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今年もF1が終わった。去年同様、素晴らしいシーズンの締めくくりだった。 昨年同様ポイントリーダーで最終戦ブラジルGPを迎えたハミルトン。5位以上なら自力でタイトル決定。一方ポイント計算上でタイトルの可能性があるのは、フェラーリのマッサ。自力で優勝すれば、ハミルトン6位でタイトルはマッサのものとなる。可能性を信じてマッサは向かう。 マッサはポールでハミルトンは4位。今年も雨が多いシーズンだったが、スタート直前にスコール。どうなるか分からないチャンピオン争いに、不確定要素が増える。ポールからスタートしたマッサは、スタートから順調にリードを築いていく。地元の声援も後押しになり、ウエットからドライへ変わる難しいコンディションのなか、トップを譲らずに第二スティントへ。 一方のハミルトン。ピットインのタイミングで5位以下に落ちることもあったが、それが落ち着くと5位をキープ。路面は完全にドライに変化。このまま各車第二スティントを走りきり、ピットインして第三スティントへ。 マッサは順調に周回を重ねていく。ファステストラップを取りながら、完璧なレース。ハミルトンは、同僚のコバライネンのサポートがなくなるものの、依然として5位キープ。安定したペースながら背後には3ピットストップ作戦で上がってきたベッテルが迫る。ベッテルに迫られはするが、周回を重ねるハミルトン。このまま終わるのかと思った残り10周。再び雨が落ちてくる。 ドライタイヤとウエットタイヤでのクロスオーバー近辺での周回。ウェット優勢かというところで、上位陣はトヨタを除いてピットインし、ウエットタイヤへ。 マッサ、アロンソ、ライコネンは順位変わらずに復帰。トヨタのグロックがステイアウトを選んで4番手にポジションアップ。以下ハミルトン、ベッテルと続いていく。このままならチャンピオンはハミルトン。ところが、後ろから来た周回遅れのクビサのペースが良く。ハミルトン、ベッテルに迫る。ハミルトンがクビサに先を譲った瞬間を、ベッテルは見逃さず、ハミルトンのインへ切り込む。オーダーはベッテル、ハミルトンと変わり、ハミルトンは6位へ。 これに盛り上がる観客の大歓声の中、マッサは優勝へひた走る。このままならばチャンピオンはマッサのものだ。ハミルトンは、このときスタートで履いたユーズドのウエットという不利な状況だったが、なんとかベッテルに食らいつき離されまいとするが、オーバーテイクの出来るような状況にはならない。雨足が強まる中ラストラップへ。 マッサはそのままトップを守りきってチェッカー。自らのチャンピオンを信じて結果を待つ。まず追いつけないのではないかと見られていたにも関わらず、マッサがチェッカーを受けた時の順位ならば、奇跡が起きるのだ。その時、ハミルトンはベッテルに離されずについていくのが精一杯。誰もがベッテルを抜き返して5位の座、チャンピオンをもぎ取るのは無理だと思われた。 そのまま最終コーナーへ向かって立ち上がるベッテルとハミルトン。差は到底抜けるような状況ではない。昨年に続いてハミルトンの手からチャンピオンがこぼれ落ちると思った時、そこにはドライタイヤでステイアウトし、雨が強くなって悪戦苦闘しているグロックがいた。ベッテルとハミルトンはそのままグロックの脇をすり抜けチェッカー。ベッテル4位ハミルトン5位。ハミルトンの最年少チャンピオンが決まった瞬間だった。 作られた様なドラマ。素晴らしいシーズンの締めくくり。しかし、こういう展開になったのは、チャンピオン争いをしている以外のドライバーもただ純粋に一つでも前の順位でゴールするという、ひたむきな行動を取ったからだ。これこそがレースであり、だからこそ感動を呼ぶ。 ハミルトンもマッサも、どちらも今シーズンのチャンピオンに相応しかったと私は言いたい。シーズン中いろいろなことが言われたにせよ、お互いチャンピオンを目指して全力を出し切った。 今までのハミルトンなら、最後の状況で無理をしてベッテルに挑み、取り返しのつかない状況に陥っていたかもしれない。しかし彼は、チャンピオンを信じ、諦めることなく周回を続けた。特に高速コーナーでタイヤの想定を上回るレベルで走れるドライバーは彼しかいない。その才能に加えて、今年は冷静さも兼ね備えていた。チャンピオンとして十二分に値する活躍だったと思う。 表彰式に堂々と現れたマッサ。もう誰も彼をナンバー2だとは言わないだろう。全力を出し切って、しかし足りなかった結果を受け入れる彼に、称讃以外に相応しいものはなかった。彼に足りなかったのは、ほんの少しの運だけだ。 終わってみれば、順位こそ違うものの表彰台の顔ぶれは昨年と一緒だ。しかし違ったのはハミルトンがチャンピオンを手にしていたこと。来年は、レギュレーションが大きく変わる。場合によってはたまたまうまく車を作れたチームによるシーズンになってしまい、去年、今年ほどのクロスゲームにはならないかもしれない。だからこそ、今年のシーズンには、より一層の価値があったと思う。もちろん来年も素晴らしいレースが行われるであろうことは、今シーズン、フェラーリとマクラーレン以外のウィナーが3人4勝していることからも、十分に考えられるし期待してもいる。 来年に向けての戦いは、既に始まっている。
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