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40事件 2重利得法(松山地裁判決)
右各売買及び交換による所得のうち、Xが対価を得て継続的に売買する意図で宅地造成に着手する直前における右造成地の価格をもって譲渡所得とし、そのほかの所得を持って事業所得とする。
42事件 譲渡の意義─負担付贈与(最高裁判決)
「贈与」(60条1条1項)には、贈与者に経済的な利益を生じさせる負担付贈与は含まないと解する。
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判例セレクト租税法
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37事件 ストックオプション課税─給与か一時所得か(最高裁判決)
本件ストックオプション制度は、役員や従業員の精勤への動機付けとすることが目的とされている。
A社は、Xが職務を遂行しているからこそ、ストックオプション制度に基きストックオプションを付与したものであり、職務執行の対価としての経済的性質を有する。
本件のストックオプションの権利行使は、労務の対価として給付されたものであり、給与所得に該当する。
38事件 退職金事件
退職所得にあたるかに付いては、その名称に関わらず、退職所得の意義に付いて規程した同法30条1項の規程の文言や優遇課税としている趣旨にてらして決定すべき。
「退職により一時に受ける給与」に当たるには、(1)勤務関係の終了により始めて給付される事、(2)勤務に対する報酬ないし勤務への一部の後払いとしての性格を有する事、(3)一時金として支払われる事、との要件を満たす必要が有る。
「これらの性質を有する給与」に当たるためには、上記の要件を全て満たしていなくても、実質的にはその要件を満たし、課税上、「退職により一時に受けとる給与」と同じように扱う事が相当と言える事が必要。
本件の10年定年制度は、これまでの勤務関係をそのまま継続させる事を予定しており、初めからそのように運用する事が意図されていたものと言える。
10年定年制度がそのような運用が意図されていた場合で、従業員が継続的に雇用されていた場合には、従業員は10年で退職したものと見ることは困難。
そのような勤務体系に関わらず10年で退職したものと評価するには、制度の客観的な運用として従業員が10年で退職するのを原則的な運用としている事、及び、現に存続している勤務関係は新たな雇用契約に基くものであるとの実質が有るとの特段の事情が必要。
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33事件 事業所得と給与所得の区別(最高裁判決)
事業所得にあたるか給与所得にあたるかは、租税負担の公平を図る為に、所得をそれらに分類し種類に応じた課税を定めた法律の趣旨に照らし、当該業務や労務及び所得の態様などを考察すべきである。
弁護士の顧問料に付いても、一般的抽象的に事業所得にあたるか給与所得にあたるかを決められず、顧問業務の具体的内容に応じて判断すべき。
一応の基準として、事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営んでおり、営利性や有償性を有し、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生じる所得の事。
給与所得とは、雇用契約などに基き使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受け取る給付のことを言う。
給与所得に付いては、空間的・時間的拘束を受け、継続的な労務の提供をした、その対価であることを重視して判断すべき。
34事件 組合員が組合から受ける給与─りんご生産組合事件(最高裁判決)
利益の配当に当たるか給与所得にあたるかは、支払い原因となった法律関係に付いての組合や組合員の認識、労務の提供や支払いの具体的態様などを考察して客観的、実質的に判断すべき。
本件では、作業時間を基礎として日給制でその金額が決定されており、一般作業員との日給の違いも作業量や熟練度の違いなどを考慮したもので、支払いの方法も、一般作業員と同じく、原則として毎月所定の給料日に手渡されている。
作業時間はタイムカードで管理されており、作業内容も一般作業員と基本的に異なる所はなく、また、異なる所も熟練度の違いによるもの。
以上から、Xが得た所得は組合からの利益配当ではなく、給与所得にあたると言うべき。
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29事件 株主優待金の利子所得該当性(東京高裁判決)
預金は、銀行などの金融機関が、不特定多数の預金者から同額の金銭の返還を約して預託を受けた金銭であり、預かった金銭をそのまま保管するのではなく、消費して、返還する時は同額の金銭で行なえばよいものである。
そこで、預金は消費寄託(民法666)の性質を有するものである。
「預金」(所9条)も、消費寄託の性質を有する金銭と理解すべきである。
30事件 株主優待金の配当所得該当性(最高裁判決)
所得税法は、利益配当の概念として商法と異なる概念を採用しているとはいえないので、商法と同じ利益配当の概念を採用していると理解すべき。
所得税法の利益配当には、適法になされた配当のみならず不適法とされる利益配当も含まれるべき。
しかし、本件の優待金は、損益計算上利益があるか否かに関わらず支払われているものであり、株金の出資に対する配当金として支払われてるものとは認められない。
優待金は、利益配当に当たらないので、源泉徴収の義務を負わない。
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27事件 所得税法56条の適用範囲─弁護士夫婦事件(最高裁判決)
56条の趣旨は、事業を営む居住者と密接な関係に有る者が受け取る対価の支払いをそのまま必要経費にする事を認めると、納税者間の税負担の不均衡が生じる恐れがあるので、その不均衡を回避することである。
その趣旨から、住居者と生計を一にする配偶者やその他の親族が住居者と別に事業を営む場合でも、要件を満たせば、56条が適用される。
28事件 不法な所得─制限超過利息(最高裁判決)
一般に、金銭消費貸借上の利息・損害金は、その履行期が到達すれば現実に回収されていなくても、「収入すべき金額」(旧所得税法10条)にあたり、所得を構成すると理解されているが、それは、収入実現の蓋然性が高いから。
しかし、利息制限法違反の超過利息・損害金に付いては、その基礎になる約定事態が無効であって、期限が来ても債権は生じない。
貸主は、借主が、法律上の保護を受けずに任意の支払いをしてくれるかもしれないと事実上期待出来るだけであり、収入実現の蓋然性は高くない。
制限超過の利息・損害金は、履行期が到来しても債務者からの支払いがない限り、「収入すべき金額」とはならない。
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