チェッキッキーの日記ッキー♡♪

すいません、忙しくって更新遅れてます。

ミシオさん

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ミシオさんのおば様から「殺されるからすぐに来て!」と電話があったのは
ローマでの公演の前日の午後、仕込みの真っ最中。

すぐにパリに行けるわけがなので施設の館長さんに電話をして、彼女をなだめてもらい
ローマの公演の後、復活祭のお休みの時にパリに行く事になった。

復活祭のお休みの直前にパリ行きの飛行機はなんと500ユーロ以上!
2人で1000ユーロ!!!
そんな金はない!
というわけでがんばって車でパリ直行。
ローマ→パリ約1400キロメーター(@@ ;)

ローマから出発、途中トスカーナの家に寄って旅行鞄を変えて
すぐにパリへ出発。
もうすぐ春だというのにロシアからの風のせいでモンブランのトンネルの近くはすごい吹雪。
ホワイトクリスマスでなくて、ホワイトイースター。
チェーン持ってきてないよ〜。(怖)

パリに着いたのは夜中の12時。

翌日やっとおば様に会いに施設へ、

ここからはおば様のお話。

「電話ではこんな事は絶対話せないのよ。誰が盗み聞きしているか分からないもの。
(KGBはもういないと思うんですけれど....)

前にも二人には話したけれどムッシューアンドレイ(施設の館長さん)は今でも私の事が忘れられないでいるの.....そのうちに若い看護士も私のことを好きになってしまって、
それを知ったムッシューアンドレイはやきもちを焼いて彼を殺してしまったのよ。
毒を注射したの、その毒はすぐには彼を死なせず少しずつ少しずつ彼は病気になって
最後には死んでしまったの。

ムッシューアンドレイはこの方法で私の隣に住んでいたおじいさんも殺しているのよ。
そのおじいさんも私に夢中だったのよ。
私のせいでもう2人の男性が命を落としてしまった......。

そしてムッシューアンドレイは私のために牢屋行きになってしまうかもしれないの。

ムッシューアンドレイには意地悪な奥さんがいて彼女は私のことがもちろん大嫌い。
私達がまた会うようなことがあったら彼女は警察に行って全てを話すと言っている。
だから私達が再会することはもうないのよ。」

殆ど見えない目で窓の方を見る彼女にミシオさんが尋ねる。

「ソーカが殺されるというのはどういうこと?」

「ムッシューアンドレイの奥さんには愛人がいるのよ!
相手はここの施設のお医者様。
今、あの二人は私を殺そうとたくらんでいるの。
血液の検査をするなんて嘘だわ! 
血液を採るふりをしながら私に毒を注射するつもりでいるのよ。」

なるほどそういうことですか.....

ミシオさんは大きな紙に彼女が分かるようにサインペンでお医者様に手紙を書きました。
血液検査も診断もしないでください、
彼女を診断する前には僕に電話してください。
と大きく書いて彼女のベッドの横のテーブルに貼りました。

ソーカは血液検査が怖いんです。
血液検査の結果で手術をしなくてはいけない病気が見つかったりしたら大変です。
90歳になる前のことでした。
何でかは良く分かりませんでしたが、ソーカが脳の手術をするとかしないとかで
大騒ぎをしたことがありました。
高齢ですからもちろん手術はしないことになりましたが、それからも手術は怖いようです。

96歳になった彼女はもうお家に帰るとは言いませんが、
思いっきり走ってみたいと言うようになりました。
どこへ走って行ったら良いのか分からないので走らないだけだと本人はおっしゃりますが.....。

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「あのね、ここの施設にいたくない理由がまだあるの。

隣の隣のおじいさんいるでしょう、彼、私に惚れてるのよ♡。

私の部屋によく来て何か言ってたけれど相手にしなかったの。

だって私、年寄りのおじいさんはいやよ!」

(ミシオさんとmikicianの目¿¿¿¿¿¿¿¿¿¿¿¿¿¿¿)

「今は、諦めたみたいで大人しくしてるわ……….

でも、これだけじゃないの!…………….」


95歳になるまでヘビースモーカーだった彼女は時々続けて話すのが辛そうに呼吸をしてる。


「この施設のディレクターいるでしょ。」


ムッシュー アンドレイ?


