辻田幹夫のお気楽損害保険(損保)ブログ

営業でも損調でもない(元)損保屋が気ままに綴るブログです。正しいことを書こうと心がけますが、嘘になってしまったらすみません。

傷害・新種保険

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全8ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

[ 次のページ ]

AIU保険会社のニュースリリースでサイバー攻撃を受けた後に提供するサービスに関するものがありました。
実は、最初にこれを読んだ時は何のことかさっぱり分からず???という状態でした。というのも、リリースされたのは保険事故が起こってから提供するサービスの内容だけで、無条件にこのサービスが使えるわけではないことが明らかであるにも関わらず、その条件が書かれていなかったからです。
「サイバー攻撃を受けた際の初期対応を支援するため、株式会社サイバーディフェンス研究所と業務提携契約を締結」
http://www.aiu.co.jp/about_us/press/2012/12_06_22.htm
(AIU保険会社 プレスリリース 2012.6.22)
今回の提携は、サイバー攻撃に対しては専門的な知識と技術を持ったセキュリティの専門家による迅速な初期対応が重要であることから、お客さまが被害に遭われた際には、セキュリティ事故への対応に実績のあるCDIをご紹介し迅速に初期対応を行うことで「ダメージコントロール」を支援し、被害の最小化と速やかな復旧、賠償リスクの軽減を図ることを目的としております。これにより初期対応に要した費用を補償する保険としての機能に加えて、セキュリティ専門機関による初期対応の実効性が確保されることとなります。
 
しかし、その疑問については、先月のニュースリリースを見て氷解しました。この「サイバー攻撃対応費用特約」の現物給付として、今回リリースした内容をやるということのようです。(付帯サービスなのか現物給付なのか微妙です。)
「サイバー攻撃を受けた際の初期対応費用を補償するサイバー攻撃対応費用特約を販売」
http://www.aiu.co.jp/about_us/press/2012/12_05_17.htm
(AIU保険会社 プレスリリース 2012.5.17)
[本特約の特長]
従来の個人情報漏洩保険では、個人情報が漏洩した場合に要した危機管理実行費用や法律上の損害賠償責任が補償の対象でしたが、この特約をセットすることで、情報漏洩が発覚する前のサイバー攻撃を受けた段階から補償を開始し、セキュリティ専門機関による迅速な初期対応をサポートすることにより、情報漏洩、信用失墜、システム停止などの被害を抑え、賠償リスクの軽減を図ります。
 
この2つのニュースリリースを併せて読むとなかなか興味深い内容と言えます。
一般に個人情報漏洩があった場合、その被害の実額−対象者へのお詫びや再発防止のためのシステム改修などを確定させた上で、保険金を支払うのが普通ではないかと思います。
しかし、この保険は、その前の段階−個人情報漏洩の可能性が生じた時点で、個人情報漏洩を起こさせないために発生する費用を補償するものとしています。そして、それは単に金銭的な問題だけでなく、実際の作業は専門家が行わなければ効果がないことから、株式会社サイバーディフェンス研究所と提携して補償することとしています。
「情報漏洩が発生してからかかるコスト(風評による逸失利益を含む)×その発生率」と「情報漏洩を防ぐコスト」のバランスを考えて検討することではあり、「情報漏洩を防ぐコスト」は一般には被保険者が負担するものでしたが、サイバー攻撃を保険事故として限定し、その場合のみにかかる費用を損害額とした保険を作ったということです。そして、それは、「情報漏洩が発生してからかかるコスト(風評による逸失利益を含む)×その発生率」を下げる効果も期待できます。
ただし、サイバー攻撃に限定している点で、すべての個人情報漏洩のリスクに対処できるわけではないことに留意する必要があります。たから、この保険は単品ではなく、特約なのでしょう。
それらも含めて、非常によくできていると思います。
それにしても、2012.6.22のニュースリリースだけではこの意図が分からなかったのは、私がバカだからでしょうか。少なくとも人並みだとは思っていたのですが。
 
