弁護士倫理

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弁護士倫理25

 弁護士甲は、債権者から債務者乙と連帯保証人丙に対して提起された貸金返還請求訴訟の被告側の代理を依頼された。
 訴訟が継続していくうちに、訴訟追行にうんざりして来た保証人丙は、当初と異なり、徹底して争うよりも早く債権者と和解したいと考え、その旨を強く主張するようになってきた。一方、乙としては絶対に和解はしないと言い切っている。
 ①本問で、甲は事件を受任することができたか。②受任できたとしても、受任時に甲はどうすべきであったか。③乙と丙の意見対立が生じた現在、甲はどうすべきか。
 
 
①について。
 本問では、連帯保証人が債務を支払っても、債務者に求償出来ることから利害対立の余地がある。
 そこで、甲の事件の受任は、基本規定28条3号に反し許されないのではないか。
 この点、「利益が相反する事件と」の意義が問題となるが、潜在的に利害対立のおそれがあっても共同して訴訟を行うほうが結果的に利益に資することがある。
 そこで、利害対立が顕在化してくればかかる要件に該当し、事件を受任できないものと解する。
 本問では、甲の受任時においては乙と丙の意見対立が存在しておらず、利害対立が顕在化したとは言えない。
 よって、同条の適用はなく、甲は事件を受任することができた。
 
 
②について。
 本問では、保証人丙の求償権行使等により、訴訟の終了時にまで利害対立が顕在化するおそれがあったので、「利害対立の恐れがある」(32条)事件を甲は受任したと言える。
 そこで、甲は、受任に当たって、将来利害対立が生じた場合には辞任の可能性があることや他に不利益が生じることを、乙と丙に説明すべきである。
 
 
③について。
 本問では、事件処理の方法に関して意見対立が生じている。
 そこで、「利害が対立した」(42条)と言えるか問題となるが、事件処理の方針に関して対立した場合も同要件該当すると解する。
 そこで、甲は、速やかに利害対立が乗じた旨を告げて辞任をするか、事案に応じた適切な処置をすべきである。
 なお、「適切な処置」とは事案によりまちまちではあるが、本問では、両者に対して和解した場合の利益不利益を十分に説明し、両者の意見の集約を図ることと言える。

弁護士倫理24

 弁護士甲と乙は、依頼者から共同で交通事故により生じた損害賠償請求事件を受任した。しかし、裁判が進行するに連れて、両者の間で事件処理の方法について意見が対立し、感情的な関係にまで発展してしまった。
 甲と乙はどうすればいいか。
 仮に、説明義務が生じた場合、どのような説明をすべきか。
 
 
設問前段について。
 甲と乙は、基本規定41条により、説明義務が生じないか。
 ここで、甲と乙は共同で交通事故により生じた損害賠償請求事件を受任しており、「同一の事件を受任」している。
 また、両者の間で事件処理の方法について意見が対立してきているので「事件の処理について意見が一致」していない。
 よって、甲と乙は、同条により、依頼人に対して説明すべきである。
 
 
設問後段について。
 この点、説明責任は依頼者に不利益が生じることを防止することにある。
 そこで、その不利益を防止できる程度に説明すべきであり、具体的には、両者の意見対立の点、意見対立の原因、それぞれの意見で裁判を行ったときの見通し、それぞれの意見の利害得失などを明らかにして、丁寧に説明すべきである。

弁護士倫理23

 ①Aは、弁護士甲に対し事件の依頼をしたが、弁護士甲がまだ新人であるからか、信用が十分に置けないみたいであり、別の弁護士乙にも依頼して、両者で事件に当たって欲しいと言ってきた。
 甲は、その申し出を断って良いか。
 ②弁護士乙は、すでに甲に対して事件の依頼をしているAから、その事件に関するセカンドオピニオンを求められた。
 乙はどうすべきか。
 
