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康祐さんより講評を戴きましたので配信します。
第32回【みなつき句会】 講評 2013年8月31日 康祐
今回は8名参加:投句総数36句でしたが、指定の5句の投句は厳守してほしいと思います。
また、選句投票の特選句については特選とした理由なり感想を述べて頂きたいと思います。
兼題「八月」の句には戦争のこと、原爆のこと、終戦のこと、故郷を偲ぶ句など良い句が目立ちました。
各句の感想を記します。
1、カンナ咲くころがるボール見つからず;子供たちがボール遊びをしていて、 ボールがカンナの花壇にころがりこんでしまい見つからないという情景句。
2、鳳仙花飛んで勝手な二人です;鳳仙花の実が飛び散った情景が二人の 行動に似ているということでしょうか、表現が面白い。
3、葛伸びて処かまわず絡み付き;葛の蔓が四方八方に伸びて絡み付いていて、始末に困った景ですね。
4、秋立つやゼロ戦散りて風立ちぬ;宮崎駿のアニメ風立ちぬをヒントに詠んだ句。
5、傷痍兵物乞いなりて終戦忌;戦後の引揚者の中には傷痍兵が物乞いする姿を見かけたものです。
6、幽霊やナチスの手口生き返る;ナチスの例を上げた政治家がいましたが、その考え方が疑われても仕方がありませんね。
7、八月や戦争のこと想う月;毎年八月になると、広島、長崎、終戦のことが甦ります。ワシントンのスミソニアン博物館にはあのエノラゲイが展示されていたことを思い出しました。
8、この天下蝉に預けて昼寝とす;猛暑のこの夏は我慢できませんでした。こんな時期の天下は蝉の鳴き声にまかせて昼寝でもするしかないですね。
9、秋水の流れて影の流れゐず;秋の川の流れにその周辺の木々の影も一緒に流れ行く景でしょうか。秋の景を秋水の流れに寄せた良句です。
10、七夕の願いあれこれ墨をする;七夕の短冊に墨をすりながら願いごとをいろいろ思い浮かべている様子が見て取れます。
11、暑いというため息促す蝉の声;今年の夏はため息の出るような暑さ。 蝉の声がなおさらため息を助長します。
12、八月の巨大クジラや東京湾;八月のある日、東京湾に突然巨大なクジラが流れついたというニュースには驚愕しました。
13、夏雑草頭を垂れて日暮れ待つ;夏の暑さで雑草もしおれていて日が暮れて涼しくなるのを待っている景ですね。
14、秋立ちてバードバスには水溢る;小鳥を呼ぶ水盤に水が溢れている景。
15、かなかなを鎮魂と聴く夕べかな;かなかなの声を鎮魂の祈りと聴いた夕べ。
16、人を恋ひ人を恐れて曼珠沙華;人を恋する花、時には人を怖れる花という意味でしょうか。
17、八月は阿鼻叫喚の地獄かな;非常に辛苦の中で号泣し救いを求める地獄のような八月でした。原爆投下の地獄絵が浮かびます。
18、豪雨去り堤の草に水の跡;今夏は豪雨の被害が著しい状況でした。川の氾濫で堤の草もなぎ倒されて、水の引けた後に倒された跡が残っている。
19、八月や生死のことを問うてなを;八月は終戦記念の月、生死をさまよった戦場が思い起こされることでしょう。
20、改憲に原爆ドームは熱く灼け;戦争放棄を宣言した憲法9条、これを改定しようとは何事か。原爆ドームをよく凝視してほしいですね。
21、読み残し積んで長月待つ葉月;夏に読み残した本、読書の秋に読破したい。
22、軍歌消えジャズあふれて終戦忌;戦後まで歌われた軍歌もジャズに変わっていったことが懐かしい。
23、焼く煙土用うなぎを斜め見て;うなぎの捕獲量が減り、高値のうなぎは食べられなくなりました。うなぎ屋の焼く匂いがうらめしい土用丑の日でした。
24、里帰りごろりと昼寝夏座敷;里帰りして田舎の広い座敷で昼寝したことは何よりの故郷の思い出になります。
25、浴衣着てスマホに踊る食指かな;浴衣姿の女性たち、スマホに夢中で指が踊っているようです。
