うたかたばなし ―雄峯閣別棟―

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『狛犬誕生』を読む

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私自身は狛犬研究家ではなく、装飾彫刻がライフワークの一つなので、あまり差し出がましい意見はできませんが、著者の方に写真提供(法隆寺の獅子行道の写真)の縁がありましたので、書こうと思います。

もともとは獅子・狛犬と言われており、その由来は古代オリエントにあり、中国・朝鮮半島をへて日本に来たというのは、狛犬研究では定説とされていますが、文献・考古遺物を駆使して丁寧に論説してあります。

ただ、贅沢を言えば、角や翼に対する言及が詳しく欲しかった。著者の意図とは違ってくるかもしれませんが、2008年に奈良国立博物館で行われた特別展「天馬」では馬についてですが、聖獣化した経緯を
古代オリエントから日本まで取り上げています。そこで出てくるキーワードは「翼」でした。

さて、日本編について。ここでも丁寧に史料を読み解いています。歴史学・国文学・美術史学などその範囲は多岐にわたりますが、それを学術的に、史料を基にして叙述しています。

ここからは私の意見を。細かいことばかりですが。
『江家次第』は「故実叢書」にも収録されているのに、「古事類苑」を使ったのは非常に惜しいです。
「古事類苑」はあくまでも編纂された百科事典のようなもの。原典に当たって欲しかったです。

獅子・狛犬の用途についてわかりやすい例である「後醍醐天皇像」(清浄光寺蔵)、「白山三社神像」
(白山比メ【口に羊】神社蔵)が使われていないのも残念。筆者の意図がわからないので、なぜ使っていないか
わかりませんが、少なくとも、鎌倉〜室町期の獅子・狛犬の図像把握には使えると思うのですが…。

そして、狛犬起源で取り扱った神功皇后の説。「高麗の王は日本の犬なり」ですが、これのもとは
鎌倉時代末に作られた「八幡愚童訓」に「我等日本の犬となり、日本を守護すべし」から始まる
文章があり、江戸時代の考証家もこれを基にしたのでしょう。

これにピンと来たのは私が装飾彫刻の研究で神功皇后・武内宿禰の彫刻を見た時、記紀にあたっても
それにあたるエピソードがなく、『太平記』や「八幡愚童訓」にあたって出てきた、という経験が
あったからです。

なんだかんだと書きましたが、著者は狛犬研究歴30年。畏敬すべきです。
ここまでまとめあげて1冊の本にしたことは意義があると思います。
特に昨今は粗製乱造が進んでいるのか、読むに堪えない
本が増えている中で、狛犬研究をやっている方、文化史をやっている方には読んでほしい内容です。

昨日買って、1日じっくり読んでみましたが、取り敢えず気付いた点を。
  本の紹介など、どれだけ振りでしょうか。しかも、非常に異質な本の紹介。
  AKB48が集英社の企画で読書感想文を書いたといいます。
  それを直筆原稿のまま、出版したというのです。書に興味のある方、必見?

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企画で何か書いてもらうというのはあるでしょうが、まさか、直筆原稿のまま出版するとは…。
ワープロで打たれた画一的なものなら、私は買っていないでしょう。興味あるところは、
どのような字を書くか?その書き振りを見ることに尽きます。

書は人なり、と言います。文章はごまかせても、書き振りまではごまかせません。
また、その時の調子や心も出てきます。書は何が面白いか?と言いますと、それが読み取れるから。
なぞってみるとそのスピードなどを追体験できるのもいい。筆やペンも変わりはありません。

ただ、ナマモノですから、見ていると非常に疲れるのです。先日も東京国立博物館で「和様の書」
という展覧会をしており、私は見に行きましたが、どっと疲れました。活字だと、そんなことは
ないでしょう。それだけ直筆のものは、宿っているものが違います。

