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地理・交通系お気楽ブログ(仮)
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熊本空港アクセス鉄道

12月というのに20度を超えた日から一転、急に気温が一桁台にまで下がり、ついに冬到来といった今日この頃ですが・・・ 
熊本ではこのようなニュースが飛び込んできました。

※鉄道延伸が期待される熊本空港。もうすぐターミナルビルは改築工事に入ります。
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熊日新聞
熊本空港へJR延伸 知事表明、豊肥線・三里木駅から分岐

産経新聞
熊本空港へ鉄道延伸構想 県、JR九州に提案へ

RKK熊本放送
JR三里木駅から空港アクセス 県が方針示す 

NHK熊本放送局
空港アクセス鉄道延伸を軸に検討


12月5日の県議会において、熊本空港(阿蘇くまもと空港)へのアクセス鉄道についての具体的な方針案が県知事より示されました。
旧来の「健軍飛行場」から高遊原の現在地へ熊本空港が移転したのは1971年。それ以来、空港への交通アクセスの悪さは常に付き纏ってきた議題だったのですが、その解決に向けて一歩前進したことになります。

この鉄道計画、これまで何度も構想が浮上しては消えての繰り返しになっていたのですが、ここ数年インバウンド客を中心とした熊本空港利用者の増加や、空港事業の民営化、新ターミナルの建設など、熊本空港を取り巻く環境が大きく好転していることから、改めて空港アクセス鉄道の可能性が探られることとなり、昨年、県は空港アクセス鉄道に対しての調査研究をリスタートさせました。

その結果、熊本市街地と熊本空港を結ぶ鉄軌道構想のたたき台として「市電延伸」「モノレールの新設」「JR豊肥本線からの分岐新線」の3つの案が比較検討され、“定時性、速達性、および大量輸送性に優れ、事業費を相対的に低く抑えることができ、あわせて採算が見込める” “最も効果的かつ、より早期に実現できる可能性が高い”という点を踏まえ、豊肥本線・三里木駅からの鉄道分岐を軸に計画を進めていくことになったのでした。
建設費的には市電延伸(軌道線規格での新路線建設)が一番安上がりなのですが、輸送力の小ささや速度の遅さ(特に道路上を走る既設の併用軌道区間)がネックであることは明らかですし、モノレールもシステムをゼロから構築しないといけないことから他の2案と比べても事業費が一桁嵩張ってしまうので、確かに費用対効果という点ではJR分岐案が一番理にかなってる気がします。

※空港鉄道の分岐予定駅としてクローズアップされた三里木駅(菊池郡菊陽町津久礼)。
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また、熊本市東区小山にある熊本県民総合運動公園へのアクセス改善が図れることもJR分岐案を選択した理由となっています。
この公園内には屋内運動場の「パークドーム」や、とうとうJ3に降格してしまったロアッソ熊本のホームスタジアムである「KKウイング」(ネーミングライツにより現在は「えがお健康スタジアム」名義)も立地しています。ここではサッカーに限らず稀にコンサートやラグビー等の国際試合も行われたりするのですが、豊肥線の最寄駅(光の森駅)から微妙に離れていたり、空港にも比較的近い割には直行するバス路線が設定されていないなど、こちらも以前よりアクセスの悪さを指摘されていました。

空港アクセス鉄道の予定ルート上に運動公園も立地していることから、ここに駅を設置することで熊本駅や空港からの交通アクセスを抜本的に改善することができるほか、これまで交通の便の悪さから敬遠されていた各種イベントの誘致にも力を入れることができますね。

※パークドームとえがおスタの間の歩道橋から南方向を望む。このあたりに駅ができる?
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予定ルートは三里木から運動公園を経て空港までの約9.8km、という大雑把なことしかわかっていませんが、個人的な想像では三里木を出て、イオン・サンリー菊陽店の敷地付近を抜け、そのまま河岸段丘上から白川を一気に跨いで運動公園東側の熊本木材工業団地あたりを通りパークドームへ到達、そこからは戸島方面まで南下して90度向きを変えて市営桃尾墓園の南側を通ってテクノリサーチパーク〜空港方面へ向かうか、もしくはパークドームからすぐに向きを変えて国体道路東西線もしくは第一空港線に沿って菊陽町道明地区あたりから空港へ至る・・・という感じになるのではないかと思います。
豊肥線から運動公園へ向かうのなら光の森駅からの分岐がよさそうにも思えますが、三里木分岐のほうが土地買収がしやすいのかもしれません。あと、土地の高低差を考えると空港駅は地下に設置されるかもしれませんが(熊本初の地下駅?)、仮にそうなると建設・完成までに時間がかかってしまいそうですね。

