辻田幹夫のお気楽損害保険(損保)ブログ

営業でも損調でもない(元)損保屋が気ままに綴るブログです。正しいことを書こうと心がけますが、嘘になってしまったらすみません。

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1月23日の読売新聞にイーデザイン損害保険株式会社の継続契約に関する割引についての記事がありました。イーデザイン損保のサイトには継続について未だ何も書かれていないのですが、恐らくこの記事を書いた記者はイーデザイン損保の割引をきちんと理解していないのではないかと思います。
「自動車保険1万円引き 東京海上系」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100123-OYT8T00312.htm
(YOMIURI ONLINE 2010.1.23)
通販、更新時に
東京海上ホールディングス傘下で、自動車保険専門の通販会社「イーデザイン損害保険」が契約更新時の年間保険料を6月から1万円安くする割引制度を設けることが22日、明らかになった。デフレでサービスや商品に対する消費者の低価格志向が強まる中、同社は先行する通販損保に比べて約2倍の割引額を設定し、顧客の囲い込みを図りたい考えだ。
割引は、携帯電話のインターネットを通じて自動車保険を更新した保険料一括払いの契約者が対象となる。
この記事を読むと、継続時に保険料が更に1万円安くなるような印象を受けます。
しかし、恐らくそれは間違いです。
もともとイーデザイン損保は、ネットやモバイルで契約した場合に1万円の割引があります。単に、その割引が継続の場合も同じように適用しますというだけの話ではないかと思います。
 
ダイレクト系損保では、新規(他社切替を含みます)にネットで契約した場合に割引があるのは一般的であり、継続の場合も同じく割引があるのが普通です。
その割引について、新規と継続で同じにしている会社もあれば、別にしている会社もあります。イーデザイン損保は同じにすることにしたというだけのことと思われます。

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インターネット利用者の立場として、日経ビジネスオンラインに広告に関する興味深い記事がありました。そこで保険業界においてどうなのかとつらつらと考えてみました。
「米“クチコミ”広告規制の波紋」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100115/212143/
(日経ビジネス IT・技術 > 時事深層 2010.1.20)
米連邦取引委員会(FTC)が導入した規制に注目が集まる。ブログなどを用いた推奨広告に報酬表示の義務を課した。消費者庁が発足した日本も、規制が導入される可能性がある。
2009年12月以降、企業のマーケティングや広報担当者などの間で、「日本国内でも“クチコミ”を使った販促が難しくなるのでは」と懸念する声が高まっている。不景気で広告の費用対効果にシビアになる企業が多い中、ブログなどを使った推奨広告、いわゆる「クチコミ販促」に規制がかかる兆しが見られるからだ。
どうやら、報酬を得ているにも関わらず、そのことを伏せて良い評判を流すことがアンフェアな行為として問題視されているようです。
保険業界においては、保険会社がブロガーや記者に報酬を払ってクチコミを流すということは広告規制以前に募集行為の規制に引っかかるので行われていないはずです。ライフネット生命保険株式会社イーデザイン損害保険株式会社には、バナーを利用してブロガーと連携していこういう動きがありますが、少なくとも金銭的な報酬は出していないようです。(私はやっていないので、外部から見た推測です。)
一方、プロ代理店がそのことを伏せて他のチャネルの代理店や直販を貶す行為も私はアンフェアだと思っています。こちらはよく見かけます。行為者には自ら拙い行為だという自覚がないようですから、外部の規制がこのような行為には必要かもしれません。
 
FTC の広告規制については、同じ日経ビジネスの中で須田 伸氏が連載「Web2.0(笑)の広告学」で取り上げており、その内容や影響について以下のトピックで書かれています。
「「個人の感想であり、商品の効能を確約するものではありません」は、法律で禁止されます
 FTC規約改訂の衝撃」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20091016/207275/
(日経ビジネス IT・技術 > Web2.0(笑)の広告学 2009.10.20)
「「この映画を見て、チョー感動しました!」は、法律で禁止されるのでしょうか?」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20091023/207910/
(日経ビジネス IT・技術 > Web2.0(笑)の広告学 2009.10.27)
「「女性誌やクルマ雑誌は全滅だ」。思わず広告マンは呟いた」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20091102/208630/
(日経ビジネス IT・技術 > Web2.0(笑)の広告学 2009.11.4)
 