余談ですが、AIUは日本社に移行することになりました。チャーティスとしてAIUと富士火災海上保険株式会社が別会社として存続する意味合いが薄れてくれば、この両社はいずれ合併するような気がします。
エース損害保険株式会社Peach Aviation株式会社の航空券のオプションのような形態で旅行保険を販売するとのことです。
「エース保険、Peach のウェブサイト上で旅行保険の販売を開始」
http://www.ace-insurance.co.jp/news/data/file_1_285.pdf
(エース損害保険株式会社 ニュースリリース 2012.6.18)
なるほど、これなら抱き合わせ販売にならないし、申込みの手間も少なく済みます。
ちょっと気になるのが、航空券購入者が保険契約者で旅行者が被保険者であることから、他人のための保険となるケースが往々にして発生する点です。被保険者同意をどうやって取り付けるのか分かりませんでした。
 
以下の記載もおや?と思いました。以前から欧米であったのなら、日本で今までなかったのは何故なのだろう?と思ったからです。インターネットで航空券の購入ということだけなら、何年か前から既にできましたから。
この旅行保険の募集方法は既に欧米の航空会社の間では広く普及している方法で、今後日本においても、特にインターネット系の旅行会社や航空会社において、普及していくものと思われます。
でも、確かに追随(マネ)するところが出てくると思います。
損害保険料率算出機構にて算出している傷害保険の参考純率について、2012年5月25日に金融庁に改定の届出を行い、その内容に関して昨日(6月13日)適合性審査結果通知がありました。
公表されている内容は以下リンクのとおりで、今回の改定では大きな制度変更はないようです。(小さいのは…)
「傷害保険参考純率改定のご案内」
http://www.nliro.or.jp/service/ryoritsu/ssiryo201205.pdf
(損害保険料率算出機構 業務内容 > 料率算出業務 > 参考純率に関するお知らせ > 参考純率改定の内容)
 
前回に引き続き、基本的に保険料上げです。念のため、平均改定率を載せておきます。
イメージ 1

料率が上がった理由について、算出機構は死亡・後遺障害保険金と通院保険金の支払いが増加したためであるとし、その原因に関しては以下のとおり書かれています。
平成17年度以降、保険会社各社において、事故発生時にお支払いできる可能性のある保険金を全てご案内のうえ、お支払いするといった支払態勢の構築および確立の取組みが浸透した結果、契約者等においても保険金のお支払いに対する認識が高まり、保険金の請求が行われるようになってきています。その結果、平成19年度までの保険実績統計に基づき、平成21年5月に参考純率の改定を行いましたが、平成20年度以降も後遺障害被害者数の増加や平均通院日数の長期化が続いたことにより、支払保険金が増加しています。
平たく言えば、「支払漏れの減少」「後遺障害の件数増加」「通院の長期化」の3点が原因ということになります。この3点は前回(2009.5.19届出)のときとほぼ同じです。
これを読んで2つ気になることがでてきました。
 
まずは「後遺障害の件数増加」です。前回はこの点に関して、高齢者によるものと書いてありました。今回は高齢者には言及していませんが、おそらく同じでしょう。個人的には、自動車保険で高齢者の損害率悪化を理由に料率を変えたら、マスコミがずいぶんそれで煽ったので今回は記載しなかったのでは?と思っています。
従前から高齢者のケガは長期化しやすいこともあり、一定年齢以上は引受制限をするところもありました。ただし、リスク細分をして、年齢別の料率とするのは一般的ではないと認識しています。
しかし、料率上げの傾向が続くようなら、年齢別料率を導入して高齢者以外の保険料を低くすることを考える損保が出てくるのではないでしょうか。特に保険料上げによるマイナス影響が大きく、20〜50歳をターゲットにしたい損保はそうだろうなと思います。
ひょっとしたら、次回の改定では参考純率そのものが年齢別料率になる可能性もゼロではないと思ってます。
 
