第37回【みなつき句会】 講評2014年6月30日 康祐みなつき句会は7年目に入りました。句会の皆様の作句への取り組みに 敬意を表します。俳句への感心も高まり、秀句が多くなりました。日常の 自然を観察する目も世の中への感心も俳句に現われており、見たもの 感じたものを素直に表現する「観照一気」の句も多く、嬉しく思います。
第37回の句にもそういった表現の句が多く見られました。今後とも末長く 楽しい作句に取り組んで戴きたいと思います。
感想を下記します。
1、 薔薇越しに新米ママの子守唄
子守唄が聞こえて来そうな初々しい句です。 バラが咲いた、、、バラが咲いた、真っ赤なバラが、、、でしょうか。
2、 切り易いところの薔薇を切りにけり
薔薇のたとえに、美しいものにはトゲがある。 と言われます。薔薇を切るとき、トゲに刺されないよう戸惑います。切り易いところ の薔薇を切り取り花瓶に活けたのでしょう。薔薇を切る時の思いが素直に表現され ています。
3、 W杯激戦続く夏の陣
サッカーワールドカップに寄せるファンの熱狂ぶりは凄い。
4、 窓の猫大あくびして梅雨に入る
猫もあくびの出るようなうっとうしい梅雨入りです。 窓際にいて外に出られない退屈な猫と梅雨入りの時節がうまく表現されて面白い。
5、 青東風や出雲に嫁ぐ姫清し
皇室の皇女と民間の神官との婚姻。出雲神社に相応しい神聖さを感じさせます。青東風や、の季語が清清しさを醸しだしています。
6、 冷奴義理人情の捨て切れぬ
夏には欠かせない冷奴、昔ながらの義理人情も 捨て切れないような日本人の心情とも共感する一句です。
7、 愛犬の遺影に紅きバラ供え
長年可愛いがっていた愛犬、遺影にバラを供えて 在りし日の姿を思い出させてくれます。愛犬家の優しい気持ちが伺えます。
8、 雨雲を見上げて今朝は芝刈りぬ
梅雨の季節、今日の天気を伺いながら芝刈り に取り掛かる様子が目に浮かびます。芝刈りに限らず同じような体験はあるでしょう。
9、 花の下ゴーヤ坊やを見つけたり
ゴーヤ、苦瓜、最近は日除けにゴーヤを植える 家もあります。花の下に隠れていたゴーヤを見つけた感動が共感を呼びます。
10、枇杷採りぬ長い棒持ち背伸びして
この季節、枇杷ほしさに人々が代わる代わ る長い棒を持ち、背伸びして枇杷の実を採る光景は滑稽です。
11、闇に灯の棚田祭や人の声
どこの地方でしたか、棚田の畦道に灯篭を何百本も 並べて闇夜に灯される棚田祭りの様子をテレビで見ましたが、夏の夜の風物詩です。
12、子ツバメや顔いっぱいに口広げ
大きな口を開けて燕の雛が親から餌を貰う 様子は懐かしさと親しみを感じます。顔いっぱいに広げた口という表現が面白い。
13、薔薇の風人を笑顔に通り過ぎ
薔薇園を吹き抜ける風、人々を笑顔にします。
14、鳴きもせず草に沈みて恋蛍
蛍の舞う季節、蛍は鳴きませんが、草むらに密やかに留まり光を放つ様子は恋する蛍のようです。
15、身罷りし母の丹精白き薔薇
今は亡き母が丹精込めて育てた白薔薇は格別愛 くるしい。在りし日の母への思いが偲ばれます。
16、あやめ園昔の人に出会いけり
あやめ園では偶然昔の知り合いに出会いました。
17、ミニトマト葉陰に潜み熟るる日は
葉陰にかくれたミニトマト、いつ熟れるのか楽し みです。家庭菜園でしょうか、自分なりの楽しみが表現されています。
18、傘捨てる大きな満月梅雨晴れ間
梅雨の晴れ間に傘を捨て去ったように満月が 輝いています。梅雨時に現われた満月は感動的です。
19、グルクンの刺身朝餉に島の宿
島でなければ味わえないグルクンの刺身の朝ごは ん。誰でも味わうことは出来ない体験です。沖縄方言のグルクンは沖縄県魚のようです。
20、衣替え高女の姿凛々しくて
6月、衣更えの季節。女子高生の夏服姿は凛々しい。
21、紫陽花に揚羽ひらひら古都の寺
