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組織的犯罪処罰法が団体の行為を罰する理由・必要性について、http://iwakur652.blog54.fc2.com/blog-entry-38.html【詐欺A】</a>は、地裁判断と比較して高裁判断を述べている。
地裁は、法制定には背景があり法適用にはその背景をも考慮する必要があるという立場であり、高裁は制定された条文の文理解釈をすれば足りるというものであると考えられる。要するに、ある行為が地裁判断では犯罪であり、同一行為が高裁判断では犯罪ではないということになるのである。
これは、憲法が要請する罪刑法定主義に反する。
一般市民が何が犯罪で何が犯罪ではないのかという識別が不可能な法律で、市民に罰を科すことはできない。かかる不完全な法律によって市民を罰した裁判所は、委ねられていない職権を発動したのであり、職権濫用の罪に該当する。
又、2005年の国会で、「共謀罪は、犯罪を目的とする団体を罰する法律である」旨の答弁をしていた。しかし、適用の現場で「団体とは何か」で意見の統一が取れていないのであるから、そのことを明瞭にするのは立法の責任である。共謀罪法の審議をする前提が整っていないのである。
原判決は、組織的犯罪処罰法が、「団体」の定義に組織性による制約を加えたのは、組織により活動を行う継続的結合体は、組織性を有していないものと比べ、継続性や計画性が強く、その構成員に対する関係では、共同目的による統制に加えて、組織の指揮命令関係による強い内部統制を及ぼすことができることなどから、犯罪の実行に及んだ場合にはその目的の実現性が高く、重大な被害やばく大な不正の利益を生ずる蓋然性が高く、違法性が高いからであり、組織的犯罪処罰法は、そのような組織的な犯罪について刑の加重等を行おうとするものであり、主として宗教団体や暴力団及び会社ぐるみの悪徳商法事案において、上位の者の指揮命令に基づき、下位の者が役割分担に従って詐欺や恐喝を行う場合を念頭におき、従来の詐欺、恐喝罪では適切な科刑がなされない場合のあることを考慮して立法化されたものであるとした。
原判決が厳密な意味で団体性の要件として宗教団体や暴力団のような強い内部統制を必要と解しているかどうかは、団体性自体を否定せずに、団体性が希薄であるという表現をしている点からして、必ずしも明らかではないが、前述のように、宗教団体や暴力団等に見られる組織の指揮命令関係による強い内部統制を及ぼすことができていた団体というには疑問があり、同法が予定する団体とは著しく異なっているとしているから、この点を特に重視していることは明らかである。
しかしながら、この点に関する原判決の説示は、組織的犯罪処罰法の立法の主要な根拠を参考としたものであろうが、いうまでもなく、内部統制の強さは、刑加重の要件ではなく、加重の立法根拠にすぎないのであり、組織性の要件、すなわち、「指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務に従って構成員が一体として行動する人の結合体」に該当すれば、偶々、内部統制が強くない団体であっても、同法の規制対象となるのであり、内部統制の強弱は、単なる犯情の差にすぎないのであって、これを適用要件にからめて判断するのは相当でない。このことは、いわゆる悪徳商法を会社ぐるみで行う場合などを想定すれば、法が予定している組織的犯罪の典型のような場合であっても、必ずしも団体に強い内部統制が加えられているとは限らないことからも明らかである。組織的な犯罪の遂行にとって必要とはいい難い人間関係の強度の結びつきまで要求する根拠は乏しく、その説示は容易には首肯することができず、むしろその立法趣旨からすれば、団体の構成員の結び付きは、組織的な犯罪を行うという共同の目的にそった合理的なもので足りるはずであり、まさに、同法が明記する組織性に関する前記要件がそのことを立法的に表現しているのである。
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