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65 賃料増額請求事件(最高裁判決)
「収入すべき金額」(旧所得税法10条1項)と規定していることから、同法は権利確定主義を採用していると理解され、その権利が確定する時期はそれぞれの権利の特質を考慮して決定すべきもの。 賃料割増請求による増額賃料債権については、それが賃借人により争われたときは、原則として、その債権の存在を認める裁判が確定した時に権利が確定したと理解すべき。 しかし、増額賃料債権についてなお係争中であっても、この債権の金額につきすでに金員を受領して現実の所得があったと見ることができる状態が生じたときは、その受領した年の収入金額とすべき。このことは仮執行宣言による金印の受領でも同じ。 なぜなら、債権者は、未確定と言いながらも判決に基づき有効に金員を受領しており、仮に、将来仮執行の宣言の効力がなくなる自体になっても更正の請求によって遡って所得がなかったものとされるので、特に不都合はないから。 |
判例セレクト租税法
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61事件 交際費の意義─オートオークション事件(高裁判決)
租税特別措置法62条3項は、「交際費とは…法人が…事業に関係有る者等に対する接待…(などの)行為の為に支出するもの」と規定しており、また、交際費などは、得意先との親睦等を密にして取引関係の円滑な親交を図る為に支出するもの。
要件として、①支出の相手方が事業に関係のある者であること、②支出の目的が、接待、供応、贈答などの為であるとことが必要。
本件費用が「交際費」に当たるか検討すると、本件オークションに参加するには、古物許可証を有する者で、本件オークションの会員契約を締結した者であり、かつ、本件オークションに参加を承認された者、又は、参加を特別に認められた者であることが必要なので、本件費用の支出の相手方は「事業に関係のある者」に限られている。
本件費用は、抽選会での会員に対する贈答やそれに類する行為のために支出されたものであり、また、Xの主張によれば、抽選会の開催により休眠状態に有る会員を参加させ、夜遅くまでオークションに参加させるをことを意図していたのであるから、得意先等の事業関係者に対する贈答等の行為によって取引関係の円滑な親交を図る為に支出したものである。
よって、本件費用の支出は上記の要件を満たしており、「交際費」などに当る。
100事件 青色申告に対する更正の理由付記(最高裁判例)
更正の理由を付記させる趣旨は、更正処分庁の判断の慎重や合理性を担保してその恣意を抑制させる事と、更正の理由を相手方に知らせて不服申し立ての便宜を与える事。
帳簿書類の記載自体を否認して更正する場合は、単に更正に係る勘定科目とその金額を示すだけでなく、更正をした根拠を帳簿記載自体以上に信憑力の有る資料を摘示することによって具体的に明示すべき。
帳簿書類の記載自体を否認しないで更正する場合は、更正の理由が帳簿以上に信憑力の有る資料を摘示するものではないとはしても、理由付記の趣旨を充足する程度に具体的に明示すべき。
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52事件 低額譲渡と法人税法22条2項(最高裁判決)
譲渡時における適正な価格より低い価格でする低額譲渡は、22条2項にいう「資産の譲渡」にあたるのはいうまでもない。
無償譲渡の場合と公平を図る為、低額譲渡における「益金」の額に算入すべき収入の額には、当該資産の譲渡価格とその資産の適正な価格の差額も含まれるべき。
そのことは、37条7項が、低額譲渡の際の譲渡価格と適正な価格の差額の内、実質的に贈与をしたと認められる金額が寄付金に含まれるとするここと整合する。
55事件 脱税工作の為の支出金の損金性(最高裁判決)
架空経費を計上して所得を秘匿する事は、公正処理基準に照らして否定されるべき。
本手数料は、架空経費を計上する為の会計処理に対して支払うもので、法人税を免れる為の費用である。
公正処理基準から、その手数料を損失として損金に算入する事は許されない。
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46事件 一時取得─取得時効(東京地裁判決)
取得時効による所有権の取得は実体法上では時効の援用時に成立するのみならず、その援用によって占有者が当該資産に付いて時効利益を享受する意思が明らかとなり、かつ、収得時効による一時所得に係る収入金額の計算も可能になる。
所得税法上、右援用時に一時所得に係る収入金額が発生する。
一時所得の金額の計算で控除できる費用は、収入を生じた原因の発生に伴い直接要した費用に限られる。
(登記請求訴訟に関連した)弁護士費用やそのほかの費用は、一時所得を計算する為の控除費用に当たらない。
49事件 配偶者控除(最高裁判決)
「配偶者」(83、83の2)とは、納税義務者と法律上の婚姻関係にある者に限られると理解すべき。
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43事件 譲渡の意義─財産分与(最高裁判決)
譲渡所得に対する課税の趣旨は、資産の値上がりより発生する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れてほかに移転する機会を捉えて、清算と課税をする事に有る。
譲渡所得が発生するには、資産譲渡が有償である事を要しない。
財産分与請求権は、離婚の成立によって発生し、実態的権利義務として存在するので、当事者の協議は、単にその内容を具体的に確定するものに過ぎない。
財産分与義務が履行される時にかかる義務は消滅するが、その分与義務の消滅はそれ自体一つの経済的利益と言える。
45事件 譲渡所得における収得費─借入金利子(最高裁判決)
個人が住居に使用するために不動産を購入する時には、代金の借り入れが必要となる場合があり、その場合には利子を支払う必要が有る。
この場合の利子は、一般には、その不動産の客観的価値を構成する金額には該当せず、また、その不動産を収得する為の付随費用に当たるとはいえない。
むしろ、それらの利子は、他の諸々の家事上の必要から資金を借り入れた場合の借入金に生じる利子と同じく、生活費や家事費に過ぎない。
右の借入金の利子は、譲渡所得の計算上の「資産の取得に要した金額」(38Ⅰ)とはいえない。
しかし、購入の後にその不動産に居住するまでの間の利子に付いては、その不動産をその収得にかかる用途に供する上での必要な準備費用と評価できる。
その金額は、不動産を取得するための付随費用に当たるといえ、取得費に含まれる。
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