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法律脳
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・ひとへに風の前の塵に同じ。

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            『おいしいごはん』

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「荻野さん、おいしいごはんって、知っているかい?」



コメ専業農家のおじさん、私に突然こんなことを聞いてきた。



「おいしい米?」

「よい水?」

「上手な炊き方?」

「よい炊飯器?」



思いつくことをいろいろと言ってみる。



そんな私を農家のおじさん、にこにこしながら見ています。



   ◆◆◆ ◇◇◇ ◆◆◆ ◇◇◇ ◆◆◆



「俺もよくわからないけど、ご飯を一度に多く炊くことだよ。

 同じコメを炊いていても、量が少ないと、どうしても美味し

くないんだよな」



おじさんによると、いくらよい米、よい水、よい炊飯器を使って

も、最後の最後おいしいご飯にたどりつけないのだそうである。



これは、おじさんの経験則での話。

だから、数字的な実証や、理論的には説明はできないそうだ。



   ◆◆◆ ◇◇◇ ◆◆◆ ◇◇◇ ◆◆◆



でも、このおじさん、ただの農家ではない。



とにかく勉強熱心だ。



農作業が手すきになる冬場は様々な文献を読みあさる。

机上には、英語の文献にまで置いてある。

(ちょっと中をめくってみたが、ちんぷんかんぷんだった)



また、暇をみつけては、東京大学での農業に関する講義にも顔を

出し、聴講しているらしい。



オフはオフで、ときおりご自宅でどんちゃん騒ぎ。

その宴には、大手新聞記者や国立大学の先生などちょっとした

知識人たちが集まって、夜通し遊んでいる。



もちろん、本業のコメ作りでも真剣。

試行錯誤を繰り返しながら、おいしいお米づくりに取り組み、

更には、コメの消費アップにつながればと、米粉をつかった

ケーキも作ったしている。

(ここで初めて、米粉のケーキを食べました)



挙げだしたら切りがない。



   ◆◆◆ ◇◇◇ ◆◆◆ ◇◇◇ ◆◆◆



「お金を出すだけでは、おいしいごはんは、手に入れられないよ」



おじさんは、私にこう言いたかったに違いない。

単なる米の話ではなかったような気がする。



もししたら、核家族化が進み、共同体が崩壊した現代日本に対する

皮肉だったのであろうか。



「赤いちゃんちゃんこの年ですね」



こう話しかければ、イヤ顔するおじさん。

20代半ばから10年間は、頭でっかちで農業に取り組み、大失敗

を繰り返し、今の姿になったという。



そんなおじさんに、最後おいしい米作りの秘訣を聞いてみた。



「自分の農地の土を知ることだね」



おじさんは、埼玉県外の方。

気軽に顔を出せないのが残念であるが、今日も来年に備えて、

きっと知識の設備投資をしているに違いない。

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“共同出願について”



 発明は単独で又は一企業のみで進めることが多いが他人又は他の企業と一緒に進める場合もあります。この結果、共同で出願することになる場合が多いと思いますが、この共同開発や共同出願については数多くの注意点があります。



 まず、個人や比較的小企業の場合、開発についての智識を有している知人や親企業の開発担当の方に自己の発明を開示する(自慢も含みます)ことがよくあります。この場合、他人があくまで善意の人であった場合には問題はなく、かえって他人の知恵を借りることによってよりよい発明となる場合もあり歓迎すべきことですが、ここに大きな問題点があります。

 開発者が特許等について明るくない場合や開発者が善人である場合によりあることですが、本人の知らない間に第三者が出願をしてしまう場合があります。特に親企業の下請担当者の中には下請会社の発明を聞いて下請会社に内緒で出願をしてしまい、後に下請会社がその発明に関する商品を製作した場合には、逆に特許侵害などと言って安価にその商品を親企業に納入させるような悪意のある行動が発生する場合があります。



 勿論、以上のことは真に怪しからんなことですが、出願されてしまうとこの出願が冒認(本来的には認められない行為)によるものであることを立証しなければならず、実際上、かなりやっかいなものとなります。以上のことを防ぐには、他人や親企業に一切相談しないか又は秘密契約書を取り交す等の防御手段が必要ですが、やはり共同開発を必要とする場合があります。



 通常、共同開発を数人又は数社で行う場合、数人の場合は共同開発に関する契約書を交すことにより大きな問題が生ずることは少ないと思いますが、数社で開発する場合、特に大きな企業と共同開発する場合には共同出願がダメになるケースがあります。

 即ち、数社(2社でも同じ)の場合、開発担当としては特許部の人達ではなく開発担当の人々との間で開発業務が進められますが、共同出願の時点では特許部を無視できません。

 特許部と開発担当との間でコンセンサスが十分にとれている場合は問題発生は少ないと思いますが、共同出願の時点で特許部がからんで来ると大体がダメになる傾向が強いと私は経験しております。最終的には共同出願は社長印が必要となり、大企業では社長印を戴くには多くの手続が必要となり、その業務は特許部が行うことが通例です。

 よって、開発担当の間で共同出願が進んでいても特許部の関与によりダメになる場合もあり、最悪にはその開発発明を基として親企業側が単独出願をしてしまう問題点も生じます。


 以上のことを防止するには共同出願をするための色々のトラブルを開発作業と共にキチンとまとめて業務を進めることが必要です。特に、専門家の関与しない自己又は自社出願の場合は注意が必要です。



 共同出願が問題なく成立した場合においても多くの問題点があります。特許法では共同出願に関する色々の規定を設けておりますが、幾つかの必要事項を次に書いてみます。



 まず、共同出願をした場合、共同出願人はその出願の内容についての製造販売は他の共同出願人の許可がなくても勝手にできます。従って、共同出願人の製造販売の力に差がある場合、力のある共同出願人が大規模な販売をして他の共同出願人の出番がなくなるような現象が発生したとしても何等の文句は言えません。そのためには共同出願人の選定も大切ですが、お互いの間で業務協定的なものを作ってこのトラブルが生じないようにすることが大切です。



 また、共同出願の場合、このために得る利益についての分配(持分と言います)は均一であり、この権利を他人にライセンスさせた場合の礼金等についての分配は均一となります。この均一が問題がある場合には登録時において持分の比率を明確にして特許庁へ登録しておくことが必要です。



 また、共同出願人はその権利取得や継続やライセンス等に関しての費用は原則として均一のものからなります。これについても当事者間での契約があれば別になります。



 また、共同出願人は他の共同出願人の許しがなければ他人に実施権を設定したり、権利放棄や売却したりすることは全て禁止されております。



 なお、出願審査請求や登録料の納付等については単独で出来ますので、この場合も金銭の持分については明確にしておくことが必要でしよう。



 また、共同出願人がその発明を基にして他の発明をする場合がありますが、少なくとも利用発明については共同出願人の間でその処置について諒解を得るように取り決め等を作成することも必要でしよう。



 いずれにせよ、共同出願をする場合は、専門家に予め相談し、将来の問題点発生を防止することが必要と思います。



 また、最近はオンライン出願のため、自社出願の場合は共同出願人の1人がオンライン手続をすることになります。そのため、他の共同出願人は後に共同出願人であることを特許庁に申し出る必要があり、このための書類のオンライン化に多少の費用がかかることを承知しておく必要があります。



 また、出願人を後に追加することは勿論可能ですが、この場合は、単独出願人の持分が減ることになりますのでこの点を十分に理解した上で追加を行うようにすることが必要でしよう。

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