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〔第20問〕(配点:2)
没収と追徴に関する次の【記述】中の①から⑧までの()内に,後記アからシまでの【語句群】から適切な語句を入れた場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№39]) 【記 述】
「刑法第19条により没収の対象とされているのは,例えば,犯罪を組成した物として(①),犯罪行為の用に供した物として(②),犯罪行為によって生じた物として(③),犯罪によって得た物として(④)がある。同条は,任意的な没収を定めた規定であるが,刑法上,必要的没収となるものとしては,(⑤)がある。没収は,罰金,(⑥)と並ぶ財産刑の一種であり,(⑦)を言い渡す場合に付加して言い渡すことができるものである。これに対し,追徴は,没収が不能となった場合に認められる(⑧)である。」
【語句群】
ア.殺人に使用された包丁イ.賭博に勝って得た金品 ウ.文書偽造罪における偽造文書エ.偽造文書行使罪における偽造文書 オ.犯罪行為の報酬として得た金銭カ.収受した賄賂 キ.過料 ク.科料 ケ.自由刑 コ.主刑 サ.換刑処分シ.付加刑 1.①ウ ②ア ③エ ④カ ⑤オ⑥ク ⑦ケ ⑧シ 2.①ウ ②エ ③イ ④オ ⑤ア⑥キ ⑦コ ⑧サ 3.①エ ②ア ③ウ ④イ ⑤カ⑥ク ⑦コ ⑧サ 4.①エ ②ア ③ウ ④オ ⑤カ⑥ク ⑦コ ⑧シ 5.①カ ②エ ③ウ ④イ ⑤オ⑥キ ⑦ケ ⑧シ
検討
とりあえず①から④まではパスをする。
⑤の、必要的没収されるのは賄賂(これは基本的な知識)なので、カが⑤に入り、1,2,5が切れる。
3,4の⑥と⑦が同じクとコとなっているので検討しない。
⑧については、没収が付加刑であるのでシが入りそうにも思えるが、「没収が不能となった場合に認められる」との前振りからより馴染みやすい言葉である、サ,換刑処分を選ぶ。
答えは3になる。
旧司法試験の刑法ほどではないが、テクニックが必要とされる問題(最初に記述を穴埋めせずにひと通りざっと読む)。
①から馬鹿正直に穴埋めをすると⑧でつまらないミスをするので注意する。
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司法試験短答過去問検討
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〔第13問〕(配点:2)
責任能力に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているも
のの個数を後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№26])
ア.犯行時に14歳未満であっても,公訴を提起する時点で14歳に達していれば,刑事責任能力が認められる。
イ.犯行時に成年に達していても,犯行時の知能程度が12歳程度であった場合には,刑事未成年者に関する刑法第41条が準用される。
ウ.犯行時に心神耗弱の状態にあったと認められれば,刑が任意的に減軽される。
エ.犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても,行動を制御する能力が十分に保たれていれば,完全責任能力が認められることがある。
オ.飲酒当初から飲酒後に自動車を運転する意思があり,実際に酩酊したまま運転した場合,運転時に飲酒の影響により心神耗弱の状態であっても,完全責任能力が認められることがある。
1.1個 2.2個 3.3個 4.4個 5.5個 検討
アについて、そんな阿呆なということで、間違い。
イについて、これも条文を知っていればそんな阿呆なということで、間違い。
ウについて、減刑は任意的ではなく、必要的にされる。間違い。
エについて、是非善悪判断能力と抑制能力双方がないと責任能力は認められない。間違い。
オについて、これは「原因において自由な行為」の話を言っている。正しい。
4つ誤っているので正解は4になる。
柱書に「判例の立場」などど書いてあるが、そんな知識は全く要らない。
正答率が40%台の問題だが、柱書の文言に騙されて、ウの肢で引っかかった受験生が多いと考えられる。
うろたえずに問題を解くことが必要。
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〔第4問〕(配点:2)
次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,甲に乙又は乙社に対する脅迫罪が成立するものの組合せは,後記1から7までのうちどれか。(解答欄は,[№9])
ア.甲は,乙に対し,乙の妻の実兄である丙を殺害する旨告知し,乙は丙が殺されるかもしれない旨畏怖した。
イ.甲は,乙株式会社総務課長丙に対して,乙社の商品不買運動を行って乙社の営業活動を妨害する旨告知し,丙は,乙社の営業活動が妨害されるかもしれない旨畏怖した。
ウ.甲は,インターネット上の掲示板に乙が匿名で行った書き込みに対し,同掲示板に「そんな投稿をするやつには天罰が下る。」旨の書き込みを行い,これを閲読した乙は,小心者だったことから,何か悪いことが起こるかもしれない旨畏怖した。
エ.甲は,口論の末,乙に対し,「ぶっ殺すぞ。」と怒号した。この様子を見ていた周囲の人たちは,甲が本当に乙を殺害するのではないかと恐れたが,乙は剛胆であったため畏怖しなかった。
