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昨日は椿姫の初日でした。
RAVENNA FESTIVAL の始まりです。
最後の舞台稽古の前日に初日を務めるはずだった主役ヴィオレッタ役の女の子の声がでなくなってしまった。お医者さんの診断では疲労、一ヶ月は歌を歌ってはいけないそう。
かわいそうにせっかくの大舞台でのデビューだったのに。
32歳でせっかくつかんだチャンス。
(オペラ歌手としてのデビューとしてもちょっと遅いかな?)
この経験は絶対に忘れないでしょう。
次のお仕事の大きなバネになると思います。
主役の代役はいたけれどこの代役にももしもの事があるといけないのですぐにカヴァーが呼ばれました。(カヴァーとは本役が疲れないようにリハーサルの時に交代するのが主な仕事です。お客さんの前で歌うのはもしもの時だけ。)
突如、カヴァーで呼ばれたロシア人(シベリア)のイリーナ。
一時間で演出を覚え、一時間マエストロと練習して最後の舞台稽古に飛びこまされました。
まさか!の皆の声!!!!
短いリハーサルで演出をしっかり覚えマエストロの指揮にはピッタリあっている。
声もいいしヴィオレッタとしても完璧。
舞台稽古の後のスタッフ会議。
カヴァーで呼ばれたイリーナが初日に歌う事に。
代役として今まで練習してきて初日は自分が歌えるのだと喜んでいたギリシャ人の女の子は
大ショック!!
舞台稽古にはギリシャからわざわざやって来たママと客席にいた。
ショックを隠せずに今回は歌わないと言い出す始末。
ラヴェンナのフェスティヴァルで歌うという事はそれが初日であろうとたった一回であろうと
これからのあなたのキャリアにもとっても大切な事。
と皆に怒られましたが、落ち着く事はなく劇場を飛び出していってしまいました。
一日おいて初日の日。
一日おいて気持ちの整理がついたギリシャ人の女の子、私はカヴァーとして公演が終わるまで
ラヴェンナに残りますと言ってきた。(良い判断です。)
ラヴェンナと言う場所はオペラ歌手にとって高速道路の入り口でもあれば、出口でもあります。
(ここには世界のムーティ巨匠がいらっしゃいます。)
若い歌手でもダンサーでもこの世界の厳しさは一回でも経験しないと分かりませんね。
そして初日の幕が開きます。
一幕、二幕ととってもうまくいき、お客さんの反応もいい。
二幕と三幕の間に携帯電話を見るとメッセージがはいっていました。
「今日、初日だったねがんばってね。」とトスカーナの友達から。
「最後の幕が残っているけれど成功に終わると思うよ。」と返事をして舞台に。
最後の幕では私達の出番はパリのお祭りのシーン。
ヴィオレッタのアパートの外でのお祭りなので
普通の演出ではアパートの窓の外をお祭りの行列が通ると言うのが多い。
この演出では私達はヴィオレッタの心や精神を踊っているのでこのお祭りでは私たちが死の鳥になってヴィオレッタを迎えに来ると言う設定になっている。
コーラスの声もあらかじめ録音してあり悪夢のように声はあっちこっちのスピーカーから聞こえ最後にはグルグルすごい速さでまわることになっていた。.........が。
ヴィオレッタのアリアが終わって拍手がやんでも曲が聞こえない!
どうしたの????
こういう時の1秒はとても長い、どうしよう?1,2,3、秒
舞台に一人で飛び込む。
私が入ったのを見てみんなも付いてきた。
曲なしで全振りを終え、目でマエストロにサインを送る。
マエストロはオケに用意をするようにと手を開く。
それを見てダンサーにサインして舞台から出る。
オペラ歌手の人や裏方さんはびっくりして君達はすごいと褒めてくれたけれど....。
公演の後のミシオさんの一言、
「なんですぐに入らなかったの?気転をきかせなきゃ。
舞台人であれば一秒の長さを知らなければいけない!」
と、怒られてしまった。Mamma mia !
コンピューターがフリーズしてしまって音楽が出なかったそう。
超最新式のテクノロジーもこれじゃーね。
次の公演には私のiPod舞台袖に 用意しておこうかしら?
それともやっぱり13日の金曜日だったから??
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現場って想像もしないことが次々と起きるんですね。
読んでいてびっくり。
そしてMikichanの判断にかっこいい〜!でもさすがにミシオさんは厳しいですね。厳しいから、必要なんでしょうけど。
舞台って素晴らしいですね。ほんと生き物ですね!がんばって=!!
2008/6/15(日) 午後 10:24
コンピュータってあるだけで頼ってしまいますよね。で、気まぐれに裏切られてしまうことも多い?! やはり人間のとっさの判断が命綱ですね!
2008/6/16(月) 午前 3:08
megumixさん:ちょっとかっこよく書きすぎてしまいました(笑)。
公演の後、楽屋でミシオさんなんて言うかなぁって皆で話してたんですけど。全員一緒に「Perche non siete uscite prima!!」って言うだろうねって。
完璧に当たってしまったので皆で笑ってしまいました。
ミシオさんは何で私達が笑ったかすぐには分かりませんでしたが、
後で笑ってました。
今晩も公演あったんですけど、あのシーンは音楽なしの方がよかったとマエストロが言ってました。
2008/6/16(月) 午前 8:37
カタヅケタイさん:今回はこれですみましたが、舞台技術はどんどんコンピューターに任しています。
照明、音響、大道具と裏方さんは前に比べると少なくなっています。
人間を使うコストは下がってもコンピューターがフリーズしたら公演メチャクチャになるリスクは大きいです。
2008/6/16(月) 午前 8:41
最先端技術、たとえば、研磨などのナノ技術とか、医療における難しい手術は、最終的に人間の手に委ねられているのですから、あくまで人間が主役を演じ続けなければいけませんネ。
でも、芸術の世界は本当に厳しいー 常に自分を最上の状態にしていなければ、居場所がなくなってしまうなんて。
2008/6/16(月) 午後 4:11
いや〜、ロシア人のカバーの話すごいですが、mikiさんの機転の話もすごいです。そしてミシオさんは本当に凄いと思いました。1秒の長さかぁ…。
機械のリスクってありますよね。分野は違いますが、研究所にいたころある国に行き、大臣級の人の前でプレゼンをしました。ところがさっきまで動いていたプロジェクターが動かない!
バックアップの紙資料をまず配り、現地の人が慌てて持ってきた機材に変えて急場をしのぎました。紙資料はローテクですが、ハイテクに頼り切っていたらどうなっていたことか。。。
ハイテクは上手くいくと素晴らしいですが、リスクも高いと思い知りました。
とにかく、公演成功、おめでとうございます!
2008/6/16(月) 午後 4:30
tamtamさん:ハイテクは便利なのでどうしても頼ってしまいますが、これも100パーセントは委ねられないことを心にしないといけませんね。
声がでなければオペラ歌手は舞台から下ろされます。
厳しいですが、これも経験で分かっていく物です。
2008/6/17(火) 午後 5:18
めぐみぃさん:舞台技術もハイテク化してきて裏方さんの人数も少なくなってきてます。仕込みが終われば舞台を動かすのはコンピューターボタンひとつで音響、照明、大道具と全部コンピューターですがこれが動かないとお手上げです。
完全にコンピューターに頼るのは危険ですね。
2008/6/17(火) 午後 5:23