判例セレクト租税法

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43事件 譲渡の意義─財産分与(最高裁判決)
 
譲渡所得に対する課税の趣旨は、資産の値上がりより発生する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れてほかに移転する機会を捉えて、清算と課税をする事に有る。
 
譲渡所得が発生するには、資産譲渡が有償である事を要しない。
 
財産分与請求権は、離婚の成立によって発生し、実態的権利義務として存在するので、当事者の協議は、単にその内容を具体的に確定するものに過ぎない。
 
財産分与義務が履行される時にかかる義務は消滅するが、その分与義務の消滅はそれ自体一つの経済的利益と言える。
 
 


45事件 譲渡所得における収得費─借入金利子(最高裁判決)
 
個人が住居に使用するために不動産を購入する時には、代金の借り入れが必要となる場合があり、その場合には利子を支払う必要が有る。
 
この場合の利子は、一般には、その不動産の客観的価値を構成する金額には該当せず、また、その不動産を収得する為の付随費用に当たるとはいえない。
 
むしろ、それらの利子は、他の諸々の家事上の必要から資金を借り入れた場合の借入金に生じる利子と同じく、生活費や家事費に過ぎない。
右の借入金の利子は、譲渡所得の計算上の「資産の取得に要した金額」(38Ⅰ)とはいえない。
 
しかし、購入の後にその不動産に居住するまでの間の利子に付いては、その不動産をその収得にかかる用途に供する上での必要な準備費用と評価できる。
 
その金額は、不動産を取得するための付随費用に当たるといえ、取得費に含まれる。



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