

 これを読んでいるということは、ちゃんと屍姫に会えたんだね。

 じゃあ、ちゃっちゃと用件だけ伝える。

 屍姫には、クリスマスはサンタとトナカイになる日だって教えた。

 もちろん、それだけだよ。

 それだけで、屍姫は充分らしいから……

 ケーキもツリーも頂いておくからね。

 あ、それから、あの魔法の道具であの空間も別の場所へ移したから、探しても無駄だよ。

 お疲れさん。

 たのしいクリスマスを屍姫と過ごしなよ。

                          白ヘビより』

 僕は最後まで読んで、がっくり肩を落としたんだ。


 やっぱり、白ヘビは嫌いだ。

たのしい一日 14

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「完成〜」

 出来ているスポンジケーキに、切ったイチゴとあわ立てた生クリームを挟んだり、飾ったり、塗った

り……。

 それだけなのに、なんかたくさん時間を使ったような気がする……。


 想像以上に難しかったり、

 おいしそうな誘惑に我慢したり、

 大変だったけど。

 うん、なんとか出来た。

 イチゴのたくさんのったイチゴのケーキ。

 早く、あの子と食べたいな。

 頭の上に器用にのせて、僕は空間の中でクルクルと周る。

 そして……気付いたんだ。


「もう、七時半!?」


 約束まで三十分しかない!

 僕は出来たケーキを箱の上にのせて、残りの支度を済ませると、飾りつけをした部屋に不備がないか確

認してから、外へと駆け出しだ。

たのしい一日 13

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「さてと」

 招待状を持った白ヘビのヘビが出発するのを見届けると、僕はさっそく別の作業に取り掛かる。

 手作りケーキ。

 うん。

 クリスマスには、絶対に必要だね。

 イチゴのたくさん乗った、生クリームのケーキ。

 あの子は大好きかな?

 喜んでくれるかな?

 一緒に食べるの楽しみだな。

 だから、今はつまみ食いをしちゃだめ!

 いろんな気持ちがごちゃ混ぜになりながら、僕は初めてのケーキ作りを開始した。

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