さて、85本の読書感想文は、全て直筆原稿のまま。かちゃかちゃと書いてあるもの、原稿用紙の
マス一杯に書いてあるもの、バランスのとれたもの、えらく右肩上がりのもの…多種多様です。
画一化された書き振りかなと思っていましたが、そうではありません。

しかし、見ていると相当体力を消耗します。直筆の字を追うわけですから、たとえば「は」の書き方
でも極論85通り(はねや回転を丹念に読み取れば、数パターンに分類できると思いますが)。
そんなことして何になる?と言われるかもしれませんが、直筆ならではの楽しみです。

そういえば、集英社は以前、新書で夏目漱石の『坊っちゃん』や太宰治の『人間失格』を直筆原稿
で出していました。
余りにもマニアックな感じもしますが、活字全盛(どころか当たり前)の世で、斬新な一冊です。
文章を読む、だけではなく、その人の書き振りを読む。そんな楽しみもありだと思います。
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半年に一度、「新本大バーゲン」という本の掘り出しもの市があるのですが、今回入手したのが

この本。『街角のデザイン文字』というタイトルです。

パラパラと読んだだけですが、何か見たことあるような文字ばかり。

この本の著者、私よりも先に寺社仏閣の扁額や石碑などに目をつけていたらしく、200ページ近く

そんなものばかり紹介されています。

こんな人もいるものだ、と思いつつも、偉大な先達がいるものだと嬉しくなりました。

しかし、負けられぬ、もっとサイトの充実を、と思う気持ちもまた然り。特に最近書の間は

更新していないので尚更です。

データ整理しなくては・・・。
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最近、忙しい合間に時間を見繕いつつ本読んでいるのですが、こんな本を読みました。

平凡社新書『星占いのしくみ』石井ゆかり・鏡リュウジ

私は占いなど信じないのですが、どのようなしくみなのかは興味がありまして、そのままのタイトル
でしたので購入しました。

星占い(占星術)は、生年月日、生まれた場所などからそのときの星の配置を割り出し、そこから何を読み
取るかと言うことらしいのですが、それを単純化したのが星座占いとかいうもの。

当然のことながら科学的根拠はありません。しかし、興味があるのはその根底に流れる思想。
星を見ることによって何を見ようとしたのか?また、科学の世の中、といいながらも未だに生きている
のはなぜ?不思議と言えば不思議。

で、ややこしいのは、この人(私)は興味が出るといっちょやってみようかとか、もう少し首を
突っ込んでみようかと考え出すこと。ホロスコープとかいうものは、今やネットで気軽に作れるそう。

物は試し、いっちょやってみてもいいのかもしれません。

絵で知る江戸時代

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久々に本棚のコーナーです。
今回紹介するのは高橋幹夫『絵で知る江戸時代』(芙蓉書房出版 1998年 3500円)。
絶版寸前の本、何とか手に入れました。

この本、何が書いてあるかというと、寛政元(1789)年に作られた『頭書増補訓蒙図彙大成』

の図版が全て紹介されています。図版も大きく出ているので見やすい。

文章については現代語訳(原典主義の私はそこが不満ですが)されており、読みやすい。

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『頭書増補訓蒙図彙大成』というのは、なんでも子どものために書かれた本らしい。子どものための

百科事典といえばいいでしょうか。そのわりには内容が濃い。宇宙・地理・人・身体・宝物・道具・

生き物・植物・神仏・そして芸事。一体、江戸時代の子どもとはどんなすごい連中かと思ってしまう。

内容が濃いといえば『和漢三才図会』が有名ですが、この本のほうが情報が限定されるとはいえ、

どれだけの事項が江戸時代の人々にとって当たり前だったかがつかみやすいかと思います。

拙サイトで繰り広げている装飾の解釈や区分けに大いに役立ちそうな一冊ですが、使いこなすには

まだ時間がかかりそうですし、これを踏まえたうえで江戸における知識やその浸透について考えて

いく必要がありそうです。

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