それと「支払漏れの減少」です。
これは、今では保険金請求漏れと表現した方が正確かと思っていますが、傷害保険ではまだまだ潜在的にあると考えています。
勿論、自分が契約者になって主体的に契約したものについては、請求漏れが起こる可能性はかなり低いでしょう。しかし、おまけタイプのもの…例えばカード付帯の傷害保険でカード所有者の保険料負担がないものやごく少額のものはどうでしょう。実際に保険事故があったときに、あぁこの保険が使えると思い出すでしょうか?契約者が思い出さなければ、この手のものは保険会社側からは把握できないでしょうから、保険金請求漏れは容易に発生します。
こういうのが顕在化したら、まだまだ支払保険金は伸びます。無論、潜在的なままなら、そうはならないでしょうけど。
 
それから、「統計データ誤りとその影響」(2012.5.27)の件と、今回の傷害保険参考純率改定および自動車保険参考純率(等級制度)改定(2011年9月届出)の関連も気になります。
算出機構は、この件を世間に対してきちんと説明しないまま、うやむやにしてしまうのだろうなと思っています。どうやら旧態依然の悪い体質を未だに引きずっている組織のようですから。
保険会社に対して非常に大きな影響を持つ組織なので、本当はそんなことではダメなはずなのですが。
ジェイアイ傷害火災保険株式会社が自社サイトでの海外旅行保険の販売を停止したのでどうしたのか?と思っていたら、新商品に切り替えるということでした。
 
「弊社ホームページにおける「海外旅行保険ONLINE契約サービス」の販売停止について」
http://www.jihoken.co.jp/whats/2012/wh_120606_01.html
(ジェイアイ傷害火災保険株式会社 お知らせ 2012.6.11)
 
「WEB専用海外旅行保険「t@biho(たびほ)」販売開始」
http://www.jihoken.co.jp/whats/2012/wh_120611_01.html
(ジェイアイ傷害火災保険株式会社 お知らせ 2012.6.6)
 
今回の新商品は、WEB専用海外旅行保険「t@biho(たびほ)」(リスク細分型特定手続用海外旅行保険)の名のとおり、インターネット専用だそうです。
多くの損保で海外旅行保険自体はかなり早い時期から専用端末での通信販売が行われていましたが、インターネット専用というのは意識したことがありませんでした。代理店販売とは異なった保険料水準にするなら、ネット専用の新商品という選択は悪くないかもしれません。
このお知らせ内容に、割安な保険料を実現と謳っているとおり、価格競争力を持たせていることが随所から窺がえます。ざっと挙げますと、「契約手続きはネットのみ」,「異動手続きもネット対応」,「リスク細分」,「保険契約証なしがデフォルト」,「電話での照会対応なし」といったところです。個人的には「電話での照会対応なし」はずいぶんと思い切った策だなと感じますが、海旅なら確かに意外と大丈夫かもしれないような気もします。
 
スマホの対応は今後行う旨が書かれていますが、ケータイについては触れられていません。
さすがに海外にパソコンを持っていく人は滅多にいないでしょうから、保険契約証なしをデフォルトにするなら契約内容や事故時の連絡先を旅行先でも確認できるようにケータイ・スマホの対応は早急やるべきだろうと思います。(契約締結機能は後回しでもいいから、契約照会だけでも!)
「ライフネット生命の就業不能保険」(2010.2.15)で、ライフネット生命保険株式会社が新たに販売開始する就業不能保険が損保の所得補償保険−その中でもとりわけ日立キャピタル損害保険株式会社の PLTD(長期就業不能所得補償保険)によく似ているのではないかと書きました。
 
ちなみに、PLTD(長期就業不能所得補償保険)は、1999年7月にユナム・ジャパン傷害保険株式会社が発売開始した個人向けの所得補償保険の一種で、填補期間が超長期に渡るのが特徴です。
そのユナム・ジャパンはユナムが日本撤退後は日立キャピタル損害保険株式会社として存続し、PLTD も引き続き販売されています。日立キャピタル損保の他に、ソニー損害保険株式会社日本興亜損害保険株式会社も長期就業不能所得補償保険の認可を持っているようです。
 
販売開始にあたって、ライフネット生命のサイトにて就業不能保険の約款等の詳細が公開されたので、所得補償保険や PLTD と比較しつつ、どのような保険なのか見てみました。
「ライフネット生命、就業不能保険「働く人への保険」を本日より販売開始」
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2010/2369.html
(ライフネット生命保険株式会社 ニュースリリース 2010.2.26)
 