古都といえば京都、でも古都鎌倉の明月院もあじ さい寺といわれて紫陽花が見事です。揚羽蝶の舞う光景が目に浮かびます。
22、少女らの声賑やかに梅雨に入る
少女たちの高らかな話し声、梅雨入りしてもじめ じめした気分は吹き飛びます。
23、雪冠り色際立てり紅き薔薇
雪冠とは白い薔薇でしょうか、際立って鮮やかな色は 紅い薔薇のようです。
24、夏月夜舫い綱解く太き腕
夏の夜、舫い綱を解く漁師の腕は特別太い。太い腕の男が月夜に映える。力強い。
25、憲法を壊す音訊く夏の月
月も嘆くのではないかと思う憲法論議です。集団的自衛 権なるものは如何なものかと思う。不戦を誓う憲法は壊さないでほしい。
26、せせらぎに白雲揺らす梅雨晴れ間
梅雨時の晴れ間には白雲が川のせせらぎに 揺れている。時には入道雲が顔を覗かせることもあります。
27、紫陽花や迷い心の雨の降る
紫陽花の咲く季節、迷いの雨の如く降る雨も降ら ない雨の時もあります。迷い心の雨、とは意味深長な表現です。
28、岸に立つ桑の実熟れて鯉の群れ
川岸に桑の実が熟れています。その下には 鯉が群れ泳いでいます。田舎の長閑な情景が浮かびます。
29、梅雨入りやひと月の雨一日に
梅雨入りと同時にゲリラ豪雨、一日に一ヶ月分の 雨量だったようです。
30、深紅(あか)き薔薇消えぬ記憶や大空襲
深紅の薔薇の色は大空襲の時に見た記 憶が消えない色です。大戦の記憶のない世代が増え、空襲の怖さは表現すら難しい。
31、嫋々(じょうじょう)と浄土の涼音河鹿笛
極楽浄土の涼音の響きは細く長く続く河鹿 笛の響きに似ています。仏教世界の澄んだ音色を彷彿とさせる句です。
32、還暦を迎えし妻に赤い薔薇
還暦の妻に赤い薔薇で祝福。単純明快な句。
33、薔薇といふは高芯剣弁戦の花か
高芯剣弁とは、、、俳句には難解な古語。
34、紫陽花や心変りは色になり
紫陽花は七変化の花、心変わりして色の変わる ような花です。
35、松涼し剪定終えて夏近し
松の枝も剪定を終えて涼しげです。夏も近い。
以上
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第37回句会
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第37回【みなつき句会】選句投票集計表 |
第37回【みなつき句会】作者別投句 【今回参加者7名 投句数35句】
1−美河
兼題句 薔薇越しに新米ママの子守唄 雑詠句 深紅(あか)き薔薇消えぬ記憶や大空襲 窓の猫大あくびして梅雨に入る 少女らの声賑やかに梅雨に入る 憲法を壊す音訊く夏の月 なにか安倍政権は他国の戦に自衛隊を参戦させたいようですね。例えば米国の敵は日本の敵とは限りません。世界に誇れる「日本国憲法」をノーベル賞にの声も出ています。みなさん梅雨の時期身体に気を付けてください。
2−伏魔人
兼題句
薔薇といふは高芯剣弁戦の花か
咲いた姿が凛々しくて、長槍を構えた騎士の風貌ですね。
雑詠句
せせらぎに白雲揺らす梅雨晴れ間
小さな流れに沿って毎朝散策。お昼近い時間だと、僅かな流れに雲が映っています。
雨雲を見上げて今朝は芝刈りぬ
後始末のことを考えて、作業の切り上げ時間を設定します。
ミニトマト葉陰に潜み熟るる日は
もう10日も過ぎるのに、何時売れるのかな・・・・
衣替え高女の姿凛々しくて
男の子は、シャツが緩んで可愛そう。女の子は、生足が見えて元気が伺えます。
3−せいち
すっかり梅雨の季節になってしまいました。
降れば豪雨、晴れれば夏日、日本は熱帯地域になってくるようです。
兼題句
切り易いところの薔薇を切りにけり
雑詠句
夏月夜舫い綱解く太き腕
グルクンの刺身朝餉に島の宿
冷奴義理人情の捨て切れぬ
鳴きもせず草に沈みて恋蛍
4−半竹亭
兼題句
愛犬の遺影に紅きバラ供え
雑詠句
