先日、読者の方から複数のRVRがある場合の、CATⅠ進入の最低気象条件の判定方法について、ご質問を頂きました。
結論としては、複数のRVRが報じられている場合、
① Touch Down RVRが報じられていれば、それで最終進入の可否を判定する。
② Touch Down RVRが報じられていなければ、CMVで可否を判定する。
③ Mid Point/Stop End RVRの値は、本邦航空運送事業者以外の運航者であれば着陸の最低気象条件に影響しない。
④ 本邦航空運送事業者(いわゆる日本のエアライン)だけは、複数RVRが報じられている状況でのCATⅠ進入について、運航規程に定めて航空局からの承認を得る必要がある。
と考えられます。
複数RVRがある場合に、Touch Down RVRで判定を行う。という点について、根拠文書をあたってみたのですが、特に明文化されたものを見つけることができませんでした。
複数RVRが報じられない空港には、Touch Down RVRしか報じられません。そのため「Touch Down RVRで判定を行う」というのは、一つの大前提(運用上の一般常識?)のため、記載がないのではないかと思います。
根拠にはなりませんが、航空局が2006年に飛行方式設定基準を改定した際の説明会資料に、類する説明が載っていましたので、ご紹介します。
上図の上段を見て頂くと、Touch Down RVRが生きていれば、他のRVRが運用されている/されていないにかかわらず、RVRで判定できるように説明されています。
一方、Touch Down RVRが動いていない時は、他のRVR値ではなく、CMVを適用して進入の可否を判定するように説明されています。
基本的に「Touch Down RVRで判定を行う」と説明しましたが、航空運送事業者(エアライン等)は複数のRVRでの判定が求められています。
上記は「カテゴリーⅠ航行の承認基準及び審査要領」という航空技術部長が出している通達文です。
この中で、「運航規程に定めるべき内容」として以下の項目があげられています。
「(4)複数RVRの利用方法」という項目があります。
これにより、日本のエアラインはCATⅠ航行を行うにあたり、複数RVRが報じられている場合の対応を、運航規程で決めておく必要が生じます。
一般的には「Touch Down RVRはMinima以上。他のRVRは200m以上」という基準が多く用いられているようです。
逆に言いますと、日本のエアライン以外については、こうした規制がかけられていないことから、Touch Down RVRの値だけで判定すれば良いということになります。
今回頂いた、ご質問につきましては、次回の改定で「翼の友IFR」の最低気象条件のパートに問題として収録させて頂こうかと考えております。
引き続き、みなさまからのご質問、ご要望お待ちしております。
よろしく、お願いいたします。
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