まずは保険種目名にも使われている「就業不能」からです。
就業不能保険の「就業不能状態」は、普通保険約款第4条(就業不能の定義)にて、以下のように定義されています。
被保険者が傷害または疾病により、日本国内の病院もしくは診療所への治療を目的とした入院または日本の医師の指示により在宅療養をしており、少なくとも6か月以上、いかなる職業においても全く就業ができないと医学的見地から判断される状態をいいます。
私の知る限りでは、損保の普通の所得補償保険は、填補期間2年までは証券記載業務に従事できないことを、2年を超える場合は経験・能力に応じたいかなる業務にも従事できないことを「就業不能」としています。つまり、元の職業・職種をベースとしています。
比較してみると、就業不能保険で定義する「就業不能状態」は、所得補償保険に規定する「就業不能」よりも条件が厳しくなっています。これは、就業不能保険の填補期間が超長期に渡ることを考慮すれば当然のことと言えます。
ここは保険金支払要件の最大の肝なので、きちんと理解しておく必要があります。
残念ながら、PLTD に規定する「就業不能」は資料がないので不明です。
 
所得補償保険には、期間として「保険料払込期間」「保険期間」「填補期間」の3つがあり、それぞれ意味が違います。
「保険料払込期間」は、その名前のとおり、保険料を払い込む期間で、所得補償保険を含めた通常の損保商品のほとんどが「保険期間」と同じです。例外的に異なるのは、介護費用保険や年金払積立傷害保険くらいかと思います。
「保険期間」は、その期間内に保険事故が生じた場合に保険金を支払うという期間です。
「填補期間」は、保険金を支払う期間で、一定期間に渡り保険金を支払う商品だけにあるものです。普通の所得補償保険の填補期間は1年ないし2年です。
就業不能保険は、この3つの期間がすべて同じで、超長期で設定できる点が特徴的です。
調べた限りでは、PLTD は、「填補期間」は就業不能保険とほぼ同じですが、「保険料払込期間」と「保険期間」は5年で、自動更新するようです。つまり、5年毎に契約が更新され、保険料が上がることを意味します。
5年更新には、保険金額の見直しができるという面で一長一短があるかと思います。
就業不能保険は、保険金額の減額は可能ですが、増額はできないようです。おそらく、増額したい人はもう1本別の契約を締結しろということではないかと思います。
 
所得補償保険,PLTD,就業不能保険は、いずれも第3分野の商品で、保険法の分類では就業不能保険は傷害疾病定額保険に、所得補償保険と PLTD は傷害疾病損害保険(損害保険)に属するのではないかと思います。
そのため、保険金額は収入の範囲内で定めることを大原則とする点ではいずれも同じですが、万が一、「保険金額≫実際の収入」であった場合の取り扱いが異なります。
PLTD は約款の確認をしていないので分かりませんが、所得補償保険は平均月間所得額を支払限度とすることが明らかです。
一方で、就業不能保険は「保険金額≫実際の収入」であった場合の規定がありません。傷害疾病定額保険だから当然ですが、そのために不法利得を防ぐために契約締結時に定める保険金額の設定基準が非常に重要なものとなってきます。
これは賃金カーブを考慮する必要があるかもしれません。古い大企業(年功序列で役職定年が導入されている会社)の場合などはおそらく50〜55歳に年収のピークを迎えます。この年齢で就業不能保険に加入した場合、加入時の告知が正しいものであっても給付が過大になる可能性があります。
 
これは、就業不能保険と所得補償保険の違いというよりも、生保商品と損保商品の違いと言えるのでしょうが、免責事項に差異があります。
一般に、損保商品は戦争,核物質,地震は免責としています。PLTD は約款を見ていないので分かりませんが、所得補償保険についても戦争,核物質,地震に起因する就業不能は免責です。
一方で、就業不能保険の普通保険約款第5条(就業不能給付金の支払い)の免責事項にはこれらは含まれていません。

全8ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

[ 次のページ ]


.
検索 検索

過去の記事一覧

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
辻田幹夫
辻田幹夫
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事