しかしながら、鉄道が建設されることによって東区の小山や戸島、菊陽町南部(旧菊池郡白水村エリア)など、現在見渡す限りの畑や平原が広がっている一帯も大規模な住宅・商業開発が進められるかもしれませんね。運動公園以外にも駅が複数設置される可能性も無きにしも非ず。

※三里木駅から肥後大津方面を望む。運動公園・空港へは右手に分岐することになります。
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構想では熊本県を中心とした第3セクター会社を設立して施設を整備・建設し、列車の運行は乗り入れ先のJR九州に委託する上下分離方式になるとされています。空港鉄道の事業費は300億円〜400億円になると想定されていて、国からの補助金を基本に不足分は県費から、さらに相乗効果が見込めるという前提でJR九州にもある程度の負担を求めるようです。

JR九州からすれば降って湧いたかのような話でしょうし、いきなり建設費の一部を出してくれと言われても二つ返事はできないでしょうが、そのJR九州社長は記者会見で「協力要請があれば真摯に受け止め、対応したい」と前向き(?)に語られています。豊肥本線の熊本都市圏エリアは地方都市のローカル線としてはかなりの伸び率を誇る優良区間なのですが、これに空港アクセスやイベント需要が上乗せされるのならJR九州的にも悪い話ではないですしね。
他方、空港へのアクセスが改善されることで大阪へ向かう新幹線と航空との競合(現在、熊本〜京阪神間は航空よりも新幹線のほうがシェアが高くなっています)が激化することが予想されますが、直接的な影響を受けるJR西日本とは違い、良くも悪くも博多までの自社区間しか興味のないJR九州はそこまで気にかけないかもしれません。

むしろ熊本駅前を中心とした“新都心”づくりを目指しているJR九州からすれば、熊本駅の拠点性がますますアップすることに繋がるので、空港アクセスの改善は喜ばしいことではないかと思います。
逆に言えば上通や下通といった既存繁華街側からすれば、アクセス鉄道が街中を通らずに空港から熊本駅まで直行してしまうのは、少なからず人の流れに変化を及ぼすことになりかねず、駅ビルに次いで繁華街の地位を脅かす懸念材料のひとつになりそうです。

※解体進む旧熊本駅舎。写真撮影の時点で駅舎の半分以上が消滅していました。
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ちなみに、アクセス鉄道完成後は熊本駅から熊本空港まで40分程度で結ばれることになるそうです。せっかくならもう少しスピードアップして所要30分くらいまで短縮できればなお良いんですけどね。「空港快速」みたいな種別ができたりすればおもしろいかもですね。


まぁ、ここまで話を膨らませておいてなんですが、熊本空港アクセス鉄道はまだまだ検討の段階に過ぎない話であり、具体的な完成年度もまだ不明です。
ただ、熊本県知事はこの議題についてかなり積極的に話を推し進めているようですし(だからこそ地元メディアはどこもトップレベルでこのニュースを伝えています)、予算配分や運営方式などを含め結構具体的な点まで踏み込んだ内容になっていますので、それこそJRとの調整がつき、かつ予算さえつけばあとは展開が早く進みそう気がしますが・・・
果たして、今後どうなりますやら。


※三里木駅から熊本駅方面を望む。もし空港鉄道が開通したらこの風景は激変するかも。
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  • 菊陽南部、えがおスタジアム、パークドーム付近にホテルやスーパーや住宅地を建てられるように、規制を緩和したら、空港アクセス鉄道利用者が増え、良い事だけです。

    [ las*y15** ]

    2019/6/8(土) 午前 10:34

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    > las*y15**様
    コメントいただきましてありがとうございます。
    確かに空港連絡鉄道が開通して市街化調整区域を一部解除するようであれば小山、戸島、益城、菊陽南部方面を中心に大きく発展しそうな気がします。

    都市高速構想などをはじめ、最新の熊本都市圏開発ネタも取り上げていきたいのですが、実際にアップするのはYahooブログから新サービスへ移行した後になりそうです。

    [ MILDCHILDZZZ ]

    2019/6/24(月) 午後 11:07

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