「そう!アンドレイ、彼も私が大好きだってよ。ほほほほっ♡♡♡♡」


うれしそうな彼女を見て唖然とする私達。

ミシオさんの目は点々してる。


隣の隣のおじいさんはまだ分かるけれど

ムッシュー アンドレイはまだ60歳にもなっていないと思うよ。

“愛に年の差なんて”とは言うけれど……


「私は愛とか恋とかもういやよ! めんどくさいわ。

でもね、よく見てみるとムッシュー アンドレイもまぁまぁ良い男ね。

…………後で、分かったのだけれど他のマダム達が、

私達が仲良くなる事に対して面白く思ってなかったみたいなの………….

毎週水曜日の午後にある集いで彼はギターを弾きながら歌を歌ってくれたの……」


(午後は応接間でコンサートとか朗読だとかの催しがあります。)


「彼が最後に歌った曲は Adieu, だったわ、Au revoire とはちがうの。

私のために歌ってくれたのよ。」


はぁ???


「最後に私の部屋に来たときそう言っていたわ、私達はもう会ってはいけないの

会いたくても周りの人が承知しないのよ、僕はあなたの事を諦めなければいけないと言って

二人でサヨウナラをしたの。

残念、良い人だったのに………私が気がついたのが遅すぎたのかも……。」


完全にチェーコフの世界です。一人でひたってます。

何という想像力でしょう!!!

ミシオさんに向かって、


「私がここの施設にいると周りの男性が私のことを放っておいてくれないのよ!

私には一人暮らしがあっているんだわ…………」


すごいでしょ、彼女はアパートに帰るためにお芝居を考えたんです。

ミシオさんいわくこういう叔母や母に育てられなかったら

うそをつくのが本業の振付家や演出家にはなってなかっただろうと言ってました。

なるほどなぁと感心してしまいました。

イタリアからパリに来た次の日ソーカのいる施設への訪問は3時を過ぎていました。

昼食の後は必ずお昼寝をするので3時過ぎならお昼寝も十分できたでしょう。


頭が痛いと言って頭にスカーフを巻いていましたが、元気そうでした。

ソーカは私達に一枚のメモを見せてくれました。

目がよく見えない彼女のために大きくは書いてありますが、彼女にはよく分からなかったようです。


  8月13日
   
   14:45 救急車で病院に行く

   15:30 皮膚科のお医者さんによる診察


ソーカはこのメモを見て「私は病院に連れ行かれてそこで永遠に眠らされる注射を打たれる」

と思い込みました。


ミシオさんは「病院の先生とちゃんとお話して病院に行かない事になってるから安心して!」

と何回も説明しましたが、「明日迎えに来る。」といって聞きません。

「明日はもう来ないよ診察は今日だったんだから。」

「えっ?今日?明日でしょ?」

「今日だよ、8月13日って書いてある。」

「えっもう8月13日なの........

あー今までのように一人で暮らせていたらこんな風に怖がる事もなかったのに......」



8月の初め診察を受けたくないというソーカからの電話があったので、

イタリアからお医者さんに電話をするとお医者さんは不在でしたが、すぐに秘書から連絡があったと

電話をしてきてくれました。

診察というのはソーカの眉間にあったおできのような物をレーザーでとったが

そのおできをよく検査してみると時間が経つと癌に変わる細胞を持っているおできだったので

ちゃんと診察し直したい。という話でした。


ソーカが病院に行く事をとても怖がっているという事をお話しすると

あのお年ですからあの細胞が皮膚に残っていたとしても癌になるには時間がかかると思いますので

本人の希望通りにしましょうと言ってくださいました。


ソーカは今日は誰も病院から迎えに来ないことが分かったらしく頭が痛いとまたベッドへ戻りました。


.....一人で暮らしていたらこんな怖い思いはしなくてすんだのに.......


 と、時間を置いて何回も繰り返していました。


夕食の時間に起こして食堂に連れて行き、また明日と施設を後にしました。


まだまだしっかりしていると思っていましたが、

1時間以上椅子に座って話をするのは無理になってきました。

テレビは目が見えないのでだいぶ前から見なくはなっていましたが、ラジオはよく聞いていました。

ラジオは聞かないの?と質問すると「私はサルコジが嫌いだからラジオはもう聞かない!」

と言われてしまいました。

ラジオを聴くというのも疲れるようになったのでしょう、

話すテンポは速いし集中して聴かなければいけないですし。


2時間半の面会の後は私達もひどく疲れてしまいました。

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5月22日ちょうど私達が仕事でパリにいた時
ロシアのお祭りサン二コラがありました。
フランスだとサン二コラのお祭りはクリスマスにあります。