アメリカで行われたことが数年遅れて日本に入ってくるということは、いろんな分野で起こっていることなので、この件についても同様になる可能性は低くないと思います。また、金融分野に関しては、勧誘・募集に関する規制として別途動きがあるかもしれないことを考慮しておいた方が良いかもしれません。
そう言えば、金融審議会金融分科会第二部会 保険の基本問題に関するワーキング・グループにおいても、2009年6月19日に公表された中間論点整理で、提供されている保険に関する情報が中立的な立場でされているかどうか消費者が知る術がないことについて触れられていました。ただ、こちらは民主党政権になってから、全く動きがありません。
先週の12日(土)に「火災保険の盗難の勘違い」では、朝日新聞の荻原博子氏のコラムで、荻原氏が「建物を保険の目的とした場合の「盗難」とは、建物そのものの盗難」と勘違いしているという話を取り上げました。
この件について、荻原氏は自らの誤りを認めて、記事中の『建物の盗難補償というのもありますが、マンションが盗まれるなんてことはないでしょう。』の部分を削除しました。
そのことは、16日のコラムにて以下のとおり書いています。
先週のコラムで、火災保険について「建物の盗難補償というのもありますが、マンションが盗まれるなんてことはないでしょう」と書きましたが、火災保険の建物の盗難補償は、泥棒が盗みに入った時に、窓を破ったとかサッシを壊したという損害ですので、訂正して削除します。
従って、現在、Asahi.com の件のコラムでは誤りは見れなくなっています。
誤りを認めて訂正したことについては、一定の評価をすべきことかと思います。とは言っても、マイナス100点だったのが、マイナス50点になる程度のことですが。
 
ここまでの話であれば、ちょっとだけ見直したということで終わるのですが、今週のコラムにて荻原氏は妙なことを書いて、完全に損害保険の実務について何も知らないことをさらけ出しています。
↓のコラムのタイトルを見ただけで、損保の営業をしている者なら「火災保険の解約手数料?この人は何言ってるんだ?」と思うのではないでしょうか?
「火災保険の解約手数料は、生保に比べて低い」
http://www.asahi.com/business/topics/ogiwara/TKY200912160215.html
(Asahi.com 荻原博子のがんばれ!家計 2009.12.16)
このコラムの主旨は以下の部分です。
火災保険のいいところは、中途解約した場合、生命保険のようなむちゃくちゃ高い解約手数料を取られなくて済むところ。
解約したら、どれくらいのお金が戻ってくるかは、セゾン自動車火災保険という会社がインターネット上で公開しています( http://www.ins-saison.co.jp/products/fire/eraberu/contract.html )。これを見ると、残りの年数分の保険料は、ほぼ戻ってくると思っていいでしょう。もちろん、どれくらい戻ってくるかは会社によってちがいますが、多くのところはこの表とそれほど大きく変わらず、生命保険の解約返戻金ほどたくさんの手数料は取られないと思っていいでしょう。
早い話が、解約返れい金(未経過保険料)の戻りの割合が比較的大きいことを言いたいのではないかと思われます。
そうならそうと普通の言葉を使って書けばよいものを、わざわざ特に一般的でもなく、損害保険に存在しない言葉を使って書く意味は全くないと思います。
確かに間違いではないのですが、一般消費者に広く読んでもらうために有識者(?)が書く文章としては適切とは言い難いです。
 
実際のところ、火災保険の未経過保険料の計算においては、新契約費が全期に渡ってかかっていますし、予定利率による金利の影響も入っています。この点に関して、月割や日割とはまったく違います。
ただ、その新契約費が与える影響が比較的小さく、予定利率も現在は非常に低いので、一見するとほぼ経過期間に比例した金額が戻ってくるように見えるのでしょう。ちなみに、保険始期が古い契約だと予定利率5%で計算されているはずです。今では、1%程度かと思います。
 
損害保険について何も知らないなら朝日新聞のようなマスコミに記事を書くなと言いたいところですが、何故平気でこのようなことができるのか私には理解できません。また、このような人を利用する朝日新聞も信用できないと思っています。
日経ビジネスオンラインの今年10月の記事に保険を含む金融業が今後どのようになっていくのかについて、中央大学法科大学院教授の野村修也氏へインタビューしたものがあります。勿論、将来の予測ですから必ずそうなるか分かりませんが、野村氏はその方向性に大きな影響を与える金融審議会の委員でもあることから概ねそのとおりだろうと私は思っています。
「金融ビジネスが様変わりする
 「消費者視点」の取り込みが金融機関生き残りのカギ」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091013/206919/
(日経ビジネスオンライン 投資・金融 > The Report  2009.10.19)
金融ビジネスはこれまで金融庁のお墨付きを得ていればOKでしたが、これからは消費者目線に立った業務の点検が急務になります。消費者目線重視の傾向は、民主党への政権交代もあって、いっそう厳しくなるはずです。
損保の商品は金融庁の認可がなければ始まりませんから、認可を取得することが必要になります。その後も募集や支払で金融庁の監督や検査があります。
そして、それらをクリアしていればOKという風潮があるのは事実だと思います。
この点に関しては、数年前から少しずつ変わってきたと見ることができると思っています。
例えば、保険料の取り過ぎ問題に関して言えば、これまでの業界の考え方はどちらかと言えば「契約者から申し出れば割引を適用することができる」という見方に近かったはずです。それと「実態に合わせて適切に割引を適用する必要がある」という見方とのズレが顕在化したのが社会問題化したものだと私は思っています。後者の見方は明らかに消費者よりのものです。
また、付随的保険金の不払い問題についても同様です。保険金に関しては、「保険金請求されれば損害調査を開始する」というスタンスだったために、「保険金請求されないものは払わなくて良い」というのが業界の常識でした。保険料単価を上げるために普通保険約款や自動付帯の特約に契約者が気がつかないような補償を一方的に盛り込んだにもかかわらずです。消費者の立場からして、問題視されたのがこの問題であるという見方ができます。
政権交代がなかったとしても、この傾向への流れはより一層顕著になってくると私も思います。
 