26、ピカ落ちし八月いまだ風化せず;ピカドンと言った原爆、八月はいまだに風化していません。原爆ドームには三度ほど訪れたことがありますが、一度は見ておくべきドームです。特に若い世代や子供たちには。
27、俺にあれこれせよと妻秋刀魚焼く;妻が秋刀魚を焼きながらご主人にあれこれ指図している様子がなんともユーモアあふれていて面白い句です。
28、ひたすらに生きし夢千代原爆忌;夢千代日記のあらすじを思い浮かべてひたすら生きた人生を振り返る。
29、蜥蜴の尾鈍くひかりて塀の上;トカゲの青い尾が塀の上に見えた景ですね。
30、ラジオから「訪ね人」聞く終戦忌;戦後の懐かしい尋ね人の時間を思い出しました。
31、学生ら去ったベンチに蝉の殻;学生たちが休んでいたベンチに蝉の殻を見つけたようです。
32、八月や父母既に亡く故郷(くに)遠し;遠く離れて暮らしていると、既に亡き故郷の父母が懐かしく思われます。
33、八月や何処へ行つてもある祈り;八月はお盆の墓参り、何処も祈りの姿を見かけます。
34、原爆忌はだしのゲンを腑に深く;はらわたに深く刻まれたはだしのゲン、語り継ぐべき原爆の悲劇です。
35、人様の西瓜叩いてみてる人;人の頭を叩いてみて中身はどうかと調べます。西瓜は叩いてみて美味しい西瓜かどうか見分けます。ユーモア句。
36、八月は西に東に墓まいり;八月のお盆、西も東も墓参りで賑わいます。
以上
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第32回句会
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第32回【みなつき句会】選句結果集計表
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第32回みなつき句会 作者別投句
1、美河
☆兼題句
八月や生死のことを問うてなを
☆雑詠句
ラジオから「訪ね人」聞く終戦忌
傷痍兵物乞いなりて終戦忌 軍歌消えジャズあふれて終戦忌 浴衣着てスマホに踊る食指かな *毎日猛暑が続いています。健康に充分に気を付けください。広島の原爆忌から長崎そして終戦と戦争に続く8月、生きること、平和のことみんなで語りたいですね。
2、せいち
☆兼題句
八月や何処へ行つてもある祈り
☆雑詠句
俺にあれこれせよと妻秋刀魚焼く
秋水の流れて影の流れゐず
鳳仙花飛んで勝手な二人です
人を恋ひ人を恐れて曼珠沙華
*お世話になります。毎日どこかで酷暑日、さらに局地的豪雨。日本はいつから熱帯地方になったのだろうか?赤道がひん曲がって日本を貫いているのだろうか?では、32回、投句します。よろしくお願いします。
3、伏魔人・
☆兼題句
八月は西に東に墓まいり・・・・最近は随分と省略させていただいているのですが、予定、連絡、準備・・・等々気ぜわしい!
☆雑詠句
暑いというため息促す蝉の声・・・・ため息でもつかないと、蝉に申し訳ない気持ち。
読み残し積んで長月待つ葉月・・・閉じこもり老人、閉じこもっても活字が追えない、この猛暑。
この天下蝉に預けて昼寝とす・・・人間には、この奥の手がある!
夏雑草頭を垂れて日暮れ待つ・・涼しくなるのを待っているのかなぁ。
4、康祐
☆兼題句
八月や戦争のこと想う月
☆雑詠句
秋立つやゼロ戦散りて風立ちぬ
里帰りごろりと昼寝夏座敷
カンナ咲くころがるボール見つからず
人様の西瓜叩いてみてる人
*皆さま、猛暑の続く中、お変わりありませんか。上海も気象観測史上最高の41℃を
記録しました。秋の訪れが待ち遠しい今日この頃です。第32回みなつき句会の投句で
す。宜しくお願いします。
5、半竹亭
☆兼題句
八月や父母既に亡く故郷(くに)遠し
☆雑詠句
葛伸びて処かまわず絡み付き
蜥蜴の尾鈍くひかりて塀の上
