第53回みなつき句会会員別投句集
1、祥 雲 詠
※ 詠題句
黒髪の乱れて怖や古雛
※ 雑詠句
小康の母を背負いて臘梅花
寅さんの口上聞こゆ春の土手
若草や手押し車の母の背な
蜆(しじみ)掻く鋤簾(じょれん)の音や湖しずか
以上 祥雲
2、伏魔人 詠
※ 詠題句
疎遠なる娘に似たる雛人形
※ 娘に嫌われている悲しい父親です。妻の飾る、机の上の小さなひな人形で、まだ親しかった日を回想しています。
※ 雑詠句
(兼題句の自句自解)私は抗がん剤治療を受けつつ、昨年10月金婚式、本年3月喜寿を迎えました。
昨年2月の十二指腸ガン手術に際し、医師は「余命3か月」と家族だけに告げ、本人には伝えなかったことを、
昨年十月の結婚50周年の日に、長女から妻へのメールを、妻が私に見せてくれたことで、分かりました。
以後毎週一度の抗がん剤点滴治療を受けつつ、本年3月喜寿を迎えました。
日新月歩の医療技術に信頼しつつ、今年も頑張ろうと考えています。
「みなつき句会」にも、出来得る限り参加したいので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 以上 計男
5、せいち 詠
※ 詠題句
お姉ちゃんにもうすぐなるよひな祭
※ 雑詠句
内裏雛には遠すぎる干菓子かな
春雨の音のやさしき坊泊り
春寒しギター鳴らしてやつの逝き
やはらかく空にほぐるる辛夷かな
★・少し霞でいますが、春の日差しです。 以上 せいち
6、康 祐 詠
※ 詠題句
ひな祭り神社の百段賑わえり
※ 雑詠句
散る桜昭和も遠くなりにけり
春うらら二重橋には外国人
先ず一献世界の花の咲く下で
花の道和服姿のパリジェンヌ
※ 日本人新横綱の登場と桜前線の北上に希望の湧く春です。暗いニュースは御免被りたい心境です。 以上 康祐。
7、半竹亭 詠
※ 詠題句
床の間の軸の内裏が妻の雛
※ 雑詠句
木蓮や寒風の中産毛だし
温床は一足先に春来たる
老夫婦頬被りして苗植うる
本堂に幕巡らして報恩講
8、海 詠
※ 詠題句
酒蔵の樽に小さな土の雛
※ 雑詠句
ぼたもちを手作り久々墓参り
歩くより走ってしまえ春一番
通勤の足止めさせて早桜
朝日浴ぶ猫の一家や藪椿
以上
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