第38回【みなつき句会】 講評 2014年8月30日 康祐
8月も終わりに近ずき朝晩は涼しい風が吹くようになり秋の気配が感じられます。
今夏は台風や豪雨による土砂災害で大変な被害が出ました。全国に52万箇所もの土砂災害危険地域があるという。憂慮すべき事態です。二百十日も近く防災には万全を期したいものです。
9月8日は中秋、中国では3日連休になります。中秋には月餅を食べる習慣があり、スーパーやパン屋さんには既に月餅がたくさん並んでいます。友人や近所の家からたくさん月餅を頂いて、食べきれないので困っています。
8月の句について、改良点などを記します。まず、兼題句が当期雑詠句にも投句されている方がおりますが、兼題は一句だけでお願いしたい。
個別選句についての各自の評は作者の意を汲んだ講評がなされていると思います。
更に、添削、推敲を充分に行ない、切れ字の使い方やてにをはにも注意してほしい句が見受けられました。
記
2、穴馬に大きく賭けて暑気払ひ
穴馬に賭けた成果は如何だったでしょう。成果はどうあれいい暑気払いです。
6、甘酒に氷浮かべて暑気払い
甘酒、氷、暑気払い,季重なりの句ですが、暑気払いの気分がよく出ています。
8、寝付かれぬ夜の雷鳴鳴りやまず
夜中の雷鳴には閉口です。上海でもビルの屋上に落ちたかと思われるような強烈
な雷鳴の轟く夜があります。
9、テレビにも出たと言ふ店心太
心太のお店、テレビに出たこともあるというお店は親しみがあります。伊豆天城の心太はテレビにも登場したことがあります。
13、ともかくも先ず一杯と暑気払い
ともかくも先ずは一杯暑気払い、としたほうがリズム感がでます。
14、幼子を肩車して花火待つ
花火大会でよく見かける光景です。幼子に花火を見せようとする親心が伝わります。
16、木々が鳴く古刹の森は蝉しぐれ
木々鳴くや古刹の森の蝉しぐれ、木々が鳴くとは木々の葉ずれの音でしょうか。
17、旧友とお国訛りの暑気払い
旧友との出会い、懐かしいお国訛りでの語らいは暑さも忘れさせてくれたことでしょう。
18、ジュゴン鳴く新たな戦後敗戦忌
敗戦忌新たな基地にジュゴン鳴く、としたらどうでしょう。軍備よりも自然保護が優先。
19、吾を生みしひとを看とりて夏果つる
吾生みし母を看とりて夏果てる、では如何。看とりて、夏果てる、は悲しみが深い。
20、風去りて庭の花木の後始末
台風の去りて庭木の後始末、とすればリズム感が出ます。
22、暑気払いジョッキおかわり増える夕
暑気払いジョッキお変わり何杯も、としたい。
24、なやかやと友と一献暑気払
なんやかや友と一献暑気払い、としたら如何。
26、旧盆や飛騨の習わし朴葉餅
作者の朴葉餅への思いが表現れていますね。
27、雨雲の消えてせせらぎ静洩りぬ
雨雲の消えてせせらぎ静かなり、としたい。
29、ぐびと飲む冷やし甘酒風の中
風の中、が気がかり。ぐびと飲む冷やし甘酒旨きかな、では如何。
30、平和憲法守る決意の原爆忌
字余り。憲法を守る決意の原爆忌、が良い。
31、冷奴江戸の長屋の風が吹く
一見風流な句に思えるが、江戸の長屋の風とはどんな風でしょう。江戸の長屋に風が吹く、ではないか。冷奴江戸の長屋に風吹きぬ。が良いと思うが。
33、秋立ちて山頂(やまいただき)に鳶の舞
立秋や山頂に鳶の舞、でも良い。
34、潮の香の今も変はらぬ墓参かな
潮の香や今も変わらぬ墓参かな、としたい。
35、子等の無き運動場に蝉の満つ
夏休みの運動場と作者はいう。廃校ではない。蝉しぐれ運動場に子らは無し。ではどうでしょうか。蝉の満つ、ではなく、蝉しぐれが良いでしょう。
以上。
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第38回句会
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今回も参加頂き、有り難うございました。
ようやく朝晩は過ごしやすくなってきました
皆さん体調は如何ですか、9月に入っても暑さが残るようです
此れからは気温が上がったり下がったりして、体調を崩しやすい時期になります
どうぞお気を付け下さい。
第38回【みなつき句会】選句投票集計表
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第38回【みなつき句会】作者別投句 【今回参加者7名、投句総数35句】
