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「地獄変−賽の河原―」〜鬼の居ぬ間に〜


1月26日 14:00 王子小劇場(1時間45分)

  鬼の居ぬ間に、なかなか縁があったようで初観劇して参りました。
  実は土日休みの予定だったんですがシフトの人手不足で土曜も出勤に〜
  日曜の夜は予定があったので、日曜のマチネだけ何か観ようと思い
  中野の某公演を観ようと思っていたら、日曜マチネが前売り完売!
  そこで何かないか?と探した所にこの好みなタイトルのこちらを発見
  おかげさまで、なかなか良い劇団さんに会えました。(怖いけどネ)
  昭和?かな戦後の農地改革が始まったころの陰鬱な世界が待っていました。

ネタバレしますので、未見の方は注意!(見に行けない方はどうぞ)


 STORY
 暗い中、赤ん坊の抱く女性。
 その赤ん坊を取り上げる手ぬぐいを被った女性(母親)
 取り返そうとする女性を制止する姉、母親は赤ん坊へ両手を伸ばし体重をかける。
                   ・
 畳の一点を熱心に拭いている女性(大家)スミ子。
 そこへ店子の学生が現れ、引っ越すと告げて出ていく・・・もう誰も居なくなる。
 幼馴染?の辰夫が現れ「こんな町外れの家に、こんな事があっては誰も住まない」
 ここを引きはらおうと言うと、絵本作家と編集者が現れこの部屋を借りたいという。
 反対するスミ子、しかし受け入れようとする辰夫。
 ここの事を記事にするんだろう?!そう言って反対するスミ子は
 ありもしない畳のシミをいつまでも拭きつづけるのでした。
                     ・
 2人のキミエ
 この借家に住む石間キミエと耕吉の夫婦。
 耕吉はキミエには誰とも交流しないように、家に居る事を強要する。
 キミエは情緒不安定らしく、人と交流すると何かのきっかけで人が変わってしまう。
 その為に、産まれた子供まで傷つけてしまったらしく、
 耕吉がどこかへ預けているらしい、つまりはリハビリの為に離れた此処へ来たらしい
 ある日、キミエ宛てに電報が届くが彼女は狼狽しながら丸めてしまう。
 ほどなくしてやってきた男、三瀬。
 彼はキミエの実の兄、彼女を家へ連れ戻そうと強引に迫ってくる。
 そこへ現れた耕吉、仕方なく落ち着いて話をする3人。
 キミエの実家は貧しい小作人の家、恐らくキミエは家計の犠牲になって
 体を売らされていた、そこで出会った耕吉と一緒に駆け落ちしたらしい
 兄は今は自分の農地を持っているから貧しい生活はさせないといいつつ
 大きな農家のへの縁談話を持ちかけてくる(=結局は兄の犠牲になる)
 とりあえず、兄は近くの宿に居ると帰っていく。
 身体を売っていた為なのか?キミエには人の信じやすさと猜疑心が
 狂気を伴い混在して共存しているのかもしれない・・・
 毎日、家の中にこもり子供の服を毛糸で編んでいるのだった。
                  ・
 そこへ空いている隣の家に引っ越してきたのが垣石夫婦。
 垣石君枝は虚ろな雰囲気で、人形を抱きながら人を避けている。
 実家の母親の体調も悪いのに、姉・良子が暫くの間と言って夫・匡史が留守の間
 君枝の面倒(様子)を見るために滞在をしているのだが、
 君枝はいつまでいるのか?と迷惑がって早く帰るよう促す。しかも姉は人殺しだと
 君枝と匡史にはかつて子供が居たのだが、先天的な病気なのか?
 医者にも見放されてしまったようだが、なんとかしようと匡史が言って出かけた後
 君枝は苦しむ子供を畳の上に寝かせると、両の手を乗せて体重をかけるのだった。
 それはかつて、待ち望んでいた自分の妹が生まれた際に母親が取った行動だった。
 (理由は、間引きか病気なのかは解らない)
 それ以来、彼女はずっと人を避けて子供の人形を抱く日々
 この状況をなんとかしようと実家を離れ、ここへ2人はやって来たのだった。
                   ・
 〜賽の河原〜親よりも早く亡くなった親不幸な子供が行きつく地獄。
 そこでは石を摘んでは、鬼に壊される事を永遠に繰り返す。
 (地蔵菩薩がその子供達を救済する役割を担っています。
  だから風車や子供前掛けをしているんですね〜)
                   ・
 ある日、君枝は近くの河原へ行き子供を迎えに行ったのか?(自殺?)
 熱で苦しんで床に伏せってしまう。(姉も自分が居ると思い出させると帰って行く)
 そこへ、壁を挟んで何か騒動を感じたキミエが君枝一人の所へ訪ねていく
 同じ「キミエ」と言う名前と何かシンパシーを感じたのはキミエは久しぶりに
 人と話すことに喜び、君枝は彼女の話しを聞いて、毛糸の手編みまで教えてもらう。
 それから2人は見違えるように正確が前向きになり、お互いの夫も戸惑いながら喜ぶ
 そこで、キミエの夫がこれなら大丈夫と預けていた子供を連れてくると提案する。
 喜ぶキミエは君枝にその事を話すと、2人はやっぱり会う運命だったと言いだす。
 名前も一緒、そして子供が病気なのも一緒
 (キミエが離れていた理由を誤魔化す為にいっただけだと思うが)、
 そして生後6カ月と言う時期を聞いて、きっとその子は自分の子供の生まれ変わり、
 2人の子供なんだと喜びだす。
 それを見たキミエは急に気味悪がり、自分の家へ逃げ出すのだった。
                     ・
 激しい雨の日、子供を連れた耕吉を迎えに行ったキミエ達が帰ってくる。
 そこへ匡史が現れて、君枝が居なくなったと探しに現れる。
 居合わせた大家が言うには、キミエを尋ねたが留守だと知ると河原へ向かったという
 耕吉も含め、君枝を探しに出かけて子供と2人っきりになるキミエ
 そこへ突然現れたのが兄の三瀬、乱暴に子供を取り上げて実家へ帰る人質にするのか?
 追いつめられたキミエが包丁を突き出し、兄を追いだす事に成功する。
 興奮したまま子供を抱いていると、ガラスごしに君枝がやってきてドアをたたき出す。
 静かにドアの鍵(簡素なカンヌキ)をしめて息を潜めるキミエだったが
 子供が泣き出し「静かにして!」と小声で繰り返し子供の口を塞いでしまう・・・・
 ふと、自分の行動に気が付き子供を呆然と見降ろすキミエ
 そこへ振動で鍵が外れたのか?君枝がドアを空けてグッタリとした赤ん坊を取り上げる
 もう息が無いのか?まだ苦しんでいるのか?
 苦しむ子供を畳の上に寝かせて手をかける君枝・・・「これでいいのね母さん」とポツリ
 そこへ現れた、大家スミ子にはこの風景、救いのない世界を呆然と見つめるのでした。