サン二コラ=サンタクロース です。

ロシアではクリスマスとは別に5月22日のサンニコラの日にも子供達にプレゼントをあげたりする習慣があるそうです。

その日はお仕事もお休みだったので朝9時半にソーカのいる施設に行きました。

長い間美容院にも行っていないのでこんな髪型で教会には行けないというソーカに
スカーフをかぶせて皆で綺麗よと褒めると本人もやっと教会に行く気になりました。

足が悪いのにヒールの高い靴を履いていくというのでストッキングをはかせて、タイトスカートを着せてあげました。

ミシオさんはその間ソーカのために車椅子を探しに行きました。
教会は庭の中ですが、ソーカの足でヒールを履いてでは教会に着くのは明日になってしまうと言って。

教会へ久しぶりに行ったソーカはできるだけ立って神父さんの話を聞こうと度々立とうとしていましが、諦めた顔をして車椅子に腰をかけて下を向いて神父さんの話を聞いていました。
最後にミシオさんに車椅子を押されて神父さんが持っている十字架にキスができたことは
本当に喜んでいました。ミサに出たのは6年ぶりだったそうです。

ミサの後は昼食までお部屋でお休みです。
普通このミサは3時間ぐらいかかるそうですが、お年寄りのことを考えて1時間で終わりました。
部屋に帰ってくると疲れたといってすぐにベッドの上に横になりました。

昼食にはイクラやサーモンのご馳走が並びました。
飲み物はもちろんウォッカです。
ソーカはイクラをおかわりしていました。

(ちなみにロシア語でキャビアは チョルナヤ イクラ で、イクラは クラスナヤ イクラと言います)

食事中ロシアジプシーの歌とギターの生演奏もあり、ソーカも好きな曲になると手をたたいて
拍子を合わせていました。

昼食の後は疲れたでしょう
私とミシオさんとブリュッセルから来ていたミシオさんのいとこに「そろそろパリに帰りなさい皆明日はお仕事ですよ。」と、追い出された形で施設を出てきました。

でもお家に帰りたいと一言も言わなくなったねと皆で言いながらパリ行きの電車に乗りました。

死が怖くなったので、70年以上吸っていたタバコもやめました。
嫌いな野菜も食べようとしているみたいですが、デザートが好きな物のときは
(プリンとかケーキだとか)メインディッシュを全部食べてしまうと
デザートが食べられなくなるそうでそういう時は野菜を残すと言ってました。

95歳だもんなんでも良いよ元気なら。

私達は仕事があるので長くはフランスにいられません。
ソーカを一人施設に残し、イタリアに帰ってきました。

最後の日目のあまり見えないソーカのためにポスター位の大きな紙に私とミシオさんの携帯の番号を
大きき書いて壁に貼ってきました。

ソーカからは毎日電話がかかってきます。

頭が痛いのに誰も来てくれない....。

看護婦さんを呼ぶベルはいつも首からぶらさげてなくてはいけないのですが、
格好が悪いというので歩行器につけておいたベルを押せば看護婦さんが来るから。
それでも来なければこっちから施設に電話するから。

ズボンが盗まれた!!!

施設にすぐ電話をすると、
洗濯に出したのであさってには彼女の部屋に届けられるということ。

部屋の鍵を盗まれた!!

彼女は目が見えないので鍵のある場所が思い出せなかっただけのことでした。

そして昨日のミシオさんへの電話。

私をこんな所へ捨てて!お前は豚以下だ!!畜生!!ここから私を出せ!!明日にでも私は家に帰る!!!merde!!merde!!merde!!

今までソーカがこんな口調で喋る事はありませんでした。
まるで何かにとりつかれたようでした。

次の日施設の精神科医の先生に相談をするとすぐに診察をしてくださって、
診察の後すぐに電話がありました。

95歳の高齢という事もあり今までの環境から今の環境に慣れるのは大変な事ではあるけれど、
決して特別ではありません。殆どの人が施設に入るとこんな風になるんです。
2ヶ月すればだいぶ変わると思いますけれど、今はとにかく彼女の感情に逆らわないことです。

まだまだ時間がかかりそうです。
ラッキーな事に5月半ばからパリは2週間仕事で滞在する事になりました。
ソーカもそれを聞いて少し安心したようですけれど.....
どうなる事でしょう。

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