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未遂犯
・犯罪の実行に着手したが、結果発生なく犯罪が完成しなかった場合(44条)
・基本的構成要件を修正した構成要件(修正された構成要件)
Q未遂犯の処罰根拠
・主観説─処罰根拠を、危険な意思や性格の外部的表動に求める
危険な意思の表動には変わり無いので、既遂、未遂は同様に処罰される
・客観説─処罰根拠を、構成要件的結果を惹起する客観的危険性に求める
構成要件的結果の発生と危険性は異なるので、未遂犯と既遂犯は異なる
未遂犯は、44条により特別に処罰されると考える
Q実行の着手時期
・主観説─「範囲の飛躍的表動」といった犯罪意識が外部的に明らかになった時点を
実行の着手時期とする
未遂犯の成立範囲が広すぎる、未遂と予備罪の区別が困難との批判があ
る
・客観説─実行行為の持つ構成要件的結果発生の危険性を基準として、実行の着手
時期を判断する
・形式客観説─構成要件該当行為の開始時点を実行の着手時期とする
実行の着手時期の判断が遅すぎるとの批判あり
・修正形式客観説─構成要件該当行為、及び、これに密接に接着する行為開始時
を着手時期とする
・実質客観説
・実質的行為説─構成要件の実現に至る現実危険性を含む行為の開始時点
一年後に爆発する爆弾を仕掛けた場合のように、行為者の手を離
れた時点でも、実行の着手を認めざるを得ない場合もあるとの批
判ある
・結果説─結果的に法益侵害の危険性が具体的に発生した時
処罰すべき危険性の発生の有無から逆算して、実行の着手時期を判断す
る
「危険性の具体的な発生」の概念が不明確との批判がある
・「予備」─犯罪の実行に至らない準備行為の事
・「陰謀」─複数の者の間での犯罪の合意の事
Q(実質的行為説からの)現実的危険性の判断基準
・主観的要素を考慮しないとする説
・故意・過失のみを考慮する説
・故意・過失のみならず犯罪計画も考慮する説(判:クロロホルム事件)
・構成要件以外の事情を考慮、立証が他の説と比べて困難、未遂犯の成立時期を
早める、との批判がある
Q間接正犯の実行の着手時期
・利用者基準説─利用者の誘致行為開始時が着手時期
主観説、実質行為説から
・被利用者基準説─非利用者の行為開始時点
結果説から
・個別化説
Q不真性不作為犯の着手時期
・作為義務に反する不作為を始めた時点とする説
∵主観説から
・構成要件的結果発生の現実的危険性が発生した時点とする説
・すでに結果発生の危険性が発生している場合には、不作為を始めた時点が実行
の着手時期
・まだ発生していない時は、不作為で結果発生した時点が着手時期
Q結合犯の場合
・結合犯とは、それぞれ独立して犯罪となるものが結合して一個の犯罪となる場合
・それぞれの結合犯で異なる
不能犯
・行為者の行為が「未遂犯」としても評価されない場合
・ある犯罪が不能犯となっても、別罪を構成する場合がある
・不能犯となる場合として、「方法の不能」(行為の方法が結果発生不可能な場合)、「客
体の不能」(行為の客体が存在しないので、結果発生不可能な場合)「主体の不能」(行
為の主体を欠くため、発生不可能な場合)
Q不能犯とする判断基準
・主観説─行為者の主観的感情を基準として、結果発生の危険性を判断
・純粋主観説─行為者の主観的事情を基準として行為者が危険を感じるかどうか
・抽象的客観説─行為者の主観的事情を基準として、一般人が危険を感じるかどう
か
・客観説─行為自体の客観的事情を基準として、結果発生の危険性を判断
・純粋客観説─行為時の全客観的事情と行為後の事情を基準に、準科学的に判断
して危険性があるか判断
・具体的危険説─行為時に一般人が認識しえた事情と、行為者が特に認識していた
事情を下に、一般人が危険を感じるかどうかで判断
一般人が認識しえた事情を判断基準とするので、抽象的危険 説と変わりなくなるとの批判がある
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