※・美河
兼題句 旧友とお国訛りの暑気払い 雑詠句
甘酒に氷浮かべて暑気払い 平和憲法守る決意の原爆忌 秋立ちて山頂(やまいただき)に鳶の舞 立秋や夕餉の少し早まれり 立秋とは言えまだまだ残暑の厳しい日が続きます。ご自愛ください。
※・せいち
お世話になります。
台風の被害に遭われた方々には申し訳ないような、爽やかな朝となりました。昨夜は虫が鳴いていました。
兼題句
穴馬に大きく賭けて暑気払ひ
雑詠句
テレビにも出たと言ふ店心太
甲子園全国一の夏盛り
吾を生みしひとを看とりて夏果つる
潮の香の今も変はらぬ墓参かな
※・祥雲
兼題句
なやかやと友と一献暑気払
雑詠句 幼子を肩車して花火待つ
古池や呻く閻魔の蟇 ぐびと飲む冷やし甘酒風の中 一閃で天地を浄(きよ)むはたた神 ※・康祐
残暑お見舞い申し上げます。
猛暑日の続く毎日、台風や大雨による被害が深刻です。異常気象による自然災害が多い昨今です。事前の備えを怠りないように留意したいと思います。
兼題句
居酒屋のいつもの席で暑気払い
当期雑詠
二度咲きにあやかりたきや夾竹桃
水草を塩辛とんぼ叩きをり
長江や源遠流長秋の風
白露の雫消えゆく夜明けかな
※・伏魔人
兼題句
暑気払い汗を確かむ老ひの吾
西瓜を食っても、氷を食べても汗が出ない・・・熱中症?
雑詠句
雨雲の消えてせせらぎ静洩りぬ
小さな流れです。上流の雨は、数十分で濁流になります。
寝付かれぬ夜の雷鳴鳴りやまず
何時の間にか、雷鳴の数を数えていますね。馬鹿なことですが。
子等の無き運動場に蝉の満つ
夏休みの、朝の運動場は静です。が、蝉はかしましく鳴いています。
散策路8月の蝉横たわる
早々に夏の終わる蝉もいるのですね。
※・海
兼題句
暑気払いジョッキおかわり増える夕
雑詠句
ジュゴン鳴く新たな戦後敗戦忌
今の子はゆっくり食べて敗戦忌
冷奴江戸の長屋の風が吹く
木々が鳴く古刹の森は蝉しぐれ
※・半竹亭
兼題句
ともかくも先ず一杯と暑気払い
雑詠句
割烹の玻璃の器や暑気払い
芋の葉や雨丸くして空写し
旧盆や飛騨の習わし朴葉餅
風去りて庭の花木の後始末
以上
※:今回月香さん、わかじさん、お休み
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第38回【みなつき句会】個人別選句※1−祥雲選
特選句
19、吾を生みしひとを看とりて夏果つる 「夏果つる」が効いている、深い悲しみの感慨が籠った良句です。 良選句 3、割烹の玻璃の器や暑気払い 白木のカウンターに乗った涼やかなガラス器を想像します。 「暑気払い」に相応しい設定です。 26、旧盆や飛騨の習わし朴葉餅 「旧盆」と「朴葉餅」の取り合わせが妙で、親族の団欒の 景が彷彿とする良句です。 31、冷奴江戸の長屋の風が吹く
冷奴は江戸の庶民のささやかな贅沢だったのかも。そこに思いを致しながら、夕方 に冷奴を堪能する景が浮かびます。
35、子等の無き運動場に蝉の満つ 同感です。廃校となった小学校の運動場はまさにこの景でした。 以上 祥雲 ※2−せいち選
国内・外ともに悲しい出来事を聞くばかりです。
悠長に俳句など申し訳ないですが、選句します。
特選句
31、冷奴江戸の長屋の風が吹く
形容が奮っています。座布団三枚ものです。
良選句
7、今の子はゆっくり食べて敗戦忌
こんな平和が何時までも続けねばなりません。
でも、なんだかゆっくり食べてもおれない時代になって来たようです。
13、ともかくも先ず一杯と暑気払い
そうです、席に着くなり「ビール」と言ってしまいます。
26、旧盆や飛騨の習わし朴葉餅
土地土地によって色々な習わしがあるにですね。
しっかり詠まれています。
33、秋立ちて山頂(やまいただき)に鳶の舞
空が澄んで、秋の気配が漂っています。
以上 せいち
※3−美河選
特選句
18、ジュゴン鳴く新たな戦後敗戦忌
辺野古に米軍新基地が強権を使って造られようとしています。 良選句 3、割烹の玻璃の器や暑気払い
玻璃の器が効いています。 5、一閃で天地を浄(きよ)むはたた神
昔は一家に一人いましたね。 23、長江や源遠流長秋の風 雄大さが伝わって来ます。 26、旧盆や飛騨の習わし朴葉餅 故郷の風習はいいものです。続いて欲しいですね。 以上 美河
※4−康祐選
