第41回 みなつき句会・講評講評 康祐三寒四温の侯、桜咲く春が待たれる今日この頃です。みなつき句会は41回目を数え、会員皆様の創意ある俳句への取り組みに敬意を表します。
つたない講評を担当させて頂いておりますが、少しでも作句にお役に立てば嬉しく思います。
41回目の投句につきましては、全般に謎かけのような意味の難解な句が多く、作者の意が読み取れない句がありました。もう少し簡潔に表現した句に期待したいと感じました。以下感想です。
1、雑草は春を離さじと土を噛む
五、八、五、中八は避けたい。春を留めておきたいという雑草の代弁と思われるが、少々難解な句です。
2、クローバの花輪は風の忘れ物
風の忘れ物という意味はよく解りませんが、花輪は風の置き土産、とでもしたら良いと思います。
3、ポストマン霙凌いで凌いで走り行く
ポストマンとは郵便局員ですか。郵便配達に走り回る情景が浮かびます。季語は。
4、初蝶のふはりと風に生まれけり
初蝶が風に乗って生まれ出てくるという景でしょうか。早春の喜びが伺える。
5、立春の期待はぐらし寒波来る
期待に反して寒波に見舞われたという気持ちでしょうか。立春、寒波は季重なり。
6、節分の豆をつまみに鬼の面
鬼の面とは鬼のような赤い顔になったということでしょうか。
7、ふりかざすナイフ冷たい荒野かな
季語のわからない句、どんな心情を詠まれたのでしょう。
8、薄氷を何枚踏んだか今日ある不思議
五、八、七、定型から外れた句、五、七、五、にまとめてほしい。
9、笹鳴きや日焼けし顔のガードマン
日焼けし顔のよりも日焼けした顔ガードマン、としたらいいと思います。
10、糸を繰る祖母の背中や日脚伸ぶ
糸車を回す祖母の景が良い、昔懐かしい田舎の景色が浮かびます。
11、歴史ある駿府城跡のこもはずし
雪解けとともに城中の菰はずしが始まります。春近しの感がある。
12、薄氷に民の叫びの罅入りぬ
難しい漢字が使われている。民の叫びとはどのようなものでしょう。
13、母の胸潰して足りぬ二・一の月
二・一の月とは、母の残したものとはどんなものでしょう。
14、芽は吹くも名前は呼べず花なくば
芽吹いても花が咲かないと名前がわからないということですか。
15、蝋梅や花先駆けて香を放ち
花よりも先に香りが漂ってくる蝋梅、香りの強い花です。
16、薄氷に子供の声のはじけ出す
薄氷を見て子供らがはしゃいでいる様子ですね。声がはじけだす、という表現が
歓喜に満ちています。
17、朝日受け雪片ダイヤの光る如
中八、雪片ダイヤ光る如。でよいでしょう。
18、春光を蹴る児のあんよ乳母車
よく見かける母子の景です。ほほえましい句。
19、如月の海に迷える鴎かな
時化の多い二月の海、鴎もじっと耐えている。
20、鋤きゆける天地返しの春の土
鋤で春の畑を耕している景でしょう。掘り返された土に春が感じられます。
21、薄氷にひっそりとして鴨ふたつ
薄氷にじっと佇む鴨の景が見えるようです。
22、バードバス木の葉沈めて薄氷
バードバスとは、木の葉沈めて、とは景がよくみえない。
23、壺焼きを焼く祖母の背の丸さかな
背を丸くして焼く姿がみえるようです。
24、居酒屋は他に客なし外は雪
客もなく、雪は降る。静まり返った居酒屋。これもまたよし、でしょう。
25、蒼天にこぼれるばかりこぶし咲く
青い空に白いこぶしの花が咲き乱れている景、春らしさを感じる。
26、過疎の村愚直に生きし氷柱かな
過疎の村が多くなった日本、氷柱だけは昔ながらに生きながらえています。
27、イヤホーンに北国の春外に雪
六、七、五、イヤホーン北国の春外は雪。イヤホーンから北国の春が聞こえてくる。
28、朝の雪転びニュースにならぬよう
雪の朝転倒ニュースにならぬべし、転倒してニュースにならないよう注意しようと。
29、湯豆腐や窓くもらせてぐつぐつと
湯豆腐や窓曇らせて部屋温し、としたい。湯豆腐はあまりぐつぐつ煮立てない方
が良いのでは。
30、黒土ゆにっと笑み立つ大根かな
黒土から顔を出した大根、笑み立ち並ぶ様子がいい。
31、華やぐは上海の花白木蓮
白木蓮は上海市の花です。今頃咲き始めます。
32、みんなして騒ぎしあとの余寒かな
大勢でがやがや騒いでいる間は暖かいが、別れた後の寒さは格別です。
33、音もなく砕けて落ちる枝の雪
枝から落ちる雪、砕けて落ちると音が出ると思うが、音もなく落ちる雪もみられる。
34、「福はうち」声の聞こえぬ住宅地
「 」は不要、最近の節分は豆まきの声はあまり聞こえて来ませんね。
35、春風を帆にはらませて舟はしる