オ.甲は,単身生活の乙に対し,「乙宅を爆破する。」旨記載した手紙を投函し,同手紙は乙方に配達されたが,同手紙には差出人が記載されていなかったことから,不審に思った乙は同手紙を開封しないまま廃棄した。
1.ア イ 2.ア ウ 3.ア エ 4.イ エ 5.イ オ 6.ウ エ 7.ウ オ 検討
アについて、脅迫の相手は親族も含み、妻の実兄は三親等内の姻族だから「親族に」あたる。
なので、成立する。
イについて、法人相手には脅迫罪は成立しない。仮に、この知識がなくても取締役ならいざしらず総務課長相手では成立させるとするのは感覚的には変。
なので、(多分)成立しない。
ウについて、「天罰がくだる」という程度では「害悪を告知」したとは言い難そう。
なので、多分成立しない。
エについて、実行行為性の判断は一般人が認識し得た事情と行為者が特に認識していた事情を元に判断するので、そこから考えると「周囲の人達」が恐れる程度の発言で十分「脅迫」の実行行為性は認められるはず。
なので、多分成立する。
オについて、手紙を開封されないと発言内容を乙は知りえず、意思決定の自由を侵害されようがない。
なので、多分成立しない。
ここから、答えはアとエの3になる。
正答率50%台の問題。
しかし、答えを導き出す為の知識はそんなに細かいところまではいらない。予備校の薄いテキストに書いてある内容で十分。
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〔第53問〕(配点:2)
匿名組合員及び合資会社の有限責任社員に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述に係る匿名組合契約又は合資会社の定款には,特約又は別段の定めがないものとする。(解答欄は,[№59])
ア.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
イ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,営業者又は合資会社の業務を執行することができる。
ウ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,重要な事由があるときは,いつでも,裁判所の許可を得て,営業者又は合資会社の業務及び財産の状況を検査することができる。
エ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は,出資が損失によって減少したときは,その損失が塡補された後でなければ,利益の配当を請求することができない。
オ.匿名組合員及び合資会社の有限責任社員が出資した財産は,営業者又は合資会社に属する。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ4.ウ エ 5.ウ オ 検討
アはその通り。
イは、有限責任社員や匿名組合員どちらについても業務執行権はない。あやまり。
オは、その通り。
以上から、正解は2。
細かい話(正答率40%台)とも思えるが、旧司法試験向けの予備校の薄いテキスト(コンディバ&Cブック)に書いてある内容で十分解ける。
また、匿名組合についての知識はなくても、民法上の組合と違い単なる出資者でしかないというイメージがあれば、正解にたどり着けると思う。
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〔第58問〕(配点:2)
当事者に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。(解答欄は,[№65])
1.債務者の債権を差し押さえた差押債権者は,第三債務者に対する取立訴訟の原告となることができる。
2.特定不動産の受遺者が,遺言の執行として当該不動産の所有権移転登記手続を求める訴えを提起する場合において,遺言執行者がいるときは,相続人ではなく遺言執行者を被告としなければならない。
3.民法上の組合において,組合規約により自己の名で組合財産を管理し対外的業務を執行する権限を与えられた組合員は,組合財産に関する訴訟の当事者となることができる。
4.株式会社の支配人は,当該株式会社のために,その事業に関する訴訟の当事者となることができる。
5.認知の訴えにおいて,被告とすべき父が死亡している場合には,検察官をその訴えの被告としなければならない。
検討
「判例の趣旨」なんて書いてあるけど、判例なんか知る由もない。なので、感覚で解いていく。
1については、差し押さえしたんなら、当事者として訴訟を遂行できるでしょう。多分正しい。
2については、これは、民法のテキストに書いてある判例。正しい。
3と4は保留。
5については、被告とする父が死んだら残された相手は検察官しかない。正しいはず。余談だが、トミーズの雅さんが検察官を相手に審理をしたことがあるらしい。
3と4について検討すると、自己の名前で「財産管理と業務執行」する権限を与えられていたら、当事者として訴訟遂行できないことも無さそう。
一方、4については代表取締役ですら当事者として訴訟遂行できないのに、支配人にできるわけがない。
ここから、間違いは多分4ということにする。
「判例の趣旨」等と書いてあっても、判例の知識がなくても十分解ける問題はたくさんある。
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