色々諸々

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人間様であれ貨物であれ、
他人様や他人様の荷物を乗せる仕事をする車には、
緑地に白文字のナンバープレートが交付されます。

バスやタクシー、トラックなどの営業用ナンバーですね。


この緑ナンバー車両を有する運送事業。

かつてはどの業種も需給調整規制を前提とした免許制が敷かれ、
容易に参入する事が出来ませんでした。

なにしろ自分の敷地でなく皆が使う公道での生業。

需給調整というより、
安全とモラルを守るために新規参入を厳しく制限するのは当たり前、
といずれの業種に従事する人も思っていました。

「緑ナンバーに恥じない運転をしなければならない」
と。



ところがトラックは平成2年、他分野に先駆けて規制緩和を実施。

更に貸切バス事業については平成12年2月に、
乗合バス及びタクシー事業については14年2月に、
それぞれ免許制から許可制へ規制緩和がされました。


ものすごく乱暴な表現ですが運送事業は、
バス停などを設置しなければならない乗合バスを除き、
車両と車庫と管理者と運転者が居れば出来る商売。

運転者も経験者なら専門的な研修を施す事なく、
すぐ業務につけます。

製造業のようにハードソフトの両面で設備投資をして、
時間をかけて専門分野の人材を育成する必要もなし。



この規制緩和が施されてからというもの、
一気に参入業者が増えて一気に運賃が下落しました。

実入りが減れば従事者が減るのは当然の理で、
タクシードライバーに高齢な方が多いのもその結果のひとつ。

更には安全教育なぞ全く考えない業者も激増しました。


とりわけ参入が顕著なのが観光バスなどの貸切バス。

聞いたことも無いような社名の大型観光バスが、
乗客を乗せて乱暴な運転をするのを見る事が増えました。

こうした会社は低価格を売りにして、
ツアーバスと称するブラック長距離路線を運営する会社の一翼を担い、
安全管理や設備投資をしっかり行なっているがゆえ運賃が高い、
大手電鉄系の長距離バス路線を撤退に追い込んでゆきました。

それらがのさばった結果、
平成24年4月29日の関越道での不幸な事故が起きた、
といっても過言ではないと思います。



「構造改革」という美辞麗句に踊らされた挙句に料金のみならず、
業界の安全とモラルの崩壊も歯止めがかからなくなったのです。



さる土曜日に前途多望な多くの若い人が、
理不尽にもそういった業者の犠牲となる事故が発生しました。


報道によれば事故を起こしたバス会社では、

・雇い入れ時に義務付けられている健康診断や適性診断を受けさせず。

・年一回受診が義務付けられている健康診断は大半の乗務員が未受診。

・いつ、どこを走って、どこでどの位の休憩を取って、などの、
 出発から帰着までの経路と時間を記して乗務員に携行させる運行計画表は白紙。

・対面が義務付けられている出発前の点呼は社長が遅刻したという理由で未実施。

・点呼を記録する帳票は、すでに帰着した事を示す管理者の捺印がされている。

などの運送事業の体をなしていない管理の数々が明るみに出ています。


こうなると、監督官庁は何をやっているんだ、という声が挙がりますが、
事業者数に比して監査や指導にあたる官員が圧倒的に不足しており、
管理監督に手が回らない、というのが実情です。



社会へはばたく寸前の前途有為な数多の若者が前途を絶たれ。

まだ長い人生を過ごす親御さんは喪われし我が子の齢を毎年数え。


こんな理不尽な事故は二度とあって欲しくないと思いますが、
今回の事故惹起会社と同じような会社の車両は、
今、この時間も人や貨物を乗せて走っています。

このような無法業者を徹底的に監査して廃業に追い込み、
再び免許制にして新規参入を制限するなど、
行政と監督官庁が彼等の先人が為した業を改めない限り、
このイタチゴッコは終わらないことでしょう。


願わくば、
犠牲となった乗客の魂が安らかならんことと、
緑ナンバーを守る矜持を胸にハンドルを握る人たちの志が萎えない事を祈ります。
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南鮒
南鮒
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