第47回 【みなつき句会】 講評2016年2月29日 康祐。俳句は季節の移ろいの中で見せる美しい日本の風土から生まれた芸術の一つと言われています。五七五の十七音に季節感と情感が込められた俳句は古代から多くの日本人に親しまれてきました。俳句には季語が使われ季節感をもたらします。
自然を全身で感じ取ることで健やかな毎日を過ごせると思います。改めて季語を大切にして俳句に親しみたいと考えます。今回も会員皆様の熱心な投句と選句投票には敬意を表したいと思います。下記に感想を記します。
1、落椿意思を持つかの良き間合ひ;椿の落下する間合い、時期を知っての上かどうか、命の尊さはかなさを考えさせる句です。 2、立春や昔なつかし金平糖:立春の菓子店で金平糖にお目にかかった。懐かしい。 3、ミサイルが飛んだ飛んだと日本人 :無季語。北のミサイルか、恐怖の瞬間です。
4、祈願より御朱印集め初詣:御朱印のスタンプラリーの神社が増えています。観光化した初詣、ご利益ありやなしや。 5、池の鯉跳ねて砕ける冬の月 :池に写る月、鯉が跳ねて乱れ散る月の瞬景句。
6、琴奨菊今日も勝ったと妻笑顔:無季語。声援を贈る奥様の喜びは大きい。若奥さんの力が大きかったという。次は綱取りにチャレンジ、期待は大きい。 7、穴熊に玉を納めて春を待つ :玉とはどんな玉、納める意味は、難解な句。
8、病みてのち十三回の春迎え:病と付き合い始めて13年、また春を迎える喜びの心境が伝わる句です。 9、朱の烏帽子脱げて真綿のねこやなぎ:猫柳の芽生え、真綿のような白い芽、初春の歓喜が伺える句です。 10、貧者とて兎見えるぞ寒満月:貧者でなくとも、想像するだろう。寒満月に兎を見る。幻想句。 11、雪吊や大気を締むる匠技:大気を締むる、とは大気のひもを締める意味でしょう。雪吊りは大気を締めるほど見事な匠の技だという表現句。 12、本物の初音の美声子猫かな:物まねの江戸や子猫の初音、春の訪れを感じさせる。 13、薄氷にすずめ呆けて池に落ち;ユーモア句、ありえない情景だが、あるかもしれませんね。 14、春立つもこわばる脚や歩の遅く;春です、しかし、歩行は遅く、少しずつ慣らすしかありませんね。 15、初雪や清めの塩と頷きぬ;初雪が清め塩のように白い。塩ともうなずける。 16、孫守りも立春大吉と思ひ;孫のお守りもおみくじが大吉と出るほど目出度いことと思いたい。 17、春立つや諭吉の墓に花がふえ;諭吉の墓と立春の関係は知らないが、春の訪れと同じくお花もふえてほほえましい。 18、蝋梅や冴えた冷気に香を放ち;蝋梅の香り、冷え切った大気に漂う。気分も上々です。 19、一軒の茅葺の家雪の里;雪の里に残る茅葺の一軒屋の情景句。昔なつかしい。 20、草庵の隠遁臥竜(いんとんがりゅう)竜の玉;無季語。三国志の故事、草のいおりに隠遁した諸葛亮、竜の玉の如く鋭い、という景でしょうか。作者の言わんとする趣旨は如何。 21、彼岸まで彼岸まではと八十年;彼岸まではと生きながらえて80年、養生してまだまだ頑張ってほしいですね。
22、春たちて畑(はたけ)は老いた夫婦のみ;春立つや畑に立つは老夫婦、では如何でしょう。若者は都会へ出ていない。春が来ても畑仕事は老夫婦のみ、侘しい。 23、山里に水音響く春近し;山里に春の音、水音は何より活気を与えてくれます。 24、あらましを聞いてより燗熱くしぬ;あらまし、とは何か事件でも。うれしい知らせなら良いが。 25、しもやけが寒波を呼ぶかこのかゆさ;しもやけが寒波を呼ぶ、とは妙な表現ですね。ますますかゆくなりそうです。 26、下萌の淡き緑の牧場かな;春の訪れ、下萌えの緑、待ちわびた春近しの感がありますね。 27、雑炊や絶好調の酔いの身に;酔いの身が絶好調とは、甚だオーバーな話、しかし、雑炊は美味しいのは良かったと思う。雑炊は冬の季語ですね。 28、スルメ焼くストーブ列車津軽弁;ストーブ列車ならではの情景ですね、スルメが上手そうです。 29、モンゴルの復讐楽しみ春相撲;復讐とは俳句にはふさわしい言葉ではないが、
春場所も近い。日本人横綱の登場を期待します。
30、冬薔薇やけなげに色を際立させ;待ちわびた春、冬薔薇もけなげに咲いている。花への優しさの気持ちがいい。 31、立春や屏風の虎が目を覚ます;虎が屏風から出てきそうな句、立春に目覚めと勢いを感じさせます。 32、元旦やいろいろあって家族かな;いろいろのこと思い出す。元旦に改めて家族のことなどが話題になります。 33、立春や旅行鞄もうずうずす;旅行鞄がうずうずするとは、春を迎え旅行への思いがはやる、ということでしょう。 34、早朝の通勤電車冴返る;冷え冷えした朝の電車、サラリーマンの辛い通勤の朝です。 35、大晦日張り切る祖母の煮しめかな;大晦日、昔と変わらず、祖母は煮しめ作りに励む。ほほえましい情景です。 以上 |