春風に乗って進む帆掛け船、舟はしるは、沖に出る、または、沖をゆく、では如何。
36、田の土も黒に整え春隣
耕した田の土は黒く春は近い。
37、うかれ猫路地の稲荷で睨み合ひ
春の猫の様子、よく見かけます。
38、薄氷をパキと割る児の笑顔かな
子供は薄氷を割ると、得意顔で笑います。
39、戦前へ懲りもしないで薄氷
薄氷を履むが如しの政情は困ります。
40、薄氷を履む夢を見て目覚めけり
薄氷を履んだ思いのする夢で目覚めた。現実にならないよう祈る。
以上
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第41回句会
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第41回【みなつき句会】選句結果集計表です。 |
第41回【みなつき句会】個人別投句集 (今回参加者8名・投句総数40句)
1、計 男
兼題句
薄氷にひっそりとして鴨ふたつ
雑詠句
「福はうち」声の聞こえぬ住宅地
節分の豆をつまみに鬼の面
壺焼きを焼く祖母の背の丸さかな
朝の雪転びニュースにならぬよう
「俳句」を初めて7年目です。「平和憲法を守る」をテーマに、本名でホームページを開設しています。http://www.shouki-hayashi.com/ 「俳句」も少しづつ掲載しています。 新俳句人連盟千葉支部報と道標東葛句会報を編集しています。ご笑覧頂ければ幸いです。 林計男(かずお) 2、祥 雲
兼題句
薄氷をパキと割る児の笑顔かな 黒土ゆにっと笑み立つ大根かな 3、 美 河
兼題句
薄氷に民の叫びの罅入りぬ
雑詠句 心から春を感じられるにはもう少し先になりそうです。皆さん風邪など引かないようにお過ごしください。
「イスラム国」の蛮行には怒りが収まりません。でもこう言う時代になったことを心に留めて置かなければなりませんね。
提案:会員の皆さんの「顔」が分かるように何処の県にお住まいなのかお知らせ頂くことは無理でしょうかご検討願います。 美 河
4、伏魔人
兼題句
薄氷を何枚踏んだか今日ある不思議
薄氷は、人生の時、場所を選ばずに存在する。それは、運命と遭遇の結果に決着をすける「選択」を強制する。その時、人間は「薄氷」の上を歩くことを余儀なくされる。また、その、踏んだ薄氷の数が、人間を造る・・・と、私は思う。
雑詠句
立春の期待はぐらし寒波来る
9日朝の気温は1℃。立春から一週間というのに・・・小学生は元気でしたが。
イヤホーンに北国の春外に雪
北国の春を聴きながら、庭に舞う雪を眺める・・・乙なものではありますが・・・。
雑草は春を離さじと土を噛む
雑草が小さい中にと、小春日和に庭に出ましたが、雑草は、しっかりと土を噛んでいて、容易には抜けませんでしたね。
芽は吹くも名前は呼べず花なくば
球根から元気な芽が伸びています。でも、何の花が咲くのか分からない・・・。私の庭です。 伏魔人
5、せいち
兼題句
薄氷に子供の声のはじけ出す
雑詠句
クローバの花輪は風の忘れ物
みんなして騒ぎしあとの余寒かな
初蝶のふはりと風に生まれけり
うかれ猫路地の稲荷で睨み合ひ
二月、「光の春」となりました。仲間が増えるのはありがたいです。
せいち
6、康 佑
兼題句
薄氷を履む夢を見て目覚めけり
雑詠句
蒼天にこぼれるばかりこぶし咲く
如月の海に迷える鴎かな
歴史ある駿府城跡のこもはずし
華やぐは上海の花白木蓮
上海から伊豆の古巣に戻り、水と空気の美味しさは格別です。
伊豆の早咲き桜、河津桜は寒波の影響で開花が遅れています。
水仙や菜の花やアロエが咲き誇り春の訪れが早いです。
自然を相手の俳句作りには最適な土地柄です。
康佑 7、海
みなつき会投句
兼題句
戦前へ懲りもしないで薄氷
雑詠句
湯豆腐や窓くもらせてぐつぐつと
居酒屋は他に客なし外は雪
ふりかざすナイフ冷たい荒野かな
春風を帆にはらませて舟はしる
海
8、半竹亭
兼題句
バードバス木の葉沈めて薄氷
雑詠句
蝋梅や花先駆けて香を放ち
朝日受け雪片ダイヤの 光る如
ポストマン霙凌いで凌いで走り行く
音もなく砕けて落ちる枝の雪
半竹亭
※ わかじさん、月香さんお休み。
以上
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第41回みなつき句会 選句結果 平成27年2月27日
二月は本当に早く過ぎます。後一週間で三月です。
特選句
39、戦前へ懲りもしないで薄氷
二月以降、日本は危うくなってきました。
踏みつぶせば後は一気の状況です。
良選句
