@Marine's

アメリカでの生活と、短編小説書いてます♪

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青葉の庭で

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君が「一人の女性」として見えるようになったのは、一体いつからだったんだろう。


高校二年、三年と同じクラスになり、「異性」というよりかは、「仲間」と彼女を呼ぶのが最適だったんだと思う。
昨日のテレビのこととか、マックの新しいバーガーが美味いだのなんだの、バカみたいな話やくだらない話が会話の主な内容だったと思うんだ。


高校から仲良かった他の仲間たちと共に地元の中堅大学に通い始め、数ヶ月が経った。僕は理工学部に進んだが、あまり勉強への情熱も起こすこともできず、ただ与えられたものだけをこなし、ただその日一日をなんとなく過ごし、バイトに励む日が続いた。

言ってしまえば「退屈な日々」。スリルも特にない生活が、心地よくもありうんざりもした。タバコも最近吸い始めた。

「なんだか…しっくりこないな。」何にしっくりなのかは置いといて、そんな独り言を小さなため息と共に漏らした。

ちろりんっ♪

メールがきた。きっと理工の奴らが暇で飲みでもやってんのかな。そんな気持ちで軽くのぞいたメールの送り主は、高校から仲の良かった彼女だった。彼女とは同じ大学だが学部が違い、ここ数ヶ月見かけていなかった気がした。

『やっほー♪最近どうしてんのー?この前キャンパスで見かけて手ぇ振ったんだけど、気づかなかったみたいだねー。今度一緒に飲みでも行こうよ♪』


乾いた平らな生活を日々送っていた僕にとって、彼女のメールは元気いっぱいであり、ほんの少しまた普通の人間に戻れた気がした。彼女の声は大きくて明るく、また話す時には表情をくるくると変え、そして抑揚があった。そんな彼女の送るメールもまた彼女自身だなぁと僕に思わせた。



久しぶりに昔の仲間と笑うのもいい。そう思って、僕は後日彼女と会う約束をした。



待ち合わせは午後5時にキャンパスの東門の前で。彼女に会うのは同じ大学に通っているとは思えないほど久しぶりだった気がした。またあのサバサバとした話し方で、こんな僕を笑い飛ばして欲しかった。


「ごめーんっ。今日締め切りのレポートが終わらなくてさぁ〜。もしかして結構待った?」

そう言ってひょこっと僕の左肩から出てきた彼女。

正直驚いた。数ヶ月会ってなかったにしろ、彼女は前会った時よりも高校の時よりもずっとおしゃれになっていて、化粧をするようになったみたいだ。大学生活の数ヶ月はここまであのサバサバとした僕の同級生を変えたのか。

「お、おう、久しぶり…じゃ、結構ハラも減ってきたし、今から店行っちまうか。」

「おっけぇーい♪私もお腹ぺこぺこだよぉー。」


あの頃から変わらないサバサバとした仕草。気兼ねなくバカみたいな話もできて、僕は久しぶりに心からたくさん笑った気がした。

でも正直なところ、そんな変わらない仕草で話す彼女に、どこか違った気持ちを覚えた。少しばかり胸のあたりが熱くなっていたのを僕は知っている。

彼女は変わった。中身がとかそういうんじゃなくって、もっと大人っぽくなって、もう「女性」なんだなぁと、僕は彼女を初めて「異性」として見た気がした。


それに比べて…僕はあの頃から何も変わっていない。新しい環境に来たものの、まるで高校生の「僕」とは変わりがない。
彼女を見て、どこか恥ずかしい気持ちが芽生えた。


―僕も、変われるかな。いや、変わらなきゃ。


それからというものの、僕は何事にも一生懸命やろうと頑張った。きっと自分を変えるには自分の気持ち次第なんだと思ったから。
彼女に追いつきたい。僕も変わったって思ってもらえるように、一人の「男」になって、そんでもって認めてもらえるような。


あれから僕たちはキャンパスの中央広場で週に一度ほど一緒に昼食を食べるようになり、色々とまたあの頃みたいに話をするようになった。

「お前さ…正直、結構変わったよな。なんつーか、大学生っぽくなったっていうか。」

「えー何それー。っぽい、じゃなくて大学生だってばっ」

「んー…まぁそう言われればそうなんだけど。」

「でもあなたも変わったと思うよ。久しぶりにキャンパスで見かけた時、あーなんか大学生、勉強してますーって感じしたもん。だから私も頑張らなきゃなって思ったんだよ?」


そんなことを彼女に思われてるなんて夢にも思わなかった。僕は彼女を見て恥ずかしいとまで思っていたのに。

「…私もさ、あなたと対等になりたいなぁって。それからダイエットもしたし、肌の管理には気をつけてるし。だってさ、好きな人には対等でいたいし、可愛いって思ってもらいたいじゃん?」

「え…」

びっくりして目を上げると、彼女は顔を赤らめて、僕に優しく微笑みかけた。

僕もつられて顔を赤くした。いや、きっとつられたんじゃない。きっと心の底から嬉しくて、僕の体を熱くさせたんだ。

「ずっと…ずっと好きだったんだよ。」

そうもう一度言う彼女の瞳をそらさず見つめて、僕も微笑んだ。

「俺も好きだよ。」


僕たちは優しく見つめ合いお互いに手を重ね、惹かれあうように唇を交わした。


外の緑は青く茂り、もう夏はすぐそこまできていた。

閉じる コメント(4)

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ひゃぁ〜〜〜〜〜!!!(*^_^*)

2007/2/25(日) 午前 8:06 [ zono ]

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うひゃひゃwめちゃハッピーエンドにしてみたよw

2007/2/25(日) 午前 8:17 [ min**ura76 ]

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さばさばした性格の女の子が好きな人に振り向いてもらうために女らしく自分を磨くってところが、いじらしくていいよね!

2007/2/26(月) 午前 4:19 [ kaw*s*ki5*200* ]

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強がってるけど、実は好き♡みたいなねwいじらしいっすwちなみにこの話はほぼ100%フィクション。写真は明治大学のキャンパスでございます。っつーか、話の内容季節外れw

2007/2/26(月) 午前 5:36 [ min**ura76 ]


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