日本の金融機関にはマーケティングがほとんどありません。保険金不払い問題が起こったのも、損保各社がリスク細分型商品の投入によって目減りした保険料収入を特約で埋めようとしてきたのが原因でした。自分たちが作りたい商品を作ったために、特約が多くなりすぎて顧客は保険事故が起こっても気づかなくなってしまいました。金融機関は、商品の開発、アフターケア、顧客満足度向上などのために、もっと顧客の声を生かしていく必要があります。
この点について概ね同感です。ただ、リスク細分だけが原因とは思いません。リスク細分が出る前から、契約更改時に保険料単価UPのために補償を増やした内容でおすすめするのが一般的でしたから。特に自動車保険はノンフリート等級の進行のために保険料が安くなるため、その傾向がありました。
現実的なところで、顧客の声を活かしてというのはなかなか難しい気がします。保険会社側からは、よくお客様の声を活かして開発しましたといいますが、自社に都合の良い声を拾っているだけという感が否めません。
この問題を解消する鍵は、消費者自身が良いものを良いと選択することにあるのではないかと思っています。
 
国の規制は余計なところまでふさいでしまいがちです。金融機関自身、あるいは自主規制機関を通じて、進んで消費者保護の窓口を作ることが、国による過剰な法規制や行政介入から身を守る手段になります。
現在の金融庁の規制に対する基本的な考え方は「ルール(規則)とプリンシプル(原則)の最適な組み合わせ」です。ただ、この大本になった英金融サービス機構(FSA)にある「規制影響評価」の仕組みは未整備のままです。数量データを集めて規制の理念が通用しているかどうかを頻繁に分析・評価し、余計な規制はやめていくことが行政側には求められます。
これもそのとおりだと思います。
特に認可部分について、そう思います。お役人は先例がないものを否定する傾向にあるのは事実だと思っています。金融庁は認可を出せば、その認可に対して責任があると考えるので非常に保守的であり、新しいものを拒む傾向があるように感じます。
この点に関しての規制の緩和がなければ、保険会社は金融庁の規制ばかりを意識しなければならない従来の考えを変えるようになりにくいと思えます。
一方で、緩和によって好き放題にやって、結局は問題を起こしてしまっては意味がありません。そこは述べられているように適切な自主規制が必要だと思います。
ただ、その自主規制も誰のための自主規制なのかを忘れてはいけないと思います。代理店や既存保険会社の利益を守るためではなく、消費者のための規制であることを念頭におく必要があります。
現在は、日本損害保険協会がガイドラインという形で自主規制を作成していますが、2つ問題があると思っています。1つ目は外資系損保・少額短期保険業者が参加していないことです。もう1つは大手損保の意向ばかりが通ったルールになりがちということです。きちんとやるなら、消費者を主体とした第三者機関が全ての損保・少短を対象として、公正な自主規制を作るのが望ましいと思います。
朝日新聞のコラムに思わず失笑してしまうことが書いてありました。
「火災保険も、ネットなら安い」
http://www.asahi.com/business/topics/ogiwara/TKY200912090322.html
(Asahi.com 荻原博子のがんばれ!家計 2009.12.9)
そもそも、このパッケージで入るというのに問題があって、実は必要ない補償にお金を払っているケースもけっこう多いのです。
たとえば、マンションに住んでいれば、屋根の瓦が飛ばされるなどということはないので、風災の補償は必要ない。また、マンションの上のほうに住んでいれば、川があふれて床上浸水するなどということも起きないでしょう。建物の盗難補償というのもありますが、マンションが盗まれるなんてことはないでしょう。だとすれば、こうした補償がパッケージに入っているのは、無駄というものです。
この書きぶりからすると、建物を保険の目的とした場合の「盗難」とは、建物そのものの盗難だと思いこんでいるようです。そして、一戸建てなら、家そのものを盗まれることがあるように読めます。
 
勿論、「盗難」の補償とは、そんな馬鹿な内容ではありません。損保を扱っている人なら誰でも知っていることかと思いますが、建物を保険の目的とした場合の「盗難」とは、盗難によってその建物に生じた盗取,棄損,汚損が補償の対象となります。
このことは、各社横並びだった住宅総合保険の頃から変わっていません。仮に知らなくても、ちょっと調べれば「盗難」とはどのような場合に保険金を支払うのかはすぐに知ることができます。
 
どうも、このコラムを書いている荻原博子氏は火災保険のことをまったく知らないし、調べてから書くという習慣もないようです。
騙されてしまう人が出ないかどうか心配になります。また、マスコミはこのような嘘を公表することがないように気を付けるべきだと思うのは私だけでしょうか?個人がプライベートで書くブログなどとはまったく違うのですから。
ありえないと思いますが、もしも損保の代理店がこのような説明をしたら、当然にそのペナルティを何らかの形で受けることになるでしょう。

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