豪雨去り堤の草に水の跡
秋立ちてバードバスには水溢る
☆残暑お見舞い申し上げます。今年も予報通り猛暑の夏になりました、旧盆も過ぎ朝晩の空気はやわらいでは来ましたが、どうやら残暑も長引くとの予報です。そこはかとなく秋の気配は感じるものの、早く涼しい季節になって欲しいものです。
6、海
☆兼題句
八月の巨大クジラや東京湾
☆雑詠句
改憲に原爆ドームは熱く灼け
学生ら去ったベンチに蝉の殻
幽霊やナチスの手口生き返る
焼く煙土用うなぎを斜め見て
7、祥雲
☆兼題句
ピカ落ちし八月いまだ風化せず
☆雑詠句
原爆忌はだしのゲンを腑に深く ひたすらに生きし夢千代原爆忌
七夕の願いあれこれ墨をする
かなかなを鎮魂と聴く夕べかな
8、政清
☆兼題句
八月は阿鼻叫喚の地獄かな
*一句だけお願いします。
□欠席
ななさん。月香さん。 わかじさん。
以上
平成25年8月29日 海
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第32回みなつき句会 選句投票結果
選句投票有難うございました。
1、美河選
☆特選句
20、改憲に原爆ドームは熱く灼け
☆良選句
24、里帰りごろりと昼寝夏座敷
28、ひたすらに生きし夢千代原爆忌 32、八月や父母既に亡く故郷(くに)遠し 34、原爆忌はだしのゲンを腑に深く *暑さが際立つ夏がつづいています。特に7月は参院議員選挙、8月は戦争、原爆、改憲がクローズアップされる大切な月になりました。沖縄へのオスプレイの増駐、麻生氏の「ナチス」発言、安部首相の集団的自衛権発言などどれも看過出来ない問題が浮かび上がりました。今回のみなさんの俳句にも反映されました。
2、祥雲選
☆特選句
30、ラジオから「訪ね人」聞く終戦忌 *戦後は多種の媒体で「訪ね人」を発信したのだろうが、ラジオで「訪ね人」を聞かれた体験は格別だったろう。悲しみ等の複雑な心情の混じった良句です。
☆良選句
8、この天下蝉に預けて昼寝とす *天下の心配事等もしばし「蝉に預けて」という表現が「昼寝」に巧く調和していて良い句です。
17、八月は阿鼻叫喚の地獄かな *八月の広島、長崎の原爆被災の地獄絵は目を背けたくなるほどだ。私は12歳と24歳で広島原爆資料館を見た。今年は「はだしのゲン」を見た。その阿鼻叫喚の姿には深く涙した。妻とボートで遊んだ太田川に昔ピンポイントで原爆が投下されたことを知った。広島原爆資料館に は機会を作って何度でも行きたいものだ。 16、人を恋ひ人を恐れて曼珠沙華 *曼珠沙華の特徴をとても巧く表現した良句です。 19、八月や生死のことを問うてなを *肉親や縁者や愛する人等の「生死のこと」を際限も無く問うた事の回想句でしょうか。それは今も続いているような余韻のある良句です。 海さん、おはようございます。 今朝の其方の天気は如何ですか
大雨の被害は無いですか
此方は昨晩の久し振りの雨で、今朝は幾分涼しくなりました。
選句致しましたので、宜しくお願いいたします。
3、半竹亭選
☆特選句
15、かなかなを鎮魂と聴く夕べかな
*子供の頃、夕方のかなかなの声は物寂しく聴こえたものでした、もう何十年も聴いていません。
☆良選句
13、夏雑草頭を垂れて日暮れ待つ
*雑草は此の日照り続きの中でも逞しく生い茂っています。昨晩漸く一雨来ました雑草もきっとほっとした事でしょう・・・。
19、八月や生死のことを問うてなを
*8月は原爆忌、終戦記念日、旧盆等、日本の事自分の事を振り返って見つめて見る良い機会です。
23、焼く煙土用うなぎを斜め見て
24、里帰りごろりと昼寝夏座敷
*実家へ帰って広い座敷での昼寝、諸々の煩わしさが消える一時ですね・・・。
4、伏魔人選
☆特選句
16、人を恋ひ人を恐れて曼珠沙華
*恋しい人も、黄泉の国から、そのままの姿で表れたら・・・怖いかな!