 
①について。
 本問で、甲はAから事件を受任しているが、基本規定は他へ依頼することを妨げることを原則禁止している(40条)。
 よって、原則その申し出を断ることは出来ない。
 しかし、「正当な理由」有れば断ることが出来、その理由の意義が問題となるが、本条が依頼者の弁護士に対して事由に依頼し、以て依頼人の利益を保護することにある。
 そこで、他への依頼が却って依頼人にとって不利益になる場合にのみ、「正当な理由」があると解する。
 本問では、甲のキャリアの低さからAが自己の利益保護に疑いを生じているのであり、乙への依頼によって却って事件処理が困難になったり事件処理に時間がかかったりすることはない。
 よって、「正当な理由」はないと言える。
 従って、原則通り、甲は申し出を断れない。
 
 
②について。
 この点、基本規定は他の弁護士か受任している事件に不当に介入してはならないとしており(72条)、ほかにも、弁護士の互いの名誉と審議を重んじるよう求めている(70条、71条)。
 そこで、乙は、甲の能力を不合理に批判したり、甲では事件の有利な解決は望めないと不安を煽ったりして、自分に対して試験の依頼をするような事はしてはならない。
 さらに、その意図がなくても、不当な介入等と誤解されることがないように、慎重な説明をすべきである。

弁護士倫理22

 弁護士甲は、外国人から昨日、在留期間更新の不許可決定を受けた旨の相談を受けた。
 そこで、甲はその外国人に対しその決定を覆すことは出来ない旨の説明をし、その決定を信じた外国人は母国に強制送還された。
 甲の対応に問題はあるか。
 乙からの依頼に対し、通説や判例と異なる説明をした場合はどうか。
 
 
設問前段について。
 本問において、外国人に対する決定に対しては、抗告訴訟で対応できることは基本的な知識であり。容易に調査できるものである。
 そこで、相談に対してその事実と異なる説明をすることは必要な法令の調査を怠ったと言わざるをえず、弁護士法2条、基本規定7条、37条に反する。
 
 
設問後段について。
 本問では、通説や判例と異なる説明をしているが、かかる説明は上記条文に反しないか。
 たしかに、紛争が裁判所で解決されるようになれば、通説や判例に沿った形で処理されることが予想され、依頼人に対しての説明は通説や判例にそったものであるべきとも思える。
 しかし、そもそも弁護士の使命は、通説や判例をなぞることにあるのではなく、変革する社会に適合する法解釈の創設に向けて努力することにもある。
 とすると、通説や判例にそわない説明や事件処理をしたからと言って、直ちに本条に反するものとは言えない。
 よって、本問弁護士の説明は、直ちに上記規定に反することはない。

弁護士倫理21

 弁護士甲は、依頼者から損害賠償請求の依頼を受けながら、3年以上放置していた。その理由が、①甲が多忙であったため、②依頼者が必要な書類を持ってこなかったため、③着手金に支払いがないため、であったばあい、どのような問題があるか。
 
 
①について。
 本問では、甲の多忙故に放置している。
 この点、基本規定35条では速やかな事件処理をすべきことを定めているが、事件を受任した以上、多忙を理由に事件の処理を遅らせることは許されない。
 よって、甲は、依頼した事件を速やかに処理すべきである。
 
 
②について。
 本問では依頼者が必要な書類の持参を怠っており、事件の性格な把握が困難である以上、甲が事件を処理しないこともやむを得ないとも言いうる。
 しかし、その場合でも、依頼者に対して係る書類の重要性を説明し、すみやかに入手するように依頼者に助言・指導などをすべきであり、弁護士が変わってニ入手できるものは弁護士自ら入手すべきである。
 とすると、かかる措置をしないまま、漫然と依頼者が書類を持ってくるのを待っていたのでは、善管注意義務を果たしたとは言いがたい。
 よって、甲は、受任した事件を「遅滞なく処理」すべく、上記措置を取るべきである。
 
 
③について。
 本問では依頼者の着手金に支払いが無い故に放置されているが、弁護士の事件の依頼は有償委任であるので、かかる場合に事件処理に着手しないことは許されると言える。
 しかし、ただ漫然と待つことは依頼者の利益実現にとっては有益ではない。
 そこで、弁護士は依頼金が支払われないことにより生じる不利益を説明し、着手金の支払いを促す措置をとるべきである。
 よって、甲は、上記措置を取るべきである。

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