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<強姦致傷罪>2審も35歳被告に「懲役50年」東京高裁

毎日新聞 6月27日(水)18時47分配信

 女性9人に対する強姦(ごうかん)致傷罪などに問われ、静岡地裁沼津支部の裁判員裁判で「懲役50年」とされた静岡県長泉町の無職、小沢貴司被告(35)の控訴審判決で、東京高裁(八木正一裁判長)は27日、1審判決(11年12月)を支持し、弁護側の控訴を棄却した。

判決によると、小沢被告は静岡県内で01〜10年、9人に乱暴するなどした。

被告は別の窃盗事件で09年に有罪判決が確定。地裁支部は、確定判決前後の事件を併合しないとの刑法の規定に基づき、01〜08年の5件を懲役24年、09〜10年の4件を同26年とした。求刑はそれぞれ有期懲役刑の上限の懲役30年だった。判決が確定した場合、被告は懲役26年の方から服役することになるとみられる。

控訴審で弁護側は「1審は法令適用を誤り、量刑はあまりに過酷」と訴えたが、高裁は「適用に誤りはなく、量刑動向に照らすと1審判決が不合理とは言えない」と退けた。【和田武士】




最高30年ぢゃないの!?と思った私はどうも勉強不足ですw


まず、「確定判決前後の事件を併合しない」部分についてですが、

刑法45条に
「確定判決を経ていない2個以上の罪を併合罪とする。 ある罪について禁錮以上の刑にする確定判決があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り併合罪とする」

とありまして、窃盗事件での有罪判決が「禁錮以上の刑にする確定判決」にあたり、併合罪になるのが前に犯した罪だけなので、先の強姦(致傷)罪と窃盗罪が併合罪になって、後の強姦罪は併合罪の関係にならないということなんですね。


そして、先の強姦罪は

刑法50条に
「併合罪のうちにすでに確定判決をへた罪とまだ確定判決を経ていない罪とがあるときは、確定判決を経ていない罪についてさらに処断する」

とありますので、窃盗罪の成立は関係なく裁判にかけられ、有罪判決がくだされるということになるんですね。

でもって、先の懲役24年の判決が出る、ということになります。


後の強姦罪についてですが、これは先の強姦や窃盗と併合罪の関係ではなく単純数罪の関係になりますので、別に裁判にかけられ、有罪判決がくだされるということになるんですね。

でもって、後の懲役26年が出るということになります。

これらの有罪判決については、併合罪の場合とは異なり規定がないことから単純に加算される関係になりますので、24+26=50ということなる、ということです。



次に、先に犯した強姦罪の24年ではなくて、後の26年を先に執行することについては、

刑訴法474に
「2以上の主刑の執行は、罰金及び過料を除いては、その重いものを先にする。」

とありますので、重い刑である26年を先に執行することになるんですね。

ただ、「とみられる」と記事にあるのは、同条但書に「検察官は、重い刑の執行を停止して、他の刑を執行させることが出来る」とありますから、検察官の判断によっては先の24年を執行させる可能性もあるから、ということです。


あと、窃盗罪についてはこの記事には何も書いてはいないのですが、場合によってはこの刑についても加算されることになりますので(刑法26条、51条)、50年よりも多い懲役となります。

代理人を立てた場合、法律行為をするのは誰か?という論点から考えてみました。

この場合の学説には、

①本人行為説
②代理人行為説

がありますが、

本人行為説からすると、代理は使者に毛が生えた程度の存在に過ぎず、代理で行ったというのは本人の法律行為の証明に資するための事実にすぎないので間接事実に当たる、となるのが素直な解釈なんでしょうね。

代理人行為説からすると、代理人が行った法律行為が本人に帰属すると考えますから、代理の存在(顕名&代理権の存在)も主要事実になる、と考えるのが素直なんでしょう。


去年の民事実務の問題で、時効学説の違いによって時効の完成が権利抗弁か事実抗弁か変わるということが出ていましたので、今年もよく似た問題が出るのではと思い、ちょっと考えてみました。

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