広島では豪雨による土石流で家々が倒壊し痛ましい被害が出ました。
日本列島には35万箇所もの災害発生危険箇所があるという。最近の地球上の異常気象により各地に被害が出ています。日本列島は災害危険列島ともいえる状況です。危険を早期に察知して非難する防災対応を日々心がけることが大切です。
特選句
17.旧友とお国訛りの暑気払い
久しぶりに再会した旧友とのお国言葉での会話はよい暑気払いになったことでしょう。
良選句
8.寝付かれぬ夜の雷鳴鳴りやまず
9.テレビにも出たと言ふ店心太
14.幼子を肩車して花火待つ
26.旧盆や飛騨の習わし朴葉餅
以上 康祐
※5−海 選
特選句
5, 一閃で天地を浄むはたた神
良選句
15, 水草を塩辛とんぼ叩きおり
19, 吾を生みしひと看とりて夏果つる
23, 長江や源遠流長秋の風
24, なやかやと友と一献暑気払い
*「地震、雷、火事、親父」と言いますが、雷は怖いもの。稲妻と大音声とともに汚れた人の世に鉄鎚を下すよう。「浄む」が怖さと対比していいです。
以上 海
※6−半竹亭選
得選句
19、吾を生みしひとを看とりて夏果つる
哀しいという言葉で表現していないがその気持ちが『吾を生みし・・・』で十分表現されていて、感心致しました。
良選句
14、幼子を肩車して花火待つ
後々お父さんの肩車で見た花火を思い出してくれることでしょう。
28、居酒屋のいつもの席で暑気払い
やっと仕事を終え、何時もの店で生ビールをグイッと…、たまりませんな・・・!
此の為に一日頑張った様なもの、過っての私の夏の情景です。
34、潮の香の今も変はらぬ墓参かな
35、子等の無き運動場に蝉の満つ
夏休みの情景なのでしょうか、其れとも少子化によって廃校となってしまった校舎の情景なのでしょうか、私は後の方と読み取りましたが・・・・・・。
以上 半竹亭
※7−伏魔人さん お休み
以上
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第38回【みなつき句会】選句投票のお知らせ(今回は7名参加:投句総数35句です。)
残暑お見舞い申し上げます。
各地に集中豪雨が発生いたしましたが、皆様には被害は無かったでしょうか、被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞いを申し上げます。
今回も投句頂き有り難うございました、下記の要領で選句投票をお願い致します。
記
1, 選句
特選句 1句
良選句 4句
計 5句
注・選句した句には投句集のNOを付け投票願います。
2, 投票締め切り 8月26日【火】 迄
3, 宛先 KUNI 【半作亭】
Qqv448hg9@lake.ocn.ne.jp へ送信して下さい。
4、皆さんからの簡単なメッセージも一緒にお願いします。
平成26年8月21日 海
※・・投句集
1、白露の雫消えゆく夜明けかな
2、穴馬に大きく賭けて暑気払ひ
3、割烹の玻璃の器や暑気払い
4、暑気払い汗を確かむ老ひの吾
5、一閃で天地を浄(きよ)むはたた神
6、甘酒に氷浮かべて暑気払い
7、今の子はゆっくり食べて敗戦忌
8、寝付かれぬ夜の雷鳴鳴りやまず
9、テレビにも出たと言ふ店心太
10、芋の葉や雨丸くして空写し
11、二度咲きにあやかりたきや夾竹桃
12、立秋や夕餉の少し早まれり
13、ともかくも先ず一杯と暑気払い
14、幼子を肩車して花火待つ
15、水草を塩辛とんぼ叩きをり
16、木々が鳴く古刹の森は蝉しぐれ
17、旧友とお国訛りの暑気払い
18、ジュゴン鳴く新たな戦後敗戦忌
19、吾を生みしひとを看とりて夏果つる
20、風去りて庭の花木の後始末
21、散策路8月の蝉横たわる
22、暑気払いジョッキおかわり増える夕
23、長江や源遠流長秋の風
24、なやかやと友と一献暑気払
25、甲子園全国一の夏盛り
26、旧盆や飛騨の習わし朴葉餅
27、雨雲の消えてせせらぎ静洩りぬ
28、居酒屋のいつもの席で暑気払い
29、ぐびと飲む冷やし甘酒風の中
30、平和憲法守る決意の原爆忌
31、冷奴江戸の長屋の風が吹く
32、古池や呻く閻魔の蟇
33、秋立ちて山頂(やまいただき)に鳶の舞
34、潮の香の今も変はらぬ墓参かな
35、子等の無き運動場に蝉の満つ
以上
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