☆良選句;
34、原爆忌はだしのゲンを腑に深く
*「はだしのゲン・・・教育界を騒がせていますね。表現とは「厳しいもの、きわどいもの、恐ろしいもの・・・」を含んで「表現」なのですが・・・。
17、八月は阿鼻叫喚の地獄かな
*この感覚を忘れてはなりませんね。後遺症の苦しさが「伝説」になり「神話」になるころ、世界も平和になれば・・・と、思います。その「痛さ」、「苦しさ」は伝承できないのですから。
31、学生ら去ったベンチに蝉の殻
*銃を担いで更新した学徒兵・・・彼らを送った女学生が去ったベンチに、あの日も「蝉」の殻があったのでは・・・老人の無責任が生んだ悲劇だと、私は確信します。
24、里帰りごろりと昼寝夏座敷
*一服の清涼感。本当は「特選句」にしたかったのですが・・・八月から「命、死」の影を払拭できなかった。
5、せいち選
*本当にいつまでも何時までも暑く残酷暑の毎日です。9月になれば秋めくだろうと、ひたすら我慢です。
☆特選句
28、ひたすらに生きし夢千代原爆忌
*母の胎内で被曝してた夢千代ですね。17音以外は読んだ人のそれぞれの想像に任せる。 広がりのある句です。
☆良選句
6, かなかなを鎮魂と聴く夕べかな
*蜩が鳴くと本当に鎮魂の気持ちが漂っているようです。
30、ラジオから「訪ね人」聞く終戦忌
*「尋ね人」の時間、懐かしい、実に懐かしい。
32、八月や父母既に亡く故郷(くに)遠し
*生家には住む人も無くなったのか、寂しい。
35、人様の西瓜叩いてみてる人
*この様子、なんとなく可笑しい。
6、海選
☆特選句
28、ひたすらに生きし夢千代原爆忌
☆良選句
4、秋立つやゼロ戦散りて風立ちぬ
19、八月や生死のことを問うてなを
27、俺にあれこれせよと妻秋刀魚焼く
29、蜥蜴の尾鈍くひかりて塀の上
*好きな句が多いです。8月は原水爆投下と敗戦、68年も経つのにどうしても切り離せません。それなのに改憲を企図すること、改憲の先にはまた戦争のできる国です。もうごめんです。原爆は被爆し生き残った人たちも苦しめます。「夢千代日記」また見たくなりました。
7、康祐選
☆特選句
32. 八月や父母既に亡く故郷遠し
*お盆に里帰りしても既に父母はいない。故郷を離れている人には共感を呼ぶ一句です。
☆良選句
8. この天下蝉に預けて昼寝とす
12. 八月の巨大クジラや東京湾
15. かなかなを鎮魂と聴く夕べかな
30. ラジオから尋ね人聞く終戦忌
8、清政
☆特選句
35、人様の西瓜叩いてみてる人
☆良選句
10、七夕の願いあれこれ墨をする
18、豪雨去り堤の草に水の跡
25、浴衣着てスマホに踊る食指かな
31、学生ら去ったベンチに蝉の殻
以上
平成25年8月29日 海
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第32回【みなつき句会】選句投票のお知らせ
(今回は8名参加:投句総数36句です。)
残暑お見舞い申し上げます。
8月も下旬に入ったというのに暑い日が続きます、皆さん体調は如何でしょうか、どうやら残暑も長引きそうです、引き続き体調管理に気を付け、涼しい秋を待ちましょう。
投句頂き有難うございました。今回も以下の要領で選句の上投票願います。
記
1, 選句
特選句 1句
良選句 4句
計 5句
選句した句のNOを付け投票願います
2, 投票締め切り 8月28日【水】 迄
3, 宛先 海 メール
4、皆さんからメッセージも一緒にお願いします。
平成25年8月22日 海
第32回【みなつき句会】 投句集
1、カンナ咲くころがるボール見つからず
2、鳳仙花飛んで勝手な二人です
3、葛伸びて処かまわず絡み付き
4、秋立つやゼロ戦散りて風立ちぬ
5、傷痍兵物乞いなりて終戦忌
6、幽霊やナチスの手口生き返る
7、八月や戦争のこと想う月
8、この天下蝉に預けて昼寝とす
9、秋水の流れて影の流れゐず
10、七夕の願いあれこれ墨をする
11、暑いというため息促す蝉の声
12、八月の巨大クジラや東京湾
13、夏雑草頭を垂れて日暮れ待つ
14、秋立ちてバードバスには水溢る
15、かなかなを鎮魂と聴く夕べかな
16、人を恋ひ人を恐れて曼珠沙華
17、八月は阿鼻叫喚の地獄かな
18、豪雨去り堤の草に水の跡
19、八月や生死のことを問うてなを
20、改憲に原爆ドームは熱く灼け
21、読み残し積んで長月待つ葉月
22、軍歌消えジャズあふれて終戦忌
23、焼く煙土用うなぎを斜め見て
24、里帰りごろりと昼寝夏座敷
25、浴衣着てスマホに踊る食指かな
26、ピカ落ちし八月いまだ風化せず
27、俺にあれこれせよと妻秋刀魚焼く
28、ひたすらに生きし夢千代原爆忌
29、蜥蜴の尾鈍くひかりて塀の上
30、ラジオから「訪ね人」聞く終戦忌
31、学生ら去ったベンチに蝉の殻
32、八月や父母既に亡く故郷(くに)遠し
33、八月や何処へ行つてもある祈り
34、原爆忌はだしのゲンを腑に深く
35、人様の西瓜叩いてみてる人
36、八月は西に東に墓まいり
以上
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