20、鋤きゆける天地返しの春の土
春耕の一齣ですね。
23、壺焼きを焼く祖母の背の丸さかな
美味しそうだ。そして優しさが感じられる。
26、過疎の村愚直に生きし氷柱かな
そこに生まれて、そこで消えていきます。
28、朝の雪転びニュースにならぬよう
本当に笑いごとではないです。気を付けなければ。
特選句
8、薄氷を何枚踏んだか今日ある不思議
良選句
12、薄氷に民の叫びの罅入りぬ
20、鋤きゆける天地返しの春の土
26、過疎の村愚直に生きし氷柱かな
38、薄氷をパキと割る児の笑顔かな
*8、薄氷を何枚踏んだか今日ある不思議 薄氷は実際の薄氷と例えとしての「薄氷」、どちらもあっておもしろかったです。いざという時の判断、決断は薄氷を踏む思い。最近でも、判断を迫られます。字余りも実感がこもっていておもしろいです。今回秀作ぞろいだと思いました。
特選句
12、薄氷に民の叫びの罅入りぬ
良選句
7、ふりかざすナイフ冷たい荒野かな
26、過疎の村愚直に生きし氷柱かな
39、戦前へ懲りもしないで薄氷
40、薄氷を履む夢を見て目覚めけり
18、春光を蹴る児のあんよ乳母車
良選句
10、糸を繰る祖母の背中や日脚伸ぶ
21、薄氷にひっそりとして鴨ふたつ
25、蒼天にこぼれるばかりこぶし咲く
35、春風を帆にはらませて舟はしる
今回は好い句が沢山あり、選外にするのは勿体無い句がいくつか有り迷いました。
特選
16、薄氷に子供の声のはじけ出す
薄氷を見て子供らがはしゃいでいる様子ですね。声がはじけだす、という表現が歓喜に満ちています。
良選
10、糸を繰る祖母の背中や日脚伸ぶ
15、蝋梅や花先駆けて香を放ち
18、春光を蹴る児のあんよ乳母車
26、過疎の村愚直に生きし氷柱かな
このところ変わりやすい天候が続いています、体調にお気を付けください。 ※ 選句・わかじさん・月香さんお休み
以上
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第41回【みなつき句会】選句投票のお知らせ(今回は8名参加:投句総数40句です。)
日毎暖かさが増し梅の蕾も膨らみ始めました、春は直ぐ其処までやって来ています。
皆様体調は如何ですか、此れからは暖かい日や寒い日が繰り返します、風邪など召されぬようくれぐれもご自愛下さい。
下記の要領で選句投票をお願い致します。
記
1, 選句
特選句 1句
良選句 4句
計 5句
注・選句した句には投句集に付いている各NOを付け投票願います。
2, 投票締め切り 2月28日【土】 迄
3, 宛先 KUNI 【半作亭】
Qqv448hg9@lake.ocn.ne.jp へ送信して下さい。
4、皆さんからの簡単なメッセージも一緒にお願いします。
平成27年2月20日 海
※・・投句集
1、雑草は春を離さじと土を噛む
2、クローバの花輪は風の忘れ物
3、ポストマン霙凌いで凌いで走り行く
4、初蝶のふはりと風に生まれけり
5、立春の期待はぐらし寒波来る
6、節分の豆をつまみに鬼の面
7、ふりかざすナイフ冷たい荒野かな
8、薄氷を何枚踏んだか今日ある不思議
9、笹鳴きや日焼けし顔のガードマン
10、糸を繰る祖母の背中や日脚伸ぶ
11、歴史ある駿府城跡のこもはずし
12、薄氷に民の叫びの罅入りぬ
13、母の胸潰して足りぬ二・一の月
14、芽は吹くも名前は呼べず花なくば
15、蝋梅や花先駆けて香を放ち
16、薄氷に子供の声のはじけ出す
17、朝日受け雪片ダイヤの光る如
18、春光を蹴る児のあんよ乳母車
19、如月の海に迷える鴎かな
20、鋤きゆける天地返しの春の土
21、薄氷にひっそりとして鴨ふたつ
22、バードバス木の葉沈めて薄氷
23、壺焼きを焼く祖母の背の丸さかな
24、居酒屋は他に客なし外は雪
25、蒼天にこぼれるばかりこぶし咲く
26、過疎の村愚直に生きし氷柱かな
27、イヤホーンに北国の春外に雪
28、朝の雪転びニュースにならぬよう
29、湯豆腐や窓くもらせてぐつぐつと
30、黒土ゆにっと笑み立つ大根かな
31、華やぐは上海の花白木蓮
32、みんなして騒ぎしあとの余寒かな
33、音もなく砕けて落ちる枝の雪
34、「福はうち」声の聞こえぬ住宅地
35、春風を帆にはらませて舟はしる
36、田の土も黒に整え春隣
37、うかれ猫路地の稲荷で睨み合ひ
38、薄氷をパキと割る児の笑顔かな
39、戦前へ懲りもしないで薄氷
40、薄氷を履む夢を見て目覚めけり
以上
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