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今日が勝負の日―――
この日のために新しい浴衣も買ったし、美容院にも行って、可愛いアクセも見つけて、準備万端―――
あとは…彼がOKという返事をくれるだけ…
今日7月4日は独立記念日。隣町にある横須賀米軍キャンプにて花火大会がある。今日、片思い中のクラスメート、勝也に告白しようって決めたんだ。
やっとの思いでメアドを聞き出して、しばらくメール交換をして、花火大会の誘いをした。超恥ずかしかったけど、OKもらえて、めちゃくちゃ嬉しかった。これはもう、告白するしかないと思った。
待ち合わせは駅前に夜7時。私はちょっと早く着いてしまい、とりあえず不備は無いか、全身をチェックしだした。
「おまたせっ」
その声が聞こえた時、私は心の中で『キタッ!!』と叫んだ。
だが、その声の先を見ると、私のテンションは一気に崩れ落ちた。
「なんかこいつも行きたかったみたいでさ。一緒でも別にいいよな?」
勝也の隣には、無駄に笑顔をひっつらねた、同じくクラスメイトの辰也がいた。
こんなとろまで一緒に連れてきて…「一緒は嫌」なんて言えるわけないだろ…!!!
とりあえず私たちはキャンプ入り口での荷物検査を終わらせ、中へと入っていった。
勝也と辰也は仲がいい。某漫画の双子の野球少年にちなんで、周りからはたっちゃんとかっちゃんなんて呼ばれたりする。明らかに一人は漢字が間違っているが。
私は想定していた甘いものと現実との差で萎えてたというのもあり、あまりエンジョイできずにいた。加えて、異常に仲の良い勝也と辰也は二人でくっちゃべっていて、どうしていいのかわからなかった。
「なーなー、アメリカが独立したのって、結局何年なんだっけ?」と、勝也。
「さぁ…1600年代とかじゃねーの?」辰也が言った。
おバカ。
「アメリカが独立したのは1776年だよ。君たち来年は受験なんだから、ちゃんと覚えときなさいっ」
「へぇー…、お前すげぇな。もしや優等生?」
「うるさいっ」
それから三人で色々と出店を見回ったが、私は浴衣で着たことを後悔した。歩きにくいし、食べにくい。それに加えて、暑い!家を出る前にシャワーを浴びたのに、私はまた汗をかいてしまった。
「ほら、お前のレモネード、持っててやるよ。」
そう辰也が突然言ったので、私はビックリしてしまった。確かに持ちにくかったから、お願いした。でも辰也が意外と気が利くなんて、正直意外だった。
これを勝也が言ってくれたらもっとロマンチックだったのに―――(泣)
私たちは早くに場所取りをして、そこに座ってのんびりカキ氷を食べた。
「そろそろ始まるころだな。」辰也が腕時計を見て言った。
それから5分くらいたった時、一発目の花火が上がった。赤と緑の大きくて派手な一発で、その瞬間、私の胸は大きく踊った。
「わぁ…奇麗…」
何発も何発もひっきりなしに上がっていって、瞬きをする暇もないくらいだった。さっきまであったモヤモヤも、一気に吹っ飛んでしまった。
100発くらい上がったころだろうか。私は、ふと勝也のほうを見た。子供みたいに喜ぶまぶしい笑顔―――余計なオマケはついてきたものの、やっぱり一緒にこれてよかった。
告白は…できるかわからない。
その時、突然辰也がこっちを見た。私はあわてて夜空の花火へと目線を戻した。
―――しまった…!よりによって、とんでもない奴に見られてしまった…!!
後で何か言われるかもしれない。からかわれるかもしれない。はたまた、勝也にちくられるかもしれない…!!
半べそになりながら、いつの間にか花火は終わっていた。
「さってと…俺はちょっと便所にでも行ってくるかな。ちょっとお二人さん、待っててもらえる?」と言って、辰也がさっさとその場を離れた。
ふぅ、やっと邪魔者が消えて二人っきりになれたぜぃ。
…って、オィ!これってもしかして、絶好のシチュエーションなんじゃないの?!そういえばさっき、辰也がその場を離れる時に私にウィンクしたような…その時はうぇぇキモいとしか思わなかったけど、あれは「告白しろよ」の合図だったのか!!!
「か、勝也くん…」 やばい、声が上ずった。
「ん?」
「…………は!花火!奇麗だったねぇ!!」
「そうだねぇ。毎年のことながら、いつもすごいと思うよ。」
「はは…」
それから、辰也が帰ってくるまでの20分間、何を話したのかなんて覚えていない。ただ覚えてるのは、告白できなかったということだけ。
「おまたせー。わりぃわりぃ、トイレ長蛇の列でさぁ。マジもらすかと思ったぜ。」
なんとも雰囲気ぶち壊しの辰也さんのお言葉。でも告白できなかったという事実だけで、私は既に萎えていた。
「じゃ、そろそろ帰りましょうか。」
駅へと向かい、私たち三人は電車に乗り込んだ。たわいも無いことを話しながら、夜はどんどん終わりに近づいていく。
「あ、私、次で降りるね。」
「俺ら送っていかなくて、本当に大丈夫なの?」
「うん、うち、駅から歩いて2分だから。」
電車の速度がどんどんと落ちていく。もうすぐでお別れなんだ。でも、私にはもう何かを言う気力も残されていなかった。
「じゃあ、今日はありがとう。楽しかったよ」
ドアが開く瞬間に、私は二人にそう言って後ろを向いた。慣れない下駄でホームに降りると、辰也に声をかけられた。
「理沙ちゃん理沙ちゃんっ、理沙ちゃんの浴衣姿、めっちゃ似合ってたよ!」
突然辰也がそんなこと言うので、一瞬わけがわからなかった。
「なっ、勝也?」
わ!わ!わ!勝也に余計なこと聞くな!!
「…うん、可愛いよ」
そう勝也が言った瞬間、電車のドアが閉まった。手を振る勝也に、ガッツポーズにウィンクをする辰也。私はしばらくホームから離れることができなかった。
今日は頑張ってよかった。本当によかった。ものすごいにやけてたから回りの人から変な目で見られたけど、今夜の私はただただhappiestだったのでした。
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私は何気に辰也君のほうが気に入ったのですが…w
2007/7/7(土) 午後 5:33 [ zono ]
あれれ、辰也のほうがなんだか人気ねwでもいい人の辰也ではなく天然勝也を好きになってしまうところがまた若かりし頃のblind loveなのですよ!w
2007/7/7(土) 午後 6:13 [ min**ura76 ]