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「罪と罰」 要旨

「罪と罰」粗筋 ドストエフスキー(1821~1881)
 
 主人公のラスコリーニコフは優れた才能と恵まれた環境のもとで暮らす大学生。ところが、父親が急逝して生活が一変する。大学を中退。毎日の食事にも事欠き、下宿代も滞るほどで、落ち込んでいた。そんな惨めさにいらいらし、腹立たしい気分の毎日だった。世間のあくどい商売で金儲けしたり、偉そうな人間が享楽にふけっている風潮に憤懣を憶えるようになる。

 たまたま、時々利用している質屋に意地の悪い老婆の主人がいて、知能障害者の妹をこき使い、莫臣大な財産を造っていた。しかも、自分のあの世行きのために、と妹には何も遣らず、大金を修道院に寄付しようとしている。彼は、「こんな人間が長生きするから、善良な貧しい人たちが苦しむ結果になる。彼女はシラミだ」と考える。こんな吸血鬼のような奴は人類のためにもほっておけぬ。そんな思いが次第につのり老婆殺しの計画を考える。しかし、一時は夢遊病者のように心身ともに疲れ果てて、「あの忌まわしい空想は棄てます」と、祈ったこともあった。だが、あの迷いは消えていなかった。

 ある日、彼女を訪れると、隠し持った斧で白髪の頭を一撃。その時彼は、自分こそ神様がなすべきことを代わってしたのだ、と思った。だが、その後次第に苦しみがつのってくる。そして、自分こそ「シラミ」で、世の中の一番嫌らしい人間、という思いに責め悩まされるようになる。とうとう罪を告白してシベリヤ流刑に服することになった。獄中では初めて魂の自由を覚えて、聖書を読みふけった。
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「ペスト」 作者 アルベール・カミユ(仏 小説家 1913ー1960) 小説「異邦人」は有名
 アフリカ、アルジェリアの都市に突如ペストが発生して猛威をふるう。市当局は全力をあげてこれをくい止めようとするが、容易に収まらない。ところが、人々が疲れ果て、憔悴しきったころ、突然ペストは下火になって去っていく。  そんな状況の中で、一人の神父が登場してこう云う場面がある。
 
 一生懸命に病人の治療と予防活動に尽力しているある医師に、「あなたも人類のたイメージ 1めに働いておられるのだ」。懐疑論を抱いていたその医師の応え。
 「いえ、そのお言葉は正確ではありません。救いなんか私には縁遠い話です。私は何より人の健康のために働いているだけです」。 興味深い言葉のやりとりです。
 
 この医師の言葉には正しさもある。もし、人が「救い」を現実問題とあまり関係ないものにしてしまって、人の病気や不幸を外から見るだけのものにしているなら、医師の答えは痛烈な皮肉ときこえるだろう。人は誰でも目に見える人の支えや助けが必要だから。しかし、他方もし彼がペストの治療と予防だけに熱中しているなら、彼も人間を全体的に捉えていないし、自分自身まだ暗がりの中にいることになるだろう。
 
  人の健康は心と体両方に関わることだし、更に人の健康は社会全体とのかかわりを持っているからである。

「夜だかの星」

 宮沢賢治作 「夜だかの星」
 
 「よだか」は「鷹」という名がついているが、雀の仲間の不格好な鳥である。
かぶと虫や羽虫を食べて生きねばならぬが、自分も鷹に殺される運命である。
そんな殺し合いの修羅の世界に絶望した「よだか」は、何度も空の星の処へ昇って行こうとするが、その都度希望を砕かれる。ある時、ついに最後の力を振り絞って空を目指して駆けのぼる。
寒さは剣のように体を裂き、羽根はすっかりしびれてしまう。もう一度、目をあげて空を見た。
それが最後だった。やがて、燐の火のように青い美しい光になって、
「よだか」イメージ 1イメージ 2の星は燃え続けていた。終わり
 
 宮沢憲治さんはこんな詩も書いている。
・・・・世界はまだ夜である。
   湿気と風が寂しく入り混じる修羅の夜である。
   そこには業の花びらが一杯咲いている。
   だが、夜は必ず明けるはずだ。 数億という巨匠が並んで生まれてきて、
   しかも互いに犯さない理想の世界は必ずやってくる。だが、
   その世界は遠く遠く はてしない。
   そこでは夜通し目を赤く燃やした鷺が、冷たい沼に立ちつくすのだろうか・・・・ 

夕 鶴

イメージ 2「夕 鶴」 木下順二作イメージ 1
 
 「与ひょう」という名の猟師がいた。ある日狩りに出た時、羽に傷を負って動けない鶴を見つける。憐れに思って彼はその鶴を連れ帰って介抱し傷を癒して放ってやる。その親切に報われたか、やがて与ひょうは美しい容姿と優しい心の女性「つう」に出会い、彼女を妻に迎える。二人は質素で幸せなくらしを楽しんでいた。
 
 ある日、「つう」は一枚の大喪美しい織物を織りあげた。与ひょうはその素晴らしさに驚き、早速それを街に持って行って金にかえる。ところが、彼は欲に目がくらんで「つう」に何度も織物を織らせ、彼女はやむなくその願いを聴いてやる。だが、不思議なことに織物を織る度に体が痩せていく。それに、彼女は織り小屋に入ると夫にも中を覗かせなかった。
 
 ある日、「もうこれ以上織れません」と言うつうが、懇願に負けて織り小屋に入る。与ひょうは好奇心をおさえきれず、つい約束を破って小屋を覗く。驚いたことに、織機の前に座っているのは自分の体から羽根を引き抜いては織機に」かけている一羽の鶴、美しい織物はその鶴の体から引き抜かれた羽根で織られていたのだ。
 その姿を見られたと知った鶴は、とっさに身を翻して空高く飛びさってしまいました。
イメージ 3

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