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〔第24問〕(配点:3)
告訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例に照らして,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№47])
ア.弟甲から宝石を盗まれたとして同居していない姉Aが告訴した。捜査の結果,甲が宝石と一緒に現金を盗んでいたことが判明したが,Aは追加の告訴をしなかった。この場合,検察官が宝石と現金を窃取した事実で甲を起訴しても,親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。
イ.弟甲から宝石を盗まれたとして同居していない姉Aが告訴したが,後に告訴を取り消した。捜査の結果,甲が宝石と一緒に現金を盗んでいたことが判明したため,Aはこの現金を窃取した事実を告訴した。この場合,検察官が現金を窃取した事実で甲を起訴しても,親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。
ウ.弟甲から宝石を盗まれたとして同居していない姉Aが告訴した。捜査の結果,甲が宝石と一緒にAと同居している妹Bからも現金を盗んでいたことが判明したが,Bは告訴しなかった。この場合,検察官が宝石と現金を窃取した事実で甲を起訴しても,親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。
エ.胸を触られ強姦されそうになったことは許せない旨の強姦未遂の告訴を被害者から受けて捜査をした結果,強制わいせつの事実が判明した場合,被害者による強姦未遂の告訴は,それより軽い強制わいせつの事実を当然包含しているから,検察官が強制わいせつの事実で起訴しても,親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。
オ.深夜無理やり自動車に連れ込まれ強姦されそうになったことは許せない旨の強姦未遂の告訴を被害者から受けて捜査をした結果,わいせつ目的略取未遂の事実が判明した場合,強姦未遂罪とわいせつ目的略取未遂罪は,観念的競合又は牽連犯の関係に立ち,一方が他方を包含する関係にないが,被害者による強姦未遂の告訴があれば,検察官がわいせつ目的略取未遂のみの事実で起訴しても,親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ4.ウ オ 5.エ オ 検討
アについて、甲は宝石と一緒に現金を盗んでいるので、当然に告訴の効果は現金の窃盗にも及ぶ(客観的不可分の原則)。
なので、正しい。
イについて、告訴を取り消すと同一事件について再度告訴はできなくなり、一緒に盗んだ現金についても不可分の原則により告訴できない。なので、親告罪について告訴のない事実を起訴したことにならないことはない。
よって、誤り。
ウについて、宝石と一緒に現金を盗んで入るが、現金は妹Bのものである。告訴に主観的不可分の原則はあるが、それは共犯者についての話。Bについても別途告訴がないと起訴できないはず。
なので、誤り。
エについては組み合わせとの関係でとりあえずパス。
オについて、客観的不可分の原則は科刑上の一罪の場合にも及ぶとしても別に違和感はない。
なので多分正しい。
以上から、正解はイ、ウの3になる。
正答率が30%台の問題。
イの肢について判断するのに必要な知識である客観的不可分の原則と取消後の再告訴不可は基本的なもの。組み合わせにされることで正誤の判断を間違えたと思われる。
落ち着いて検討することが必要。
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司法試験短答過去問検討
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