雪冠り色際立てり紅きバラ
岸に立つ桑の実熟れて鯉の群れ
子ツバメや顔いっぱいに口広げ
松涼し剪定終えて夏近し
5−康祐
上海便り;枇杷熟す六月、公園の枇杷の木に人が代わる代わる来ては枇杷の実を採る光景は今年も変わりません。赤い薔薇が咲き、紫陽花が咲き始める梅雨の季節、夾竹桃も合歓の花も咲き始めました。
兼題句
還暦を迎えし妻に赤い薔薇
雑詠句
枇杷採りぬ長い棒持ち背伸びして
梅雨入りやひと月の雨一日に
W杯激戦続く夏の陣
あやめ園昔の人に出会いけり
6−祥雲
兼題句
身罷りし母の丹精白き薔薇
雑詠句 紫陽花に揚羽ひらひら古都の寺
闇に灯の棚田祭や人の声 青東風や出雲に嫁ぐ姫清し 嫋々 (じょうじょう)と浄土の涼音河鹿笛 7−第37回みなつき会 投句
海
薔薇の風人を笑顔に通り過ぎ
紫陽花や心変りは色になり
紫陽花や迷い心の雨の降る
花の下ゴーヤ坊やを見つけたり
傘捨てる大きな満月梅雨晴れ間
以上投句者7名 計35句です。
※・今回、わかじさん、月香さんお休みです。
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第37回【みなつき句会】選句結果皆様選句有り難うございました。
1−祥雲選
特選句
14.鳴きもせず草に沈みて恋蛍
蛍の生態が巧みに表現されていて、「恋蛍」が秀逸です。 良選句 1.薔薇越しに新米ママの子守唄
薔薇越しに新米ママの子守唄が聞こえてくる景でしょうか。 斬新で、優しい句に仕上がっています。 22.少女らの声賑やかに梅雨に入る うっとおしい感じの梅雨でも少女らの声は賑やか。
その対比的な表現が面白い。
24.夏月夜舫い綱解く太き腕 舫い綱を解き、船を浮かべて夏月夜を鑑賞しようとしている 景でしょうか。船頭の「太き腕」が印象的です。 27.紫陽花や迷い心の雨の降る 「迷い心の雨の降る」が紫陽花に良く調和しています。 以上 祥雲 2−美河選
特選
15、身罷りし母の丹精白き薔薇 良選句
19、グルクンの刺身朝餉に島の宿 24、夏月夜舫い綱解く太き腕 31、嫋々(じょうじょう)と浄土の涼音河鹿笛 32、還暦を迎えし妻に赤い薔薇 以上 美河
3−康祐選
特選句
2、切り易いところの薔薇を切りにけり
薔薇のたとえに、美しいものにはトゲがあと言われます。薔薇を切るとき、トゲに刺されないよう戸惑います。切り易いところの薔薇を切り取り花瓶に活けたのでしょう。薔薇を切る時の思いが素直に表現されています。
良選句
4、窓の猫大あくびして梅雨に入る
猫もあくびの出るようなうっとうしい梅雨入りです。大あくびが良い。
6、冷奴義理人情の捨て切れぬ
夏には欠かせない冷奴、昔ながらの義理人情も捨て切れないような日本人の心情とも共感する一句です。
12、子ツバメや顔いっぱいに口広げ
大きな口を開けて燕の雛が親から餌を貰う様子は懐かしさと親しみを感じます。
27、紫陽花や迷い心の雨の降る
紫陽花の咲く季節、迷いの雨の如く降る雨も降らない雨の時もあります。
迷い心の雨、に引かれました。
以上 康祐
4−せいち選
梅雨の最盛期、このところ天気も政治もややこしい感じです。
皆さんご自愛を。
特選句
11、闇に灯の棚田祭や人の声
能登の千枚田を思いました。良い光景で涼しそうです。
良選句
4、窓の猫大あくびして梅雨に入る
猫のあくびと梅雨入りに何の関係もないが、そう思わせる。
12、子ツバメや顔いっぱいに口広げ
顔中が口という姿です。
27、紫陽花や迷い心の雨の降る
迷い心は、紫陽花の花色の変化することを思わせる。
32、還暦を迎えし妻に赤い薔薇
歳をとる程に良い夫婦でいたいです。誕生日にはお返しのプレゼントがあるでしょう。
以上 せいち
5−半竹亭選
得選句
14、鳴きもせず草に沈みて恋蛍
蛍の事なのでしょうか人間の事なのでしょうか・・・・お見事です!
