ゆで卵

意味のないことを、永遠とだらだらだらだら書くブログ。

「不倫幸子のあみだくじ」

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秋になって、電車やバスの中で読む手軽な本として、
田辺聖子の「ジョゼと虎と魚たち」をチョイスした。
短編の小説集だ。

「ジョゼと虎と魚たち」は周知の通り、映画化されている。
私はそれをDVDで借りてみた。心に残る映画だったのと、
好きな描写だったのもあって、結構気に入っている映画だ。

そんなこともあって、古本屋でその本を見つけたとき
即買いした。本の表紙の写真も、とても気に入ったからだ。

一話読んで、すごく感動した。というのは、すごく
綺麗に日本語が使われていたからだ。

プロフィールを初めに読んでいたので、なるほど、と
思った。著書の中に「田辺聖子の小倉百人一首」と
あったからだ。また、国文科を卒業ともあったので、
文学に精通していらっしゃるのか、とも思った。

まだ映画で見た「ジョゼ・・」と他、二編の計三編しか
田辺さんの作品を読んでいないので、大きくはいえないが、
三話の中で共通する、日本語の美しさと、恋模様の美しさと
生々しい描写は、どこか、百人一首を読んだ時の雰囲気と
似ているかもと、思った。

日常生活の、ちょっとした思い事もあり、田辺さんの作品
にも影響され、少し、筆を取ってみた。

稚拙な文で、恥ずかしくもあるが、書くのは自由だと思い、
稚拙さ全開で、書いてみたのが「不倫幸子のあみだくじ」
だった。

本来、もう少し長文になるはずの予定でいたが、なにせ
処女小説だ。想像力が乏しかったため、途中でガス欠に
なってしまった。

で、田辺さん風に、一場面の描写をさらっと書く文体を
模倣してみた。もちろん、うまくいっていないことは
承知だ。さらに、全体的に読んでみて、まるっきり文章が
まとまっていないことに気がつき、著者自ら、「あらすじ」
を書くという、恥ずかしいことにもなってしまった。

そして今、こうして、くどくどと言い訳を垂れている。

ともかく、そうして、書いてみた初小説とまでは行かない
が、物語だ。何が言いたかったのかもよく分からないが、
女の宿命みたいなものをテーマに、醸し出せたら
この上ない喜びである。


                   
                      幸                  

あらすじ

終わらないあみだくじを引いた女の物語。

苦しみ

幸子は、もう、体の力が全て抜けてしまった。
気力でなんとか、体を支えている。
気力をなくしたとたん、体は崩れ落ち、
自然と台所の包丁を手にしている自分に気がつく。

幸子は6年間勤め上げた会社を辞めた。
冬のことだった。

夏に、愛していた不倫相手の斉藤に、
二人目の子供ができたと告げられてから、
ずっと、板ばさみになっていた。
斉藤のぬくもりと、そして、斉藤とは添い遂げられない未来に。

秋になり、体調を崩した幸子は、会社を休みがちになった。
斉藤とも、連絡を取らなくなった。
斉藤は、幸子の家の電話番号を知っていた。
いつも公衆電話からかけてくるのだが、
幸子は、それを取るのを止めた。

こんなに苦しくなるのなら、いっそ出会わなければよかった。
愛さなければよかったと、幸子は思う。

同時に、斉藤の肌のぬくもりと甘いささやき声が聞こえてくるのだ。

冬になり、会社で、軽い貧血を起こすようになった幸子は、
自律神経失調症になっていた。

病院へ通い、昼間、パートに勤めている母親の居ない自宅で、
ゆっくりと静養をしていた。

あまり、男を知らない幸子である。
一人目に二股をかけられ、二人目が不倫関係の付き合いと
なった。信じていた反面、不安をもっていた。
その不安が、現実のものとなって、幸子の前に立ちはだかった。
新しい命の誕生である。