第47回句会
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第47回【みなつき句会】選句結果集計表 |
第47回 【みなつき句会】投句集 【先着順に掲載】
※兼題句
孫守りも立春大吉と思ひ
※雑詠句
落椿意思を持つかの良き間合ひ
あらましを聞いてより燗熱くしぬ
雑炊や絶好調の酔いの身に
穴熊に玉を納めて春を待つ
なんだか三寒四温の「寒」と「温」が激し過ぎです
せいち
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第47回【みなつき句会】選句結果一覧(先着順に列記)祥 雲 選
特選句 昔、母の里がこんな景でした。とても懐かしい景で惹かれました。
良選句 「冴えた冷気に」が効いていて、蝋梅の生態を巧く表現した良句です。
30、冬薔薇やけなげに色を際立たせ
「けなげに色を」が効いていて、冬薔薇の生態を巧く表現した良句です。
34、早朝の通勤電車冴返る
サラリーマン時代の早朝通勤を思い出させる良句です。
35、大晦日張り切る祖母の煮しめかな
我が家も料理上手な祖母でしたが、母にはあまり口出しをせず、巧くやっていました。煮しめは経験が必要ですね。
以上 祥 雲
特選句
31、立春や屏風の虎が目を覚ます
立春、待ちわびた春、虎が屏風から飛び出して来そうな立春!力強い。
良選句
4、祈願より御朱印集め初詣
御朱印のスタンプラリーが増えた神社、ご利益多し。
15、初雪や清めの塩と頷きぬ
21、彼岸まで彼岸まではと八十年
26、下萌えの淡き緑の牧場かな
寒暖差の激しい冬です。インフルエンザの患者が200万人超とか、この冬は主治医の勧めでインフルエンザと肺炎球菌予防ワクチンを接種してもらい安心できました。
以上 康祐 半竹亭選
特選句
35、大晦日張り切る祖母の煮しめかな
良選句
5、池の鯉跳ねて砕ける冬の月
19、一軒の茅葺の家雪の里
23、山里に水音響く春近し
26、下萌の淡き緑の牧場かな
以上 半竹亭
伏魔人選
特選句
1、落椿意思を持つかの良き合間
そうですね。滅多に重なりませんね。観察力に脱帽です。
良選句
10、貧者とて兔見えるぞ寒満月
意気込みがよい。「格差」を愚痴る御仁達・・・特に若い方に読ませたい。
13、薄氷にすずめ呆けて池に落ち
こんなこともあるのですね。まさか、認知症では!
19、一軒の茅葺の家雪の里
先日の「日曜美術館(NHK)に、沢山の茅葺の家を写生を残した画家の紹介がありました。
23、山里に水音響く春近し
山里ではありませんが、散歩の途中に、小さな流れがあります。併行して流れる本流の水は濁っていますが、こちらは清流。魚影も見えます。
* 連絡 大腸にガンが見つかり、入院ということになりそうです。もう年貢を納めても良いころ合いですし、特段にわが身に期待することもありませんが、少し寂しいきぶんです。「不落因果、不昧因果」・すべてはわが身が招いたこと・・・女房殿に苦労をさせるのが、気の毒ですが・・・。
しばらく、お休みとなるでしょう。再開・・・娑婆に戻れたら・・・の可能性が出てきたら、連絡します。ベッドのなかで、季語をわすれない作句の練習をしてみますかね。
以上 伏魔人
せいち選
このところ毎日日替わりのように、暖かだったり寒かったりです。
特選句
31、立春や屏風の虎が目を覚ます
今まで虎が冬眠していたかのようで面白い句です。
良選句
2、立春や昔なつかし金平糖
立春に金平糖がよく合っています。
4、祈願より御朱印集め初詣
収集の方へ傾いて行くのは人間の性かも。
5、池の鯉跳ねて砕ける冬の月
静かだった水面が途端に波打つ様子。
6、琴奨菊今日も勝ったと妻笑顔
季語はありませんが今が旬の句と思います。
以上 せいち
美河選
特選句 良選句
2、立春や昔なつかし金平糖 14、春立つもこわばる脚や歩の遅く 20、草庵の隠遁臥竜(いんとんがりょう)竜の玉 24、あらましを聞いてより燗熱くしぬ ※ いつもお世話になっています。寒い寒いと愚痴っている間に、もう春になってしまいました。とは言えまだ来る寒さの不意打ちには充分気を付けましょう。
以上 美河
海選
特選句
22、春たちて畠は老いた夫婦のみ
良選句
6、琴奨菊今日も勝ったと妻笑顔
11、雪吊や大気を縮むる匠技
14、春たつもこわばる脚や歩の遅く
24、あらましを聞いてより燗熱くしぬ
*「立春」というと暦では春、だけどもいつもまだ寒い。寒いけれども春を感じることができるのは、いつも耕している畑にいった時かもしれません。
以上 海
以上
★ 今回わかじさん、月下さん、計男さん お休みです。
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