良選句
11、闇に灯の棚田祭や人の声
写真やTVで見た光景が目に浮かびます。
20、衣替え高女の姿凛々しくて
24、夏月夜舫い綱解く太き腕
太き腕とあるのを見ると、此れから漁に出る光景なのでしょうか逞しさを感じる句ですね・・・。
26、せせらぎに白雲揺らす梅雨晴れ間
以上 半竹亭
6−海選
特選句
25、憲法を壊す音訊く夏の月
良選句
6、冷奴義理人情を捨てきれぬ
8、雨雲を見上げて今朝は芝刈りぬ
19、グルクンの刺身朝餉に島の宿
32、還暦を迎えし妻に赤い薔薇
*だんだんと戦争体験者が少なくなってきた昨今、それをいいことに憲法9条「戦争の放棄」を閣議決定で変えてしまうなんて信じがたいことです。月から見る地球は水色の惑星、「憲法を壊す音訊く夏の月」は月から地球を見てみなさい、と言っているようです。
以上 海
※ 伏魔人さん、お休み
以上
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第37回【みなつき句会】選句投票のお知らせ(今回は7名参加:投句総数35句です。)梅雨さなか皆様体調は如何でしょうか、もうすぐ厳しい暑さの日がやってきます。今年も厳しい夏になりそうです。此れくらいと油断していると、熱中症にやられてしまいます、くれぐれも御注意ください。
投句頂き有り難うございました、今回も下記の要領で選句投票をお願い致します。
記
1, 選句
特選句 1句
良選句 4句
計 5句
注・選句した句には投句集のNOを付け投票願います。
2, 投票締め切り 6月26日【木】 迄
3, 宛先 KUNI 【半作亭】
Qqv448hg9@lake.ocn.ne.jp へ送信して下さい。
4、皆さんからの簡単なメッセージも一緒にお願いします。
平成26年6月20日 海
※・・投句集
1、薔薇越しに新米ママの子守唄
2、切り易いところの薔薇を切りにけり
3、W杯激戦続く夏の陣
4、窓の猫大あくびして梅雨に入る
5、青東風や出雲に嫁ぐ姫清し
6、冷奴義理人情の捨て切れぬ
7、愛犬の遺影に紅きバラ供え
8、雨雲を見上げて今朝は芝刈りぬ
9、花の下ゴーヤ坊やを見つけたり
10、枇杷採りぬ長い棒持ち背伸びして
11、闇に灯の棚田祭や人の声
12、子ツバメや顔いっぱいに口広げ
13、薔薇の風人を笑顔に通り過ぎ
14、鳴きもせず草に沈みて恋蛍
15、身罷りし母の丹精白き薔薇
16、あやめ園昔の人に出会いけり
17、ミニトマト葉陰に潜み熟るる日は
18、傘捨てる大きな満月梅雨晴れ間
19、グルクンの刺身朝餉に島の宿
20、衣替え高女の姿凛々しくて
21、紫陽花に揚羽ひらひら古都の寺
22、少女らの声賑やかに梅雨に入る
23、雪冠り色際立てり紅き薔薇
24、夏月夜舫い綱解く太き腕
25、憲法を壊す音訊く夏の月
26、せせらぎに白雲揺らす梅雨晴れ間
27、紫陽花や迷い心の雨の降る
28、岸に立つ桑の実熟れて鯉の群れ
29、梅雨入りやひと月の雨一日に
30、深紅(あか)き薔薇消えぬ記憶や大空襲
31、嫋々(じょうじょう)と浄土の涼音河鹿笛
32、還暦を迎えし妻に赤い薔薇
33、薔薇といふは高芯剣弁戦の花か
34、紫陽花や心変りは色になり
35、松涼し剪定終えて夏近し
以上
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