  なかなか面白かったです。
  君枝がやってくるのが解っているんだけど、やっぱり怖い!
  兄が入ってくる時は平気だけど、君枝がドアを叩きはじめる時思わずビクッとして
  若干の鳥肌が立ちましたよ、賽の河原というと子供用の地獄って感じですが
  この2人は理由はともかく、子供を自らの手で彼岸に送ってしまった生き地獄ですね。
  君枝はもう一度子供を抱きたがっていたから、これで元にもどるか?
  やっぱり無理だよね、子供の頃に妹が目の前でされた事を覚えている限り
  条件が揃えば母親になってしまうんじゃないでしょうか?現世をさまよってますよ。
  キミエが君枝から逃げるための行動で、君枝と同じことをしてしまう当たりは
  上手いなぁと思いましたよ、連鎖的な所がね。
  もしかするとキミエもは子供達と同じ境遇なのが、女児故に生かされた存在かも?
  淡々と進む日常から、目に見えてゆっくりダメな雰囲気に行くのが良かった。
  役者さんの演技に差があったので、そこが良くなればもっといいですね。
  色々2人のキミエの行動原因を考察していますが、作者の描いた原因も知りたい気もする。
  知らないでこうやって考えるのも楽しいけど、人によってはは受けれがたい行動だしねー
  河童とか座敷わらしとか、文化人類学で行くと東北貧困から悲しい事情で産まれた
  妖怪じゃないかという説があります。
  菩薩の救いよりそんな裏設定の方が語られて欲しかったです。(絵本作家と学生さんで)
  京極夏彦の「姑鶴鳥の夏」を読んでいるからか既視感がありました。
  別の妖怪だと予想外の展開になりそうで楽しみ、次は「木々連」だそうです。
  夢枕獏とか阿刀田さんも同じ題材で見た記憶あるので、それを超える展開を期待してます。

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