経験の浅い幸子が取る手立ては、特になく
そのまま関係を続けるか、この機会に別れるか、
それくらいだった。

それらを、お互い話し合い、決める前に幸子の精神がもろくも崩れた。

22歳の春、爛々と瞳を輝かせて入社した幸子は、今、
目をよどませ、視線をさまよわせ、居もしない斉藤の影を、
追い続けている。。。。


                     幸


                   〜結〜

薬指

幸子の薬指には、指輪がはめられている。
28になる幸子だ。彼氏の一人や二人いてもおかしくない年齢だ。

でも、それは、周囲に悟られないための、幸子なりの一工夫だった。
彼がいる、そう言えばたいして周りから詮索されないからだ。
28歳になっても一人身で、彼もいないとなると、
なんだかんだと、会社でも親戚でもうるさく言われるのだ。
26歳あたりから、周りが世話を焼きだして、それを幸子は、
とても嫌がった。

たった一人の親友にだけ打ち明けている。
リングがカモフラージュであることを。

幸子は、さも幸せそうに、彼からのプレゼントだと、
指輪のことを聞かれたら、そう言っている。
たいてい、それで切り抜けられる。
「へ〜」
話好き者、幸子に気のある者、世話好き者、
たいてい、それで片が付く。

幸子は、夜寝る前にベットの上でその指輪を見ながら、
まるで蝉の抜け殻でも見ているような気分になる。

なぜなら、彼なんていないからだ。

いや、彼はいるが、妻子持ちで、不倫になってしまった。

幸子が大学を出て新卒で入社した時、世話を焼いてくれた5歳
年上の斉藤と、かれこれ5年付き合っている。

斉藤は33歳。まだまだ若い。

不倫相手としては、年齢が近すぎるほうだと、幸子は時々思う。
これが10くらい離れていたら、もう少し、落ち着いた
お付き合いができたのだろうが、歳が近いせいか、
ちょっとの寂しさ紛れのつもりの付き合いが、
つい、お互い本気になってしまったのだ。

斉藤は、賢くて、やさしく、責任感もあり、社内からも
評判がいい。22歳で会社に入社した幸子が、斉藤と出合った
とき、斉藤はすでに結婚7年目だった。学生の時いわゆる
できちゃった婚をした。当時付き合っていた彼女に、子供ができて
しまい、別れきれない斉藤は、潔く、結婚をした。もちろん、
最愛の女性でもあったからだ。それからの斉藤の人生は、
若い割りに、父親をし、大して遊ぶことも無く、家族のために
就職をし、真面目に働いてきた。
そんな斉藤にとって、おっとりとして、何をしても
少し人から遅れをとる幸子はかわいい妹のような存在だった。

幸子を気遣っているうちに、ふと、この子と一緒に過ごせたらと
思うのには、そう時間はかからなかった。

幸か不幸か、幸子の教育係となった斉藤と幸子は、なにかにつけて、
二人で会った。

ホテルへ行くことになるのも、そう、時間はかからなかった。

一人っ子で、両親が離婚していた幸子は、母親と二人暮らしを
していた。学生時代、一人の男とつきあったが、結局二股を
かけられ、逃げられた。

そんな幸子には、まじめで誠実そうな斉藤は、さわやかで、
好意的に写った。

会社での二人の秘密の合図のやりとりも、幸子には、
楽しいものだった。

見た目は地味な幸子だが、結構性格は明るく、自由奔放だった。
遊び感覚の抜けないまま、大人になったような夢見がちな女だった。

そんな幸子も28。5年間の異性との付き合いに、もうそろそろ
「結婚」という欲望も渦巻いてきた。

そんな時、二人目の子供が斉藤にできたのだ。

「男ってわからない。」そう幸子は思った。

その辺りからだった、幸子がおかしな行動を取り出したのは。

夏に楽しく二人で海へ行き、馴れない魚釣りを斉藤に教えてもらいながら、
幸子が幸せに浸っていると、ぽつりと遠い海を見つめながら、
斉藤が「二人目、できたんだ」と言った。

ここ二、三年の平穏な不倫関係に幸せを感じていた幸子は、
このままずっと、斉藤と居られるのではないかと思っていた。
あわよくば、離婚なんてことにもなるかもしれない。
斉藤は、自分に夢中だ、そう、幸子は考えていた。

その矢先の出来事だった。

幸子は、出口の無い、迷路にもう深く深く、迷い込んで
しまっている自分に、ようやく気が付いた。


                       幸

七輪で、

魚を焼いた。

煙が空に溶けていく。

秋刀魚はいい彩りで、焼けていく。

あなたへの愛も、七輪の燃料に燃やしてしまおうか。

秋の10月、ふとそう思った。


   幸

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